最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「殺戮の天使」に続いて伊瀬茉莉也が主人公を殺しにきている、第5話。何だろ、「主人公を殺しそうボイス」なんですかね。意外とそうかもしれない。 上げて落として落として上げてまた落とす。あまりの乱高下に乗り物酔いになりそうな展開である。こんだけ揺さぶられたら綾乃も大変やな、と思ったけど、考えてみたらこんだけの事態でグルングルン揺れてるのって綾乃自身の性格(というか生い立ち)に依るところが大きいよな。普通の子だったら、たった1試合で勝った負けたっていう展開だけでここまで精神的に壊れたりはしないと思うのだけど。 前回までの感想で「友情パワーをぶち壊そうとする敵が出てくるなら、その前にまず綾乃の友情パワーをしっかり構築しないとピンとこないんじゃ?」ということを書いたが、なるほど、その友情が何だかよくわかっていない不安定な綾乃だからこそ、今回みたいな面倒臭い展開にもなるわけだ。まず、今回綾乃がどこで上がって、どこで落ちたかを確認する必要があるだろう。 スタート地点は「2対1なのに勝てない」というコニーとの実力差を見せつけられての敗北でどん底から。しかし、その後コーチや理子の協力のおかげで持ち直し、ここで念願の「友情パワー」のありがたみを実感する。根っからのサポート気質である理子はまだほとんどコミュニケーションすら取ったことがないはずの綾乃のサポートにもうまく回り、2人の間には確実に信頼関係が生まれた。最初は理子の方から要求していたハイタッチを綾乃が積極的に求めるようになるなど、かなり分かり易い進展がみられる。どうやら綾乃さん、本当に幼少のみぎりから一切「友達と一緒にプレイする」という経験が無かったらしく、いざ自由な立場でダブルスをやってみたら、これが存外ありがたくて楽しかったようである。こんだけ経験に乏しい状態でバドミントンに嫌気がさしていたのだから、確かにコーチの言う通りに「勿体無い」のは事実だったのだろう。 普通のスポ根ならば、ここで友情パワーを知った主人公はそのまま大逆転勝利を収めるところだが、なぜか今作はまだまだ綾乃に厳しい。さらにギアを上げたコニーとはギリギリまで競り合いとなり、最後にはアクシデントもあっての逆転負け。結局、綾乃が新しく手に入れた「友情パワー」もコニーという才能の前に打ち砕かれた形になる。また底まで下げられた綾乃は、せっかく手に入れたものを手放したくない一心で「敗北」という「下がる」要素を認めまいとした。しかし、これをチームメイトに一蹴。この時点で「完全実力主義」を幼少期から叩き込まれていた綾乃は本当に拠り所がなくなってしまう。同じ部員から突きつけられた「言い訳するなよ」は、綾乃の中では「お前、負けたんだから役立たずだし利用価値ねぇよ」宣言と同じなのである。 しかししかし、当然、世の中の一般的な人間はそんなイカれた勝負感で生活しているわけではない。逃げ出した綾乃を迎えたのは、そんなチームメイトの「格好良かったんだから言い訳なんて必要ない」という一言。ここでようやく、「勝ち負けなんかよりも大切なものもあるんじゃないか」という、小学校の道徳で習いそうな理屈を身を以て知る綾乃。「あれ、私、大丈夫なの?」と今更ながらの新発見である。ここで再び持ち直し、彼女の「友情パワー」は価値を取り戻す。 しかししかししかし、翌日には再びコニーに突きつけられる衝撃の事実。彼女こそが現在のお袋さんのお気に入りであり、自国に残していった役立たずの「娘」のことなど必要としていないんだぜ、とコニーは嘯く。普通の家庭ならばこんなセリフは嘘に決まってるわけだが、残念ながらここのお母ちゃんはマジもんである。コニーの言ってることはおそらく本当。年端もいかぬ我が子に「実力がなかったら黙ってろクズ」と瞳のハイライトを消して平気で言ってしまえるような御仁である。そりゃもう、強いコニーさんの方が可愛いに違いない。改めて自分の母親という「黒歴史」が現在も息づいていることを突きつけられた綾乃さんは、幼い頃からのトラウマも刺激され、再び下がる方向へ。 チームのみんなは自分を格好いいと言ってくれた。試合に敗れても、自分に価値があると言ってくれた。それに対し、遠き異国の地にいる肉親は、未だに(コニーを通して)実力のない自分など無価値だと蔑み続ける。