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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 不眠症でも恋がしたい! 第5話。もう、完璧に出来てますけどね。「男女が同じ布団で寝る」と言う言葉が、ほんとに字義通りの意味のみで成立するというレアケースな作品。

 Aパートの切実さは前回通り、いや、実地での体験なので前回以上か。あんなもん、寝られるわけがない。普段と違う環境で、周りには雑音があまりに多く、すぐ近くに大して親しくもない人間の気配が常にあり、疲れているという純粋な肉体的苦痛を伴い、さらに明朝は早く起きなきゃいけないというプレッシャーもある。寝られない理由のオンパレードである。おまけにこの日は雨まで降りまくり、もう全ての環境が不快のMAXを更新。こんな状況でぐーすか寝ていられる人間の神経が分からない。丸太は普段以上に不眠に追い詰められ、全ての事物への嫌悪を重ねていく。前回の一件で多少なりとも距離が縮まったチャラ男であったが、残念ながらお互いに歩み寄るなんてことにはならず、チャラ男側から一方的に丸太にまとわりつくだけ。丸太側の事情など汲み取ってくれる繊細な神経は持ち合わせていなかった。

 そうして切羽詰まった地獄のような2日目の夜。「かわいそうだなぁ丸太」と私が本当に同情し、苦しくなっているところに変化が訪れる。そう、寝られないなら諦めて起きようの精神。こっそりカメラを持ち出した丸太を待っていたのはもちろん伊咲だった。はいー、もう報われたー。どんだけ寝られなくても夜中に女の子と逢引きできるならもう報われたよー。流石に1日目の雨の中では出会えなかった2人だが、約束通りに晴れた夜空の下ではきちんと待ってくれていた。畜生、同情して損した。いや、不眠についての根本的な解決は出来てないのだが……でも、あんだけ楽しそうに2人してはしゃいでりゃ、そりゃもうどうでもいいよね。伊咲の方も一応眠れない苦しみはあったはずなのだが……やっぱり同病が相憐れんでいれば痛みも和らぐということだろうか。

 今作はどこまでいってもラブがメインの作品なので、伊咲が待っていたあの海岸がとにかく楽しく、美しくあればそれでいい。満天の星空の下、海に輝く星々の影が本当に綺麗。美しい景色と可愛い女の子。それ以上何を望むというのだろうか。共同作業の写真撮影も少しずつ慣れてきており、きちんと共通の目標を持った「部活仲間」の連帯感を強い。互いに、一緒にいる時が一番眠れるという認識も共通しており、何から何まで一緒にいることが幸せという本当に腹の立つカップルである。まぁ、ここまでピッタリだと他所から文句を言うのも野暮だしなぁ。ゆっくり休んで、ゆっくり一緒にいればいい。

 ちなみに、あんまりわざわざ書くようなことでもないが、私の場合はどんだけ親しくても隣に人が寝てる状態はとてもとてもダメです。ダメでした。もう、そういう人生だと思って諦めるしかないのです。

 

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 てるてる坊主に髪の毛描いたら雨降るって言われなかった? 第4話。どうなんだろ、これってうちの周りだけの話なんだろうか……一応ググってみたけど「顔を書くと雨が降る」みたいな言説はちらほら見かけるな。まぁ、「坊主」言うてるんやから髪を描いたらご利益薄れる説はあるかもしれん(もっと調べると、そもそも起源は坊主ですらない模様)。

 そんなわけでじっとり雨模様の4話目。「星空」をテーマとする作品での雨模様は、それだけで陰鬱な要素が倍増した気がしますね。別に作中ではそこまでヤなことが起こっているわけじゃないのだけど、元々若干はみ出し者だった丸太が他の連中からの理解を得にくいのは当然と言えば当然の話。しかし……最後のあの教師はマジで腹たったな……寝られる人間は寝られない人間の気持ちなんか分からんのやろなぁ。「昼間に身体を動かせば自然と寝られる」「寝られなくてもしばらく布団に入ってたら眠くなる」。不眠で悩む人間はな、そんなん何億回も言われてるし、すでに全部試してんねん。その上で寝られへんから最悪やねん。考えてもみろ、「疲れてたら自然に眠れるから」っていってヘロヘロに疲れた状態で、それなのに全く眠りに落ちず、「疲れた状態を明日に持ち越してしまうかも」という最悪のメンタルで布団に入ってるあの時間、本当に心細いし、辛いんだ。負のメンタルはますます眠れない要因になってくるし、どこまで行っても止まらぬスパイラルを解消する方法なんてありはしない。あの悲壮感は、経験した人間にしか理解できないんだろう。眠れる図太い奴らが羨ましいなぁ!

