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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 鳥子が叫ぶ「死(DEATH!)」は一朝一夕ではなし得ないキャリアが詰まっている、第3話。デデデデース。

 3話目になってのでぼちぼち今期分の作品も気になったものを摘んでいくタイミングになってきたのだが、何しろまだ新番チェックもゴールインしてねぇし、信じられないくらいに作品数が多くて、処理しても処理してもレコーダーに溜まっていくという、逆賽の河原みたいな状態になっているのでなかなか大変。そんな中ではアニメ1本1本見ていく時の集中力も下がってしまうのだが……そんな中でもなんだか気になる存在がこちら。

 ぶっちゃけ、今のところ「何も分からない」のだ。1話目の感想で「わかんないね」はよくある話だが、3話まで終わってまだ「分からないね」というのも妙な話。しかし、この作品における「裏世界」がどんな存在なのか、そこに何があるのか、何故そこに行くのか。あらゆる事象が謎のまま。裏世界は言うなれば「なんでもあり」の世界なので一歩進んで次に何が出てきても文句はない。つまり我々は「次に何が起きても文句が言えず、何も起こらなくても文句が言えない」という謎のロードムービーを見せられている。そんなもん、起も承も転も結も無い、ただの「シーンの断片の垂れ流し」だ。

 そんなもんは面白くない……はずなのだが、別につまらなくないのだ。そこが変な作品だ。見ていてイメージがかぶるのはやっぱり「少女終末旅行」なんだけど、あっちは「終末」といういわく言いがたいテーマ性が作品のそこいらに漂っており、「2人はどこに向かうのだろう」という緊張感があった。こちらの作品の場合、一応鳥子は「サツキを探す」という目的こそあるものの、そのためにどこを歩いて、何にたどり着いたらいいかも分からない。やはり、この裏世界旅行と終末旅行は違う。

 そして、何故この2つに通底するものが感じられるかといえば、やはり作品の焦点に「女の子2人の終わりなきダラダラの旅」があるからなのだろう。偶然出会って、ちょっと裏世界を行き来しただけの2人。友人というよりも他人に近い関係の2人なのに、いつしかその関係性が薄皮一枚まで近づいている感がある。この余計な感情を煽られる原因は、まず間違いなく空魚が必要以上に鳥子を意識しちゃってるからだ。なんでそんなに緊張しちゃうんだ。なんでいちいち嫉妬にモヤモヤしてみせるんだ。まだそんな関係性じゃないんじゃないのか? ……でもなぁ、散々命がけの冒険しちゃってるしなぁ……。

 うーむ、これは百合なのだろうか。まだよく分からない、裏側だらけのふたりの旅路、このままダラダラ見せ続けられるのだろうか。そして、そのたびによく分からない満足感が得られるのだろうか。悩まし。

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 まさに大団円! 最終話! エンディングで流れてた薫子さんのアレは何か意味があるんですかね!?

 綺麗に想定通りのエンディングを迎えることができた。最後の最後までどちらが勝つか分からない試合だったが、今回はひとまず年功序列。バドミントンに注ぎ込んだ年月の差がものをいった形だろうか。とはいえ純粋な努力VS努力の構図。まさにどちらが勝ってもおかしくない好勝負。これで県大会の決勝レベルだというのだから、インターハイ本戦まで進んだらどんな強豪が待ち受けているのかと今から背筋が寒くなる思いだ。まぁ、この続きがアニメで作られるのが何年後かは分からないけど……。

 憑き物が落ちた綾乃は「奥の手」もフルに使って全力でなぎさに挑んだ。それまで持っていた自尊心をかなぐり捨て、「勝たなきゃ捨てられる」「勝って母親を捨てる」といった後ろ向きな動機も今となっては過去のもの。「なぜ自分はこんなに苦しいのにバドミントンをやっているのか」コートの中で自問するうち、余計な雑念は全て消え去り、残ったのはただ目の前に立つ対戦相手のみ。どれだけひねくれ、どれだけ堕ちてしまった自分を前にしても、ただ真摯にバドミントンの選手としてだけ見続けてくれた部長の姿。今となっては、母親でもなく、ましてや過去の自分でもなく、ただ目の前の対戦相手に勝ちたい。それが綾乃の純粋な望みとなった。

