最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
ハッピーエンドが全てはない、とはいうけれど、最終話! この作品はこの形しかないやろな。 正直いえば、なんか色々と雰囲気でゴリ押したな、という感じはあるのだが、画の力を信頼すればこそ、この力業もまかり通ったのだろう。徹頭徹尾「アニメーションを作ること」を描き続けた本作であるなら、余計なモノローグなどに頼らずにただあったことを画で紡ぐことこそ王道という判断。これはこれで良かったんじゃなかろうか。 1つ不満があるとするなら、結局、ナツ子は「自分の新たな創作」に辿り着けた示唆が与えられなかった。鳥監督を乗り越えるためにも、本来ならばここで「滅びゆく物語」を超える大きな力を見せつけて「全修」を行うのが一番綺麗な形だったのだが、ラストバトルで彼女が生み出し続けたのは自分が一番繰り返し描き続けていたルークという存在だった。酷な言い方をすればそれってあくまで「二次創作」でしかないわけで、これをもってアニメーター・広瀬ナツ子の新境地とはいえない。そこに何かブレイクスルーを起こすようなネタが入ってくるとより一層最終回らしさというか、サクセスストーリーとしての体裁が整ったとは思うのだが……まぁ、何したらいいか思いつかないけどさ。 もちろん、だからとて今作が最後まで描くことを放棄したというわけではなく、「新しいものを生み出して既存の作品を乗り越える」をゴールに設定したのではなく、あくまでもナツ子の内面世界で自分を振り返り続け、自分が一番好きだったもの、一番力を与えてくれていたものを確認するという展開にしただけである。「目をつぶっても描ける」と豪語したルークの姿。渾身の一筆でルークを生み出し続けることで最終的に「全修」を成したナツ子の魂は、どこまでもルークとともにあり続けることを確かなものにしたのだ。この愛情は間違いなく本物である。 また、わざわざ異世界転生まがいの不思議体験までしてこの結末に辿り着いたのは、作品世界内に食い込むことによって「二次元への憧れ」と「自分の恋心」をリンクさせるため。今となっては、結局あの世界が本当にあった(?)異世界なのか、生死の境を彷徨ったナツ子の悪夢だったの、誰にも分からない。けれど、あの世界に身を置いて、1人の人間としてルークと向き合うことにより、いわば「憧れるのをやめましょう」状態まで肩を並べてルークと向き合うことができたのだ。この経験の結末が「渾身のルーク」であったというなら、これが広瀬ナツ子という女の、不器用な「初恋」だったという結末に異議を挟む余地はない。 他にもデステニーの優しさが満ち溢れるシーンとか、メメルンの勇ましい最後の一射とか、アニメ的にもドラマ的にもしっかり「らしい」ものも見せてもらいました。まぁ、最後に帰ってきたQJは果たしてなんの役に立ったのかという疑問もないではないが……うがった見方をするなら、あくまでナツ子のために用意された世界、なんとなくあそこでQJが蘇ったことで、「どれだけ絶望していたとしても、この世界は再生できるんですよ」という希望の示唆を神様(?)が与えていたと取れなくもないかな。それこそ、鳥監督も自分の作った結末が正しいかどうか自信がなくて、他人の作った別バージョンを見てみたかったとかね。 受け取り方は、あなた次第だ。 PR 非常に偏った視聴姿勢だが、まさか1週間に2度も「記憶再現物語の中で他者のアイデンティティをぐしゃぐしゃにしてしまう高尾奏音概念」を見るとは思わなかった、第11話。まぁ、こっちは単なる妄想だけどあっちは厳然たる事実だったからな……。 サブタイトルは「絶望」だが、その実復帰を描いたお話。絶望してるのはルーク側なのでもしかしたらそっちを表すサブタイかもしれない。復帰までのプロセスはお話としては至極分かりやすいセオリー通りのもので、「描けない」と打ちひしがれていたナツ子はどんどん自己肯定感が下がっている状態からスタート。ただ、これは別にヴォイド戦で競り負けるようになってしまったせいで訪れたものではなく、そもそも現世で劇場アニメのプロットが全然出てこなかったところからスタートしている。噂の天才監督もやはり人の子。何も生み出せない状態で苦悩しているところで偶然ぽっくり逝ってしまったがために、こんな面倒くさい世界に迷い込んで「浮かばれない」自己言及を続けているのかもしれない。 