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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 何故レンジにいれたし。第6話。良い話、本当に良い話。先週の「悲しい」に続いて今週も「悲しい」はあるのだが、「嬉しい」が混じったこの感情は本当に良いものだ。どちらかというと今週の方が泣いたかもしれません。前に誰かに聞かれたけど、私は「泣いてる」と書いてる場合にはマジ泣きしてます。割と涙腺緩い方。最近はプリキュア23話リピートして毎回泣いてるんだけども。

 「泣き」の話には違いないが、今週は確実に「始まる」話になっており、同じ涙でも嬉し泣きである。ふらふらとさまよった和奏の気持ちは、今回無事にたどり着くべきゴールへと届いた。よくよく考えると何で今週のエピソードでもって彼女が解放されたのか、というのは因果関係がはっきりしない部分があるのだが、それでもここまで作り上げられてきた彼女の「想い」はちゃんと伝わってくるので、自然に昂ぶりが分かるというもの。基本的に、おおっぴらに説明を広げるのではなく、和奏・来夏・紗羽の3人の人間関係だけで全てを表しているのが、この作品の上手いところである。

 野暮は承知で少し見てみよう。前回、和奏は揺れ動く自分の心に決着をつけるため、「捨てる」ことを選択したところだった。ピアノを捨て、思い出を捨てて、母親に対する自らの喪失感と罪悪感をなげうってしまおうと考えた。しかし、どうやらこれが彼女の本心には耐えきれない所業であったらしい。猫を探して雨の中をうろついたことも原因かもしれないが、心に大きく穴が空いた彼女は、自らの選択である「喪失」の重みに堪えられず、身体を壊してしまう。まさに身も心もボロボロの状態で、彼女が救われる手段は一見すると失われたかのように見える。

 そこに、1つ目の横やり、来夏が乱入する。入水と勘違いしてケーキをクラッシュさせるという賑々しい乱入をかましてきた来夏だったが、ごくごく自然に、本作で初めて和奏の部屋に押しかけることに成功している。殺風景になった和奏の私室は、本来ピアノがあったはずの部分にぽっかりと穴が空いており、まさに彼女の内的心情そのものと言っていい場所。そこにずかずかと上がり込んでくるってのは来夏にのみ許された特権と言ってしまっていいだろう。たとえ和奏が望んでいなかったとしても、ずぶ濡れになってしまった友人を放っておく訳にもいかないのである(もっとも、少しずつ信頼関係は構築していたので、別にぬれてなくても部屋には上げただろうが)。そして、そんな「内側」に食い込んできた来夏に対して、和奏は今まで隠してきた自分の弱さ、母親への罪悪感を漏らしてしまう。この時点で既に彼女が来夏に対して気を許している事が分かるが、タイミングも重要だったのだろう、どうしようもなくて自暴自棄になった和奏だからこそ、どうにもならないと思いつつ、友人に後ろ向きな発言をしてしまう。

 しかし、そこで来夏からかえってきたのは予想外の反応だった。「かなわないことも、また思い出の一部」。はっきり言ってしまえば詭弁であるし、大した情感もこもっていない適当な物言いではあるのだが、今の和奏からすると、全く想像も出来ない考え方だっただけに、そのショックは大きかったのだろう。和奏は事前に、来夏がコンドルクインズにどれほどお熱で、それだけ祖父の影響が大きかったということをよく知っている。つまり、来夏にとっての祖父の存在も、自分にとっての母親と同じように、大きなものであるはずなのだ。それをあっけらかんと笑って語る来夏を見て、和奏は何を思っただろう。「叶わなくて良かった」と笑う友人に、何を見ただろう。

 そして、「来夏→和奏」という直接的な「ウザい」乱入者とは対照的に、受け止める方向で和奏の心情を
変えたのが、もう1人の主役である紗羽(とサブレ)である。キーアイテムとなる母親のテープの受け渡しも大事だが、面白いのは、来夏とは正反対に、紗羽は和奏との対話で、一切「故人との接し方」「音楽との接し方」などということを口にしていない。和奏が勢い余って「父親に二度と会えなくなったらどうするのか」などと口走ってしまった時にも、ただ黙ってそれを受け流し、和奏をサブレに乗せた。普段紗羽が見ている景色を共有した和奏が、馬の背から何を見たのかは分からないが、不可思議な「友達」の優しさに、和奏は何かを感じ取ったのだろう。