 と言うわけで丸太も「馬鹿野郎!」とキレたわけですが、せめてその啖呵をチャラ男が評価してくれるといいですね。臨海学校が少しでも楽しくて意味があるものにならんと、どうにも報われないからね……。伊咲の方は友達も多いからイベントごとになんの不安もなかろうが、隣の丸太がずっと曇った状態じゃぁ気が気でない。もちろん伊咲自身も「眠れない」というビハインドが宿泊系のイベントに及ぼす影響は怖いわけで……「枕が変わると眠れない」人間にとって、別な場所で、しかも集団で寝ろっても地獄なんだよなぁ……。

 こうしてこの作品を改めて観ていて、「考えてみりゃ、睡眠をテーマにしたアニメってなかなか存在しないよな」という当たり前の事実に気づいた。まぁ、割と最近魔王城を舞台にしたヤツはありましたが、マジでそれが草分けなんじゃないかってレベルだよな。人間の三大欲求の中で最も軽んじられているが、その実最も生活に根付いているのが睡眠な気がする。でもまぁ、わざわざ描くようなもんでもないってのも当然理解できる。このアニメが、睡眠アニメの新たな地平を切り開いてくれたら面白い。いや、「睡眠アニメ」がなんなのかは知らんが。

 

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 こっちもいい猫作品だぁ……第3話。猫にリードつけて散歩する人、たま〜に見かけるけど、あれって猫的にはどうなんでしょうね。まぁ、猫側も好きだからやってるんだろうけどさ。

 さて、正直1話目時点ではどんなアニメになるかがよく分かってなかった今作。2話目でさっさと天文台のことが学校側にバレ、そこから2人がどこへ流れ着くのかと思ったら、まさかの天文部アニメへとコマを進めた。天文を扱うのは「恋する小惑星」ぶりであるが、別に宇宙に行ったりすることは目的ではなく、あくまでも写真撮影が中心となるお話のようである。いきなりバンバン専門用語が出てくるし、「ISO感度」なんて言葉が出てきても素人には「あぁ! あの『あさかんど』の時の!」くらいの印象しか持てませんよ(確実に別な何かで素人ではないな?)

 でも、そうしてよく分からない分野に話が進んでいるにも関わらず、特に置いてかれてる感覚はないし、むしろゆっくりと流れていく空気が肌に合って至極観やすい作品になっている気がしている。今回はサブキャラとして戸松ボイスの白髪先輩が登場したが、彼女のキャラもなんだか不思議な魅力があり、登場1話目から「もう、この子見てるだけでも割と楽しそう」と思えるようになった。登場時は謎のゲーセン娘、そこからつっけんどんなコミュ障人間なのかと思わせといて、いつの間にやら具体的な写真技術を教えてくれるいい人になってるし、きちんと部員会議に付き合ってくれてるし、なんか先生に対して妙な視線送ってるし、志摩リンばりの1人キャンプ始めるし、挙句に最後はLINE通話で妙に可愛いとこまで見せてくれるし。1話でこんだけコロコロと印象が変わり、最終的にいい具合に収まるキャラってのも珍しい。

 そんな先輩が中心にいたおかげで、すっかりアニメとしては「天文写真アニメ」っぽい雰囲気に。1話目で「不眠をテーマにしてるなら共感度が高いからちょっと好き」みたいな話をしていた身としては「これ、もう2人の不眠要素あんまり関係ないな……」って思ってたのに、最後はきちんと「みんなで夜更かし」に意味がある着地を見せるあたりにこだわりを感じるし、このタイトルを掲げているからには、やっぱりみんなでよふかしの歌なのだろう。そういや戸松はこれでよふかし2連続出演か。夜更かし声優の称号をあげよう。

 

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 夜の意味を問う、第12話。吸血鬼って善いもの? 悪いもの? そして夜って良いもの? 悪いもの?

