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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 マシンガンみたいなアニメやな、第2話。こんだけのテンポの取り回しが破綻無く成立してるのって、ひょっとして原案漫画家が描き下ろしてる「ネーム」の効果もあるんでしょうかね?

 はっきり言ってホモホモしいアニメである。ヴィクトルのキャラが強烈過ぎるし、それに付き従う2人のユーリの思慕も露骨にそうした関係性を意識させるもの。演出だってあからさまにそっちの方向に引っ張っており、一切の迷い無しに「そういう」お客さんを誘致しようという意図があふれている。普通、そういう色が濃いアニメってのはどうしても敬遠したくなるものなのだが、今作は「そんなこたぁどうでもいいわ」と思える他の誘致要因がたくさんある。最大の見どころは、やはりマシンガンのようなテンポだろうか。お話が分かりやすいので付いていくことに不自由しないってのもあるだろうが、それにしたって、このスピードの展開は実に騒々しくて、愉快である。どのキャラも一切自重する様子がなく、苦労性のユーリを中心に据えながら、回りは好き勝手に自分の言いたいことを言って、やりたいことをやっているだけ。この野放しの人間関係が、「スケートが上手くなりたい」「ヴィクトルと一緒に滑りたい」っていうシンプルなモチベーションで不思議と1つにまとまっている。そりゃヴィクトルにこんだけのカリスマがあるならホモホモしくなるのもしょうがないだろう。元々フィギュアスケートの選手って、「男も惚れる男」みたいな妖艶さがあるからなぁ。

 矢継ぎ早に各キャラが勝手な台詞をまき散らし、強引極まりない尊大な人間がそれをとりまとめていく、よく考えてみりゃこんなにわがままでいけ好かない展開もない気もするのだが、「ヴィクトルならしょうがない」という諦観みたいなものが、すでに2話目の時点で視聴者にも出来上がってしまっている。そして、そこにまた別なわがままの種であるユリオがやってくる。2人のまったく違うタイプのドSに挟まれ、ユーリは悪戦苦闘。このドタバタなお悩みが、本来ならもう少し暗くて内向きになるはずの「スポーツを続けていく理由」をほとんど湿気を伴わずに描けるようにしている。「現役引退もちょっと考えちゃったくらいの伸び悩みプロ選手」なんて鬱要素の集合体みたいな存在なのに、ヴィクトルに手にかかってしまえば、そんなことをウジウジ悩んでいる暇なんてないのだ。ユリオを相手にそんな生っちょろいことを言ってられないのだ。頑張れユーリ。

 嵐のような2人の闖入者によってあれよあれよと話は進み、なんと3話目でもうユーリVSユリオのマッチメイクが成立。この1試合で、3人の今後の関係性が決まっていくわけだね。まぁ、オープニングやエンディングを見る限り、まだまだ3人のお騒がせな関係は続いて行くんだろうけども。

 そういやオープニングといえば、今作のオープニング歌ってるのってディーンフジオカなんやな。この人、何でも出来るな。

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 大体想定通りの終わり方だよな、最終話。「想定通り」ってのは、「良くも悪くも」である。

 まず「良くも」の部分だが、幕引きとしては割とさっぱりしていて後にしこりを残さない終わり方。あれだけの大事件が色々と起こった結果なのだから、やはり犠牲者ゼロというわけにはいかず、元の遊太の方は正式に「死亡」扱い。前回予想していた「グリコがみかたんの身体に入れ替わって悪役だけ退場」という終わり方は当然選択肢としてあったのだろうが、「正義の味方」である遊太が、過去の親友であり、最大の悪役であるグリコの退場を許さないという決断をし、その結果、退場するのは遊太になったわけだ。遊太を失った古来館は、残った「幽体遊太」の処理をそつなくこなし、かつての「ラブラの天啓」の伏線回収。また、「ループが途切れるとタイムパラドクスが生じる」ってことで、改めて「あの日」にループしてのチャレンジという、ある意味一番恐ろしい選択もきっちり残されている。まぁ、正確にはループが繰り返される方がパラドクスとしては深刻なのだが、あのまま幽体遊太を放っておくと何かと面倒なので、古来館は「女の子だけが残りましたよ」というエンディングの方が(少なくとも見た目上は)さっぱりしているだろう。今週は完全にどこかへと消えてしまっていたチラ之助についてもよく分からないながらも一応「落としどころ」があったし、遊太ボディを受け継いだみかたんがこれからも少数精鋭ジャスティスパンチとして世界を守っていくという「後日談」はさっぱりしていて良いものだ。

 とまぁ、ここまでは「良くも」であるが、残る部分はやはり突っ込まずにはいられない諸々のほころび。シナリオの矛盾点は真剣に検討したら逆に色々と説明出来るかもしれないのではしょるが、いくら何でもグリコの突然の翻心は流石にどうなのか。彼(彼女)が何故Q-may会の庇護下に加わり、こんなとんでもない悪だくみに加担することになったのかは、彼の非常に短い回想シーンで何となく語られたわけだが、それで「地球を滅ぼしましょう」まで行ってしまう短絡思考がまず納得いかない。更に、そんな短絡思考かつ破滅思考の人間が、遊太と散々暴れ回った末に、みかたんのゲンコツ一発で突然憑き物が落ちたように拳を納め、急に反省し出す展開はどう頑張ってもついていけない。そんなすぐに落ち着くような野望で地球壊すな。そしてチラ之助は六十数億もループ繰り返すな。結局、最後の最後にチラ之助が一切関与しなかったせいで、「世界改変のルールってどうだったんや」という部分がさっぱりである。

