最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
あかん、これ俺がすごく弱いやつ、第10話。「優秀で堅物だった女が、何かのきっかけで転がり落ちて救えないところまでいっちゃう」っていうシチュエーション、精神的ダメージが大きくて、ものすごく辛い気分になるんだけど、最終的に好きなんです。MでNTR好きっていうのはそういう人間なんです。今回の委員長、具体的にどう転げ落ちたかを語らずにカバンの薬物だけでそれを暗示させるところとか、最高にエロくないですか? 最新話の時系列は最新話だ。一番近いところでアンジェたちの過去が明らかになったcase20の「Ripper Dipper」。あの時点でチームの人間関係はほぼ煮詰まっていて、アンジェとプリンセスの関係だけは他のメンバーに言っていない状況。さらに4話目(case9)ではドロシーはアンジェとは別に、プリンセスの動向に気を配るように上から指示されており、実はドロシー・アンジェ間にはすでに認識の差が生じている状態だったのだ。幸い、他のメンバーについては完全に打ち解けた様子で、アンジェとベアトの連携は安心して見ていられるし、今回暇だったちせとプリンセスのコントなんかも和やかな雰囲気で、ちせさんも割とプリンセスに心を開いているようだった。まぁ、仮に2クール分(25話前後)だったとしたら、case22ってマジで最終盤だからな。だからこそのあんな引きなわけだが……、これで次週は多分case23ではないんだよね。やきもきさせられるなぁ。 さておき、今回はそうしたチームの中身の話以外にも、与えられた任務が特濃で重たい。「かつての仲間が二重スパイに?!」というのもこの手のお話では割と定番で、そんな疑念がかかってる時点で100%バッドエンドになってしまうことはわかりきっているのだが、ここに「かつて同期だったドロシーとアンジェ」という2人のキャラの認識の違いが確認できるのが興味深い。そして、「すでに同期は3人だけ」という残りの1人、委員長というキャラの存在感。「憧れた人がいた」と言って視聴者には「ライバルには愛憎渦巻く感情を持っていたんやな……」と思わせておいて、ラストで「それはアンジェじゃなかった」と言ってひっくり返す。このシフトが実に憎らしい。だって、「アンジェを超えられなかったのが悔しくて、反抗したいという欲求から裏切った」というわかりやすい感情だったら、よくいるダメなやつじゃない。気持ちは分かるけど、養成所時代に優秀だった人間がそんなことで道を踏み外すなよ、って思うじゃない。 でも、委員長はそうじゃなかったんだ。「成績なんてどうでもよかった」。つまり、アンジェなんてどうでもよかったんだ。彼女が憧れていたのは「風のような人」と形容したドロシーの方。堅物の委員長は、クリスマスの試験の日のドロシーの笑顔、そして自分を責めずにケロリと遊ぶことを勧めてくれたその自由さに憧れを抱いてしまった。やはり、人は自分にないものに焦がれてしまうのだろう。そして皮肉にも、そんなドロシーの差し伸べた手が、彼女の人生の道筋を小さく狂わせてしまい、気づけば道の隔たりは取り返せないほどに大きくなっていた。ドロシーと出会わなければ、彼女はきっとエリート街道を進めていたのだろう。もしあの日の試験で退学になっていたとしても、彼女は才能を活かして充実した人生を送れていたはずだ。しかし、純粋なドロシーの好意が、純粋なドロシーへの憧れが、彼女に小さな毒を植え付けた。なんて皮肉な慕情であろうか。そうして距離が広がっていくことに苦しむ委員長。自分の行いが、かつての仲間の身の破滅を招いてしまったドロシー。小さなコンパートメントで向かい合う2人の女性の心中はいかばかりのものだったのか。 そうした2人の関係性を知ってかしらずか、アンジェは一応ドロシーのことを考えて動いてくれていたようなのだが……あそこで取り逃がしてしまったのは、やはり委員長が優秀だったからなのか。結果的には、ドロシーには何よりも辛いシーンを目撃させることになってしまった。あそこで車中に押し入るのは別にアンジェでもよかったと思うのだが、ドロシーが自分が交渉したいと言ったのか、それとも足場が不安定な車外から万一に備えて銃を構えるのは反重力ボールの操作に長けたアンジェの方が適任だという判断だったのか……なんにしても、委員長は7話に続いてスパイという職業の救いのなさを嫌という程に思い知らされる結果になった。