 吸血鬼という種を一面的にしか見せられていなかったコウ。ナズナはある意味で「勧誘」をしていたわけで、そんなに簡単な話じゃないことが初めて提示されたのはこないだの吸血鬼女子会でのこと。この世界にはナズナちゃん以外にもたくさんの吸血鬼がおり、人間との関係性も多種多様。セリちゃんが友達であるメンヘラさん(あっくん)との付き合い方に思い悩んでいた甘酸っぱい部分、ミドリちゃんが職場の同僚を病気だと断じながらも、ケロリとその存在を肯定していたドライな部分。人間同様に吸血鬼との関係性だってそれぞれだが、ただ、それでも1つだけ共通することがあるとするなら、それはやっぱり「人間とは違う」ことである。完全なる理解が難しい異種間のコミュニケーション。そして、人間の血を吸うというその一点でもって、吸血鬼は古来より「悪である」という見方が一般的なのもまた事実。超常的な力を使役し、人間の血を啜って生きる生き物。それは確かに普通に考えれば「化け物」には違いない。コウが真夜中の学校で見せられた衝撃のシーンは、そんな常識の一部分に過ぎない。

 同じものを見せられた真昼からは常識的な忠告が下される。「吸血鬼なんて恐ろしい化け物に近づいちゃいけない」という当たり前の助言。しかし、コウはむしろ「怖くない側」から「怖い側」に足を踏み入れたばかりであり、何がどうダメなのかは頭で理解できていない。確かにアキラを危機に陥らせたあのシーンは衝撃だったし、恐ろしくもあったが、それがナズナちゃんたち吸血鬼という種とすぐさま同一視されるかというと、それも難しい。だから今回は考えるターンだった。真昼の意見を聞き、そしてナズナちゃんの話も聞く。可能な限り自分以外の視野を持って自分の置かれている現状を考える。その結果、ナズナちゃんからだって別に「吸血鬼になりなさい」なんてことは言われないのである。彼女の方からコウに「眷属になれ」と言ったことはこれまで1度たりともない。コウが勝手に盛り上がっていただけで、ナズナちゃんはその関係を否定もしないが、積極的に引っ張り上げようともしてこなかった。それはナズナちゃん特有の「恋愛苦手」感からきている部分もあるのだろうが、やはり「人間が吸血鬼になること」はそんなに簡単なことじゃないってのは承知しているのだ。こないだセリちゃんが涙ながらに眷属を増やしていたことを考えるなら、吸血鬼にとっても「他人と吸血鬼」の関係を変えることは、想像以上に負荷の大きな出来事なのかもしれない。

 「非日常も続けば日常」。ナズナちゃんの冷静な分析により、コウの持っていた夜の神秘性は薄らいだ。自分が何故吸血鬼になりたかったのか。「よふかし」にも慣れてこれが当たり前になったコウは、改めて問われると答えづらい質問だ。周りに積極的にそれを止める人間がいるならば、改めて目的意識を考え直さなければいけない。しかし、探偵・鶯餡子はコウにそんな時間的余裕を与えてくれるのだろうか。どうにも彼女の「吸血鬼対策」はかなり急進的で、過激なものに見える。あれだけコウのことを調べ上げておきながら、未だそのお相手であるナズナちゃんのところに姿を見せていないことは気になるが……。

 夜のままで残るのか、それとも朝を迎えるのか。クライマックスはどちらに転がるものか。

 

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 さぁ佳境、第11話。吸血鬼の物語なのだからそういう側面ももちろんあるに決まっている。単にエロティックで、インモラルなだけの話ではない。そこにあるのは怪物のお話。そして死のお話。