 また、途中でぶっ壊されたメイカが復活した理由が明示されていない(一応、ムヒの再生力が関与したという解釈でいいのか?)とか、壺内Q冥があっけなさ過ぎるとか、米軍との軋轢が残り続けているはずの古来館があのまま存続していいのかとか、そもそも今回の大立ち回りで一番人殺してるのって確実にイトだよね、とか。特にイトの殺戮行為はどうあがいても見過ごすことは出来ない大罪だと思うんだけど。あれだけヘリとか戦車ぶっ壊してるんだから、軽く数十人単位で人殺してるはず。そりゃまぁ、おかげで数十億人が救われたのだから結果オーライなのだろうが、米軍側からしたらそんなことは「たられば」でしかないわけで。もちろん、米軍も壺内Q冥にいいように操られてしがない一般人を襲いに来たという負い目はあるんだろうが、それでも「一番心優しいはずのイトに殺戮行為をさせる」というシナリオは如何なものか。結局メイカの作った「バーリアー」があったから、イトが暴れなくても米軍を寄せ付けなかったんじゃないか、って気もするしなぁ。

 まー、クライマックスでの三局のクライマックスを同時多元中継で繋ぎ、古来館ガールズ(4人)の最大の見せ場を一気に畳みかけるっていう盛り上げ方は面白かったと思う。特に、ラブラがこの局面でやたらと大活躍してくれていたのは実に良かった。結局彼女、インチキだと自分で行っておきながら、九字印結んで悪霊ぶっ飛ばすくらいのことは出来る奴だったのね。古来館最強はメイカだろうが、メイカが生まれるための条件としてラブラが必要だったわけで、実は今作で一番の重要人物は彼女だったのではなかろうか。

結論:俺はパンツ見せるならイトのパンツだけでいいかなぁ。

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 なんやかんやで盛り上げてきた、第11話。一言でいうと「細かいことはいいんだよ!」の精神ですよね。

 これまで必死に整合性を求めてきた本作であるが、最終回に向けて、後は風呂敷をたたむだけ、という体勢に入ったことは明らかである。ぶっちゃけ、色々と回収しきれていない要素もてんこ盛りなので、それらが来週だけで万事解決するとはとても思えないのだが……些事は切り捨てて、映像的に面白い方向に攻めていく、という狙いは非常に分かりやすく、ぶっちゃけ、個人的にはそれでももうかまわないかな、という気もしている。一応、最低限拾うべき要素は拾っているわけだし、ラストは全てを忘れ去ったとしても「古来館 VS may会」という構図が分かりやすくなった方がいいだろう。何故ハッキング開始の直後からいきなり米軍が駆り出されてくるのかとか、そういう要素は気にし始めたらきりが無いのである。

 そして揃いも揃ったりのジャスティスパンチ。前回は「役に立たない面子が多い気がするが……」と心配していたが、なるほど、解決策は色々とあるもので。ちゃんと残りの2人が戦力としてカウントされるための伏線は張られており、多少強引だったけれども無事に5人体制で事に当たれるようになった。イトは1ループ前にもお目見えしていた花火打ち上げロボット革メイカーをモビルスーツとして採用。「ゲームと同じだからめっちゃ動かせるよ」理論により、米軍の戦闘ヘリをなぎ払う無類の活躍を見せる。いや、いくらなんでも戦闘能力高すぎるだろ。ロボも、イトも。ロボの方はメイカが「正義を守る」ためにこっそりと戦闘力を高めつつ開発していたと考えればギリギリ納得出来なくもないが、イトの操縦スキルの高さはちょっとやり過ぎである。いくら何でも、空中であそこまでの機動を維持出来る引きこもりってのは無理がある。でもまぁ、「無理があっても絵的に面白ければいいじゃない」ってなもんだけども。有り余る作画リソースを今回はフル回転で突っ込んできているのである。

 そして個人的に面白かったのはラブラの使い方。そうだね、5人とは言ってたけど、本当はもう1人いたんだもんね。実をいうと、ラブラ活躍シーンに入る前、具体的にはチラ之助が退場するあたりのシーンで、ふと「あれ、もう1人の遊太ってそういえば何やってんだろ?」とは思ったんだよね。目的は2人とも同じわけで、ここでラブラの力を借りて参戦するのは自然な流れであるし、「新旧遊太の協力プレイ」というのはなかなかアツい展開。制限時間が厳しすぎたり、「そもそも宮賢が苦戦してる相手なんだから、遊太が1人で追加されても苦戦するだけじゃね?」とかも考えるけど、熱く燃えるラブラが暴れ回る画が面白いのでこれはこれでOK。「何かが降ってきた?!」→「シナモンだ!」のところはちょっと「おぉ!」ってなりましたね。ちゃんとメイカの発明品をフル活用しているのも面白い。