どこかで別な道を選ぶことができなかったものか……。 これだけの境遇にありながら、表面的には冷静を保ちながらきっちり事後報告にいけるドロシーはとても強い女性だ。しかし、そんなドロシー達の前に突きつけられる新たな任務。ついにきてしまった、スパイが身の振り方を選ばなければならない究極の選択の時間だ。さしものアンジェも動揺していたようにも見えたが……これって、アンジェは何をどうあがいてもプリンセスのために動くから取るべき行動は「反抗」だけ。ベアトだってノータイムでプリンセス側につくだろうし、ちせは堀河公に一応打診するかもしれないが、最終的には自分の判断で「主君」を守る気がする。となると、やっぱり問題はドロシーなんだよ……。なんか、この作品ドロシーにばっかりキツくない? PR ベアトの変声履歴がどんどん大変なことになっていく、第9話。あの一言だけのためにわざわざアフレコに呼んだのかよ……。今回の「ヘンテコ東洋人」とか、「カンフーは使うなよ」とか、絶対狙ってやってる台詞だろ。 今回はcase11。これまで放送された話数でいうと、case9のRoaming Pigeonsとcase13のWired Liarの間。case9の時点では「ちせが加入してからまだあんまり時間が経ってないっぽいので多少ギクシャクしてるところはあるな」と思ってみていたわけだが、今回の時点でまだ「加入して半月」とのことだったのだから、そりゃまだ初対面みたいな状態だったわけだな(case8や10でどうなってるかはわからないが)。そしてcase13(1話目)でちせがだいぶ打ち解けた様子だったのは、今回みたいなことがあったからなのだろう。 今回はスパイとして上から言われたミッションはほとんど無いようなもので、ヘンテコ東洋人ちせの生態をたっぷりと見せてくれるお話。7話に続いてのお当番回で、ちせさんは愛されキャラである(使いやすいともいう)。同室になってしまったベアトが辟易するほどに気ままな東洋的生活を続け、なぜか持参した荷物の中には法螺貝まであるという。ネットも何も無いこんな時代、よくわからない辺境の国の人間が突然奇行に走るのだから、そりゃ白い目で見られるのも当然だろう。「ちせは変だ」というのが共通認識だからこそ、最後の土俵入りのヘンテコムーブも4人が抵抗なく(?)やれたのだろうし。しかし、あの情報はどこで調べたものなんだろうな。軍配まで作ってるところを見るとちゃんと画像や映像のデータがあったということなんだろうが……(まぁ、漢字とか色々間違ってたけども)。 ちせのヘンテコ生活だけを楽しむ異文化コミュニケーションアニメとしても充分楽しいが、それだけだと「異国迷路のクロワーゼ」と大差ない。今回最大の眼目となるのは、目立ちすぎる東洋人をわざわざ囲い込んだプリンセスの思惑だろう。まぁ、単純に面白そうとか、圧倒的武力が役に立つとかいう理由もあるだろうが、おそらく、彼女が堀河公との繋がりを密にしていることは明白なのだから、そのあたりの舞台裏のコントロールも目的なのではなかろうか。また、ヘンテコな奴が1人はっきりと目立ってくれれば、ほかの人間がおかしなことをやっても多少はごまかせるという目隠しの役目もあるのかもしれない。スパイは目立ってはいけないが、露骨に目立つ奴を1人用意しておけば、その陰に紛れることが容易になる。実際、今回のミッションでもそうしてちせを餌にしてうまいことスパイもどきをやり込められたわけだしね。あの子、単なる意地悪クラスメイト的立ち回りなんだろうけど、なんか、チョロかわいい匂いがするな……。彼女の悪態にサラリとやり返してしまうプリンセスの胆力はさすがだ。 さすがといえばちせさんのオールラウンドの戦闘力。刀の扱いに長けているのは分かるとして、まさかのスリングまで使いこなす。そもそも女学生の制服のリボンタイなんかで発射できるかどうかすら危ういのに。日本のミラクルサムライはどんな武器でも使いこなせなきゃいけないのかな。そもそも日本の武術にスリングショットがあったのかどうかもよくわからないが……やっぱりこの作品を見てるといろんな時代考証とか文化の差が気になるよな。