いったいどちらを信じるべきなのか。その結果、綾乃さんは……壊れるんだよなぁ。「友達or母親、自分が欲しいのは友達からの承認。だから母親なんかいらない」。いや、そうかもしれんけど……。なかなか晴れぬ瞳の曇り。いったい誰が晴らしてくれるものか。エレナさん、何とかならないんスかね? それにしても突然のサービスシーンはいったい何だったんだ……フレ女、さすがにサイズの平均値がおかしくないですか? ここはそういう次元なのですか?! PR 近所に住んでる人は先生の存在に気づいているんだろうか、第3話。あんだけおおっぴらに「巨大先生」が出現したら、近隣住民はさすがに問題にしそうなもんだけど……窓開けたりしてる割に、見つかってないんでしょうかね。 設定がだいたい開示された。「アニメは3話まで見る」というのがどこまで真理かは定かじゃないが、とりあえずキリのいいところでおよその全体像を描ききったことになる。まぁ、もちろんオリジナル作品なんだからもう1ネタ2ネタ何かを仕込んでいるとは思うが、あとは余計な詮索をせずに観ていくことになるだろう。 「記憶喪失主人公」というのはなんとも都合のいい存在なのだが、普通ならなるべく引っ張りたいはずの宗矢の記憶は、現時点でもかなり戻っている様子。なんでわざわざ1話目からこの状態にしなかったんだろう? っていうのが構成への疑問として持ち上がるわけだが、おそらく「1話目ではなるべくインベーダーとしての異質さを出したい」という欲求、「実際は戦うのそっちじゃない」という意外性の演出などが1話目で宗矢が記憶を失っていた動機だろうか。また、本人の口から「だいたい戻った」と言わせている通り、どこまでいっても「完璧に戻った」かどうかはわからないというのもポイントで、「記憶をなくしていた」ことが印象付けられれば、その後の展開で新たな記憶を「追加」したとしても自然になるのだ。シリウスという謎の種族について、今後もう一波乱あるんじゃなかろうか。 それにしても、改めてこの「記憶を少しの間失っている設定」はうまい。色々と副次効果があり、一番大きいのは1話目時点で視聴者に「考えても意味ないんやろ?」と余計な詮索を放棄させる働きだ。主人公が「知っている」ならそれは極力説明したくなってしまうものであり、説明しようとして筆を割いたら30分じゃ足りなくなる。その結果、1話目ってのは往々にして尺不足だったり駆け足だったりと完璧な効果を狙えない構成になりがちだが、本作の場合、3話かけてゆっくり設定を説明するために、一時的に記憶を「奪う」ことで視聴者と主人公の目線を重ねることに成功している。(一応現時点では)地球VS封印派VS穏健派という三つ巴の戦いであり、自然に導入しようとしてもややこしい部分があるので、こうして少しずつ謎解きのようにしながら開示していくのは面白い手法なんじゃなかろうか。 今回、そうして少しずつ加えられた設定がひとまずのゴールを迎え、宗矢の夢の中では「純粋なる白の封印派」と「混沌なる黒の穏健派」の対立がはっきりと示された。そしてさらに、ネビュラはこれまで裁定者として星々を転々としており、その中でシリウスと呼ばれる一族の住む星を終わらせてしまった過去も語られている。宗矢はその生き残り。先生は、「穏健派が見守りすぎたせいで結果的に星が滅びた」という部分に負い目を感じ、宗矢の世話役を務めるとともに、二度とそのような間違いが起こらぬよう、シリウスを滅ぼした「竜の力」と呼ばれる超常的なパワーを未然に回収して回っているのだ。 こうなると、穏健派・封印派・地球(パラディン)という三つ巴の影に、「竜の力」というもう1つの存在がどのように絡んでくるのかが今後の謎になってくる。すでにだいぶ明らかにはされているのだが、封印派の秘書を務めていた人物がパラディンの秘書を担当している白石さん。立ち居振る舞いを見ると隊長さんも少なからずネビュラサイドの情報は得ているようだし、あまりにも大きすぎる機体のパワーなどを考えると、どうやらパラディンの上層2人はネビュラであるようだ。なぜ、封印派の連中が地球上でこんな活動をしているのかはまだ分かっていないが、白石さんが淡々とウェポンの破壊指示を出しているあたりに、何かマッチポンプじみたギミックがあるだろうことが予想される。一番ありそうなのは、ウェポンがそのものズバリ「封印」のツールになってるってパターンかな。