 さて、こうなると一番役に立たないのはみかたんということになってしまうわけだが……一応来週には死亡フラグ(かつ生存フラグ)ですね。最後のユーバ化は一体どんな風に起動して、どんな結末を迎えるのか。勝手にありそうだと思ってる展開は、「グリコと合わせて3人が集まっている状態で全員がユーバ化」→「すったもんだの末にまた身体が入れ替わり、ボロボロになった現みかたんのボディにグリコが押し込められてそのまま死亡」。なんかありそう。流石に現状でグリコを無罪放免で許してやる道理もないからなぁ。

 結局、別遊太は助けに来てくれたけども、チラ之助はどこで何やってるんでしょうね。一応遊太に話をつけてくれたのってチラ之助なのかな。「何十億回も見てきたけどこんな展開初めてだよ」って、どんだけ効率の悪い周回プレイしてたんだよ。

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 んーーーーーー、第10話。なんだろ、今ひとつ盛り上がってません。今回新情報がほとんど出てないからかな。

 今回与えられた最大の新情報は「チラ之助による失敗宣言」だろう。前回のエピソードで遊太がグリコ(パイン)とごたごたやっているうちに、既にQmay会の方は目的を達成しており、地球滅亡が確定。これにより、「このループ」の遊太はお役ご免と相成った。残ったお仕事はチラ之助の言を借りるならば「敗戦処理」ということになるわけだが、単にナンダーラガンダーラに「U-Turn」って書けばそれでおしまいなのである。まぁ、どうせムリゲーなのは分かってたわけで、ここで「失敗したのラ」って言われても全然衝撃的ではないし、もう視聴者目線からしても六十数億分の一でしかないので「あ、そう」という感覚にしかならないのだが……毎週書いてるからいい加減しつこいとは思うけど、やっぱりこういう「作業感」が募ってしまったせいで、チラ之助がすげぇ適当に事態に当たっているのが明らかになり、その雰囲気ってのは視聴者にも波及してしまうんだよね。今回、遊太が一大決心をしてクライマックスに向けて立ち上がる姿を描くのが最大の眼目だったのだろうが、「どうせ1つ前の遊太だってそうやって克己してたんじゃないの?」とか、「お前が立ち上がったところで駄目なはずじゃん」とか、そういう意識が先に立つと「まぁ、頑張れ」という程度にしかモチベーションはあがってこない。どんなアニメだって全て同じではあるが、今作の場合には、徹底的に事態が「他人事」なのである。

 そして、今回遊太が奮い立った理由として追加された新情報は、グリコの現在の立ち位置だ。前回正体を現してラスボスポジションに立ちふさがったグリコであるが、彼は既に壺内Q冥よりも上の地位に君臨しており、全ての計画は彼の手の中。隕石を爆撃しての人類滅亡は、彼の圧倒的な知見によって避けられない事態になってしまっていた。そんな「かつての友」の変わり果てた姿にショックを受ける遊太。そして、同じように打ちのめされたみかたんの2人は、「正義の味方である」というただ1点のみからこの苦境に立ち向かう決心をし、「敗戦処理」を「逆転劇」に繋げていこうとしているわけだ。

 いわば審判役であるチラ之助に「終わり」と宣言されているにもかかわらず更に反抗することに意味があるのかどうか、それはチラ之助のルールがどの程度の縛りなのかが分からないために何とも言えないが、まぁ、アニメ的お約束を考えれば、この絶対絶命の窮地からの逆転満塁サヨナラホームランこそがこの作品のカタルシスとなるのは間違いない。「六重数億分の一の遊太」が「アニメの主人公たるたった1人の遊太」になるためには、それ以外の結末はあり得ない(まぁ、このままマジで単なる消耗品として遊太が消えてしまって終わる、というのも非常に衝撃的で斬新なアニメにはなるが、誰も見たくないわな)。しかし、ここからの逆転って、一体どうすればいいのだろう。一番単純なのは遊太が物理的に隕石の軌道を逸らしてしまうことだ。チラ之助のいう「人類自身による解決」とはちょっと違う気もするが、地球が滅びなければ遊太の勝ちになるのは間違いない。しかし、現状では物理的に問題を解決する方法は提示されていない。となると、更なる情報戦、具体的にはメイカのネットワークスキルを使った攻防が鍵になるだろう。そこに、改めて攻め込んできたグリコとの物理的な戦闘を交えれば、一応古来館のみんなで戦っている雰囲気は出る。ただ、その場合にもイトとラブラは完全に蚊帳の外なわけだが。ラブラは過去の「未来視」の伏線がまだ回収されてないので、そのあたりから一発逆転の芽が残ってるのかな。イトがやるべき仕事というと、多分ムヒ絡みの何かだろう。グリコは「ムヒがいなくても作戦に支障は無かったよ」と言っていたが、おそらくQ冥がムヒを追っていた理由として、もう1つくらいはあの熊に何かが隠されていた、っていう流れはありそう。

 残った話数で出来そうなことといえばこれくらいだが……結局、根本的なシナリオライン形成上の問題は残っているわけで……何とかなるのかなぁ。

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 折れた指をずっと見せるのやめて頂きたい、第9話。割とえげつないことも平気でやる遊太、ダーティー過ぎるけど出自を考えたらしょうがないのか。