 ただ相手だけを見て全霊でぶつかる試合。これ以上ない対話の構図を経て、二人はおそらくこれまでの全てを忘れて、純粋にぶつかり合った。懸念すべきはなぎさの膝のことだけだったが、どうやらなんとか持ちこたえてくれたらしい。結果なんて些細なことだ。ただ、2人がこうして語らったという事実が、今後の北小町バド部にとっては大切なことなのだろう。部員の全てがそのことを理解しているはずだ。

 激戦を終えて、2人の下にはふさわしい仲間たちがやってくる。綾乃はまず、試合中に応援してくれた二人に感謝の意を述べた。今までだったら絶対にできなかったことだろう。そして、全てを支えてくれたエレナには涙ながらの謝罪。これまでの自分の不遜な行動を省みてのものでもあろうが、最後に出てきた言葉は「バドミントンに誘ってくれてありがとう」というものだった、試合前にはエレナの方が「あの時誘ってしまってすまなかった」と謝っていたのが逆転した形。ここでエレナに感謝できるというのは、最も端的に綾乃が浄化されたことを表すものだろう。このセリフが聞けただけでも、エレナはこれまでの全てが報われたのではなかろうか。そして母親との対話も忘れずに。お母さん、一安心だとは思うんだけど、まだまだ娘さんはじゃじゃ馬ですよ。多分今後も国内外に離れての生活になるんだろうけど、次に会うときはどんな娘さんになっていることやら。

 そして、なぎさのところへやってくるのは当然理子である。二人して頬を染めながらのイチャイチャシーン。あぁ、これですね。もう、これだけでOKですね。理子さんも不器用ななぎさのありがとうで感無量でしょう。「うちの子やっぱり可愛いなぁ!」って思ってるでしょう。もう、何の心配もいらないわね。

 全てが終わったようにも見えるが、まだまだ2人の選手人生は始まったばかり。綾乃は浄化されているけど初期状態に戻るのではなく「本当の姿」に戻ったという。おそらくこれが、幼少期に薫子との騒動で壊されてしまう前の本当の綾乃なのだろう。まだちょっと幼いのは、これまで止まっていた時間を考えれば致し方ないところ。良い仲間たちに囲まれ、改めて健全な成長が始まるのである。スポーツとは、これ対話である。目の前に仲間がいて、見つめるべき自分がいて。そんな青春が、これからの未来に待っている。

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 なぎさの部屋、広くね? 第11話。なぎさ自身が結構でかいから、ベッドのサイズも含めてすごくゆとりのあるいいとこのお嬢さんっぽい部屋。そもそも高校生の娘の部屋にでかいテレビあるのずるいわ。

 そんなどうでもいい話から入ってしまったけど、最終試合に向けての「タメ」回といったところ。「さぁ、決勝が始まるゾー」というテンションはここ2、3話ずっと続いているのだが、一応脇のエピソードが用意されていて目先が散っていたのに対し、今回は完全になぎさと綾乃に焦点が当たったままでじわじわとスポットが絞られていく印象。それでも綾乃が母親に対してどんな対応をしてるか、なんて部分は割と手短に描かれており、まだまだ根深い悪の帝王・綾乃の心情部分は闇の中だ。あいつ、単に超絶自信過剰なだけなら「ちょっと嫌な奴」で済むんだけど、何故か徹底して他人を煽ってくるんだよな。その要素は母親への復讐に必要ないだろ、って思うんだけど、どうしても自分と違ったイデオロギーで動いている人間を見ると我慢ならないようである。おそらく、自分が「排斥されてきた」という負の感情が、今や母親の思惑を凌ぐほどの実力者に成り上がって他人に裁定を下す立場に至ったがために、肥大しすぎた自我をコントロールする術がないのだろう。