描けない、生み出せない、超えられない。色々と悩みは多いが、そんな中でクリエイターが出来るのは「作る」ことだけである。行き詰まったとしても頭を動かし、手を動かし続けることでしかブレイクスルーは起こらない。若かりしナツ子だったらそれを本能的に理解してがむしゃらに筆を動かし続けていたのかもしれないが、半端に大人になってしまった現代のナツ子は、外聞やらプライドやら、邪魔っけなものを抱え込んで停滞してしまった。そんな彼女を前に進めるものが、この度の復帰劇で2つ提示されたわけだ。 1つは「自分自身」。「過去は裏切らない」「努力は裏切らない」と綺麗な言葉で説明できれば簡単だが、少なくとも現在のナツ子からしたら努力でもたどり着けないところまできて、「裏切られて」しまった状態。彼女の夢物語の中で、これまで生み出されてきた多くのシンパが口を揃えて彼女を酷評していたのは、自分のこれまでの努力を無価値なものと感じてしまっているナツ子の内面の表れだろう。これまでの二十数年間の努力に意味はあったのかと。 それでも、やはり根底にはどうしようもなく「描きたい」自分がいる。これまでずっとタップの中から「描け」と呼びかけ続けていたあの声は、幼いナツ子自身のものだった。一番輝いていたあの頃、夢に溢れてなんでも自由に出来たあの頃の自分。そんな自分こそが、やはり一番の応援者だったのだ。余計なものをとっぱらい、突っ走ったらいいじゃないか。そんな子供の無邪気な憧れが、彼女に再び火を灯す。 そしてもう1つの大きな推進力は、この度の世界ではユニオの形で表れた。ユニオは恥ずかしがりながらも、ナツ子の絵を好きだと言ってくれた。好きだからこそ応援したいと、「滅びゆく物語」のキャラクターが叫んでくれた。おそらくこれはまるきり反対、彼女がこれまで抱え続けてきた「滅びゆく物語」への愛情の反射であろう。ずっと彼女の背中を押し続けていた「好き」という感情。結局はこれが全てだ。好きだから描けた。好きだから進めた。それはルークというキャラにしてもそうだし、「滅びゆく物語」という作品に対してもそう。そして何より、アニメーションという媒体に対しても。 紆余曲折はあったが、ようやく自分の依って立つところを見出したナツ子。今一度ユニオと手を組み、「ルーク大好き同盟」が勇者の危機に駆けつける。修正は終わったのか。この世界をひっくり返す方法はないのか。まだまだ創造力は止まらない。塗り替えられるキャンバスなら、どれだけ絶望に染まっていても関係ないものね。 鬱上鬱を架す、第10話。まー、クライマックスに向けての「落とす」展開ですし、この世界ならそりゃ遠慮なく落としますよね。QJの死、前回時点でもまだ大したことないと思ってしまってたので、こうも影を落とすとなんか申し訳なくなってくるな。 というわけで「滅び」に向かって一直線ですね。やはり物語の修正力はかなり強いらしく、前回時点では流石に不可能だろうと思われていた「デステニーの結婚話」までもが強引に元鞘に。まぁ、当時と違ってムッキムキモードになったデステニーでも受け入れてくれてるわけで、案外あの理事長もいいやつではあるのかもしれん。原作ではデステニーのゴタゴタがルークとの恋仲から不幸の発端になるわけだが、ルークがナツ子にお熱なこの世界では、別にデステニーが嫁ぐことはあんまりネガティブな要素ではないのかもしれない。 ただ、世界的にはプラスもマイナスもなかったとしても、当然ナツ子目線ではこの事態が示す事実はキツい。「どんだけひっくり返しても元のゴールに向かってますよ」というルート取りがこれ以上ない形で突きつけられてしまうからだ。もちろん「ユニオの死」などの「変わった」事実はあるものの、ディティールは関係ない。あくまでも監督の目指すゴールがルーク闇堕ちのバッドエンドというだけで、滅びに向かうルートはなんでもいい。分かりやすい「修正案」として、「ユニオの死」が「QJの死」に置き換えられ、およそ似たような結果をもたらした。そして今、「デステニーの死」は「ナツ子の死」に置き換えられようとしている。 ナツ子が追い詰められたこの世界の理不尽については、「そういう世界だから」と割り切ってしまえば理解できる範疇だろうか。もともとヴォイド教という厄介な連中がいたことは提示された情報であり、そいつらがいいように情報を扱えば裏切り者に仕立て上げるのはそう難しくはない。ただでさえ限界状態のこの世界、ちょっとの揺さぶりで人心などあっさりと惑うのである。