 2人の友人の洗礼を受けた和奏はテープを聴くために音楽室に行き、そこで常識のない男声パート2人の脳天気さにも救われている。1つずつ繋がっていく合唱部のリンクが、ここで一気に完成を見る。下地が整ったところで、いよいよ最後の勝負、今は無き母親まひるさんの思い出と、父の言葉を通じて対峙する。前回の食卓は「いないこと」がことさらにフィーチャーされた「欠けた」団らんであったが、今回の画にはそれが一切無い。あくまでも父と娘の2人の食事風景であり、テーブルクロスの配置や、空席が見えないように取られたアングルなどからは、前回とは全く違った食卓の意味がうかがい知れる。それは、立ち直った和奏に対して、父・圭介がまひるの遺志を伝える場である。

 娘への思いや音楽への思いを突きつけられ、和奏は再び挫けそうになるが、既にそれを受け止めるだけの下地は出来ていた。新たに「自分の音楽」を作るという目標、そして、母と2人で1つの音楽を完成させるという目標。全てを受け継いで、ようやく、坂井和奏が立つことになった。
 ここまで都合6話。少しずつ繋がる人間関係に、少しずつ増えていく声の数。どこかで見たことがあるこの構図、と思ったら、「迷宮組曲」のオルゴールだった。和奏はさしずめ、最後に主旋律を完成させるためのバイオリンの役目である。もしくは「夢を見る島」の楽器集めでも良し。まぁ、あれの場合は最後がドラムだからちょっと雰囲気違うけどさ。

 相変わらず情感たっぷりで文句のつけようがない作劇。そして何もかもを丸め込む声の力。恐ろしいまでの充足感が得られる作品である。声といえば、教頭は高校時代からずっとあの声のまんまなんやな。まひるさんもそうだけど。いや、中の人的には実際に高校時代から1ミリも変わってない気がするよ、まひるさん。是非とも子供さんが出来たら一緒に歌ってあげて下さい。

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 やるせなさ募る第5話。当然どこかで必要になる、和奏の過去の傷のお話。来夏のモットーが「音楽を楽しむ」であるおかげで基本的に常夏だったりラテンだったりと明るい雰囲気の本作だが、もう1人の主人公たる和奏を描くためには、こういう回も必要不可欠。薄暗い中に、しっかりと刻み込まれるエピソードになっている。

 一応、陳腐化を覚悟でまとめておくと、和奏が音楽をやめてしまった理由は、過去の自分への罪の意識と、大きな喪失感であることが判明した。音楽を愛し、娘を愛しながらも志半ばで帰らぬ人となったまひるさんの存在が、今回ようやくフィーチャーされることになった。これまでのエピソードでは幼少期の和奏が母親と楽しそうに歌っている様子ばかりが描かれていたので、実際に2人がどういう関係であるかとか、まひるさんが亡くなったのがいつだったのか、といった点ははっきりしてこなかったのだが、実際には、よりにもよって一番辛い時期に逝ってしまったのだ、ということが明らかになった。

 高校受験を控えた娘、なんてものは、思春期真っ盛りで親との関係が一番難しい時期だろう。ちょっとしたことでも親のやっていることにイライラもするし、何かというと親が間違っている、自分がきちんとしなければ、と思い込んでしまうもの。過去の和奏もご多分に漏れず、どうにもほわほわした性格のまひるさんを観てカリカリするばかり。必死で練習して進路に定めた音楽という要素でも、母親の持つ価値観は間違ったものであると思ってしまい、交流はうまくいかずにすれ違ってばかり。しかし、もちろんだからといって母親が嫌いだったはずがない。認めていないはずもない。ただ、その本当の思いを伝えるだけの余裕が無い状態で、まひるさんが帰らぬ人となってしまったのだ。このあまりにも残酷なタイミングの悪さが、今の和奏を作り上げてしまっている。