 それに対し、「何か吹っ切れた」と言われたなぎさの方は落ち着いた雰囲気。その実、前の晩になかなか眠れなかったり、いっぱしに緊張もしているはずなのだが、僕らのなぎさ部長はそんな弱い姿は部員にも対戦相手にも見せず、ただひたすら研鑽を積んで今の自分にできることをやり続けるだけ。なぎさは「自分自身に勝つ」と言い、綾乃は「母親を捨てる」という。互いに、対戦相手を打ちのめそうという直接的な対抗意識がモチベーションになっていないのだが、それでも真正面からぶつかることに遠慮がないのは面白いところだ。

 そして2人の隣に立つ人間も好対照をなしている。スッキリした表情のなぎさの横には、やはり理子が付いていてくれる。一番心配して、それでも一番信頼して。隣に理子がいてくれるからこそ、なぎさは目一杯悩んで今の場所にたどり着いたのだろう。友情の支えがここに来て一番強く感じられる。それに対し、綾乃の隣に立つべきエレナは完全に及び腰になってしまった。今の今まで堪えていたが、試合当日、本番直前に「なんでこんなことになってしまったのか」と綾乃に問いかけ、その言葉はどうしようもない自問としてグルグル巡る。自分が綾乃を無理やりバドミントンに呼び戻さなければ、あんな救われない綾乃の顔を見ずに済んだのではないか。エレナはそんな後悔に苛まれている。たまたま体育館で見つけた綾乃の母親に、エレナは何を語るべきなのか。

 2人が全身全霊をかけた最終戦。それはもちろん、このアニメのクライマックス、スタッフが全霊をかけて挑む正念場でもある。どんな作劇が飛び出してくるものか、刮目して見守ろう。

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 人それぞれのバドミントン、第10話。今回は各方面にいい話が多かったですね。多分、綾乃が登場してないシーンは総じて心温まるシーン。

 ごめんね、モブっぽいから今まであんまり気にしてこなかったサブ部員たちの物語、ちゃんと色々あった。メインになるのは恋する少女・海老名ちゃんなのだが、彼女が一体何に惚れ込んで、何と戦っているのかも自分で分かっていなかったあたりがむしろ青春要素である。あんなエクストリームな告白されたら男の方はどう対応したらいいんだろうな。葉山の反応はあれで正解……なんでしょうなぁ。

 すでに「努力したけど相手が強けりゃやっぱり負けてしまう」という展開は理子をめぐる一件で済ませているシナリオ。今回の葉山の物語はうわべだけを浚うと理子ちゃんと同じ展開というだけで終わりなのだが、今回は彼の努力を海老名ちゃんという他者目線から描いているのがポイント。葉山の頑張りが成就せずに散って行く姿を見るのが苦しい海老名ちゃんをメインに据えることで、理子ちゃんの時とは別視点から「努力の理不尽」を見せつけられているかのようである。

 また、理子は「才能に溢れる相方」であるなぎさが決勝進出を決める活躍をしているのに対し、葉山の相方に当たる伊勢原(兄)も、惜しいところまでいったものの結局負けている。努力しようが才能があろうが、それが足りなければ負けるだけのエンディングだ。しかし、別に本作は「才能がなけりゃ何やっても無駄」という綾乃理論を売りにしたい作品ではないだろう。葉山は確かに敗れはしたが、彼の敗戦後の表情は決して暗いものではなかった。彼の熱気に当てられたのか、それともバドミントンの魔力に当てられたのか、大学進学後はバドミントンを退めるといっていた伊勢原も改めてバドを続けると宣言した。葉山にしてみれば、自分が教えたバドミントンを親友が続けてくれるといったのだから、こんなに嬉しいことはないだろう。そして、隣にはずっと見守ってくれる海老名ちゃんもいたのだ。別に女の子に褒められることが目的ではないが、これだって立派な「頑張ってきた結果」である。大会で優勝することだけが全てではない。そんな慰めにも似た新しい切り口を見せてくれる一幕であった。