衆愚をコントロールするのは、どう考えてもルーク1人では荷が重すぎる。何か大きなブレイクスルーが必要になるはずなのだが、それが唯一可能な人物であるナツ子も、「自分の創作物がヴォイドに逆利用される」という状況を前に立ち往生。何か、もう1段上の「この世界のルール」に辿り着かなければ、結局は運命に飲み込まれることになるだろう。 ただし、現時点でもいくらかのヒントは提示されている。例えば脚本の「置き換わり」は発生しているものの、大雑把なところで入れ替わっているので当初のシナリオからは想定できないイレギュラーもまだ抱えたままである。その一番分かりやすい存在がメメルンであり、彼女がヴォイド堕ちせずに生き残っていることは、元シナリオにはなかった純然たる「希望」要素。彼女は秘術でQJの復活を企んでいるのだろうか? 何か、「滅びない」方向への修正力が働く可能性がある。今回「元に戻された」デステニーだって、謎マッスル状態なら多少なりとも世界を変える要素になりうるし、QJではなくユニオが生存していること、ジャスティスとの関係性が修復できたことなど、引き続き残っているプラス要素も存在するのだ。 そして、いくらかの置き換わりは「修正が認められた」ことの表れでもある。監督はナツ子に「全修などさせない」と言っており、彼女が恐れているのは結末さえもひっくり返すナツ子の「全とっかえ」である。現時点ではまだ監督の創造力を超えていないのでナツ子の描いたものが模倣され、しっぺ返しを喰らったが、この世界が真似ることすらできない何かを生み出すことで、「修正」がもっと大きな力で影響することも可能かもしれない。そしてもしかしたら、監督はそんな「全修」を待ち侘びているかもしれないのだ。現世では締切に迫られ、こちらの世界では命の危機に迫られ。クリエイターは常に何かに脅かされながら、必死に活動を続けなければならないのだなぁ。 まぁ、ヴォイドに飲み込まれたあとにどうなっちゃったか分からないので、あのまま死んでたらそれでおじゃんですけど。そんな終わり方あるわけないよな。
いざクライマックスへ、第9話。ぼちぼちどのアニメも締めに向かって加速し始める時期。今作も容赦なくシリアスにムチが入ります。 前回感想をお休みした回がまさかの温泉回。いや、ルークの告白回だったわけですが、これに前々回の現世パートも絡めることによって、ようやく世界の全貌というか、今作の目的が見えたように思う。いや、誰のどんな意思が働いているかなんてのはさっぱり分からないが、作品のコンセプトとして一番大事なのは当然広瀬ナツ子という主人公の成長。現実世界では類稀なる才能を武器にアニメ業界で躍進したナツ子だったが、いざ「初恋」というテーマを投げられたところで人生経験の浅さが露呈。散々悩んだが解決を見出さないままに突然死。どういうわけか転生したのは彼女の人生を左右した「滅びゆく物語」の世界で、そこで彼女はアニメーターとしての自分の限界と向き合いつつ、さらに過去に憧れた勇者ルークとの交流を経て、いよいよもって「初恋」を知るに至る。こうしてみると、この世界は実に残酷ではあるが、全ては「ナツ子のための世界」としてお膳立てされている。 しかし、そこに独りよがりな感情があるばかりでは説得力に欠ける。そこで今回はルーク目線での総集編的な内容が挟まれ、彼女がルークに対して一方的に憧れや羨望を持っているわけではなく、きちんと「1人の人間」としてルークが存在しており、その彼が自分の意思で彼女に好意を寄せているということが保証される。「アニメキャラとの恋愛」なんていうとどうにも虚しいもののように感じられるが、今作におけるルークとの関係は「創作物への憧れ」にとどまらず、きちんと人対人の感情のぶつかり合いがあるということだ。つまり、ここでルークとの関係性にきちんと向き合うことができれば、万一ナツ子が現世に戻れた場合、大きな「初恋」という武器で再び戦えることを示唆している。 しかし、それはあくまでナツ子の都合だけを想定したむしのいい話でしかない。この世界は引き続き「滅びゆく」世界であり、監督鳥は「全修」を拒否して「目指すべき結末」へと突っ走っている。すでにあらゆる部分がナツ子の「修正」を受けてしまっているためもはやシナリオは機能していないのだが、どうやら今回のニュアンスから察するに、監督鳥の最大目標はタイトル通りにこの世界を「滅ぼす」ことではあるようだ。