 着々とネタを回収して収束へと向かっている状態。ただ、我々視聴者からすると「どうやったらゴールインなのか」がさっぱり分からないために、相変わらず捉えどころのないお話に終始している感がある。今回大きく動いたのはグリチョコパインの三者関係。まず、みかたんが倒れたことをきっかけにして遊太が自分の招待をカミングアウト。何故それまでの間ずっと隠していたのかが今となってはよく分からないのだが、元々みかたんも正体を隠していたからか。メインの遊太は時間転移してきた時点で既にみかたんの諸々を知っていたのだから、事件の中枢に間違いなく関わっているユーバ化能力者たちの連携を密にするためにも、さっさとカミングアウトして2人で力を合わせていく必要があった気がするのだけども。結局、後手後手に回っている遊太がみかたんと情報共有を果たせたのは26日になってからのことであった。今回、遊太が自分の正体をカミングアウトするに際してチラ之助は一切介入してこなかったってことは、これらの出来事は1つ前の宮賢でも同様に発生していたイベントってことなんだろうか。

 しかり、グリーゼ関係のこととなると今度はチラ之助が介入してくる。曰く、「グリーゼを追い返し、取り逃がしてからもめ事が起こる部分までがセットなので、そこの流れは遵守すべし」とのこと。どうも、ここまでチラ之助が介入してくる事案の傾向を見ると、古来館の住人の人間関係に関わることには非常に神経質になっているようである。「古来館のメンバーの友情、関係性が全ての鍵である」とは以前からいっていることなのだが、さて、チラ之助はこの「確証」をどのようにして得たのだろうか。グルグルとループしている時点でチラ之助は未だ「正解」に至っていない。ということは、彼にしたって「何をすれば地球が救われるのか」は分からないはずなのだ。それなのに、何故かあの猫は「あれをしろ、これはするな」といちいち口を出す。それがさも当然のことであるかのように。相変わらず、この1点が一番もやもやする部分なんだよなぁ。1つ前の宮賢はどうやら「流れ」に準拠した行動を取っていたようであるが、結局そのループでもクリアには失敗しているわけで、古来館のメンバーの喧嘩が本当にキーとなっているとも思えない。六十数億のループの中で、「喧嘩に至らなかったパターン」「グリーゼを確保したパターン」なんかもあると思うのだが、それらの傾向的に「何となくいい感じになった」のが「グリーゼを取り逃がして喧嘩になったパターン」ってことなんだろうか。よく分からんが……。

 一番わからんのは、「メインの遊太」が行動する際に、前の遊太の影響がどの程度影響しているのか、っていう部分だよね。バタフライエフェクトのような関係性であるが、「メインの遊太」が行動する方針を決定する要因は2つ。1つは、前のループの幽体の時に何を見聞きしたのか。つまり、「1つ前の遊太」の行動が「次の遊太」の言動に大きく関わる。そしてもう1つは、「現ループにおけるチラ之助の介入」。これは、ゲームプレイヤーのスタンスにあるチラ之助が、その時の気分次第で好きにループに干渉出来る手段である。これが後者の要素だけであるならば、まるでプログラムされた覚えゲーのように、「今回はここを触ってみよう」「これをいじるとどういう結果になるんだろう?」としらみつぶしに1つずつ要素をいじっていけば、最終的に正解が得られる可能性はある。いわゆる総当たりゲーである。しかし、残念ながらこの作中に発生するループは、もう1つの要素である「1つ前の遊太の行動」という不確定要素が存在する。つまり、1つ前のループの遊太が完全に同じ行動をしない限り、「前のループ」と「今のループ」は同じシーンになる保証がない。遊太の行動自体が変わってしまうためだ。そうなると、覚えゲーではあるものの、毎回毎回微妙にステータスの異なる世界で、新たなクリックポイントを探す必要がある。つまり、「同じことをエンドレスで繰り返す」ことが出来ないのである。はたして、そんなゲームにクリアの方法があるんだろうか。チラ之助は、その辺の因果関係に頓着しているのだろうか。本当に良く分からないので、気が遠くなるような感覚である。

 今回のループでは、遊太が独断でグリーゼを襲撃、情報を聞きだそうとしている(例によって、ここでもチラ之助の介入はない)。その結果、グリーゼ=グリコという衝撃の事実が判明し、事態は急転直下だ。最後の1人であるパイン(グリコ)がここにいたということは、以前友田の体を使ってユーバ化を披露した壺内Q冥はまた別のスロットであるということになる。まぁ、ひょっとしたらグリコ=Q冥という可能性もあるが。もう、グリチョコパインの3人の関係性はぐちゃぐちゃになってるのでこれ以上の要素が介入されると困るな。

 正直、イトとかラブラとか、古来館の面々が積極的に介入してこないお話は個人的にあまりテンションが上がらないのである。

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 進んでるんだか、進んでないんだか、第8話。これ、ノイタミナってことは全12話くらいだよなぁ。終わるのかなぁ。

 順当に「2週目」を経験していく勇太。当然のことながらイベントの重なり合いも自然に表現されており、「ここがこうなっていたのか」という「解決編」としての意味合いは強い。ただ、やっぱりディティールまで見直していないので、「そんなんあったっけ?」というようなヌルッとした手触りなのよね。多分、脚本を構築している側はかなり詰めて、色々とギミックを交えながらこの「ループ」を構成しているとは思うのだが、今作の場合は「ループ後の改変」も同時に描かれなければならないため、「どこが変わった」という部分にも目線を向けなければならない。おかげで、どうしても「変わらなかった部分」の重要度が下がり、「答え合わせ」による爽快感というのが薄くなってしまうのである。