多分きちんと時代に合わせてるのだろうけど、一部にアニメ的な嘘は混ざってそう。19世紀末頃だったら、日本にだって写実技法を優先した絵画は充分に浸透してるはずだからね(まぁ、単にちせさんの画風がああいうタイプだってだけなんだろうけど、サムライの娘にしてはずいぶん達者な絵である)。 あと、個人的に興味があったのは「デュエルピストルって何?」っていう部分。決闘に拳銃を使うのはいいとして、よく西部劇なんかで見る「10歩歩いて同時にズドン」じゃなくて、ターン制にして撃ち合うスタイルもあるのね。決闘用って言ってたけど、普通に弾出てたし、ペイント弾とかじゃなくて殺傷力のある普通の銃だよね。ちせは平然と死地に赴いてたってことだよなぁ。サムライは拳銃の扱いにも長けているのか……なんかもう、1人でミラクルジャパンを体現してるな。この調子で是非、プリンセスたちに正しい土俵入りスタイルも教えてあげよう。ドロシーさん、まず上脱ぐとこから始めよう。 このサブタイトルの韻が好き、第8話。今作は何らかの形で韻を踏むサブタイが多いのだが、今更気づいたけど「Princess Principal」からの繋がりなのね。前回の「Loudly Laundry」もわかりやすくて良かったけど、今回のタイトルも実にうまい。「Ripper」の方は当然「引き裂くもの」という意味(ジャック・ザ・リッパーのリッパー)であり、「dipper」は俗語で「すり」の意らしいから「スリの小娘と出会ったお姫様が運命のいたずらでその間を引き裂かれる」という解釈も可能なのだが、調べてみると「Ripper」はイギリス英語(これ重要)の俗語で「すげぇ、デッケェ」という意味があり、直訳するなら「すごいスリ」の意となる。アンジェの尊敬する「プリンセス」は、本当に「すごいスリ」なのだ。 case20ということで順番としてはここまでのエピソードで一番後ろ。直近はcase18のドロシーパパ回である。あんまり注意して見てこなかったので確認できないのだが、ひょっとしてチームプリンセスとノルマンディー公の関係性って時間が経過するごとに煮詰まってきてる? 表向きはプリンセスとしては「身内」であるはずだが明らかに敵キャラというノルマンディー公とは、プリンセスたちはどのような関係にあるかを明示するわけにはいかないのだが、今回は明らかにバチバチだったし、露骨に反目しあうかどうかも時系列で変わってきているのかも。ちなみに、時代が後の話なので当然チームの関係性は全員ツーカーである。ただ、それでもまだベアトが「何でアンジェはプリンセスに弱いんだろうね?」と首を傾げているところを見ると、やっぱり2人の関係性はメンバーにも話していないんだ。そこは最後の砦なのかなぁ。まぁ、その割にはその辺の浮浪者の少女にあっさりと(物語形式ではあるが)喋っちゃってるんですけどね。黒蜥蜴星人のたわ言としてスルーしてもらえるかしら。 個人的には、これまで不確定要素だと思ってあまり信用していなかったプリンセス・アンジェ間の関係性だが、どうやら2話で言っていたもので確定らしい。今回も一応アンジェ(ややこしいので当ブログでは「アンジェ」「プリンセス」で統一します)の独白の形式なので嘘が混じっている可能性もゼロではないが、今回のお話は全て事実だったと受け止めて問題ないだろう。2人は本当に入れ替わっており、アンジェの本名はシャーロット、プリンセスの本名はアンジェだったのだ。 普通、こうして平民と王族の入れ替わり物語なんてものが展開する場合、片方が上、片方が下の身分なのでどちらかが一方をやっかむことになるはずなのだが、この2人はどちらも「お互いに大変なのに交換しちゃってごめん」と互いをいたわっているのが特殊な点。スラムに放り出されたアンジェを見て「これ、どう考えても戻れなくなったらアンジェが一方的に地獄やんけ」と思ったら、都合のいいことに(悪いことに)そのタイミングで革命が起きるという運命のいたずら。まぁ、スリの娘っ子が簡単に壁の隙間から侵入できるような王城に住んでるような連中だし、割と簡単にひっくり返る権力だったのだろうが……。結局、「スラム街に投げ捨てられ、貧民として生き抜くしかない元王女」という悲劇と、「王族でもないのに、革命にさらされてちょっとでも気が緩んで身分がバレたらマジで命がやばいただのスリ娘」という悲劇が同時進行で発生することになったわけだ。