 一方その頃、綾乃の魔神モードはますます磨きがかかる。帰ってきたお母ちゃんの影響下にあるので一層クサクサしている部分もあるのかもしれない。他人に興味がないだけならいいのだが、何かと言うとなぎさにちょっかいを出して「どうせ勝てねぇだろこの雑魚」と主人公とは思えない悪行の数々。もう、彼女の心はケアされることはないんじゃないかっていう絶望的な状況。ほんとにおかんが綾乃の実力以外の部分に興味がないのがまた……。

 しかし、そんな羽咲親子の独善ワールドに風穴をあけてくれそうな人間がただ一人。我らがエース・なぎささんに期待するしかないだろう。意外だったのは、そんななぎさを引き止めるコーチの過去が、ありがちな「無理して足を壊したせいで夢を打ち砕かれた先人」ではなく、「大事をとったら夢を掴み損ねた先人」というなんとも絶妙なポジションだったこと。あんまりこういうスポ根展開でそんな人間見たことない。そしてなんという奇遇であろうか、そんなコーチの過去は現在のなぎさと被るような、そうでもないような。なぎさの場合、別に決勝に出ずとも全国には行けるのだから全く無理する必要はないのだが、その上で過去に失敗したコーチの説得は考えさせられるものだろう。考えに考え抜いて、なぎさはやっぱり逃げないことを決めた。どちらの選択もギリギリまであり得たのだろうが、やはり、ここで前を向いてこそのなぎさなのだろう。彼女は「過去の自分との戦い」と表現していたが、あの時の自分を打ち破るには、どうしたって目の前の綾乃を倒さなければしょうがない。改めて正面からぶつかって、そのはるか高くまで伸びきった鼻っ柱をへし折ることができるのだろうか。頑張れなぎさ。

 それにしても、あのお母ちゃんって今いくつなんだろう。アラフォーだとしてあのリボンは無いよな……。

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 これ、西住殿だ……第9話。「家柄がすごい」「本人もすごい」「目からハイライトが落ちる」「変なマスコット好き」。綾乃さんは西住殿だったんや。ただし、決勝戦で赤星さんを見捨てる次元の西住殿。親の愛は子供を名将にも魔神にも変えてしまうんや……。

 まさか肝心の決勝戦の前にこんな突発イベントが発生するとは。どういう日程なのかよく分からんのだが、個人戦決勝だけ別日で開催されるってことなのかしら。普通に考えたらそんな変則日程にはしないと思うのだが……全国出場者は決まってるから、そのあとのイベントはおまけ程度でいいっていうことなんだろうか。まぁ、足を壊していたなぎささんからすれば間にクールダウンを挟めるのはありがたいことのはずなのだが、それでもなりふり構わず酷使しちゃうあたりがなぎささん。いや、さすがに監督も止めろよ。こないだ他所の監督から「辛い決定を選手にしてやるのも監督の務めだぞ」って言われてたやんけ。まー、なぎささんはそれでもいうこと聞きそうに無いんだけどさ。

 ついでにバド部内でなんかややこしい恋愛事情が蠢いたり、そうでもなかったりするみたい。デコ子は確かに前からちょいちょいそういう気がありそうなのは見せてたわけだが……ぶっちゃけ、今は綾乃さん周りの血で血を洗う抗争の方が大事なので、下々の者が何を思ってようが好きにしてくれ、って感じではあるんですけどね。こっちでも抗争が起きるならそれはそれで楽しそう。マジでバド部には心の休まる場所はないのだろうか。

 そして本命のイベントだが……おい、コニーさん、どうした。いろんな意味でチョロすぎたぞ。以前登場した時、完膚なきまでに綾乃を打ち砕いて「高みのライバル」ポジションになったのかと思われたが、実は真逆の関係性だった。そういや試合後にフレ女のお風呂イベントで仲の良さを見せつけてくれていたが、コニーが日本に来て手に入れたのは、「姉」との関係性以上に「一緒にバドミントンをやってくれる仲間」だったようである。海を越えて会いに来た「姉」は、残念ながら「家族? は? 死ねよ」というくらいのテンションだったので取りつく島もない。というか、その覚醒モードの綾乃さんを生み出したのは他ならぬコニーさんなんだけどね……。