 自分が「本当の」音楽をやる、なんていう思い上がった子供の意地がどれだけ母親の期待を裏切り、どれほど貴重な時間を無駄にしてしまったものか。そして、何故自分が音楽をやりたいと思い、必死で鍛錬をしてきたのか。一番聞いて欲しかった人、一番一緒に歌いたかった人を失ってから、そのことに気付かされては、何もかもが手遅れである。「自分なんかが歌うべきではない」という罪の意識と、「もう歌っても届かない」という喪失感。2つの感情が和奏を追い詰め、結局彼女は音楽科を出ることになってしまったわけだ。父親もそのことについては勿体ないと思ったことだろうが、娘の気持ちを考えれば、その決断を止めることは出来なかったのだろう。

 今回の大きなテーマは、サブタイトルにもある「捨てる」という言葉に絡んでの「喪失」である。和奏がまひるさんと死別したことは「喪失」である。これは、誰も望まなかった辛い別れであり、選択の余地の無かった出来事。そして、その事件が、現在の和奏が「喪失」するかどうかを大きく左右する。彼女は音楽科をやめ、自ら進路の1つを「捨てた」。そして更に、今回はピアノを含めた身の回りの品を「捨てる」ことで、その決断を決定的なものにする。彼女の意志は、母親との思い出を、過去の喪失感・罪悪感という2つの負の感情とともに全て蓋をすることを選んでいた。

 しかし、そんな彼女の「喪失」に大きく待ったをかけたのが、来夏という存在である。彼女の強引過ぎる誘いにより、和奏は「音楽を楽しむ」という母親の強い意志を思い出し、自分が進もうとした道を歩むことに疑問を感じた。覆らなかったはずの感情が、本当に正しいものなのかという疑問を持った。だが、現時点で彼女は止まらない。しかし、ピアノを処分する判断は彼女の迷いが大きく現れた行動と取ることが出来るだろう。「ピアノがあれば、自分はまた音楽の世界に立ち戻ってしまうかもしれない」という恐れを、過去の自分の意志を尊重するために打ち消してしまうことにした。揺るがぬ決心が現れているかのように見えて、彼女は来夏の存在によって自分が揺らいでしまうことを恐れている。自分の本心がどこにあるか、気付くことを恐れている。一度決まった方向に、事態は少しずつ進行していく。和奏のこの判断を止めることが出来るのは、もう来夏しかいないわけだが、果たして次回以降、辛く苦しい和奏の思い出に、待ったをかける図々しい友人は現れるのだろうか。

 今回はとにかく「失われたこと」が強くフィーチャーされており、これまで影の存在だったまひるさんの存在が強く表れる構成になっていた。「いないこと」を意識させる構図が多用され、画面半分がぽっかりと空いた寂しい坂井家の食卓や、本来ならそこにまひるさんがいたであろう、和奏の隣の椅子を見上げるようなカット、それに付随してもう1人の家族である猫のドラが突然「いなくなった」ことを意識させるえさ箱の描写など、和奏の心の傷が、決して安易で生やさしいものではないことが刻まれている。学校から戻って、広くなった自室を見て動揺する和奏の表情なども印象的で、「捨てること」は決して彼女の本意ではなく、一度過去に決定してしまった辛い記憶のために、彼女の現在の行動が大きく縛られていることがよく分かる。こういうエピソードを見せられてしまうと、このまま和奏が軽々しく「やっぱり歌う」というのもなんだか申し訳ないような気もするのだが、お話としては「歌う」ことに戻ってきてくれた方が草葉の陰のまひるさんも喜んでくれるんだろうな、などと勝手なことも考えてしまうのだ。やっぱり「家族をうしなうこと」についてのお話は色々と辛いのである。みんな、お母さんを大切にな。