ルークが超空洞ヴォイドそのものであるというトンデモなオチが必須かどうかは分からないが、なんとかルートを操作してこの世界が助からない方向へと運命力を働かせている。これはおそらく、「この世界は滅びねばならない」という監督の強い目的意識(美意識と言い換えてもいいかもしれない)がそうさせているのだろう。そのためにはナツ子の「修正力」を上回る力で滅びへと向かわせる必要があり、手っ取り早い対策として「ナツ子の作画」をそのままパクった新たな敵をぶつけることで打破しようとしてきたわけだ。 その結果、運命はさらなる修正を経て「ユニオの自爆魔法」のくだりまで強制的に引き戻される。やはりシナリオを考えた時、ルークを「堕とす」のに手っ取り早いのは仲間の死だろう。まぁ、このあとデステニーとの関係性はなかなか既定路線に戻せないのでその辺りもアドリブで考える必要はあるだろうが、とにかく多少の齟齬を孕みながらも「滅びルート」に引き戻すことに成功。ナツ子は「モノマネでしかない自分の作画」をさらにモノマネされてしまい、どこかで殻を破って「オリジナル」を生み出さなければいけないという試練に直面する。それは作画作劇もそうだろうし、この後に「滅びゆく物語」をより納得いく形へと「全修」するための構成力も求められているということ。果たしてあの頑固な監督を納得させる結末を紡げるのだろうか。 そのためのきっかけの1つが、今回のQJであろう。本来ならユニオから消えていくはずだったナインソルジャー。様々な要因が重なり、その犠牲はQJにスイッチした。これももちろんナツ子の修正の影響だろうが、少なくとも未だ本来のシナリオからは「ズレて」いる状態。監督がこの状況を美しいと感じるかどうかは分からないが、今後のルークの反応や世界の人々の動きになんらかの影響は与えるだろうか。そして、ナツ子は新たなステップに踏み出し、「自分の世界」を生み出すことができるだろうか。 人類総トゥンク、第7話。トゥンクらぬはナツ子ばかりなり。 まさかの現世編。ここにきてナツ子のパーソナリティをクローズアップするというのは意外な展開だが、これってつまりは「滅びゆく物語」が絶対的に「創作物語」であることの補強であって、おそらくこの作品のエンディングはナツ子が世界を救うか滅ぼすかどっちかした後、現世に戻って(生き返って)監督業で花開かせるところまでなのだろう。そこが何となく見えたのはちょっと安心できた気がする。やっぱり「物語の中」だけでこのアニメが完結してしまってはわざわざ妙な設定にした意味がなくなっちゃうのでね。 というわけで、ここに至るまでのナツ子の20年ばかりの人生。どこでナツ子が完成したのかと言えば……すでに小学生の時点でだいぶ完成はしてる気がするけどな。変人には違いないが絶対に「天才」ではあるナツ子。小学生の時に「滅びゆく物語」に出会って人生を変えられ、そこからは自身がアニメーターになるという目標に一切の疑問を抱かない。天才ってのは元々才を持っていた人間のこともいうが、何よりも「自分が努力すること」に何の疑問も遠慮も持たない人間のこともいう。ナツ子は圧倒的にこの「努力の天才」であり、自分が望んだ姿になるための苦労は惜しまないし、他人にどう見られようとも構わない(そして他人にどれだけ迷惑をかけても構わない)。そんな姿はもちろん「変人」であるが、それ故に人を惹きつけることもある。かつてナツ子に魂を奪われた三者三様の人生模様。こうして見ると本当に罪作りな女である。 小学生の時は、まだ幼いクラスメイトに恋心を抱かせた。同級生のCVは高尾奏音だったりする。子供の頃ってのは大人の常識に引っ張られて異物を無意識に排除したりするものだが(それがいじめにつながったりするが)、周りの反応を一切気にしないナツ子を、周りの子供達は白い目で見ながらもそこまで排除はしていなかった様子。そして中にはそれが大きな憧れになる子もいるわけで。まぁ、それが恋心かどうかはまだ分からないかもしれないが、「トゥンク」だったのが事実ならしょうがない。すでにナツ子の周りには初恋の種が撒かれている。 中学生ナツ子はそのストイックさに磨きがかかり、社会常識を身につけた周りの子供達からは相変わらず変人扱いではあるものの、もはやナツ子自身が他者とのまともなコミュニケーションを求めていないために問題も起こっていない。そしてそんなナツ子に興味を抱いてしまうのが引き続きまっさらでピュアな人間になりがちなのもタチが悪い。