 たとえば今回は宮賢の登場までの真相が描かれ、その裏にいた遊太の姉の存在や、「雨ニモ負ケズ」の詩の含意などが語られているわけだが、視聴者側としては「宮賢スーツが遊太に届いたこと」さえ分かってしまえばそれで充分で、あとはこの「2代目宮賢」が何を思って、何を変えるつもりなのか、という方に注目してしまう。「前のループ」のことは割とどうでもいいのである。そのあたりの情報の過密さ、乱雑さがなかなか一点に集中させてくれない難点なのではなかろうか。

 また、先週も総覧したが、やはり「チラ之助の制約」の存在意義がよく分からない。チラ之助はあれだけ口を酸っぱくして文句を言っているわけだが、その割に宮賢騒動の時に遊太が暴れているのを見ても止めようとする気配はなかったし、あまり真剣に「答えを見つけよう」としているように見えないのである。彼からしてみたら「失敗したらまた次がある」のだから、ある程度ユルくても問題ないのかもしれないが、そんな適当な目的意識のやつが、六十数億ものループを繰り返して事に当たっているという事態の大きさが何とも噛み合わない。

 普通、ループものというのは「ループの終わり」というのが最大の山場となる。これは毎度毎度ループものの感想を書くときに確認していることなのだが、「どうせ繰り返せるんだし」という理解が作中人物に及んでしまうと、ループの中での行動がなおざりになってしまい、緊張感が失われるという問題がある。そのため、「何かミスったらループは途切れ、最悪の結末が確定するよ」という縛りというのが必要になるのだ。

 端的なのはキュウべぇにループの真相を看破され、更にループ自体が因果の多重構造の原因だったと指摘された暁美ほむらの事例。作中で描かれた周回は、彼女のループのラストチャンスとも目される緊迫感のある舞台設定になっていた。つまり、全ループについて知覚している中心人物こそがループに危機感を覚えることが、手っ取り早い緊張感の生み出し方である。この「視点」を2つに分けると、例えばエンドレスエイトの例に繋がる。魔の8月において、全ループを認識していたのは長門有希ただ1人。彼女は無感情な観測者だったためにその膨大なループに文句の1つも言わなかったが、「長門がループに呑まれている」ことに気がついたキョンが、ことの重大さをようやく認識し、ループを打開しようと苦闘することで、エンドレスエイトは物語としての山場を迎える。

 翻って、この古来館の場合はどうか。エンドレスエイトにおける長門の役割を果たす「観察者」はチラ之助ということになるが、彼は長門よりも直接事態に関与する旨が明らかにされており、コントローラーの役割も担っている。無感情ではないが、「ループすることに苦痛を覚えていない(ように見受けられる)」ところは、長門と共通している。一番の違いは、中心人物の役割を果たす遊太である。他のループものと違って、「前の週の遊太」は「次の週の宮賢」になる。そして「前の週の宮賢」は、リタイアして「次の週」にまでは持ち越せない。つまり、延々「同じ」であったはずのキョンと違って、遊太は使い潰しの消耗品なのだ。だからこそ、チラ之助は「君に次はない」と脅しをかけているわけだ。作品の方向性から類推するに、今作ではそうした「次のない遊太」をフィーチャーすることで、緊張感を生み出そうとしているように見受けられる。ただ残念なことに、その狙いはあまり上手くいっていない。結局、視聴者目線からみればループものはどちらかというとチラ之助目線に近い。「駄目なら次の遊太で頑張ればいいじゃん」と思うのが普通であり、六十数億分の一に過ぎない「今の遊太」は、取り立てて重要度の高い存在ではないのだ。こうして「作中の遊太の認識」と「視聴者の認識」に齟齬が生じることで、今ひとつ問題の大きさに臨場感が湧かないのである。この辺りの問題は、多分最後まで解決することはないのだろう。構造的な欠点なのだから仕方ないことである。

 そんなわけで、ループを追うこと自体にいまいち身は入らないのだが、一応今回も気になる展開はいくつか存在している。一番の変化は、メイカの創造主たる台初天華博士の遺言について。彼は正義の味方を結成してこの世界を救うことをメイカに託しており、その中には、みかたんや遊太の存在もカウントされていた。そして、そうした情報の全ては、どうやら幼少期に未来予知を行っていたラブラと繋がるらしいのである。つまり、これまでチラ之助以外の情報ソースから現象の分析に当たっていたメイカたちのオリジンは「過去のラブラ」にまで遡った。もちろん、そのラブラだって、何らかの外的要因があって「予知」を行ったのだろう。順当に要素は接続されているので、はたしてこの因果の糸が最終的にどこに繋がるのか、というのは気になるところ。あと、これまで名前だけは出ていた新キャラ、ラブラの弟・蘭堂が登場。ただ、こちらはヌルッと出てきただけで、あんまり裏側はなさそう。彼がQmay会を抜けた理由も適当だったし、「ムヒの強奪役」として以外にあまり大きな意味はなさそうだ。

 今後の注目点としては、友田が行動不能になったため、イト関係のイベントは強制的に変化が生じるということ。そのあたりから、「今の遊太」が問題解決に至るとっかかりが見つかるのかな? 六十数億回も失敗してたのに、意外とあっさり解決するもんである。

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 Aパート締めのアイキャッチが実に官能的、第7話。まぁ、全く「パンチラ」ではないのだけど。