 最終回に向けての山場はどこに用意されるかと思ったら、意外にもガチシリアスな核心へ迫る展開が待ち受けていた。吸血鬼とはなんぞや、という話はナズナちゃんにセリちゃんなんかを絡めてここまでちょいちょい議論されてきたところだったと思うが、振り返ればここまでの話は全て吸血鬼が中心で進んだお話だった。吸血鬼から見た世界はどうか、吸血鬼はどう生きたいのか。コウはそのあたりのとんでも話に不思議と耐性があり、異種族とのコミュニケーションもしれっと取れてしまう主人公。おかげで視聴者目線でもその辺りの異常性ってのはすっかり忘れてしまっていたが、改めて眺めてみれば、あくまでもこれは化け物のお話なのだ。そこには常に死のリスクが付き纏っている。

 この展開を支えるために登場した新たなメインキャラ、鶯餡子。ふざけた名前だがキャラとしてはガチで、クライマックスを盛り上げるために大々的に持ち出されたことがよく分かる登場シーンだった。冒頭の歩道橋での光の演出、久しぶりに今作の持つパワーを感じさせてくれる素晴らしい画になってましたね。これまでコウが見てきた「夜」って、アキラちゃんの「朝」なんかと対比するために当然「暗く」はなっているのだけど、コウの見ている夜ってのは常に幻想的で、どこかキラキラと輝いたような彩りがあった。しかし、餡子の背負っている「夜」には色がない。登場時はタバコの火だけがかろうじて見える真っ暗闇だったし、その後も常にベタッとした灰色を背負って常にモノトーンを意識した色彩になっている。彼女がもたらす新たな「夜」の姿に、コウは今までにないくらいに動揺するのである。

 キャラCVは圧巻の沢城みゆき。彼女がかつて藤原啓治からタバコを借りて「タバコを吸うキャラの呼吸」を模索していたなんてエピソードが懐かしくも思い出される。今じゃすっかり業界のご意見版。そんな沢城節がこれ以上ない形で炸裂する。みゆきちが出てくるとやっぱり在りし日のシャフト文化、というか「化物語」シリーズの空気に立ち返るような印象がありますね。今作は1枚絵と会話劇で見せる部分が大きいので、一声で世界を持っていくだけのパワーを持つキャストが出てくるとそれだけで空気が変わる。1話限りのゲストだったが殺された教師役が山路さんだったのも強烈だ。考えてみると、添い寝屋に勧誘された客って「日笠→沢城」っていう黄金世代コンビなんだよな……やっぱりこのジェネレーションのパワーは桁違いだ。

 閑話休題。そうして出てきた探偵は一旦置いといて、突然真昼から呼び出されて学校探検に駆り出されるお友達3人組。朝・昼・夜の3人が集まると時間感覚がバグるのだが、ご丁寧にアキラにだけはちゃんと「おはよう」と挨拶しているのがこの3人の関係性の表れだろうか。青春を謳歌したいという素朴な願望は、妙なところで気が合う3人には案外共有されていたらしく、一見無茶苦茶な真昼の学校ツアーも3人なら笑い合えるくらいには楽しい。見方次第では単なる「素行不良」でしかないのだが、それを楽しめるのも若者の特権といったところだろう。

 しかし、残念ながらお話はそれだけでは終わらなかった。朝・昼・夜が混ざっていたとしても、世界は間違いなく「夜」であった。人ならざるものの時間を侵してしまった3人には罰が与えられる。偶然の出会いは、「吸血鬼」という存在についての別な視座をコウに与えることになる。以前もセリちゃんの死闘は見ているし、吸血鬼集団に殺されかけたことだってあるコウだ。今回のおっさんの襲撃もそうした吸血鬼の暴虐の一側面だと思えればよかったのだが、問題は「アキラが襲われた」という事実である。自分のことだけなら、死のうが吸血鬼になろうが、あまり頓着しないのがコウの精神性。しかし、それはどこまでも一人上手な独立思考であり、そこに親友が絡んで危機に陥ったとすると、さすがに無視できる話ではなくなるのだ。楽しいと思っていた吸血鬼への道。それが自分の将来に暗雲を落とし、さらには親友にまで迷惑をかけるかもしれない。そんな事実を前にして、コウは今まで通りにナズナちゃんとの関係性を続けられるのだろうか。吸血鬼のおっさんの死に際に彼が朝日に照らされた「十字架」を背負って退場したのはいかにも象徴的。吸血鬼と十字架は切っても切れないモチーフだが、今作の場合は、人の道を踏み外してしまった者の懺悔の表れなのだろうか。無遠慮に並んだ「止まれ」の看板。中盤のシーンで描かれていた「一方通行」の文字。この辺りも、もろにシャフト演出ではあるね。さて、ナズナちゃんは今頃何をしているのかしら?