 今回はひたすら坂井家メインだったのでそちらの描写にばかり目がいったが、実は「歌と踊りとときどきバドミントン部」のバドミントン要素が閉幕していたり、ウィーンのガンバライジャー設定が出てきたり、小ネタもちょいちょい挟んでいる。あと教頭の高校時代とかな。現在1人だけ一切迷いも悩みもなさそうで我が道を進み続ける紗羽ちゃんのハイスペックぶりにも驚かされる。歌えるだけでも大したもんなのに、あのダンスのキレは一体何なんだ。歌って踊れて弓道が出来て馬にも乗れるハイスペック巨乳大和撫子(ファッションだけ謎)。そんな子が突然試合後に「泣いてるの?」とか言って隣に座ってきたら、もう確実にフラグだと思って惚れる。「バドミ」などという謎の略称を使ってきたとしても惚れる。娘が早見沙織、母親が能登麻美子って、恐ろしい声が遺伝した母子やな。

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 ジジイが活躍するアニメは良いアニメ、第4話。やっぱりじいさんが語ると重みが違う。「ステージを譲ってなんかやるもんか」のくだりなんか、すっごい好き。まさに老若男女が「歌う」アニメよな。

 順調にペースが落ちずに毎週楽しめる作品になっている今作。今回はメインとなる合唱部(時々バドミントン部)の「歌」の要素はそこまでクローズアップされなかったが、その分、メインの3人の心情部分が丁寧に彫り込まれており、今後形成されるであろう合唱部の完成形がより密なものとなる布石が打たれている。唯一立ち位置を異にする教頭が一切登場しなかったおかげで、ちょっとツンケンした仲にも不思議な安心感があり、ジジイパワーも相まって非常にハートフルなお話。「true tears」や「花咲くいろは」の時もそうだったけど、何故かP.A.Works作品は放送時期と作中の季節がガッツリと噛み合うようになっており、視聴者側も夏の湘南の空気を充分に堪能することが出来るのも良い。海のシーンが素晴らしく綺麗で、うろこ雲のたなびく映像なんかは感心を通り越して圧倒される出来だ。

 今回は大きく分けて2つのテーマを見たい。1つは、和奏が出会った新たな母親の姿。ながしかと思われた謎のラテン軍団コンドルクインズは、実は和奏の母親、まひるの知己であり、彼女から様々な思いを受け継いだ伝達人だった。未だもって何故音楽をやめてしまったのか定かでない和奏だが、彼女には「音楽をやめることはできない」と言い残したまひるさんの血が流れており、実際、現時点ではトラブルメーカー来夏に引っ張られる形ながらも、少しずつ合唱部に歩み寄る形になっている。時代を超えて伝わる母親の思いに和奏はどのように応えていくのか、それが、この作品の最大の焦点となるのだろう。

 しかし、現時点において和奏はまだ「歌わない」ことを頑なに守り続けている。そのことは、出てくるキャラクターが片っ端から歌い始める本作において異質であり、その「距離」は明確に意識して描出されている。今回それが最も顕著だったのは、合唱部4人が別々の場所、別々の時間に各自で歌の練習をするシーンが繋がるカットに現れており、全員が口ずさむ歌が綺麗に繋がるかと思いきや、最後の和奏のカットだけは、ご丁寧に沈黙を守ったままだ。これだけ打ち解けた空気でも未だ動かぬ和奏の思いは、果たしてどのように変化していくのだろうか。そして、ここまでもったいぶってあがったハードルを、和奏(の中の人)は飛び越えて歌うことが出来るのだろうか。まぁ、出来るんですけど。

 2つ目のテーマは、そんな和奏も絡んだ女子高生3人の友情の構図。具体的には、和奏と来夏、来夏と紗羽の2つの関係。和奏と来夏については非常に分かりやすい。独自に動き始めた和奏が、来夏を思って合唱曲の楽譜を通じた交流を図り、そこに来夏は自然に「近さ」を感じた。下の名前で呼び合うことが出来るようになり、関係が進展したことは非常に分かりやすい。言ってしまえば「下準備が整いつつある」状態だ。