竜の力を手に入れたパラディンだけを引き込んでウェポン内で戦意喪失させれば「封印」したことになる……かは分からないけども。まぁ、その程度で封印できるなら、もっと小規模に隊長たちが処理してるはずだよな。 なんだかんだで結局分からないことはてんこ盛りではあるのだが、とりあえず今週も銀子は可愛かった。 このサブタイトルなぁ……、第4話。部活内での問題が全部解決したかと思ったら外部から新たな侵略者がやってくるし、そもそも部活内の問題も別に解決してない気がするし、バドミントン怖すぎない? ダブルス競技とかやったらあかんて。 綾乃は無事に打ち解けて正式にバド部の一員となった。陰から見守るエレナさんも嬉しそうだし、周りの友達も実力者と評判の綾乃には興味津々。当の綾乃もまんざらではなく、前回エレナから「あんたバドミントン好きなんでしょ」と言われたことをすんなり受け入れ、今後は楽しい部活動を仲間たちと一緒に続けていく所存。なんだ、全てが丸く収まってるじゃないか。 そしてそんな円満なバド部が行う初のイベントが強化合宿。地方の体育館でたっぷりとバドミントン漬けになってみんなで切磋琢磨しようぜ、という清く正しい方向性であるが、どうやら人間関係に波風を立てずには生きられないのが綾乃の持って生まれた業であるらしい。偶然か故意か、(普通はちょっと調べたくらいじゃ特定の高校が合宿に行く予定地に合わせるなんてことはできないと思うが)同じ体育館で遭遇した2つの高校。強豪と名高いフレ女を前に、北小町の面々もちょっと緊張しているが、そんな中でもさほど気にしていなかったはずの綾乃に訪れる災難。なんでこんなに早く、母親の亡霊は彼女を苦しめにくるのか……。 コニーの狙いは同じ師をもつ「姉弟子」の綾乃である。それはまぁ、分かる。しかし、お母ちゃんに一体何を吹き込まれたらこんだけ敵対心をむき出しにしてやってくることになるのだろうか。「友達なんて無意味だってことを教えてやる」と繰り返していたが、いや、別に綾乃さんもようやく友達になる第一歩を歩み始めたところなので、別にそこまで友達の大切さなんて実感してないと思うのだが……一緒にダブルス組んでるのも特に思い入れのない理子先輩だしなぁ。せめてもうちょい、綾乃がバド部で研鑽を積んで「仲間と一緒ならどこまででもいける!」とか口にし始めてから叩き潰しにきた方が良かった気がするんですが。まぁ、お互いに顔すらよく知らない状況だったみたいだし、あちらさんも綾乃が直前までやさぐれてテニス部行こうとしてたなんて知る由もないのだろうが……。 そして、それだけなら綾乃一人の問題として処理できる部分だが、なんだかそれだけで終わらない気がするぞバドミントン部。体育館フロアでのあの意味深なやり取りは一体なんだったんでしょう。他の部員たちの間にも何か軋轢ってあるんだろうか。まだ誰が誰なのかもよくわかってないから詳細はわからんのだが、出来ればもうちょい楽しそうに女の子が遊んでる方が心休まるぞ。まー、この作品に安息を求めちゃダメなのかもしれませんが。 フィギュアの発売が2月て、第2話。これって2クール作品なのかしら。だとしても放送が終わってからの発売になるけど……大丈夫? 思いの外設定が明らかになって一安心の第2話である。もちろん突っ込んだ部分にはまだまだ謎も多いが、ベースとなる主人公サイドの行動原理が何となく分かり、いびつな三すくみ構造の理由が判明したことで一気に見やすくなった。あとはこの関係性をどう転がしていくかっていうお話になるのかな。 地球を守るヒーローたちは純粋にヒーロー。今のところ、最初にやられてしまった哀れな青年(虎居)はどう考えてもいい人だろうし、今回負けてしまった柔道少女(美羽)もおそらくいい子だったはず。愛されるべくして愛されるヒーロー像である。曲者揃いで足並みが揃っていない設定なのかとも思ったが、今回の会議の様子を見る限りでは案外チーム内の関係性も良好のようだし、問題があるとしたらじじいの管理が難しいことくらいだろうか。あと、一応後藤(弱)ボイスの秘書さんが若干怪しげな雰囲気は出しているけど、しばらくはこのままの構図で問題なさそうだ。 となると、分からないことが多いのはそんな防衛サイドと対峙する主人公サイドということになる。海から迫る謎物体は「ネビュラウェポン」と名付けられ、これが「封印派」と呼ばれる連中のものらしい。