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 突然のミステリドラマ、第10話。本人らは茶化して言ってたけども、コウくん、割と探偵の素質はあると思うよ。彼の場合、一番の強みはどんだけとんでもない状況でも物おじせずにいられる胆力の強さ。ナズナちゃんに振り回されてるうちに、ちょっとしたことでは動じないようになっちゃってるのでね。今回の事件だって、本当なら一介の中学生に解決を依頼するようなもんじゃないしなぁ。

 前回が純情ヤンキーのセリちゃんのエピソード、そして今回はあざとメイドのミドリちゃんのお話ということで、この辺の話数は「他の吸血鬼ヒロインの個別エピソード」で埋めていく展開になってるんでしょうかね。コウ・アキラちゃん絡みで真昼の話をもうちょい掘り下げると思ってたのだが……その辺はまだ後でやるのかしら? とりあえず、吸血鬼ガールズの中では一番能天気っぽかったミドリの話なので、今回の話は犯罪がらみであるにも関わらず基本的にはアホが先行する展開になっている。

 手慣れたメイド業務をこなすミドリちゃんの方にはあまり見どころはないので、気になるのはどっちかといえば慣れないが故に変な魅力が突き抜けるナズナちゃんメイドの方だろうか。彼女だって一人で「接客業」をやってるんだから基礎的なスキルはあるはずなのに……何故か客の呼び方の時点でひとしきり悩んでしまうという。まー、あんまりお客の呼称で悩む職種ってねぇもんなぁ。「初めてのご帰宅」みたいな独自のワードをうまく使いこなせないと、もしかしたらメイド喫茶は大変な職業なのかもしれません。まぁ、あれからもちょくちょくバイトに入ってるってことは、ナズナちゃん自身も手応えがあったってことだろうし、それを受け入れる風変わりなお客さんもいたってことなんだろう。世の中需要と供給が噛み合えばそれでいいのです。

 で、そんなナズナちゃんは今回も単なる賑やかしであり、一応話の焦点はミドリの同僚であるアリサちゃんというメイド。ちなみに中の人で言うとジャヒー様と式守さんなので、やたらテレ朝っぽい番組構成である。なんとなくいい人っぽい顔の裏にちょっとした問題を抱えた少女だったのだが、それを看破したコウ、そして、病巣をなんの抵抗もなく抉ったミドリのおかげで無事に大きなトラブルにもならずに立ち直れたようである。今回の最大の見どころはやはり「人間なんてだいたいの奴が病気」とのたまうミドリちゃんの精神性だろう。吸血鬼サイドから見れば人間なんてものはどれもこれも大した差はなく、勝手に悩んで、勝手に死んでいくどうでもいい存在なのだろう。だからこそ永久に理解できないその精神性を「病気」とバッサリ切り捨ててあまり興味もなさそう。これも吸血鬼のスタンスの典型の1つなのではなかろうか。前回のセリちゃんとは好対照を成しており、あまりに相手との関わり方で悩んでしまったが故に殺意にまで転じたセリちゃんに対し、ミドリは「おかしいのが当たり前なんだし、そんなんでいちいち悩むなんて馬鹿馬鹿しい」と興味すら持たない。普通に考えればそんな奴とコミュニケーションを取ることすら難しいはずなのだが、それでも人気ナンバーワンメイドに君臨してるあたり、やはり吸血鬼は強いのである。

 コウのやつも、改めてそんなミドリから「お前も病気みたいなもんだ」と言われてちょっとショック。でもまぁ、こうしてよふかしを続けて吸血鬼との珍妙な交流を続けている人間は確かにまともではないか。コウがきちんと自分の特異性を受け入れて今後のあり方を考えた時に、もしかしたらナズナちゃんとの正しい付き合い方も見えてくるのかもしれない。

 