 思いっきり体調崩して頭がボーッとしてる状態なので、ややこしいループものの設定回収回はなかなか頭に入ってこないれす。なんか色々と間違って解釈してそう。とりあえず発覚した設定だけをまとめておくと、①パンチラと隕石落下の因果関係は「パンチラ2回で幽体が消滅、そして遊太が死ぬと歴史改変のキーパーツが無くなり自動的にバッドエンド」というものだった。これまで幾度か「遊太が2回目のパンツを見た瞬間にあぼん」みたいな描写があったが、正確にはその間に大晦日までの時間が経過して、改めて人類滅亡という流れだったようだ。②ループ後の遊太は、チラ之助の許可なしに歴史改変をしてはならない。この設定が一番謎なので、後述。そして③グリチョコパインの3人は幼少期にそれぞれ幽体離脱し、各々が入れ替わった状態で成長している。これもかねてから不思議な状態にあった要素だが、今回のことで綺麗に説明がつくようになった。ただでさえ施設孤児トリオは設定がややこしいのだが、更にこれにもう一捻り加わったことになる。現時点において、3人の入れ替わりに大きな意味は提示されていないので、今後は「入れ替わったからこそ」の何かが起きることはほぼ確実である。キーとなるのは未だ未登場のパインの存在ってことになるんだろうか。これでなんも関係無くて「単に幽体離脱するっていう遊太の特性の下敷き」とかだったらどうしよう。徒にややこしくするだけの状態は勘弁してくれ。

 さて、以上のような設定が、今回追加された新事実である。このうち、やはり一番悩ましいのは②「チラ之助の許可」云々だろう。ループものの大前提として遊太には「歴史改変を目論見、かつての経験を基にして悪戦苦闘する」ことが求められているわけだが、何故かチラ之助は「歴史を改変するな」と命じる。その理由は「古来館でのきずなが問題解決には不可欠であり、歴史の流れにそってある程度は友情イベントをこなし、関係性を深める必要があるため」と説明されている。うーむ、分かるような分からないような。つまり、メインの遊太が歩んだルート(メイカ、みかたんの正体やムヒの存在発覚、それを引き起こすための友田の襲来、グリーゼの来訪など)は、「必須イベント」だったと考えて良いのだろうか。1つ前の遊太(宮賢)も、今回と同じようにチラ之助に散々蹴られ続けながら、不承不承でそうした「時代の流れ」を解決していたということか。

 それはそれで良いのだが、問題となるのは「チラ之助はどの程度成功の見込みがあるのか」という問題と、それに伴う「チラ之助の知識保有状況」である。見返していないので定かではないが、どうもチラ之助は1つの時間軸に1体しか存在していないように見える。つまり、「次の遊太」とメインの遊太が対話しているチラ之助(同様に宮賢が対話していたチラ之助)は同一個体と考えられる。このチラ之助は「メイン遊太の経験した時間軸」の知識を持っている。つまり、遊太同様に「更新」されているわけだ。だとすると、次の遊太と接しているチラ之助はバージョンアップしたものということになり、望みとあらば「次の遊太」にも歴史改変のサポートを依頼することも可能。というか、普通に考えるならば、どの時間軸でも「2人の遊太」は協力体制を敷いて万全の知識状態で歴史改変に挑む方が効率が良いのである。しかし、チラ之助は「歴史改変はNG」という錦の御旗の下でこれを頑なに拒否し、結界を張って2人の遊太の接触を拒んだ。遊太自身も、そうした行為に及ぼうという考えは一切無い。これは一体どうしたことなのだろうか。

 そして、チラ之助は裏を返せば「許可を出せば歴史改変しても良い」と言っているわけだが、はたして一体どんな状況ならばOKが出るのだろうか。チラ之助の視点からみれば、いわばあらゆる分岐が可能な覚えゲーにおいて、六十数億体の遊太というプレイヤーキャラを殺しながら、あれも駄目、これも駄目、と1つずつのパターンを試している状態。それだけ試して駄目だったということは、チラ之助自身も「大晦日より先」の未来には干渉出来ておらず、正解は分からないはずなのだ。そうすると、この六重数億回目の「メインの遊太」も本人の言っている通りに「単なる数十億のデータの1つ」でしかなく、気楽に使い潰してしまう可能性もある。彼の言う「許可」は、どれだけ信じられるものなのか。ただ、現時点においても、既に遊太は様々な単独行動によって自身の経験した「過去」からはたくさんのファクターを改変してしまっている。チラ之助がこの辺を認めている(黙認している)のは、次の遊太の相手で忙しかったからなのか、それとも「ある程度はノイズが混じった方が良い」と考えているからなのか。「歴史を変えるな」という禁止事項の拘束力がいまいちはっきりしないので、視聴者側としてはもやもやしてしまう部分である。

 多分、細かい部分ではループものならではのこだわりの描写がいくつも転がっているのだろうが、なかなかきちんと見直してまで細部を確認する余裕が無いのがなぁ。あと、現在の時間軸にしても、不法侵入されてキレたイトが、次の日には何事も無かったかのように遊太と会話していたり、1つ1つの事態がぶつ切りになってる感じが気になる。「どの要素がどうやって歴史改変に関わったのか」っていうのが最終的にちゃんと分かるような描写になればいいんだけどなぁ。