なんとまぁ、ちゃんと予想通りに地球人にとっては脅威となる存在だったのだ(そりゃそうか)。なんであんな珍妙な外見でゆっくり海から迫ってくるのかは全く分からないし、わざわざ体内に取り込んで1人1人に夢を見せていく理由も分からないが、「封印するか、見守るか」というレベルで地球人を監視しているらしいネビュラの最終的な目的と何か関係があるのかな。過激派といっても、すぐに大都市に突撃して破壊の限りを尽くすなんてこともないわけで、まだまだ「封印派」にも明かされていない動機がありそう。単純に猫娘(銀子)のいうことだけを信用するのも危ないかもしれない。そういえば、今回の敵は世界中に同時に登場してたっていう描写がなかったけど、もう防衛チームが日本にいることが特定されたから日本にだけ攻め上がってきたのかしら。 一方、銀子と先生のコンビは「穏健派」と呼ばれる一団であり、一応ネビュラといえばネビュラであることは確定。先生が手元の機械で今回登場したウェポンの映像を映し出していたことから、ウェポンの存在は穏健派の方でも認識している「一般的な」オブジェクトのようだ。先生は自宅のフィギュアを覗き込んだり、手元に置いておけるオブジェクトが好きなだけかもしれないけども。結局、封印派の動きが未だよく分からないので、相対すると言ってる先生たちも信用しきれないままなんだよな。なんで「ネビュラ」っていう呼称が先生たちと防衛側で共有されているのかも分からないのだが、偶然なのか、裏があるのか。 それなりに見栄えのするアクションと、日常パートの程よいギャグのおかげでテンポよく見やすい本作。できればこのままシナリオも盛り上がる展開になってくれるといいなぁ。あらいけいいちばりの集中線演出は好き。
親が畜生展開か……第3話。親御さんがこういう存在になってしまうお話は苦手である。CVがアレなので尚更……。辛いよう。 でも、今回は綾乃のお友達・エレナさんがメインのお話。序盤の展開から「ひょっとしてコレ、まさかのめぐっちゃん展開になってしまうのでは?!」って不安になったが、まぁ、あんな神のごとき存在がそんじょそこらに量産されたらたまったものではないな。エレナさんは割と素直にいい人だし、綾乃との接し方も最終的にはわかりやすい範囲に落ち着いた。将棋倒しのように人間関係が少しずつ処理されており、今回綾乃がゴールにたどり着けた最終的な要因は部長であるなぎさが作っている。前回なぎさが吹っ切れていなければ今回の展開もなかっただろう。そう考えると、バド部を救ったのはなぎさを信頼して支え続けてくれてた副部長ってことになるのかな。部長も綾乃も、今作は「強いやつ」の活躍よりもそれを脇でそっと支える影の存在の方が注目される作品だよね。だがメガネビッチ、てめーはダメだ。いや、あのキャラはすごいと思うよ。黒髪眼鏡で三つ編みのくせして肉食系って、なかなかアニメでは見ない造形だよなぁ。是非とも狙った獲物を食い尽くして欲しいですね。 さておき、ここまで引っ張ってきた綾乃のトラウマは、「試合に負けたら親に捨てられた」というショックに加え、「その後全てをかなぐり捨ててバドミントンで勝ち続けたのに親は帰ってこなかった」という徒労感、そして「気づいたらその親が別な才能を見つけていた」という絶望感の固め打ちである。確かに、ここまでやられたら今更バドミントンなんてやろうとは思うまい。親御さんの考えがどこにあるのかは分からないが、いわば「親が天才だと2世にプレッシャーがかかりすぎる」問題の亜種みたいなもんである。正直、どれだけ才能があろうとここで諦めた方が人生行路は楽になる気もする。 だが、そんな綾乃の挫折を見過ごせなかったのが親友のエレナであった。「バドミントンをしている時の綾乃は楽しそうだった」という幼少期の記憶を信じ、無気力に生きるだけの親友を立ち直らせるために一肌脱ぐことに。ただ、当初は「バド部に入ったらちゃんと友達もできたしアタシも用済みかー」ってんで引っ込もうとしていたようなので、彼女の中で綾乃との友人関係がどういう基準で構築されてるのかは気になるところだな。「綾乃が幸せならそれでいい」の中に「自分との時間がある」って項目は含まれてないんだろうか。ある意味自己犠牲の極みみたいなところがあるが……それは綾乃には伝わりづらいだろうよ。 