でもまぁ、下野ボイスなら別にええか……天才が周りに影響を与えてなんだかんだで才能を開花させてやる物語だと思えば綺麗と言えば綺麗。彼がその後の人生で陸上に邁進したかどうかは誰も知らない。 そして最後は大学での出来事。ナツ子自身はまだ高校生だったようだが、天才監督広瀬ナツ子がこの時点で完成。残念ながら初監督作品の画面は見せてもらえなかったが、どうやら万人が認める傑作だったのは間違いないようだ。多分その作品でトゥンクしたのは杉田だけではないはず。さまざまな初恋を自らの手で生み出しながら、初恋を知らぬナツ子は無事にアニメーターに。 その後の顛末はご存知の通りだが、なるほどスタジオの社長はちゃらんぽらんに見えて意外とナツ子のことを考えて動いてくれていたらしい。元々「初恋を知らぬナツ子に恋愛アニメの監督させるのはどうなんだ? 配置ミスってないか?」と思っていたが、これはナツ子に刺激を与えて更なるレベルアップを狙おうという作戦だったらしい。まぁ、そのために劇場アニメ企画を1本無駄にするリスク背負わせるのはどうなんだ、と思わんでもないが、社長はナツ子にそれだけの価値があると思ったし、ナツ子なら乗り越えらえるとも思ったのだろう。今後彼女が監督業を続けて「巨匠」になるというなら、彼女が抱える欠落はいつかどこかで足枷になる。それなら、失敗しても取り返しがつく若いうちにその穴を埋める経験をさせようってのが社長の考えだったのだろう。そう考えるとかなり人間関係に恵まれてるんだよな。 しかし、そんなタイミングでの食中毒。呆気ない死亡。そして訪れる滅びゆく世界。あの鳥が何だったのかずっと分からずにいたが、名前は「亀太郎」だったけどこの作品の監督も女性だったのね。監督が介在し、常に世界の改変が行われる世界。これは本当に存在する理不尽な世界なのか、それとも、死に際のナツ子が見る白昼夢なのか。エンディングが気になる作品だぁ。 かっこいいじゃん、第6話。ナツ子がでしゃばらない方ががっつりファンタジーらしい王道バトルでアニメ映えするというのもなんとも皮肉なもんだが。 前回が初めての敗北を覚えるお話。当然下げたら上げる必要があり、下げる期間は短めに、しっかりと持ち上げてスカッと解決で達成感を演出している。ナツ子とその他の面々の関係性が「変化」したことを示しているわけだが、今回のヴォイドのおかげでもあり、ジャスティスのおかげでもあり、また、これまで仲間たちと培ってきた時間の賜物でもあり。まぁ、自分がチート勇者だと思い込んでる異世界人に何言っても響かないのはそりゃそうだろう。いっぺん手痛い失敗をして「この世界も自分の世界と同じかぁ」と実感してしまえば、ナツ子とて馬鹿ではない。ちゃんと最善の結果が出るように仲間たちの話は聞くのである。そのために、ジャスティスというある程度第三者視点から見てサポートしてくれる仲間が必須だったわけだね。まぁ、メメルンも割と客観的に見てくれる子だとは思うけど。実は今回の影の立役者ってメメルンだしな。 そして、今回はルーク・ジャスティスの関係性に触れるにあたり、ようやく本格的に(?)ナインソルジャーの過去の姿を確認することができた。当たり前の話だが、ちゃんと9人いたんだな。一応ディティールも見えて、明らかにゴーレムなやつが1体と、こないだ地図に描かれてた謎の存在「チンゴスマン」で1体、そしてマーマン風の海棲種族の女性が1体(CV大原さやか)、あとはなんか分かんないけど小さいのが1体。この4人がすでに故人であり墓標を立てて弔われているという形。……そうか、あの役立たずの土偶もやっぱりナインソルジャーなのか……まぁ、今回ちょっとだけ役に立ってたけど。だいぶ戦力のバランスが悪そうな9人だったんだな。 そんな9人にしか分からない過去の傷というのも色々とあるだろうが、メメルンが言っていた通り、ジャスティスにしてもルークにしても、みんな「これ以上仲間を失いたくない」という気持ちは同じ。ナツ子だって、そんな「仲間を失った後のルーク」を嫌というほど見ているわけで、自分がどう行動したらいいかを考えた時に真っ先に「仲間と協力する」という結論に辿り着くのも当たり前。その脳裏には現世での独りよがりな映画制作の光景もフラッシュバックしてしまうが、少なくとも今自分の周りにいるのは「頼れない同業者」ではなく、「憧れてきたヒーロー(の一部)」ではあるのだ。