 うーむ、本当にタイミングが悪い……というか人付き合いが下手な一家である。考えてみりゃ、コニーさんは「家族」と言ってはいるものの、そこに血の繋がりはない赤の他人。呪われし羽咲の血は引いていないのだよな。バドミントンができないなら娘すら用無しと切り捨てる母親、バドでしか対話できないから自分に負けるようなクズの話など聞く耳持たぬという娘。こんなのに挟まれてしまったコニーさんは、そりゃ泣くしかない。せっかく勇気を振り絞って日本に来て、さらに新幹線代払って宮城から出て来たってのに……頑張れコニー。君にはフレ女の優しい仲間たちが付いている。もう、あんなおっかない鬼の血族のことは忘れて幸せな人生を歩んで欲しい。

 さて、いよいよ綾乃さんは因縁のママンと直接対峙することになってしまったか(ほえほえリュックを挟みつつ)。これ、お互いにサイコなパス状態でぶつかってまともに会話が成立するんだろうか。あれだけの仕打ちをしておきながら、向こうでコニーに「これ誰?」って聞かれてしれっと「娘よ」って即答できるお母ちゃんもやっぱりイカれてる。この人、多分綾乃を捨てたなんてこれっぽっちも思ってないし、自分が悪いことしてるなんて意識はない。「だってバドミントン強い子があっちにいたんだもん」って、それしか考えてない。もう、いっそラケットでしばきあったほうがいいんじゃなかろうか。

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 熱闘! 友情! そして勝利! 第8話。いいねェ、アツいねェ。これこそがスポコンアニメの醍醐味ですわ。そして、なぎささん界隈がキラッキラすればするほど、外道主人公の畜生っぷりがさらに際立つわけで……。こいつ、残りの話数でどれだけ禊ぎがあったとしても好感度は回復しないと思うんだが……。

 様々なキャラクターの個人戦を通じて、今作はずっと「スポーツをやる意義」を問いかけ続けている。なぎさの人生、理子の人生、そして前回は薫子の人生。みんな精一杯頑張って、勝つための努力を続けてきた。誰だって負けたくはないのだから、「努力している」というのなら皆同じ。その上で、信念なり才能なり、上にある要素が「勝利」を引き込む。今回主人公となった望も、周りが彼女をどう見ていたとしても、これまで精一杯やれることをやり、文字通り「血の滲むような」努力を続けてきた人物である。なぎさとどちらの実力が上だったのか。たまたまスポーツという世界ではそれが試合結果として現れるが、それぞれの人生を考えた時に、その意義に優劣をつけるべきものではない。

 本当に、なぎさが持っている純正主人公気質は素晴らしい。膝の爆弾というお約束のファクターを抱えながらも、目一杯コートを走り回ってどんな羽でも追いかける。望まざる因縁を抱えてしまったかつてのチームメイトに対しても、屈託なしに正々堂々向き合う。最後には近距離パワータイプの個性を存分に活かして力技で相手の策略を打ち抜くところまで、やっぱり今作の主人公はなぎさで決まりのような気がする。

 そんななぎさの際立ちをサポートした望サイドの奮闘も、決して汚いものではない。まぁ、確かにあのタラコ唇コーチの性格は悪そうに見えたが、「選手に勝たせること」が史上目標であるならば、彼のやっていた指導も決して間違いではない。自分の考える最善の指導でもって、彼もよく戦ったのである。今回はたまたま選手の性格にマッチしなかっただけで、コーチの言う通りにマシンのように動くことこそがベストという選手だって案外多いのではなかろうか。最終的には、なぎさという屈強な壁に阻まれる形で敗れた望。それでも彼女は、自分のやりたいバドミントンを追い求め、成果が得られるギリギリのところまで戦ったのだ。最終パートだったので審判のアナウンスだけに集約されてしまったが、1セット目で吹っ切れた後、2セット目ではデュースを制して勝っていたことがうかがえるわけで、最終セットに体力お化けのなぎさに敗れてしまったのは致し方ないところだろう。お互いに含むところを排除してやりきったフルセット。彼女たちの中では大きな財産になったのではなかろうか。