全く別種の苦労ではあるのだが、お互いに「それまでの自分の生活」をよく知っているだけに「あっちの方もヤベェよなぁ」というんで一切恨み言が生じず、互いを思いやる関係を長年維持できたのである。 大切なのは、別れの際にアンジェが残した「私は女王になってこの国を変えるんだ」という一言。プリンセスの方はその一言を胸に「自分が何とかしてその代わりを果たさねば」というので血反吐を吐きながらも王族として生き残ったし、アンジェの方も何とかしてプリンセスに再会するために必死でスパイとしての腕を磨いた。あの便利な反重力ボールが一体どこでどうやって手に入ったのかは定かでないが、2人とも元々才能に溢れた人間だったのは間違い無いだろう。長年生き別れていたにもかかわらず、頻繁に入れ替わりが可能なくらいに「互いの人生」をリンクさせることができるのも、2人の天性の才能があってこそだ。まぁ、今となっては流石にアンジェもプリンセスほど芸事をこなすことは出来ないようだが。 今回はそんな2人の入れ替わりの物語がメインなので、ミッション自体は割とあっさりめ。スリの少女との交流物語は一応あったけど、あれもアンジェの過去を想起させる程度の役割だし。冒頭でアンジェが「ひどい国ね」って言ってたけど、幼子が露骨にスリやら置き引きやらをやろうとしたのに単にはっ倒されるだけで済んでる時点で割と甘い国だと思うぞ。まぁ、そんな国でも「変えなきゃ」っていう使命がアンジェとプリンセスを突き動かしているわけだが。ロンドンに立ちはだかる「壁」という具体的な存在が、2人の人生を隔て、現在も世界を不幸にしている様々な「壁」に含意されているのもまたおもしろい。さて、次の話数はどこになるのかな。 社長という役職の軽さよ、第7話。部活のキャプテンを入れ替えるみたいにホイホイ首がすげ変わってて流石に草。あんなとこで燻ってたおねーちゃんがこれから社長業を全うすることが出来るんでしょうかね。 スパイのはずなのに忍んだり隠れたりという概念が一切無い連中のお話。いや、ちゃんと正体は隠して潜入していたが……お姫様の無茶苦茶な行動はどうしたって目立ちまくり。普通に考えればあんなとんでもないことやらかしたら巷で噂にならないはずも無いのだけどね。一応本当の業務(通り魔の捕獲)と洗濯工場の再建は全然関係無い案件だから構わないって判断なんでしょうかね。この調子でいくとどんどん色んなところに面が割れて後々の行動に支障を来す気がするのだが……ロンドンの街って絶対にそんなに広くないだろ。そりゃ上層部も顔をしかめるわけだ。 とりあえず、ふらりとやってきた謎の一段がうらぶれた町の工場を再興して煙のように消えてしまうという、ある意味では王道展開のお話。今回は悪人らしい悪人もほとんどおらず、前回までのエピソードに比べれば大層なハッピーエンドであった。ちせの健闘も一応は報われたってことになるのかな。他の面々も実務のアンジュ、出資の姫、対人交渉のドロシーに機械専門のベアトリス、そして荒事担当のちせという分業がきれいに出来ていて、チームのバランスの良さが窺えるお話である。ベアトは前回のお話でピッキング技術が無いことが判明しているのだが、それでも機械全般については一応専門家っていう立ち位置でいいんでしょうかね。まぁ、細かい作業が出来るかどうかよりも機械の運用についての知識があるかどうかの問題だからな。 ちなみに今回のナンバリングはcase16。前回のドロシー鬱話がcase19で、あっちでも登場したニセ広川太一郎の借金取りが今回も登場。前回が初対面なのかと思っていたが、一応ドロシーたちは一方的に面識はあったってことなんだね。今回直接彼と顔を合わせたのは姫とアンジェだけなので、前回出会った2人は借金取り側からすれば一応初対面か。こうして脇のキャラとの絡みも少しずつ話数シャッフルの中に組み込まれていくと興味は湧くね。case16ともなるとちせとの関係性もすっかり馴染んでおり、チームのメンバーは全員ツーカーである。ただ、相変わらず姫の行動だけはぶっ飛んでおり、従者達は色々と手を焼いている様子だけは最初から変わらない。今回暗殺者がちせと一戦交えている時に姫はこともあろうにデッキブラシで助太刀に行こうと息巻いていたが、流石にそれはアンジェに止められましたね。