最終的に問題の後押しをしてくれたのは、他所からやってきた謎のピンク髪ツインテール。バドミントンの為ならライバルと同衾してダイレクト感染させることも厭わない でもまぁ、雨降って地固まるじゃないが、この敗北から案外なぎさとの距離が縮まった部分もあるのかもしれない。親友に手を引かれ、ライバル(?)にけしかけられ、ようやく自分の手によるバドミントンを見つけた綾乃。次回から、いよいよバド部が本格始動でしょうかね。ところで、あの壁打ち用のマトすごいね。あんな道具で練習するんやなー。 最後なんか変なの出てきた、第2話。それまでの雰囲気をぶっ飛ばす突然のツインテピンク。ちょっと待て、あれをバドミントン作画で動かしたら髪の毛がカオスにならないか? 相変わらず凄絶な2話目。これ、やっぱり作画クオリティはこのままで突っ走るのかな? 人手不足・時間不足でヒーヒー言ってるアニメ業界の中で、ここまでのクオリティを維持できるのは尋常ではない。それだけ期待され、愛されている作品ということなのだろうか。ほんと、こういうレベルの作品だけでいいので、せめて今の本数の半分にすればいいのに。まぁ、そうなると今度は仕事にあぶれる業界人がたくさん出てしまうのだろうが……。 さておき、2話目もバドミントン作画は相変わらず。しかし、本作における作画演出のこだわりはそれだけではないため、単に「リアルで格好いい試合シーン」というだけで満足するのは勿体無い。せっかく用意された作画リソースは、他のシーンにも余すことなく活用されている。個人的に「うわっ、すごい!」って思った部分を1つだけ抜き出すと、試合とは全然関係ない、予備校トリオがデコ娘のフランクフルトを勝手にとって食べちゃうシーンである。別におかしなことは何も描かれていないのだが、最後の3人目に注目してほしい。この子、食べる前にちょっとだけフランクフルトに噛み付いて、串の上の方に「クイッ」って持ち上げているのである。この動き、フランクフルトなどの「串もの」を食べているときのことを想像すればすごくよくわかる部分で、確かにこれをやっていかないと串が邪魔で最後の方まで食べられない。どんな人間でも当たり前のようにやっている動きなのだが……普通、アニメでそこまで描かないでしょう? いや、描いてもいいけど、面倒だし、普通はわざわざやらない。やらなくても誰も文句は言わないんだもの。でも、今作はそれをわざわざ描く。実際の作画の手間を考えたら、いちいち気づかない方がずっと楽なのに。そういうところに、今作のこだわりがいちいち感じられるのが嬉しい。 また、全体的な演出方向で見入ったのは、ずっとなぎさ達が活動している体育館のじっとりとした薄暗さである。季節は春から初夏にかけて。まさに現実の今と同じような汗ばむ陽気で、外でのランニングなどでは盛大に汗が吹き出る季節。眩しい陽光が照りつけているのはいかにも青春アニメらしい。しかし、それでも体育館の中は薄暗い。これまた経験したことがある人なら知っているかもしれないが、バドミントンをやっている体育館は、風の影響が出るので基本的に窓が開けられないのである。中学生時代、私は某部活をやっていた隣にバド部がおり、「あいつらさえいなければもうちょっと涼しいのに!」と思ったもんだ。今作でもそうした「閉め切った」体育館の雰囲気が薄暗さで演出されている。一応、試合に影響の出ない場所の出入り口は開放されているようでそこから日光はさしているのだが、コートのあたりは全面薄闇。「黒子のバスケ」や「ハイキュー!」といった同じ室内競技アニメと比較すればその差は一目瞭然である。 実際のことを考えるなら、実はこの薄暗がりはおかしい。いくら閉め切ってるとはいえ、競技ルール上、普通は一定以上の光量は保証されているのだから。それでもあえて「暗い」状況が続く中で、この「暗」が一気に「明」に転じるシーンがある。それが、なぎさとコーチの対決後の和解シーン。ここでコーチに励まされたなぎさが初めて笑顔を見せ、表情に輝きが戻ったことで、西日のさす体育館は突如明るさを取り戻す。ここにきて、これまでずっと薄暗かった体育館の光景が全てなぎさの心象風景であったことが確認できるわけだ。目の曇りが晴れた彼女の視界で見る来週以降の体育館は、これまでよりもずっと明るいものになることだろう。 なぎさの問題については一応の解決を見た今回、次週以降、いよいよ綾乃の方にもスポットが当たっていくのかな? 