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 いろんな価値観、第9話。そうかぁ、今作も言われてみれば異種間コミュニケーションの話なのだね。ドラゴンほど見た目の差がないからあんまり意識してなかったな。価値観にも色々あって、例えば生死観であったり、恋愛観であったり、倫理観であったり……あと、カラオケ観。

 今回の主役は吸血鬼ギャルのセリちゃん。模範的戸松キャラとしてノリの軽さが前面に出ていたキャラだったが、なるほど吸血鬼のメンタリティというのは一筋縄ではいかないものだ。自分のことを「世界で最もモテる生物、JK」と名乗ったが、人付き合いだって普通のJKのそれとは違う。おそらく寿命も違うのだろうし、この世界の吸血鬼にはよくわからない「1年制限」があるので付き合う時に相手が眷属なのか、友達なのか、贄なのかを考えなきゃいけない。単なる「友達」で終われないからこそ、その関係性に辟易するのも致し方ないのだ。そういう意味では、すでに「ナズナちゃんのもの」という前提を持って付き合っているコウとの関係性は、セリちゃんにとっては気楽なものだったのかもしれない。

 一悶着あったがなんだかんだで遊びにいく許可が出たセリとコウ。深夜に遊べる場所は限られているが、今回は(今回も?)カラオケに行くことに。そこで現れるのがまずは「カラオケ観」である。いや、これは吸血鬼だとはどうだとかは1ミリも関係ないイデオロギーの話になるが……遊び慣れているセリのカラオケスタイルは模範的なもの。流行りの曲をみんなで盛り上がって歌う。それがカラオケのベーシックなスタイルなのだろう。しかし、まだ中学生で遊び慣れていないコウからしたらそんな「常識」は知ったこっちゃない。他人が歌ってても反応しないし、歌いたいから歌う。本来ならカラオケってのはそれでもいいはずなのだが、何故かそれが「普通じゃない」と思われる世の中なのだ。私もカラオケジャンキーとしてこの辺りの価値観ってのはとても悩むところではあるんですよね……まぁ、私みたいに大前提としてヒトカラがメインの人間はどうでもいいのかもしれないが……他人とカラオケに行く時、自分のエゴと、他人との融和のバランスはどうしても考えてしまう。それがいつの間にか自分を縛り付けるものになっているかもしれないとは思いながらも。でも、それが人間関係なのだよね。

 次に現れる価値観、それは倫理観。ドアの外に登場したダル男(秋山君)のおかげで、セリとコウは人付き合いの何たるかを議論する。そして初めてみる男を前に、コウは人付き合いのなんたるかを考え直す。画面は色調を変え、セリが殺意をあからさまにする。アンディ・ウォーホルのような色調の世界は、明らかにセリの意識が切り替わり、人間との温度差が際立つ世界。人間は殺してもいい生き物。というか、人間どうしの関係であったとしても、そこに「殺してはいけない」という前提が何故存在するのか。お仕着せの倫理議論ではなく、それを説けとセリちゃんは言っている。そんな難しいことを一言で説き伏せられるはずもないのだが、それでもコウは、自分の信じる倫理を訴え、秋山を連れて一旦離脱。

 秋山とセリ。2人の関係性の中に生き死にが常に付き纏うのは、吸血鬼として生まれたからには避けられないものだった。生死観は人間どうしなら擦り合わせられるかもしれないが、吸血鬼と人では決して交わらない。あまりにも種としての存在が異なる二者の間での命の議論は、どこまで行っても平行線だ。では恋愛観はどうか? こちらもセリが訴えるのは圧倒的に吸血鬼が優位な関係性の歪みであるが、その歪みを生み出すのはあくまでも吸血鬼自身のエゴである。そのことに納得できないコウは、命を賭けて真っ向からセリに反抗する。そして、本気で命をとりにきたセリはナズナに制圧されてしまう。

 生き死になのか、善悪なのか。ややこしい言葉を振り翳していたセリだったが、根っこの部分まで突き詰めれば、それはなんと恋愛観に着地した。人との関係を常に惚れた腫れたでしか語れない宿業を背負ったのが吸血鬼。あまりにもそんな関係性が多すぎて疲れてしまったとはセリの訴えである。男となればそれは眷属か否かの判断しかない。それが嫌なら、関係性を切るしかなかった。