あのシーン、アンジェはちせが1対1でも絶対に負けないって確信してたから姫を逃がすことだけを考えていたんだよね。まー、それなりに実績のある殺人鬼にアイロンで立ち向かう人間に心配してもしょうがないか。 今作の興味深いところは、そうしたお約束ストーリーの中に近世イギリスの文化が垣間見えるところ。いや、重力が無視出来る壁ありロンドンはどう考えても「なんちゃってブリテン」でしかないのだが、洗濯工場という職種がおそらくはこの時代に賑わっていただろうという部分と、工場制の労働形態が固まっているはずなんだけど、まだ色々と技術面が荒いところなんかが興味深い。一応軽く調べてみたんだが、残念ながらクリーニング業という業種がこの時代にどの程度のニーズで、どの程度の規模で行われていたのかは良く分からなかった。今回観たように女工さんが歌を歌いながら作業してたっていうのが史実なんでしょうかね。流石にあんな幼い女の子ばっかりで、現場監督まで若い女性ってことはないと思うけども……いい職場ですね。 今回登場した工場内の女の子たちは全員割とキャラが立っていたし、チームとの絡みも自然で良いシーンが多かった。スパイ云々抜きでも割と真っ当な萌え路線で見られるのはありがたいですね。さて、あと数話で一体どういうお話の展開になるやら。 case18って、第6話。これってひょっとして2クールあるのか、それとも全部のナンバーを埋めずに進行するお話だったのか……今までの想定が全部ひっくり返ったわ。まぁ、ここまでナンバーが飛ぶってことは話数シャッフルはあんまり重要じゃないってことなのかもしれんけども。 今回はこれまであまり中心でスポットを浴びなかったドロシー回。メイン回が回ってくるのがちせよりも後ということで随分待たされた感があるが、待った分だけ充実した……鬱回だったな……。まぁ、悲劇としては典型ではあるのだが……なんかね、もう私も歳が歳なもんだからドロシーサイドよりも親父さん側からお話を観てしまってね。そりゃ親父がゴミクズだったのは間違いないのだし、結末だって因果応報と言われればそれまでなのだが、そこにいたるまでの段階で、ドロシー側の心理を慮って色々と「良い」描写が積み重なってしまっていたものでなぁ。 最後の最後、親父さんは娘のドロシーのことを「奇跡なんだよ」と言っていた。クソ親父から真っ当な(?)娘さんが生まれたことが奇跡。母親似の美人さんがこんなところで再び現れるなんて本当に奇跡。親父さんは、きっとそんな奇跡に心から感謝して、宣言通りに(今だけは少なくとも)やり直そうと思ってたはずなんだ。金が無いという現実に苦しんだからこそ、金さえあれば何とかなると信じ、ほんのちょっとだけ、悪い相手に欲をかきすぎた。ほんのちょっとの歯車のズレが、彼の人生に終止符を打ってしまったのだ。道半ばで娘に報いてやれなかった無念はいかほどのものか。人生なんて、分からんものよな。 そして、当然普通の視聴者目線なら、今回のお話はドロシー側からみた悲劇である。紆余曲折はあったが、何とか辿り付いた実の親との復縁。クソみたいな奴だとは理解しているが、それでも切れぬ、水より濃いのは血の繋がりだ。ちゃんと良いところもあったことを思い出し、大人になった「デイジー」は少しずつ歩み寄れるはずだった。今回は本来ならば守秘が前提となる「仕事」中の出来事だっただけに、プロとして徹底的にクールにこなすべき案件だったのかもしれないが、ドロシーはベアトに告白したように、どうしてもアンジェよりも「弱い」のだ。人生の酸いも甘いもかみ分けたような顔をして、どこかに年相応の娘としての優しさを残し、血縁があればそこにはどうしたって繋がりを見出してしまう。今回の事件も、「一度は訣別した父親」と割り切って淡々と仕事だけを見ていれば、こんな「悲劇」にはならなかったはずなのだ。ドロシーが甘かったがために招いてしまった不幸。それが人間本来の情に帰因しているだけに、何ともやるせない後味が残るのである。 ところで、本編とは全然関係無いところなんだが、今回、ドロシーの親父に借金返済をせびっていたヤクザ……あれ、一体なんだったんだろう。明らかにプロではない発声の中の人がやってたんだけど、不思議なアクセントで妙にこなれた印象。というか、これって明らかに広川太一郎の物まねだよな……。一応確認したらそういう芸でも売り込んでいる人……なのかな。もりいくすおっていう名前なんだけど、調べても「イラストレーター」っていう肩書きなんだが。……まぁ、ちょっと浮いてはいたけど作品を壊すような仕事ではなかったし、案外こういう人が面白いことをやってくれるのかもしれない。とにかくインパクトを残せるのって大事よね。