果たしてどちらが主人公にふさわしいのか、いよいよ本当のスタートである。 あぁ〜、いいですわゾ〜、第19話。明ちゃんの完全覚醒。まぁ、これまでの様子から大体何を抱えているかは分かっていたのだけども。 多々良というのも悪い男である。人畜無害な顔をしておきながら、その実彼のダンススタイルは次第にパートナーを変質させていく。単に我が強くて相手に合わせることを強要するとかだったらいくらでも拒否のしようはあると思うのだが、最初は相手を尊重し、個性を消しているかのように見せかけて、少しずつその末端から飲み込んでいくような、何とも不可解なターンの取り方をする。「立ててから、引っ張る」というこの多々良スタイルにガッチリ噛み合っていたのが真子ちゃんで、彼女の場合は持ち前のポテンシャルを多々良に引き出してもらう形で相互に高め合うことに成功した。 しかし、もともとリードを担当していた千夏の場合はそういうわけにもいかず、出会ったとき以降、特にここ数話は喧嘩しながら互いに互いを引っ張り込もうと躍起になり、何とも歪なコンビネーションを披露していたわけだ。しかし、こうして「合わないと言って揉める」という段階もすでに多々良の手の内とも言える。何にせよパートナーは「多々良の自我」を見て、その値踏みをしながら向き合うことを強要されるわけで、一緒の舞台に立ってしまったのが運の尽き、あとは多々良という面妖なリードに多かれ少なかれ影響されることになるのである。 普通に考えれば、千夏ちゃんが変化し、ガミガミ言いながらも少しずつ多々良に歩み寄るのは良いことである。千夏ちゃんはそれで個性が死ぬようなヤワな造りではないだろうし、互いにそこから伸ばせる部分を見出していけばいいだけの話だ。しかし、それが我慢ならない人間がただ1人。それが千夏の元パートナーの明だったわけだ。彼女と千夏の馴れ初め、そして2人でダンスに挑むモチベーションに至るまで、今回は回想シーンでたっぷり明ちゃんの内面を見ることができた。その根底にあるのは実にシンプルな千夏への感謝と憧れ。幼い頃に千夏に救ってもらったことへの恩があり、ダンサーとしても女性としても自分には無いものをたくさん持っている千夏が素直に羨ましいという感覚。そして、そんな千夏が気づけば「自分専用」のリード役になっているという優越感。どこまでも卑屈な部分が抜けない明は、そうして自分以外のものを占有しているという事実から、大きな自己肯定を得られていた。 しかし、そんな千夏が少しずつ多々良によって変えられていき、ますます自分の方を見なくなっているという現状。それが彼女には耐えられない。千夏をここまで支え、ずっと千夏の理解者であり続けたのは自分一人だけ。そんな歪んだ独占欲が、これまでならちょっとした嫌味程度で済んでいたところだが、もう、明確な外敵が現れてしまったのである。かつて千夏に「もう明は頑張る必要など無い」と言われてしまったショッキングな過去。自分は千夏を理解しているはずなのに、千夏はちっとも自分を分かってくれない。自分はこんなにも千夏を欲しているのに、千夏は少しも興味を持ってくれない。そんな一方的な偏執が、「千夏が他者によって変えられる」という事実でますます救えないものになっていく。 牙を剥く敵意。荒ぶる百合魂。ただでさえ迫力のダンスシーンを描くためのハードな画風で、鬼の形相をした明ちゃんのガン飛ばしが見られる最高の演出。このまま、明ちゃんは千夏を寝取られてしまうのか。それとも、憎き男を打ち倒し、憧れの王子様である千夏を取り戻すことができるのか……。いや、本筋の流れから考えたら絶対に明ちゃんの熱意が成就することはないんだろうけども……。ここまで熱量のある百合は久しぶりに見たので、その歪な欲求は何とかして叶えてほしいものです。頑張れ明。 何も捻られなかった!! 最終話! ことごとく予想を裏切ってくれる作品である。まー、さすがに捻ったネタを仕込むだけの尺の余裕はなかったか……。 前回からの引きで、「さぁ、チェンジリング作戦は今いったいどうなっているんだ?!」とドキドキしたのだが、なんと前回のエピソードで表面上に見えていた図式が全て事実だった。なーんだ。かなりの肩透かし。というか、そうなるとやっぱり前回のプリンセスの反応にどうしても違和感が出てしまうのだが……アンジェのことを大切に思うあまり、彼女の安全確保を狙って多少強すぎる調子になってしまったってことなのかなぁ。