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 ここまででひとまずの準備完了ってところか、第6話。およそ分かってきたことの総まとめ、指針をはっきりさせるお話である。

 今回最大のサプライズは遊太の性別のことだろうか。これで、グリチョコパインとの性別の差という謎だった部分があっさり回収されたわけだが、麻里奈が中の人の時点でどっちと言っても良かったわけで、まぁ「そういう手があるのかよ」と感心したような、そうでもないような。確かに、性別誤認トリックとして特にアンフェアなことはやってないんだよな。そもそも遊太本体についての情報って殆ど出てないし、古来館の他の住人たちもそこまで密に遊太のプライベートを知っていたわけではないだろう(まー、イトはそれなりに心の交流があったはずだが)。つまり、サプライズというか「どっちでもいいものが片方に振れた」だけのお話である。あ、でもパンチラ設定の部分が最大限に「男」を示唆してるのか……まぁ、パンツ見て鼻血吹くヒロインだってたくさんいますからね。宮前かなこさんとか、一宮エルナさんとか。多分、「何故遊太が鼻血ブーなのか」ってのも後から説明が入る部分なんだろうな。

 あとはこれまで積み上げてきたものを丁寧に説明してくれる部分がほとんど。宮沢賢治の正体については当然みんな知ってたからいいとして、「ナンダーラガンダーラ」の適当な扱いは、別に無くてもいい設定なんじゃないかって気もするけどね。途中から遊太も「聖典を探す」なんて目的ほとんど忘れてたみたいなもんだし。「ストーリーの牽引をしやすくするためのツール」ってところか。あとはみかたん=グリコが正式に確定。いや、知ってるけども。チョコ=遊太も今回の性別の件で確定と見ていいので、残るパインがどこで何をしているかだな。既に死亡してる可能性もあるが。というか、あの施設にいたのが3人だけってことはないだろうから、ユーバ化能力を持っている人間は他にもたくさんいる可能性だって否定しきれないんだよな。もし3人だけだとするなら、今回能力を発現させたのはみかたん、遊太、亀男改めストーカー教師の友田。そして、彼の証言によれば霊体となって取り憑いていた壺内Q冥。「取り憑いた状態からなら他人の肉体でもユーバ化が可能である」ことは遊太&ラブラで証明済みなので、壺内がユーバ化能力者であることがほぼ確定。となると、敵対組織の教祖がかつての友人、っていうのが現時点で一番可能性が高い展開なのかな。

 その他、みかたんの生い立ちが明らかになり、前回までにあげた「何で津軽弁なんだよ」問題が解決。ただ、新たに「何故メイカはみかたんの素性を聞きつけて救出に行ったのか」という疑問が出てくるわけだが。地球滅亡回避のための手がかりを事前に掴んでいたのだろうか。Qmay会の成り立ちが分からないと、そのあたりの目的意識もはっきりして来ないかなぁ。その他「最後のシナモンを持ち出したのは誰だ」問題なども解決したわけだが、宮沢賢治にしれっと空き巣に入られるあたり、古来館の防犯意識は薄すぎると思います。

 全体的に見やすくなったとは思うが、亀男の正体が割と適当だったり、遊太の時間跳躍設定が相変わらガバガバだったり、なんか要所が弱いのが気に掛かる。時間跳躍については、今回ほとんどメインで絡んでこなかったチラ之助という存在がいるので、まだ明かされていない事実、裏にある大きな意志の話もあるだろう。その辺はループものとしての最大の見せ場なので、もう一波乱起こして欲しいところ。その他の脇の設定については……まー、ギャグと折衷してる部分もあるので滑ったり外してしまうのはしょうがないか。十発撃って一発当たれば儲け物くらいの気持ちで。あらゆる楽器を使いこなしながら昔語りをするメイカとか、割と好きよ。どんなしょうもない歌でも全部「作曲:小室哲哉」って表示されるのがいちいち笑える。世が世なら数千万円単位のプロジェクトやで。

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 デュエルスタンバイ! 第5話。まー、結局城之内もイトも死んじゃいないわけですがね。

 話が進んでいるように見せかけて、その実一番大事なところは一切明かされていないのでもやもやしたままの展開が続く。前回までは新キャラが出てきてかき回したり、露骨な伏線が出まくったりして物語を牽引してきたわけだが、今回はそうした要素があまり多くなかった。作中での事件は色々と起こっているハズなのだが……一番印象的だったのは「学生時代の髪の長いイトが可愛い」っていうことだったかもしれん。いじめで切られてから、そのままずっと今のぼさぼさ頭になってしまったのか。だとしたらまさにイジメ許すまじである。

 サブタイトルの通り、今回の中心はイトである。前回のラスト、そして今回のアバンでは惨殺された衝撃的な姿が映し出されてしまったわけだが、まぁ、遊太が時間遡航出来ることは自明なわけで、そこまで気にするようなもんでもない。人類の滅亡は簡単にリセット出来るのにイトの死だけだとタイムスリップするのがやたら大変だった理由はよく分からないのだが、単にチラ之助が乗り気かどうかっていうのが関係しているんだろうか。ラブリーキャラになってもいいはずなのに、どこか胡散臭くて萌えキャラになりきれないチラ之助。最近のイメージは猫っていうかどこぞのインキュベーターの方が近いかもしれん。今期は空飛ぶ猫がたくさん出てくる謎のシーズンになったな。