 さて、こうしてなぎさ戦が本当に清々しいドラマとして見せられると……綾乃さんさぁ……「なんでそんな風になっちゃったの」って、そりゃエレナさんじゃなくても誰だってそう思うわ。なぎささんが対戦相手を鼓舞して互いに最善を尽くすベストマッチを見せている裏で、綾乃さんは面倒臭いという理由だけで対戦相手の心をへし折って駆逐していく。彼女の突き進む「勝てなければ意味がない」というスポーツ観も1つの正道ではあろうが、なぎさと比較して並べられてしまうと、どうしたって彼女の下衆っぷりが際立ってしまう。この2人が再び合間見える時、どちらの信念がへし折られることになるのだろうか。なぎさの膝を痛めた遠因が実は綾乃だったってのもひどい話だけどなぁ……。

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 原画の人数ゥ! 第7話! そりゃあんだけの試合シーンだったらスタジオの総力戦になるに決まってるけども……よくもまぁ、クオリティを維持できるもんだ。

 因縁の対決、綾乃VS芹ヶ谷薫子。幼少期の戦績は綾乃の完全勝利ながら、肝心要の場面では薫子の番外戦術もあって綾乃の人生をぶっ壊す大逆転。さらに直近の試合も綾乃のモチベーションが完璧ではなかったために薫子が下しているという状況。なるほど、薫子サイドから見ればこれは勝てるマッチに見えるだろう。しかし、残念ながら綾乃はすでにコニーによって作り変えられた後であった。今やただひたすらバドミントンで勝つことのみを使命としたバドミントンロボットと化した綾乃。目のハイライトは消え、口から出る言葉の1つ1つに主人公らしさはかけらもない。どう考えても、友情・努力・勝利を手にすべきは薫子の方である。

 「勝つためのバドミントン」。そのこと自体には何の問題もない。薫子だって表面上は勝利至上主義なわけだし、部活内で多少浮いてしまおうとも、因縁の相手である綾乃を倒すためには一意専心。とにかく人生の全てを賭けて「勝ち」を手にしたかった。彼女はこれまで、その権利を得るにふさわしい人生を歩んできたのである。しかし、努力は大きな武器にはなるが、それは決定力ではない。「努力してきたというのは、才能の無いものがすがりつく最後のよりどころだ」とは誰の言葉だっただろうか。どれだけ気丈に振る舞っていても、どれだけ真摯に向き合っていても、それを踏み潰して上へと上がっていく人間が間違いなく存在するのである。

 今や魔王と化してしまった綾乃。勝てる試合はアイドリングのために相手を犠牲にし、幼少期からの長い付き合いだった薫子に対しても、不遜な物言いは一切の遠慮がない。「勝てば何をしてもいい」「勝てなければ何の意味もない」という彼女の大義名分の前に、薫子の努力は最悪の形で蹴散らされてしまった。どう考えても、試合後のハンカチのくだりなんてまともな神経なら出来ない非道である。最後に悔し泣きする薫子の感情の吐露は、スポーツに青春を捧げた者の包み隠さぬ本音として、どうしようもなく胸に響く。もうちょっとが、あと少しが届かなかったんだ。それでも負けは負け。現実の非情さを、綾乃が全て肩代わりしている。

 一段上のステージへと上がってしまった綾乃。さらに周りを取り巻く人間関係にも不穏な要素しかない。一体どうなってしまうんだろう。バドミントンって、こんなにも人の心を荒廃させるスポーツなんですかね。

 

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 なんでどこの高校のユニフォームもこぞってエロいの? 第6話。コニーのユニフォームなんて、もうムチムチ過ぎてレギュレーション違反やんけ。いや、どんな規則があるか知らんけどさぁ。「もしかして現実の女子バドミントンもこれくらいエロいのでは?!」とか思って画像検索したけど、三次元はあくまで三次元だった(当たり前だ)。