 そして、旧知の仲である来夏と紗羽については、見ていてニヤニヤ出来る力強い友情の結束力が見て取れる。コンドルクインズにご執心ですっかり元の志を忘れてしまうお調子者の来夏。それを見て、せっかく誘われて付き合ってやっている紗羽は不機嫌になり、彼女を叱咤するために実にストレートな言葉をぶつけることになる(怒っている紗羽ちゃんも可愛い)。一見すると「友情にひびが入ったシーン」に見えるのだが、ここで見事なのは紗羽の状況把握能力である。怒鳴るだけ怒鳴っておけば、あとは来夏がきちんと方向修正を行い、やるべきことをやってくれるのだ、ということについて、一切の疑念を持たずに信頼しているのである。合唱の練習に顔を出さなかったことについて、普通なら「サボりやがった」と思ってもおかしくないはずなのだが、「来夏はきちんと自分の思う通りに動いてくれている」ことを確信しており、実際、夕方に出会った時のサムアップについては、一言も言葉を交わさずに来夏に合わせていた。当然、来夏の方もそんな紗羽のことを理解しており、勝手に動いて、勝手に片付けたのである。こういう「言葉を必要としないコミュニケーション」ってのは、画で見て映えるのできゅんきゅんします。それにしても、合唱部について一番真面目にやってくれてるのって紗羽ちゃんなんだよね。弓道部は大丈夫なんだろうか。

 あとはまぁ、たっぷりと素敵な画面を堪能すればいいと思うよ。紗羽ちゃんが馬可愛い女の子だとすれば、和奏は自転車可愛いのである。そして、これが一番大事なのだが、まひるさんは人妻可愛い。結局世界を統べる最大の原因となるのは、大原ボイスの人妻なのですよ。彼女もそれなりにお歌は出来るのだ。

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 謎のラテン推し、第3話。メキシコ人か、スペイン人か。江ノ島、あんなんうろついてるんだな(豚とセットで)……あれ、多分有名人やな。

 3話は激動の2話までに比べりゃ、ようやく落ち着いた印象の回になった。まぁ、コンクールが終わっちゃったら合唱部はどうしようもないよな。これからの目標は夏の音楽祭になるのかどうか。でも音楽祭も通過点に過ぎない気がするな。とにかく毎回何らかの形できちんと歌が入ってくるのは良い感じですな。なんかやたらモダーンな校歌を聴かせてもらいましたが、最近の高校なんてあんなもんなんですかね。それとも、声楽科があるような学校だし、多少変則的な内容なのかしら。ラテンのノリになっても歌いきれる校歌って楽しそうだよなぁ。そして、実は不安ではあったのだが、男声が入ったことで更に「合唱っぽさ」は増した。男連中が上手いかと言われれば多分そうじゃないんだろうが、キャラクターだってそこまでやる気があるわけじゃないしね(多分ウィーンは何してるかよく分かってないしね)。エンディング映像を見る限りでは2人もすっかり「合唱部(時々バドミントン)」気取りなので、後はいよいよ最後の1人、和奏ちゃんの参戦を待つばかりですな。

 合唱部の目的意識がはっきりしない段階では先行きも不安でどこを見ていいのか分かりにくい部分もあるが、そういう状態でもちゃんとそつなく進行しており、要所要所でのネタ回しは相変わらず丁寧だ。既に来夏は色々残念な子として定着しつつあるぞ。3人バドミントンやらアイドントマネーやら、素直な青春ものとして油断してると、妙なところに打撃が入る。もちろん、シリアスなところはメリハリつけて締めてくれているので、単なる緩い日常系で終わらないのも安心だ。冷静に考えると笑えるくらいのシーンなんだが、病室でのラケットブロックのシーンは「やりよるなバド部!」と感心してしまった。ラケット系男子は新しいジャンルかもしれん。

 今回はコンテが岡村天斎。コンテとは関係無いけど、キャラ絵がちょっと丸くなってたのが面白かった。岡村さんは実はP.A.でちょいちょい良い仕事してくれているのですよね。個人的にお気に入りは「CANAAN」5話だったっけ。

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 2話目もキレッキレやな、第2話。「新しく結成した合唱部が最終的に発表会に出られるように頑張っていくアニメなんやな」と思っていたら、2話目でもう発表会っていうね。「最後のチャンス」っていってたくせに、次から何すんねん。

 いやぁ、テンション落ちず。今回は正直言って「早すぎんだろ!」という突っ込みが色んなポイントで発生する展開になっておりますよ。発表会出場もそうだけど、「合唱部出来るの早すぎ!」「部員集まるの早すぎ!」「和奏ちゃんデレるの早すぎ!」などなど、普通のアニメなら「多分このあたりの要素で1話分だな」とか思っている要素がものの数秒で片付くという。ばしばし予想を裏切ってくれる恐ろしい作品となっております。