こういう世界での銃火器の弱さよ、第5話。サムライソードが最強っていう風潮は一体どこから始まったんでしょうかね。そらま、マジで目視出来るなら弾けるくらいの硬度はあるのかもしらんが(トリビアの実験では斬ってたけども、刀身に当ててどうなるかは分からんよな)。 ちせちゃん加入編。前回のcase9でまだよそよそしい態度だったので「case5とか6あたりで加入したのかな」って言ってたけど、実際には7だった。つまり6までは4人体勢で活動していたわけだね。現時点でcase2まで明かされているので、今後は4人で行うミッションが4話分、ちせ加入後のエピソードが3話残っているということに。そう考えるとあんまりジャパニーズサムライガールの活躍シーンは多くなさそうだな。そんな彼女の救済のための話数シャッフルなのかもしれないけども(ギャラは発生しない回が多そう)。 今回の日本人護衛ミッションはノルマンディー公による謀略の一環。別に日本人との契約なんぞどうでもよくて、ゴタゴタしてる日本人界隈の護衛に姫様達を巻き込んだら上手いこととばっちりで死なねーかなー、ってんで登用されたらしい。実際にとばっちりどころじゃねぇレベルで死にかけたし、もしプリンセスが持ち前の裁量でもってちせを護衛チームに加えていなかったら、おそらく今頃日本人もプリンセスも仲良く首チョンパ。このあたりの立ち居振る舞いは流石のプリンセスである。 case9では「武力最強」と謳われていたちせだが、前回はあまり活躍のチャンスが無く、本当にどんだけ強いのかが疑わしかったわけだが、今回のエピソードを見ればそこのところも納得できるだろう。殺陣のシーンは最強の殺し屋(実父)との丁々発止のやりとりが白熱する。今作のこだわりなのだろうか、面白いのは、互いの日本刀がぶつかる時の効果音がやたらと「重い」こと。普通、刀と刀がぶつかるとキンキンと甲高い音を鳴らしそうなものだが、今作ではまるで金属の塊をぶつけているかのようなガインガインという鈍い音が響く。実際の刀がどうなるかは分からないが、殺傷力の高い日本刀の存在感が音でも感じられる一工夫。 そして、そんな刀を操るちせちゃんの体術が完全にサムライのそれである。ロリっ子剣士なんてぇと少しくらい萌え要素増しで女の子っぽい小洒落た戦い方になりそうなものだが、何は無くともまずはしっかり土台から。足を踏みしめ、がに股でかまえるちせのフォームは女の子らしさが無く、圧倒的に「サムライ」要素が強い。おそらくお父上も同じような「型」で相対したことだろう。どちらかというと飄々と、優雅に宙を舞いながらトリッキーに敵を打ち抜いていくアンジェと、しっかり地に足をつけて正面から切り裂くちせ。この辺りの対比も、今回繰り返された「和洋」の対比の一環といえるのかもしれない。まぁ、いくら日本人でも、あんな頻度で土下座はしないと思うけども……。 そう言えば、日本刀が固いだの何だのという話を出したが、少なくともその刀身よりも固いのがベアトリスの首の機構……。ってことは、彼女は銃弾で喉笛撃ち抜かれても平気ってことだよな。なんか、今後の展開に関わってきそうな設定だ。 9なのかよ、第4話。前回の時点で「case1,case2って続いたから後は普通に時系列順やろ」って思ってたんだが、あっさり覆されてしまった。アニメの構成としては定番といえば定番の「話数シャッフル」だけど、最近のアニメだと案外久しぶりな気もする。 前回がcase2、一気に7話分も飛んでいるため、人間関係がいくらか変化しているというのが非常に興味深いところ。話数シャッフルってのはきちんと意味があるからこそそんな面倒臭い設定にしているわけで、今作は「スパイによる騙し騙される人間関係」というのが最大の焦点になるのは間違いないだろう。何が白で、何が黒なのか。それが時系列順ならば多少は見やすくもなるが、確定情報が無いままで進行するのはいかにも不安定。