実際、今回の戦闘ではジャスティスも含めて5人が5人ともしっかり活躍してくれたのだし、ナツ子はひたすらにサポートに回ることで役割分担が出来ていた。新たなナインソルジャー、テンスソルジャーが、今後どのように関係性を深めていくかは要注目。 まぁ、サポートに回り始めるとナツ子の持ち味が殺される気もするし、そもそもタップが呼びかけるタイミングが気まぐれだから役に立てるかどうかも運次第みたいなところがあるけど……今回ナツ子のオリジナルデザインの召喚候補が描かれていたが、この子、ほんとに名作の監督として世に出てたのかと不安に思うくらいにセンスがなかったぞ。虫籠マンは多分キン肉マンの募集超人としても採用されないレベル。もうちょい、なんとかしてほしい。もしかして、これが実は「現世のナツ子はたった1作で名監督として祭り上げられたが、実際は旧作のコピーに長けただけで創作のセンスはない人物だった」っていうことを示していて、「そんな監督の作ったアニメがウケたってことは、現代のアニメユーザーは模造品でありがたがる奴らばっかりだ」っていう皮肉だったらヤだな。
影が差す、第5話。本作は異世界転生ものに括られるが、残念ながら異世界転生チート作品には成りきりません。いや、なったらつまらんのやけど。 未だタップがどういう時に呼びかけてくるかも分かってないはずのナツ子だが、順調にヴォイドを討伐できているおかげか若干調子に乗り始めていた。まぁ、その身いっぱいに賞賛を浴び続けてれば誰だって多少天狗にはなってしまうだろうが……ナツ子は現世にいる時から「天才」と誉めそやされていたわけで、こうして祭り上げられるのにも慣れてるといえば慣れている。むしろここまで裏方に徹してユニオとかにバカにされてきたことが許せなかったはずで、表舞台に立ち、デステニーという確固たる権力者からの後ろ盾も得たことで、堂々と「調子に乗れる」ようになった。おかげでいつも通りの作画パートも大盤振る舞いで魔法少女やらグレンラガンやらグワラゴワガキンやらやりたい放題。それぞれどんなタイプのヴォイドに対しての特効性能を持っていたのかはよく分からんが、ナツ子が様々な特殊作画にも対応しているスキル持ちであることは分かった。……グレンラガンとかどう考えてもCOLORオリジナルだと思うのだが、多分ナツ子もデビュー前に好きで色々と模倣はしてたんでしょうね。 そうしてナインソルジャーの中でも確固たる地位を手に入れたナツ子。これで我が世の春だったらよかったのだが、残念ながらまともな人間であれば多分こんな世界に放り出されることもなかった。現世での(死の間際の)問題児っぷりはしっかりと提示されており、天才的なアニメーターだったという事実はそのままで、「それでもなお制作には行き詰まるし、行き詰まったら他人に迷惑をかける」というところまで予定調和。まぁ、アニメ業界の天才クリエイターなんてどっか壊れてる人ばっかのイメージだもんな。多少イカレてないと個性なんて発揮できないんだろうが……それが異世界戦士としても出てしまったらちょっと困る。ちなみに私としては、「ナツ子が急死した後の現世の劇場作品プロジェクトはどうなってしまったんだろう」というのがすげぇ気になるんですけどね。「夢見る機械」みたいになっちゃうのかなぁ。 ただ、ナツ子はいわゆるテンプレ的なコミュ障ともまた違っている。そりゃね、ある程度は社会人としての生活はできていたわけで、なろうでよくある引きこもりニートとかとはレベルは違うのですよ。デステニーから依頼された貧困層の孤児院への移送プロジェクトに参加し、割と積極的に貢献してくれている。どっちかというとルークの世間知らずっぷりというか、童貞っぽさの方がやたら浮き彫りになっており、ルークは回を増すごとにどんどん可愛くなって恋する乙女みたいになっちゃってるのが困りもの。そんな仲間のことなどどこ吹く風のナツ子は筋肉痛に苦しみながらもシャキシャキ任務をこなしていく。そして、戦闘以外のところでもしっかり仕事が出来ちゃったことで更なる慢心にも繋がってしまうのだ。 いつも通りのヴォイド反応、そして気の早いタップからの指示に様子の分からないヴォイドを相手に先手を打つが、残念ながらこれが空回り。ついにナツ子監督の作画が初敗北を喫した。そしてそのまま液体金属みたいなヴォイドによってお命頂戴。……まぁ、ジャスティスがなんとかしてくれるとは思うけど。