 さておき、そんな邪な思考とは対極をなす、理子ちゃん先輩メイン回。これまでずっと縁の下の苦労人を続けてきた今作唯一の良心と言える理子。そんな彼女も立派な高校三年生なわけで、インターハイが始まればそれすなわち最後の夏である。以前のすったもんだのせいでなぎさ以外の三年生部員が全くいない状態なので、最強無敵のなぎさ以外に「最後の夏」がかかっているのは理子しかいない。そして、一般的な高校生部活動ってのがどんな風に終わるのか、その非情で当たり前な現実が描かれているのである。結局最後に立っている勝者は一人だけだからな……ドラマの陰には、大量の敗者がいるのは致し方ないこと。しかしそれが、一所懸命に頑張ってきた理子ちゃん先輩であることが、ちょっとだけ辛いのである。

 たまたま有力選手と一回戦で当たってしまうという不幸。なぜ今作はこうして平等に試練を与えていくのだろうかと憎らしくもなるが、まぁ、どこで当たろうと自分より強い人間は強い。それが1回戦だろうが3回戦だろうが時間の問題である。なぎさや綾乃はそれを打破するだけの力を持っているが、持たざる者はどうしようもない。それだけの話なのだ。しかし、それでも理子はやれるだけのことを精一杯やったことがよく分かる。本番までの期間でできる限りの練習を重ね、隣に立つなぎさという圧倒的な才能に負けぬよう、心を強くもって自分なりの戦いを続けてきた。実際の試合中でも、一度は挫けかけたが、頭で考え、身体を動かし、心を奮い立たせた。結果が全てのスポーツ業界ではあるが、高校生部活動という一側面を考えれば、こうして戦ったという事実も、彼女の未来を支える貴重な経験にはなったのだろう。そして、そのことは同じ部活のみんなには伝わっているのだ。理子となぎさ、いい関係性だよね。

 ただ、気になるのはそんな「いい関係性」の中に綾乃が入っているのかどうかというところで……冒頭の部室のシーン、あんまりスポーツに入れ込んでいないエレナがお気楽だったのはしょうがないにせよ、綾乃が「ほーん、アンラッキーやね」の一言でなんのフォローもなしに終わっちゃってるのはどうなんだろう。友達云々という経験を重ねて少しは成長したかと思われた綾乃だが、前回コニーにへし折られた何かはやはり復旧していない様子。あんだけ頑張って一緒に戦ってくれた理子ちゃん先輩に対して、あまりにも酷い仕打ちである。まぁ、それこそ彼女の中では「勝利こそ全て」だからなぁ……。

 しかし因果は応報である。そんな綾乃の下にやってきたのは、すべての元凶、ママンである。何しにきたんだ。コニーの様子も見にきたみたいだけども……自分の娘のことを「羽咲さん」っていうのはどうなのよ。久しぶりに対面して綾乃がメンタルを正常に保っていられるかどうかが心配だ。涙や鼻水どころじゃない。血の雨が降る展開にならなきゃいいのだが……。

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 「殺戮の天使」に続いて伊瀬茉莉也が主人公を殺しにきている、第5話。何だろ、「主人公を殺しそうボイス」なんですかね。意外とそうかもしれない。

 上げて落として落として上げてまた落とす。あまりの乱高下に乗り物酔いになりそうな展開である。こんだけ揺さぶられたら綾乃も大変やな、と思ったけど、考えてみたらこんだけの事態でグルングルン揺れてるのって綾乃自身の性格(というか生い立ち)に依るところが大きいよな。普通の子だったら、たった1試合で勝った負けたっていう展開だけでここまで精神的に壊れたりはしないと思うのだけど。

 前回までの感想で「友情パワーをぶち壊そうとする敵が出てくるなら、その前にまず綾乃の友情パワーをしっかり構築しないとピンとこないんじゃ?」ということを書いたが、なるほど、その友情が何だかよくわかっていない不安定な綾乃だからこそ、今回みたいな面倒臭い展開にもなるわけだ。まず、今回綾乃がどこで上がって、どこで落ちたかを確認する必要があるだろう。