 しかし、その分期待は裏切らない! 前回の雪辱に燃えた入浴シーンは、なんと禁断の天丼である。「もうやめろって!」じゃねぇよ! こっちの台詞だよ! 無駄にいい画で艶めかしく見せてるんじゃねぇよ! そして、今回はその他のギャグのテンポも恐ろしく詰め込んでハイテンポ。サラッと流す容赦無い見せ方がやたらと癖になる。冒頭のウィーン空回りのところとか、かなり意図的に構成と音響いじってあの雑多な雰囲気出しているのが楽しい。その他にも「生臭坊主」のくだりとか、紗羽ちゃんのおふくろさんのキャラとか(P.A.作品で麻美子が出てくると「巴さん!」って思うよね)、校長の訳の分からんキャラ作りとか、病院での遭遇とか、産婦人科のシーンとか。登場キャラクターが総出でボケに回るってのはなかなか無いセッティングよね。現状真面目なの教頭先生だけじゃんよ。

 もちろん、そんな楽しげな雰囲気を醸し出しつつも、真っ当なシナリオ面も問題無く進行している。結局発表会がどの程度の意味があったのかがよく分からないところだけは次回以降に持ち越しだが、ちゃんと来夏の雪辱については「何があって、何がしたいか」は伝わって来たし、「真面目に合唱をやる」ことの意義は伝わってくる。来夏ちゃんは普段ノリが軽いのに、合唱することについては裏表無しでまっすぐなのが良いね。残りの面々についても、合唱をやることに対しては思いの外真摯なのですよ。この姿勢が無いとクライマックスは映えないのでね。あとは気になるのは教頭先生と合唱曲の関係くらいかな。あの曲を一度封印しようとしたのは一体何故で、それを来夏に再び与えることにしたのは何故だったのか、という。普通に考えたらやっぱり「教頭が作った曲だった」っていう展開だよね。教頭は来夏に随分こだわっているみたいだけど、同じように校長は和奏に何か思うところがあるみたい。まぁ、まだ分からないことはありますわな。

 そして、それらの「なんか賑やかで忙しないエピソード」を締めくくり、ちょっとくらい分からないことがあってもいいや! と全てを吹き飛ばすのが、ラストの合唱シーンというわけだ。クライマックスではさぞかし良いものを見せてくれるだろう、と思っていたわけだが、2話目からいきなり素晴らしいものを見せてくれました。瀬戸・早見のコンビというだけでこの完成度。そりゃま、これが出来るから採用されたキャストだってのは分かっていたが、やはり見せつけられると圧倒される。ちゃんと「合唱曲らしさ」がフォローされているのがすごい。前回気になった来夏、紗羽の2人エンディングイラストは、今回のエピソードに続くものだったのだね。まだ遠くで見ているだけの和奏が、2人の間にいつ入ってくることになるのか、それが楽しみで仕方ないのです。

 正直、始まった時には「歌うことがメインのアニメ」ってどの程度作り込めるのかな、っていう不安はあったんだけど、これなら何の問題も無くいけそうだ。

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 やっぱり分からない、第3話。何となく浮いたキャラクターデザインにも慣れてきて、画面に不自由は感じなくなったのだが、なんと言っていいのか分からないもやもや感が残り続けているこの作品。どうしたものやら。

 天使の素性を探るべく行われた今回のミッション。その鍵を握るのは、人気バンドGirls Dead Monster。今回スポットが当たったのは、そのリーダー格でボーカルの、岩沢。前回のゆりの過去話に続いて、彼女の陰惨な死の物語が語られる。そして、そんな「死の苦痛」を解消したことにより、岩沢はこの世界から突如「消えて」しまう。この展開は、流石に予想外だ。