ここで「調子に乗って出過ぎてやられました」という経験をさせるだけでもある程度は意味があるだろうが、下手したらここに「ジャスティスが前線に出てきて殺される」までセットになりそうなのがちょっと怖い。そこまでされると「滅びゆく」世界が加速しそうなんだよな。 前回、「メメルンの問題も解決しちゃったしもうヴォイドも怖くないのでは? この世界の物語はどうなるんだろう?」と疑問に思っていたのだが、どうやら「滅ぶ」方向への世界の修正力が強そうだ。出撃時にナツ子を見て「修正は無意味だ」と意味深なことを言っていた榊原良子ボイス。クレジットには「鳥監督」と書かれており、やはりこの世界を管轄する何者かの上位存在がおり、ナツ子がどれだけ世界を修正しようとも、さらに上書きして「滅び」を演出してくれているようだ。 ここから先は、ナツ子が何かしらのパワーアップイベントでも経験しなければ難しい展開だが、どこかで世界の真実を掴むことができるのだろうか。「全部ナツ子が勝手に妄想していた脳内の世界だ」っていうのが最悪なオチだが……。
なんやこの展開、第4話。なるほど、「アニメ」がテーマの作品だから、その枠内なら何しても別に構わないわけか……もはや縛りなど無いも同然だな。 というわけで斜め上の展開からまたも世界を救ったナツ子。いやいや、それにしたってメメルンさんのメンタリティは随分シンプルだったな? 前回「メメルンの立ち位置ってどんなもんなんだろう? 何か秘密を抱えていたとしても、ナツ子目線では知ってるはずだよな」と首を傾げたわけだけど、答えはシンプルに「知らない」でした。なんと、メメルンが背徳行為を働いていたということが分かるのは原作映画でも最後の最後ということで、その展開こそが最大のバッドエンド。そして作品として見 た場合には最大の投げっぱなし要素。まさか、そんな展開の劇場作品で「敵黒幕の意図が分からない」なんてことあるもんかね。なるほど確かにクソアニメと揶揄されてしまうわけだ。また、このことによって「ナツ子も意外に分かんない要素は多いよ」という事実も改めて確認が取れた。前回の司教に変身したヴォイドのように「原作と展開が変わってるから想定できない」状況もあるし、今回のように「そもそも設定に無いから知らない」というパターンもある。もう、ここまで世界が変わったらあとは事前知識だけでどうにかなるもんじゃないな。 さて、そんなナツ子も知らぬブラックボックスとして今回スポットが当たったのは、物静かなエルフ少女(ロリババア)のメメルンである。何が原因で超虚空ヴォイドなんて面倒くさそうな存在に傾倒してしまったのかと思えば、なんのこたぁない、エルフ特有の希薄な生への執着と退屈が一番の原因だったという。昨年、一昨年あたりから脈々と続く「アニメの中のエルフの生き様」のサンプルの1つとして割と分かりやすいやつで、例えるなら「ヒンメルに出会わなかったもんだから間違った方向にねじ曲がっちゃったフリーレン」みたいなもんで。まー、半ば永久の命を与えられたというなら、そりゃ退屈は最大の敵ですからね。こういう人たちが邪教に染まった存在がダークエルフだと思ってるんですが、メメルンは耳の先からちょっとずつ黒くなったりはしてませんか。 「エルフが何を生きがいに生きているのか」と言うのもなかなか難しい問題だが、例えばフリーレン様には「魔法の探究」という終わりのない趣味がある。まぁ、割と人生に退屈してる感はあったけど、それでも気まぐれに旅をしながらその土地土地でオリジナルの魔法を掘り出す作業はそれなりに楽しそうにしていた。最近はフェルンという直弟子も生まれ、彼女との珍道中、そして弟子の成長を見守るばあさんみたいな視座がフリーレンを前向きにさせていた。そしてかの有名な月島のエルフはどうかというと、どっぷり現代文化に浸かることによって退屈なんて一切感じないパラダイス生活を送っている。ゴンゲム・カエルせんしゃなどなど、オタ活してれば人類を滅ぼす暇なんてないって話で。 今回メメルンを救済したのも、ぶっちゃけやってることはエルダ様とおんなじである。新しい趣味を与えてやれば、それだけでちょっとは寿命も伸びる。逆にこの世界にはそんだけ娯楽も少なかったのだろうということだが、アニメーターが転生してきて純粋に「アニメ的な」恩恵でもって窮状を脱するという、ある意味で一番真っ当な展開ではあったな。まぁ、あれだけのシーン回しでメメルンが納得してくれたのはラッキーではあるけど。宮野を呼んできたのは必然といえば必然だが、今回のデュエットのためにメメルンのキャストが鈴木みのりになっていたのだとしたらちょっと面白い。 とにかくこれで超虚空ヴォイドを生み出す根源的な要因は消え去った。原作でも最後のボスキャラがメメルンの仕業だったってことは、メメルンが改心したらこの世界はもう「滅びゆく」物語ではないはず。まぁ、ヴォイド自体は生息しているし、まだまだ他にも不穏な要素はあるみたいだが。こうなると、あとはもうナツ子が知らない脅威しか残ってないはずなのだよなぁ。一応今回村人たちが言っていた「ソウルフューチャーが大きくなってる」みたいな話も伏線なんでしょうかね。