 しかし、それすらもセリのエゴであるとコウは説き伏せる。そんな難しいもんじゃない。やりたいようにやって何が悪いのかと。どうにも、コウはまだ幼いこともあり、その辺りのストレートな欲求への信頼が強い。だからこそこうしてナズナちゃんとの奇妙な関係性も維持されているのだろう。しかし、今回の顛末で秋山とセリの関係性が綺麗に着地したことは、当然コウたちの関係性にも影響を与えるはずだ。目の前で結ばれた眷属契約。「吸血鬼を好きになること」のなんたるかが、非常にわかりやすいサンプルとして目の前に提示されたのだ。のほほんとした顔の2人だったが、これから先、どこかでケジメをつけなきゃいけないということを再認識させられる流れである。ナズナちゃんにはセリのような気疲れは無さそうだが、セリにはたっぷりある経験値がナズナちゃんはほぼゼロ。同じように経験値ゼロのコウとの間に、理想的な眷属関係は築けるのだろうか? まぁ、それぞれに自由な形があるならそれでいいとは思うけどねぇ。

 

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 朝昼夜と揃い踏み、第8話。コウとアキラちゃんがいることはわかっていたが、その合間にまさか「真昼」も入ってくるとは思わなかった。しかもエンドロールをみると「夕真昼」って名前らしいし……綺麗に揃ったもんだな。アキラちゃんは「暁」からきているだろうから、もしかしてコウって「更」なのかしら。

 さておき、前回大量に登場した吸血鬼勢力との講和は無事に結ばれた。元々「なずなちゃんが吸血鬼にしてもおかしいやつだった」というのが原因らしく、吸血鬼サイドもその辺りは重々承知している様子。その全てをコウにおっかぶせて殺すってのも流石に問題があるし、吸血鬼サイドだって別に好きで人を殺したいわけじゃない。とりあえずの執行猶予の形でこの場は収まった。ただし、1年という猶予期間はかなり短いのだが……。なんだよ1年制限って。吸血鬼にそんな制限があるなんて設定はこれまで聞いたことがないし、どういう仕組みなのかもよくわからん。まぁ、それを言い出したら「恋してないと眷属になれない」も聞いたことない設定だけども……1年間で本当の愛を手に入れるための物語だって言われたら、なんか急に邦画っぽくなってきますね。中学生男子を恋に落とすのなんて割と簡単だと思うんだけど、ナズナちゃんが全力で後ろ向きなのがなー。

 というわけで、コウの身の上が面倒臭いことになったのでめでたくアキラちゃんが再登場。よかった、使い捨てキャラじゃなかった……。しかも、朝を象徴する彼女の背中を追ったら、今度は「昼」を象徴する新キャラにぶち当たった。ご丁寧に、コウとアキラちゃんが合うのは明け方の白んだ空の下で、そこからアキラちゃんの登校シーンが描かれて完全に「朝→昼」と変化し、明るい世界の中でアキラちゃんが真昼に会うのだ。仲良し3人組と言ってるくせに、各々の受け持ちが綺麗に分かれてるのは面白いな。

 真昼はどうやらアキラちゃん同様に「悪い奴じゃないし、コウに対する理解もある奴」というとても便利な存在だが、3人が全てを理解し合う親友同士かというとそうでもないようで、お互いにどこか不干渉というか、よく分かってない部分もあるらしい。真昼はコウ目線だと万能で非の打ちどころのない人間みたいに思われているが、アキラちゃん目線からはそうでもないみたいだし、まだ踏み込まれてない影の部分も残っていそうな雰囲気。昼の象徴たる彼が、時間をずらして夜に迷い込んで偶然コウと出会ってしまったのも、おそらく真昼の「生活サイクル」がズレてしまっているからだ。おかげで普通だったら絶対に交わらないはずの朝・昼・夜が公園で一堂に会した。久しぶりの再会でコウの直面している問題も少しは触れられたが、どうやらここからは真昼の抱えている何かにフォーカスがあたりそう。こうしてキャラが増えてお互いのすれ違いが描かれ始めると、ビジュアルイメージの影響もあるが、いよいよ「物語」シリーズっぽくなってきたな。