 ゆりは天使のパソコンの内容から、様々なことを推察している。この作品は色々と話題性が高く、様々なサイトで「ネタ」の推察を行っている場所もあるようで、実に色々な伏線とギミック(であろうと思われるもの)が組み込まれているらしい。現時点ではそれらは全て推測でしかないが、まぁ、流石に何かサプライズが用意されているのだろう。というか、用意されていないと洒落にならないのである。この荒唐無稽なシナリオラインでそのまま終わられたら、それこそたまったものではないだろう。

 この作品の最大の違和感は、脚本の中のギャグとシリアスのバランスにあるような気がする。前回はゆり、そして今回は岩沢と、実にダークで、どんな視聴者が見ても気分が落ち込むこと請け合いの「死の理由」が間に挟まれている。更にそんな「死の理由」と少女の戦いを描いているわけで、嫌でもストーリーは重くなる。それを適度なギャグで緩和しようというのは間違った方向性では無いと思うのだが、残念ながらこれがことごとく浮いているのだ。今回ならば例えば謎のハッカー「クライスト」のネタがそうだろうし、天使の部屋に侵入したことに突っ込みを入れる音無のリアクションがそうだ(2話はあまりにギャグが不謹慎で空振りしていたので感想を書く気も起こらなかった)。これら1つ1つはありがちだし、見せ方次第では微笑ましいくらいのものなのだが、そんな不出来なコントをやっている時に岩沢が命がけのライブをやっていることを考えると、ちょっとギャップについていけない。話の本質は「死の理由」に食い込んでくることが確定しているわけだし、その上でギャグをやり、伏線を張ってストーリーを締める余裕というのは、流石に無いと思うのだが。

 また、シリアスに徹したとしても、脚本が独りよがりなのがいただけない。岩沢の抵抗する「何か」を1話で描かなければいけなかったのは課題として既にハードなのだが、今回のライブシーンからの流れでそれを伝えられたかといえば、おそらくノーである。ついさっき初めて教えられた岩沢の「執念」は、あの一瞬の出来事で解消されるようなものであったのか。その程度のものであるなら、何故ああも思わせぶりな態度でこの世界に「生きて」いたのか。明らかに「悲劇」と「救済」のバランスが取れていない。

 そして、そもそもシチュエーションがおかしい。「ライブ活動で天使や一般生徒の気を引こうぜ!」という作戦を何とか了解したとしても、「大事な作戦だから予告して大々的にやる」→「今回に限って先生が止めに来ちゃう」→「楽器没収とか言われる」→「嫌がって抵抗、何故かソロライブでバラードを歌う」→「満足」って、誰が何をしたいのかが全く分からない。肝心のシーンでは思わせぶりにスローになってみたりするわけだが、やってることは単に壇上で不良生徒が駄々をこねているだけであり、先生もさっさと止めりゃいいのだ。勝手にお涙頂戴のラストライブをやらせる理由が分からない。シチュエーションに理解が及ばなければ、どれだけ岩沢に感情移入したとしても、その最期に感じ入ることは出来ないのである。ひょっとしたら「岩沢が消える」というのが天使の目的であるから、それに適合するように教師達NPCが動いたとも考えられるが……でも、それならそもそも一般生徒がライブに来ないようにセットするよなぁ。

 一応フォローしておくと、普通のシーンでの画面は悪くないのである。P.A.WORKSらしい細やかな表現は要所要所で確認出来るし、今回は何故か「体育館の時計に映り込む照明」のディティールに感心してしまった。岩沢消失シーンなんかもそこだけを見たらよくできており、コンテの名前をみたらあおきえいだった。あぁ、なるほど。

 ただ、やっぱりライブシーンだけ妙なぬるぬるアクションになるのは何とかならないものか。滑らかに動けばいいってもんではなくて、やっぱり普通のシーンとのバランスだと思うんだけど。楽器を持つと何故かあの妙な動きになってしまうんだよなぁ。おかげで異質さばかりが目立ってライブにのめり込むことが出来ない。そもそも「何故ライブをやるのか」が分からないのにのめり込むのは無理なんだけどさ。岩沢の「音への思い」が本物だったとしたら、それをオペレーションのためだけに使っていたゆりは極悪人に見えてきてしまうしなぁ。

 来週以降もこの微妙なノリになるんだろうか。どう観ていいのか、よく分からない作品である。

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声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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