その点、こうして様々な時間を飛び回ることで、「後の時代に形成されている関係性」を見ながら物語をチェックすることが出来る。まぁ、ぶっちゃけ最初がcase13だったのだから、全てはそこに収束するはずなのだが……。ひょっとしたらそれすらも壮大な「騙し」の一部かもしれないので油断出来ません。 とりあえず、case2とcase9の間に一体何があったのかは色々と妄想出来る内容になっている。一番はっきりと変化が分かるのは、新メンバー・ちせの加入。公式ページではすでに紹介されていたし、当然1話目にも登場してたってことなんだろうけど(よく分からず見てたから確認してない)、case2では影も形も無かった謎の日本人剣豪少女がいつの間にかメンバーに加わっている。そして、その立ち位置は「別組織が王国派・共和国派の趨勢を見極めるためにスパイに張り付かせた見張り役」というものである。見た感じでは日本絡みの他国が世界の紛争の中心であるこのロンドンを見極めようとして送り込んできたようだが、バックグラウンドはまだ不明。でもまぁ、割と大雑把にメンバーにいじられたりもしていたので、親密度はそこそこの様子。case5とか6あたりで加入したんでしょうかね。ただ、現時点で当人は「完全には信頼されていない」と不安がっており、case13で本当の仲間として打ち解けるまでは、まだもう一騒動ありそうだ。 他にも、case2である程度の信頼関係を結んだアンジェとベアトリスがツーカーの仲になっており、ベアトリスもすっかりスパイ業務に慣れ、平気で大胆な作戦に乗っかれるようになっている。まぁ、ぶっちゃけ「でかい蝶ネクタイ型変声機」扱いではあるのだが。のどの機械についてはアンジェもその操作を心得ているようで、他人からオンオフをいじられるのはどうかと思います。 そして最大の焦点は、「プリンセスの存在そのもの」がチームでどう見られているかというところ。確かにcase1でスパイ側と連携を結んだ時点で割と強引だったわけで、共和国サイドは彼女のことを単純に信用出来ないのは当たり前。ただ、case2あたりではそうした疑念はあまり表立って語られていなかったが、上の人間はドロシーを通じてその疑念を維持している様子。このドロシーとプリンセスの関係というのも今後の重要な要素となるだろう(といってもあとcase10〜12の3本しか残ってないことになるが)。もちろん、そんなプリンセスと、更に秘密を抱えるアンジェとの関係性も、他の仲間達に話していないということで地雷みたいな扱いにもなっている。この2人の会話はどこまでが本心なのかがサッパリ分からないから全く手掛かりにならないんだよな……。嘘しか言わないスパイ連中は、本当に面倒臭いな。 それにしても……最近は玄田さんがネタっぽい使われ方することも多いよなぁ。多分、本人がそういうとこで仕事を区別しない人なんだろうけども。そもそも今回の役って、ベアトとの絡みが無かったとしたら「単なる門兵・玄田哲章」っていうとんでもないキャスティングなんだよな……。 ベアトリスのCVは毎回あの形でダブルキャストみたいになるんだろうか、第3話。1話の時もそうだったけども、今回も清川さんのメインの役(なんか、原盤持ってたおっさん)の名前が無くてあくまで「ベアトリス役」でクレジットになってるんだよ。ヘタしたら清川元夢史上初のロリっ子役だったのではなかろうか(そのカウントでいいのか?)。 さておき、3話目ということでようやく作品の方向性は見えてきた頃だろうか。1話が「case13」という変則構成だったので前回だけでは何がやりたかったのかがはっきりしなかったが、2話3話が「case1」「case2」と続いたおかげで、あとは話数通りに物語が進行することになるだろうということがほぼ確定した(まぁ、まだ話数シャッフルされる可能性もゼロではないが)。つまり、1話目で見せた「プリンセスと愉快なスパイ達」チームを結成してイチャイチャするまでを描いた物語ということなのだね。まぁ、すでに3話目にして4人が集まってお互いの理解も随分深まってしまっているが。一応「スパイと王女様の愉快な共謀関係」がサスペンスものとしての骨格を作りながら、「ルパン3世」とかそのあたりのクライムアクションに萌え要素を加味して現代風に仕立て上げたのがこの作品というわけだ。 