でも、それだと最終的にプリンセスはアンジェのことが理解できていなかったし、アンジェもプリンセスの執念を甘く見ていたということなので、百合関係の評点は大きく下がることになってしまう。いや、お互いに本当に大事に思い合っている部分は認めるのだが、こちらとしては「何も言わずとも全てを分かり合える現し身」みたいな関係性を求めていたわけで、痴話喧嘩とすれ違いでドタバタしちゃったのはちょっと残念。 そこで、今回おもむろに株を上げにかかったのはアンジェ×ドロシーのカップルである。やっぱりドロシーお姉さんは格好いいですね。雪の降りしきるロンドンの街、銃弾飛び交う鉄火場でも常に乳は出しっぱなしというこだわりには畏敬の念すら覚えますよ。まぁ、ちせの格好もおかしいしな。こいつら寒いって感覚ないんだろうな。とにかく、失意のアンジェを救ってくれたのは「お前ら登場が便利すぎる」というツッコミ待ちのドロシー、そしてベアト。ベアトは最終回だからまた何かでっかいキャスト変更があるかと思ったら、結局何もせずにひたすらワーキャーいってるだけだった。だが、それがかわいかった。ドロシーさんはこれまでの鬱憤を晴らすかのようにアンジェに意趣返しの「嘘」を繰り出してしたり顔。その後は持ち前のドラテクでダービー弟すら倒せそうな見事な走りを見せる。この人がいるからチームはなんとかやってこられたんだろうなぁ。そして当然ちせさんは便利な防壁に。もう、この世界の銃弾は確実に刀で落とされるためにある。 どういう裏事情があったのかはわからないが、とにかくチームはあっという間に復活。あとは肝心要のプリンセスを奪還するだけってことで、ダイナミック潜入アクションになるわけだ。まぁ、反重力ボールさえあれば色々とどうにかできますので。っつうかさ、ドロシーたちがあんだけ簡単に式典会場の屋根裏に進入できちゃったってことは、クーデターチームがあんな大胆な作戦を考えなくても割と簡単に暗殺者とか派遣できそうだよね。ドロシーさんたちはやっぱり特別優秀なのかな。とにかく、式典会場の屋根裏ではプリンセスがゼルダさんや小野Dボイスの格好いい兵隊さんたちと一進一退の攻防を繰り広げていた。プリンセスもかなり追い詰められた状況からのスタートだったが、幸いゼルダの暴走も他の兵士たちとのコンセンサスはない状態なので、プリンセスはとにかく彼女の動きを封じる方向に進めればなんとかなるという状況。ここぞというタイミングで発揮された彼女のスキルが「プリンセス」ではなくて「スリのアンジェ」としての能力だった、というのがなんとも皮肉めいた関係性を匂わせてニヤリとさせられる。有能なゼルダの前では精一杯の抵抗も空回りに終わってしまったが、時間稼ぎが実ってなんとか王子様が間に合った。ドタバタしながらもなんとか「プリンセスの救出」と「女王暗殺の阻止」という2つの目標だけは達成できた。ただ、コントロールとの関係性も含めて、色々と禍根を残してしまったのは事実だよなぁ。今後もプリンセスってそのままのポジションで活動できるのかしら……。 ラストはサブタイトルから「壁が崩される」のかと思いきや、壊すことができたのはアンジェの心の壁でしたよ、っていうオチ。むぅ、しょうがないとはいえ……やっぱりちょっと物足りないぞ。これは是非とも続きを作ってもらわなきゃいけませんなぁ。いや、続きよりも先に「穴を埋めるエピソード」が必要ではあるんだが。制作チームは、どの程度「この先」を考えているのかなぁ。 case23なのかよ、第11話。ことごとく想定をひっくり返してくる作品だなぁ。これで次回ラストがcase24になるわけね。この構成だと、残念ながら将来的に「放送されなかった合間のエピソード」だけでもう1シーズンやることはなさそうだなぁ。 というわけで、一気にクライマックスに突入。ラスト3話をしっかり時系列順に放送するということは、これまで色々といじってきた話数シャッフル自体に大ネタは仕込まれていないということだ。どういう効能があったんだろうと考えると、一番大きいのはやっぱり「視聴者の興味を引く」っていうところだろうね。先に「出来上がった関係性」を見せておいてからその形成段階に戻ったり、イチャイチャしてると思ってた連中が実はいがみ合っていたり、そういうギャップを引き立たせるときに、普通の時系列で流すよりも際立ちがはっきりするから印象が強くなるんだ。