 

 

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 流れ変わったな……第7話。流れっつうか雰囲気っつうか……先週までのしっとりよふかしアニメとはだいぶ印象違ったぞ。

 あと、今回になってふと気づいたんだが、もしかしてアキラちゃんってもう出番ないの? 前回までの白河さんの流れと今回の展開から察するに、どうにも今作は女の子が入れ替わり立ち替わりする作品な気がするんだよ。ってことはもうアキラちゃんパートは終わってしまったということに……いやいや、常にコウの身近にいるのはアキラちゃんなんだから、もっと出てきてよ。彼女がいないと本当に今作は「夜」のままだぞ。

 さておき、そうして「少しずつ女の子と接していく」みたいな展開になるのかと思いきや、少しずつでもなんでもなかった。それぞれのパートが、先週までのこの作品とは全く違う姿を見せてている。Aパートはまるで「傷物語」のような本格吸血鬼バトル。こういうところでもやっぱり「監督が板村さんだから……」っていう接点がある気がするけど、最近のシャフトよりもよっぽどシャフトらしい描画で急にハードな「夜」の姿が展開される。まさかこの作品で腕がちぎれることになるなんて思わないじゃん。まぁ、そんなスプラッタも吸血鬼女子たちから見たら日常の風景だったみたいだけど。コウももっと驚いてもいいと思うんだけど、彼からしたら「腕がちぎれる吸血鬼バトル」も「ヤリモクナンパ待ち女子高生」もそこまでファンタジーレベルは変わらんのかもしれんな。まだまだ少年には早すぎる夜の姿がいっぱいあるよ。

 そうして突如現れた「ナズナちゃん以外の吸血鬼」という存在。そりゃま、ナズナちゃんが1人でこんだけ奔放な姿を見せているのだからオンリーワンでないことは想像できたが、まさかこんなに気さくに集まれる女子会みたいな吸血鬼サークルがあるとは思わなんだ。しかも、その中でもナズナちゃんは異端扱いを受けており、蓋を開けてみれば「変な吸血鬼と変な人間の少年がくっついてる」という構図に。ふむ、ここまでの流れで感じていた「吸血鬼ものとしてはな〜んかズレてる雰囲気がクセになるよな」という楽しい違和感は、ひとえにナズナちゃんのキャラによるものだったわけだね。残りの吸血鬼の皆さんは、まだなんとなく「常識レベル」というか、「どっかで見たことがあるような」吸血鬼の思考を見せてくれたしね。

 と言っても一気に5人も出てきたもんだから吸血鬼の中にもいろんな奴がいることはよく分かる。毎度のことで申し訳ないが、やはりこうして登場したヒロインズについては中の人の話題が先んじてしまうなぁ。まず、真っ先に襲撃してきたギャルが戸松という奇跡的必然。ナズナちゃんとは事務所の先輩後輩コンビで、意外に共演が少なかった組み合わせ。いつの時代も戸松ギャルの安定感は異常。そしてそこからコウを輸送したのは「もう吸血鬼とか妖魔とかやり尽くしてるだろ」でおなじみの伊藤静で、さらに集合場所にはキタエリ・そらそら・和氣ちゃんという、全員一枚看板クラスの連中が膝を寄せ合い待ち構えているという状況。そんで何故か「男の子攻略法講座」みたいな展開になってみんながみんな互いにちょいちょいディスりあってるのも面白いな。なるほど吸血鬼ってぇのは現代社会で生き残るためにユルい同盟関係にはあるが、別にそこまで仲良しってわけでもないのね。それならナズナちゃんがあれだけ奇行に走ってても放っておいてくれればいいのにね。

 吸血鬼と眷属という太古の昔からの命題を振りかざす吸血鬼一同に対し、全てマジレスのみで対抗していくコウくんと、そんな様子を見て単に顔を赤らめるだけのナズナちゃん。大丈夫、吸血鬼から見ても変な関係かもしれないが、人間から見てもよっぽどおかしいから。もうちょっと人生経験を積めば変わってくるんでしょうかねぇ。こんだけ吸血鬼がいっぱいいる空間なら、1組くらいの例外は無視してそっとしといてあげたらええやんね。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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