 スタート地点は「2対1なのに勝てない」というコニーとの実力差を見せつけられての敗北でどん底から。しかし、その後コーチや理子の協力のおかげで持ち直し、ここで念願の「友情パワー」のありがたみを実感する。根っからのサポート気質である理子はまだほとんどコミュニケーションすら取ったことがないはずの綾乃のサポートにもうまく回り、2人の間には確実に信頼関係が生まれた。最初は理子の方から要求していたハイタッチを綾乃が積極的に求めるようになるなど、かなり分かり易い進展がみられる。どうやら綾乃さん、本当に幼少のみぎりから一切「友達と一緒にプレイする」という経験が無かったらしく、いざ自由な立場でダブルスをやってみたら、これが存外ありがたくて楽しかったようである。こんだけ経験に乏しい状態でバドミントンに嫌気がさしていたのだから、確かにコーチの言う通りに「勿体無い」のは事実だったのだろう。

 普通のスポ根ならば、ここで友情パワーを知った主人公はそのまま大逆転勝利を収めるところだが、なぜか今作はまだまだ綾乃に厳しい。さらにギアを上げたコニーとはギリギリまで競り合いとなり、最後にはアクシデントもあっての逆転負け。結局、綾乃が新しく手に入れた「友情パワー」もコニーという才能の前に打ち砕かれた形になる。また底まで下げられた綾乃は、せっかく手に入れたものを手放したくない一心で「敗北」という「下がる」要素を認めまいとした。しかし、これをチームメイトに一蹴。この時点で「完全実力主義」を幼少期から叩き込まれていた綾乃は本当に拠り所がなくなってしまう。同じ部員から突きつけられた「言い訳するなよ」は、綾乃の中では「お前、負けたんだから役立たずだし利用価値ねぇよ」宣言と同じなのである。

 しかししかし、当然、世の中の一般的な人間はそんなイカれた勝負感で生活しているわけではない。逃げ出した綾乃を迎えたのは、そんなチームメイトの「格好良かったんだから言い訳なんて必要ない」という一言。ここでようやく、「勝ち負けなんかよりも大切なものもあるんじゃないか」という、小学校の道徳で習いそうな理屈を身を以て知る綾乃。「あれ、私、大丈夫なの?」と今更ながらの新発見である。ここで再び持ち直し、彼女の「友情パワー」は価値を取り戻す。

 しかししかししかし、翌日には再びコニーに突きつけられる衝撃の事実。彼女こそが現在のお袋さんのお気に入りであり、自国に残していった役立たずの「娘」のことなど必要としていないんだぜ、とコニーは嘯く。普通の家庭ならばこんなセリフは嘘に決まってるわけだが、残念ながらここのお母ちゃんはマジもんである。コニーの言ってることはおそらく本当。年端もいかぬ我が子に「実力がなかったら黙ってろクズ」と瞳のハイライトを消して平気で言ってしまえるような御仁である。そりゃもう、強いコニーさんの方が可愛いに違いない。改めて自分の母親という「黒歴史」が現在も息づいていることを突きつけられた綾乃さんは、幼い頃からのトラウマも刺激され、再び下がる方向へ。

 チームのみんなは自分を格好いいと言ってくれた。試合に敗れても、自分に価値があると言ってくれた。それに対し、遠き異国の地にいる肉親は、未だに(コニーを通して)実力のない自分など無価値だと蔑み続ける。いったいどちらを信じるべきなのか。その結果、綾乃さんは……壊れるんだよなぁ。「友達or母親、自分が欲しいのは友達からの承認。だから母親なんかいらない」。いや、そうかもしれんけど……。なかなか晴れぬ瞳の曇り。いったい誰が晴らしてくれるものか。エレナさん、何とかならないんスかね?

 それにしても突然のサービスシーンはいったい何だったんだ……フレ女、さすがにサイズの平均値がおかしくないですか? ここはそういう次元なのですか?!

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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