その分、視聴者には余計なストレス(理解にかかるコスト)を求める事になり、シリーズアニメとしてはハイリスクハイリターンの作戦だったわけだが(途中で放り投げる視聴者もいるだろうからね)、今作の場合、狙い通りの効果はきちんと発揮していたし、期待通りの「リターン」は得られているんじゃなかろうか。 さておき、プリンセス暗殺指令が下ってからの緊迫の展開だが……正直に一言で言うと「もう訳分からん」。いや、素直に見るなら画面に見えてるそのまんまの現象なんですよ。指令を受けて、いかにも胡散臭いヤツ(ゼルダ)が派遣されてきて、その結果ドロシーはお払い箱、ちせも堀河公から事前に呼び戻され、(ベアトはどこに行ったかわからないけど)残されたのはプリンセスとアンジェという、今作のコアというべき2人に関係性のみ。アンジェは当然プリンセスを守るために奔走し、なんとか組織を出し抜いて一緒に愛の逃避行を目論むも、なんと当のプリンセスがこれに反発。あの日の誓いを胸に自分はプリンセスとしてやるべきことが残ってる、ってんで自分の意志で渦中へと舞い戻り、いっそ全ての黒幕を私が担当するわ、と「自分を殺して」てっぺんへと登り始める。 プリンセスの志の高さには驚くばかりだが、一応これはこれで筋が通っている物語。表面的にはこれで納得してもいいのだけど……、ただね、スパイは嘘つきなんですよ。黒蜥蜴星人の企てをいちいち信用するわけにはいかないんですよ。外部からの圧力に疑う余地はないので、コントロールの上層部がすげ変わったこと、プリンセスの扱いが変わったこと、そしてそれを利用して内紛をけしかけようとしてる勢力があることは全部「事実」である。しかし、その中でゼルダがどういう意図を持って動いていたのかは現時点では不明確。彼女は戻ってきた「アンジェ」をどのように見ていたのだろうか。クーデター軍の人たちには「プリンセスだよ」と紹介していたが、あれが事前の取り決めだったのかどうか。あそこでアンジェが「プリンセスの格好をして戻ってくる」ことはゼルダの想定にはなかったはずなので、すんなりチームと引き合わせて「プリンセスダヨー」と紹介したのは違和感があるんだよな。プリンセスが事前にゼルダと示し合わせていたのであれば話は変わってくるのだが……。 そして最大の問題は、「どっちがどっちなんだ」である。普通に考えれば、ショッピングの時にブティックで入れ替わった2人は、そのまま逃走し、船に到るまではずっとそのままの状態。そして船内で喧嘩して、プリンセスがアンジェを一方的にフり、そのまま単身でゼルダのところに乗り込んできた、という筋書きである。でも、本当に? それであってる? いくらなんでもあの船内での喧嘩は急すぎない? 2人は「小さかった頃の記憶」を活かし、入れ替わりについては阿吽の呼吸で対応できる。そして、今回の一件、「プリンセス暗殺指令」についても、事前にそうした命令が下ることは充分予想できていたこと。さらに事前にクーデター軍の存在も知っていたとすると、2人には充分に対策を練る時間があったはず。周りをだまくらかすプランを練れたはず。そう考えると、やっぱり矢面に立つのは反重力ボールを操れるアンジェの方が都合がいいわけで、あそこでプリンセスがさも喧嘩別れしたようなていで出ていくのはちょっとおかしいんだよね。まぁ、単に2人の関係性を考えた時に、あんな簡単に破局を迎えるはずがない、って信じたいだけなのかもしれないけど。「入れ替わりを悟られる」ところまでが計算済みなのだとしたら「入れ替わった後で入れ替わって、裏の裏が表」という可能性もあり得るんじゃないかしら。それくらいやってくれないと、黒蜥蜴星の威信に関わりますから。 まぁ、正直「何が起こっても不思議じゃない」というくらいでとどめておくしかないですけど。一つだけ言えるのは、多分、来週2人は幸せなキスをして終わりますよ。 |
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声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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