キャストロール見たら「女子D」役が小林ゆうだったんだが? 第3話。ふつーに考えたらスケジュールは全話押さえでスタジオに入ってもらってて、まだ出番が無いからモブで参加、とかだと思うんだけど、今後レギュラーで登場したりするんでしょうかね。 さて、順当に面白いし、順当に変なアニメである。「アニメ制作」をモチーフにした作画的なネタ回しは一旦落ち着いたが、それでも今作の目玉になっていることに変わりはないし、毎回きちんと違う「作画の妙味」みたいな部分で見せてくれているので決してマンネリ化するということもない。1話の「巨大生物」、2話の「空中戦」、3話の「肉弾格闘」とそれぞれ「作画が頑張ってたら気持ちいいシーン」が繰り広げられているわけだが、さて、後はどういう切り込み方があるでしょうかね。 ナツ子のバンクシーンもほどほどに、今作は一発ネタで終わらないようにシナリオラインもそれなりに興味を惹くように作られているのはありがたいところ。ベースとなるなろう的異世界転移に、悪役令嬢系でお馴染みの「既存の2次元作品の転移」の要素を混ぜ合わせているわけだが、いっつも疑問に思っていた「主人公が筋立てに関与した時点で未来なんて書き変わるやんけ(だから破滅フラグとか意味ないやんけ)」については、当然今作では織り込み済み。1話目、2話目とナツ子が立て続けに大問題を解決し、死ぬはずだったキャラを救済、滅ぶはずだった街も救援しており、すでに3話目時点でナツ子が見てきたアニメ映画とは随分中身が変わっているはず。ナツ子もそのことを認識しており、どうやら「もっと先で起こるはずの事件」が先出しされているらしいという変化が確認された。よくある設定で言えば「世界の復元力」みたいな力だろうか。滅びの未来が確定している世界であるという前提なら、「滅びるためのトリガー」がどんどん押し寄せてきて次第にナツ子の想定を超えていくというのはありそうな話。もちろん、この世界が「アニメ映画の世界」を逸脱した時点で何者の思惑も超えた「ただ純然たる世界」として立脚している可能性もあり、その場合は「ボイドという敵対勢力が対策を講じられたために攻め方を変えてきた」と考えることもできるだろう。どちらにしろ、ナツ子の「未来を知っている」というアドバンテージは少しずつ削られていくことになるはずだ。 また、パーティーのエルフ娘の動向にも注目が集まっている。こちらはどうにもボイドの潜入を手引きしていたような節があり、ナインソルジャーの中で裏切り者ポジションに入ってしまう可能性がある(もしくは何か個人的な理由からの独断専行か)。ただ、その場合にはナツ子が何らかの事前情報を知っている可能性が高く、今後「パーティーの不破」という面倒なミッションにも挑まなきゃいけないかもしれない。まぁ、ナツ子が最初からメメルンを裏切り者だと知っていたなら出会ったときのあの反応にはならないと思うので、もしかしたら「実はそういう裏設定があってね」みたいなことを製作陣が語っていた、みたいな展開があるのかも。まぁ、「ナイン」ソルジャーって言ってるのに人数が全然足りてないし、まだまだこの先の展開は読めないのだけども。……元々の劇場アニメは何分の作品だったんでしょうね。 今回ナツ子が髪をあげた状態で動いてる時間がそこそこあったが、いい女なのかもしれんけど顔が見えてると個性が死ぬな。やっぱけうけげんみたいな状態で動いてる方が楽しいや。 |
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声優のこと全般
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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