 とにかく時間を遡ってイトが死ぬ直接的な原因を潰すことになった遊太。その「原因」とは当然あの動画、そしてそこに関係する謎の人物である。遊太は今回「スゴイ霊」にレベルアップし、そこそこ現実世界にも介入できるようになったが、現時点では最大の必殺技でもまだラブラに憑依するのが限界。こんな状態でイトを引き留めることなんか出来るのか、と思ったが、ラブラ憑依からのみかたん説得であっさり解決。みかたんの理解の早さとノリの良さは流石にどうかと思うのだが、彼女もこれまでの人生で色々と苦労を重ねているみたいなので、「組織に狙われてイトの命がヤバい」という話を割とあっさり信じてくれたのかもしれない。「何でラブラが突然そんなことを?」とか疑問に思わないのはみかたんの天然の成せる技ってことで。便利なキャラやな。

 結局、大した下準備も無しにあっさりとイトの引き留め作戦は成功。その流れで彼女の過去話を確認することも出来た。まー、引きこもりになった人間の昔話なんてものはあまり聞いていて気持ちの良いものではないわね。イジメを受けた理由、そしてそこからの転落なんかは非常に分かりやすいテンプレ通りの進行であるが、そこに到っても微妙に古来館の住人との関係を繋いできたイトのプライドなんかはなかなか身につまされるものがある。引きこもりである、という開き直りはありつつも、その傍らで、どうしても「まだ私は落伍者じゃない」という意地が見え隠れする。本当は社会に適合できるし、自分は回りの人間に比べて劣った存在なんかじゃないという矜恃が、彼女の人生を少なからず歪ませている。単なる引きこもりだったらそのまま没交渉で社会からフェードアウトしたのかもしれないが、ほんの出来心でネットに奇妙な殺害動画を流してしまい、それが余計な事件を招いてしまったようだ。それが自分の罪なのか何なのか、状況が全く理解できずに慌てふためくイトがなかなかに可愛らしいのが困りものである。

 そう、今回は割と「イトが可愛い」が前面に押し出されたお話である。窮地の女性を見て「困っている顔も可愛いなあ」と思ってしまうのは申し訳ないことなのだが、基本的に他人行儀で、どこか線を引いている感のあったイトが、みかたん相手に全てをぶちまけて泣きじゃくる様子はどうしても萌え要素が先行する。最近は割と「天真爛漫で無垢な明るさ」を武器としたキャラが多かった寿美奈子が、こうしてグッと抑えながら泣きで見せてくれているというのも新鮮でよい。デビュー直後はパッとしない印象だった美菜子だが、最近はすっかり自分流の演技の道を見つけていい状態になってきたなぁ、としみじみ思わせてくれる良いキャラである。

 閑話休題、そんなイトを守るために、遊太と古来館メンバーがそれぞれに命懸けで動く(1人は幽霊だが)。あの殺害動画にはいつぞや古来館を襲撃した通称「亀男」が関係しており、ヤツは再びイトの命を狙い、何故かメイカを襲撃した。逆さ吊りで簀巻きにされているメイカはなかなかシュールだが、その程度の暴行で救われたのはある意味ラッキー。というか、亀男もなんでわざわざメイカを襲撃したんだろう。同じ建物にイトがいるのは分かってるんだから、最初からそこにいけば良かったと思うのだが……。最終的にメイカも殺そうとしてるわけだしなぁ。とにかく、ムヒがさらわれてしまってはイトも動かざるを得ない。バタバタと各人が勝手に行動するなか、遊太は遊太で「名案」を思いついて実行に移す。その間にも伏線っぽいものがちょこちょこと張られており、個人的に一番気になったのは「最後のシナモンがどこへ行ったのか」である。シナモンを必要としているのは、現時点では遊太1人だけ。それ以外の可能性としては霊能関係者が必要としていた場合が考えられるが、古来館でそうしたシナモンの使い方を求められる霊能者は遊太以外にはいないだろう。問題は「いつの時間の、どんな遊太か」というだけでね。宮沢賢治が露骨にパンチラパワーを発動させていたけど、そろそろ伏線回収が来ますかね。前から言ってた通り、CVの時点で隠す気が無いのであんまりサプライズにはならんのだけども。その他、みかたんが持っていた薬のお話なんかも今後は関わってくる要素になるだろうか。みかたん(と遊太)が育てられたとおぼしき謎の開発組織についてはあんまり新情報も出なかったのだけども、意外だったのはみかたんが自分の出自について特に隠す様子もなくべらべらとイトに話したところかな。別に秘匿義務は無いのだろうが、今まで積極的に話すことがなかったので、彼女にとっては暗い過去なのだと思っていたのだが。単に話す機会が無かっただけなのかな。あと、幼少期に施設で育てられていたはずなのに、どこで津軽弁を覚える機会があったのか、ってのも気になる部分。彼女の人生はどういうルートを辿っているというのか。あとはまぁ、パインがどこで何をしているのか、っていうのが一応気になるところか。結局、あの開発組織とQmay会は関係しているのだろうか。

 むー、まだまだ謎が多いのでなかなか突き詰めた話もできないのであるが……今のところ一番心配なのは、「ちゃんとこれ、まとまるんやろか」という一点に尽きるな。あ、あとラブラの乳が大丈夫なのかどうか。腫れたらまたでかくなってしまうで。

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