今のところ狙いは悪くない。今回は2話目でちょっと見せにくかったアクション部分が炸裂しており、「閉鎖された巨大な飛行兵器の中での大脱走」という、シンプルながらも見応えのあるシーンが展開されている。ぶっちゃけ細かい駆け引きなんかは割とテンプレなので雑といえば雑なのだが(アンジェはケイバーライトをもっているせいで割とチート気味なのがずるい)、まぁ、どうせ「スパイもの」をやるのだったら思いっきり派手な生き死にの物語を見せてもらった方がアニメとしては映えるしね。一応、要所で「スパイらしいタフさや狡猾さ」も見せてくれてるので、脚本はそつが無い。「スパイは嘘つき」という1話目からずっと引っ張っているメインテーマ(?)についても、茶飲み話での軽口も鉄火場でのペテンも、同列に「嘘」としてスルスルと紡ぎ出されているのでアクセントとして効果的。結局黒トカゲ星はどこにあるんでしょうね。 今のところ、姫とアンジェの関係性だけがまだはっきりしていない要素ってことで、今後は2人の過去話を掘り下げながら、4人(+1人)でイチャイチャしていく様子が描かれることになるのだろう。トンデモイングリッシュな要素がそこまで有効に活用されてない気がするのは1話の時の感想から変わっていないのだが、まぁ、ベアトリスの存在自体が蝶ネクタイ型変声機なのだと思えば、そこそこ米花町の領域。あのくらいのフィクション感覚なのかも。なるほど、そのうち銀翼の魔術師とかが現れるかもしれないな。 いい最終回だった……第9話。もう、このシチュエーションがこのアニメのラストってことでいいんじゃないかな? 今期は感想書いてるアニメが少なく、週に4本しかない。これは別に面白いアニメが少ないというわけではなく、残念ながら私生活のスケジュールが折り合わないせいである。ぶっちゃけ、週の頭の方が余裕があるのに、ほとんどのアニメが週末に固まってるんだよ。感想書いてないけど楽しんでるアニメとしては、たとえば「神撃のバハムート」とか「月がきれい」とか「覆面系ノイズ」があります。そして、これら3作品は初見の時点で評価が高かったものだが、1話目ではそこまで印象が良くなかったにも関わらず、ジワジワと関心が高まっているのがこちらの作品だ。 初見の時は「ビルドファイターズのくせにバトルがめっちゃ適当やんけ! CGもそこまでこなれてないし、キャラも安易だなぁ」とか思ってたのに、話数を重ねるごとにバトルがどんどんどうでもいい要素になり、キャラどうしの絡みだけで攻めてくる展開になったので欠点はほぼ解消された。それに加えて、なんとCGメインだった作劇から少しずつ手書きパートが増えていくという謎進化。実は流し見してたせいで先週時点で気付いてなかったのだが、オープニングが劇的に格好良くなっているのね。ここまでのものが見せられるならアニメ作品単品として充分魅力的。あとは1話目からかっ飛ばし気味だったあおのキャラクターを周りのFAガールたちが盛り立ててくれるだけで言うこと無し。7人もいたらわちゃわちゃしそうなものだが、互いに食い合わずにきっちり役割分担出来ているのが良いね。ネタとしてはベタなものがほとんどのはずなんだけど、CGと手書きのアンバランスな混ぜ込みがかえって独特の味わいになっているし、FAガールたちが手書きになると純正の美少女キャラとして萌え度も高いことが今回のお話で判明したのだ。もう、ずっとこのまま学園生活を続けてくれていいんだぜ。個人的に好きなキャラは(あおを除くと)バーゼです。 次回予告を見ても、一切バトルする気が無い内容……と思いきや、次回はバトルバトルバトル?! 多分、現状だともう適当なバトルでも割と楽しめそうなんだよなぁ。 |
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HN:
Thraxi
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趣味:
声優のこと全般
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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