最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
モザイクファクトリーわろた、第11話。既に色んなもののパロやら肖像権ギリギリの人物描写で突っ走ってきた今作であるが、あそこまで露骨なのは初めてだ。いや、モザイクかけたってアウトはアウトだろ。ザクとか、モザイク模様でもディティールかわらねぇし、よりアウト度が増すだけの結果になっているという。いや、そういうネタなんだろうけどね。 今作が2クールだということを最近知って割と衝撃を受けた。すげぇな、この内容で2クール分引っ張るネタが……まぁ、あるわなぁ。基本的には宮森たちの仲良しチームの物語ではあるものの、いくらでも「業界それっぽい話」でネタは出てくるだろうしな。オリジナルで、しかもこんなキワモノネタでも余裕で2クール回せるのは流石のP.A.といったところ。水島努にこんなおもちゃを与えて半年放置しておくというのもなかなかに刺激的な状況である。今回のモザイクのかけ方だって、一歩間違えば「アザゼルさん」と同じレベルのアウトネタって考えるとものすげぇ下世話だしな。楽しそうに仕事していて何よりです。 今回のテーマは大きく2つだろうか。1つ目は、宮森の心の傷をダイレクトにえぐってくる素敵イベント、就活面接。当然アニメ制作会社も一般企業と同じ面接をやっているわけで、現在働いている社員さんは皆この面接の結果としてムサニで働いているわけだ。宮森さんだってほんの1年ほど前にその面接をくぐってきたわけで、彼女の就活戦争の苦しさが回想シーンで蘇ってくる。そうか、彼女は高校卒業後は普通の大学の経済学部か。それなりに真面目な大学生だったのだろうけど、大学生で真面目一辺倒ってわけにもいかないし、普通に遊んでたんだろうなー。どんな連中と付き合って、どんなキャンパスライフを送っていたんでしょうか。その間絵麻ちゃんとは一緒だったのか。普通に考えると、大学4年間の生活を経て、しかもそれが経済学部でアニメと全然関係無かったりしたら、高校時代の友達との契りなんて忘れてしまいそうなもんだけどね。よっぽど大学生活がつまらなかったのか、彼女達の夢が本物だったのか。結局アニメ制作の仕事に舞い戻ってくるだけのモチベーションがあったのだから、それはそれで偉い。 しかし、そうは言っても採用する側から見れば宮森なんて十把一絡げで溢れかえっている単なる「就活生」でしかない。とある大手の制作会社は、宮森のアドリブのきかなさとと浅慮から彼女を落としているし、面接の様子を見る限りじゃムサニも落とされても文句は言えないくらいの内容。タローと宮森は同期だから、宮森は「タロー以上である」という程度のハードルを乗り越えての採用ということに。「ひょっとしたらムサニ社長は意外にも見る目があり、宮森の抱えるポテンシャルに気付いたのかもよ!」とかポジティブに考えようかとも思ったが、タローがいる時点で全部無駄である。なぜ宮森がムサニで働けるようになったのか、その意味は、今のところ誰にも分からない。まぁ、好きな仕事につけて良かったよね(現状でもそれが言えるかどうかは微妙だが)。 しかし、ムサニ志望の5人の男女もなかなかのもんである。現代の就活生ってこんなんばっかりなんですかね? いやまぁ、宮森もいっていたように「一流プロダクションで駄目だった余り物」たちだと考えれば納得も出来るが……特に2番目の男は酷かったな。こういう面接シーンとか、就活の苦労話を聞いて心の傷を刺激される人ってのもけっこう多そうな気もする。まぁ、わたしゃ就職面接したことないから大丈夫なんですけどね(間違いだらけのドヤァ)。 そんなサブイベントを挟みつつ、宮森は就活の面倒なんて見ている場合じゃない。もう1つのメイントピックは「えくそだすっ!」最終話が完成するかどうかというお話。構成から考えて、この「えくそだす事件」が1クール目のクライマックスということになるのだろう。宮森が急遽担当することになった13話の体制は未だ整わず、あの手この手で必死に原画マンを探すも、現代アニメ業界はいつだって人手不足。こんな急場で人が見つかるはずもなく。どんどん無くなっていく可能性、迫り来るタイムリミット。みんなで一緒に「万策つきた〜」。最後の頼みの綱、ナベPのところに乗り込むも、ナベさんは大事な大事な接待麻雀の最中。焦る上司を尻目に、冗談半分のお偉いさんに遠慮なく突っ込み、なんとまさかの「原画マンとして庵野(仮)を紹介される」というとんでもない事態に。すげぇな、突然なんの変哲もないアニメの最終話原画の名前に庵野が出てきたら、そりゃみんなびびるわ。話題性はバッチリやね。これ、宮森の押しが功を奏して庵野に仕事させちゃう流れなんだろうか。来週はそのキャラクターが出てくることになるだろうから、いっそ庵野本人に声優やらせればいいと思うよ(もしくは山寺宏一ってことになるが)。 色々と無茶は混ざってるだろうが、宮森が必死に電話帳とにらめっこしながら原画マンをしらみつぶしにするくだりは「あるある」なのだろう。社内でばらまいて20カットの余り。それを使えるコネを全部使って処理しようとするも、仕事始めたばっかりの新人進行では限界があるのだろう。頼まれた仕事を断る理由も様々で「演出一本にしぼっちゃったから」なんてのもあるし、「同人誌の仕事が忙しいから」なんてのもある。後者みたいな状態になってる人って、矢野さんのいう「自称原画マン」に近い気もするけど。そういう「他の絵の仕事」と兼業でやってる原画マンって多いのかねぇ。あと、「あの監督とは二度と仕事しねぇよ」っていう理由の人もいたけど、この辺は素人では気付きにくい「業界内情話」の1つだ。確かに、作画崩壊と騒ぎ立てる時って作監ばかりをあげつらうことが多いけど、何も責任の所在がそこにあるとは限らないんだよなぁ。最近はTwitterのせいで個々のアニメスタッフが余計なことをつぶやいて問題になるケースがちょこちょこ発生しているが、ファンの勝手な思い込みで戦犯扱いされてたりしたら、文句いいたくなる気持ちは分かる気もするな。 さて、来週は当然庵野(仮)との絡みが見どころになるのだろうが、それ以外にも矢野さんの身の振り方がどうなるか、ってのも気になるところ。普段は元気な矢野さんも、たった1人の親御さんのこととなるとまるでレイプ眼のごとき憔悴っぷり。同僚が2人もまとめて辞めて、有能な矢野さんに大きな負担もかかっていたのだろう。持ち直してくれないと今度は宮森の負担が増えて潰れることになるので、なんとか復帰して欲しいものである。あと、今回意味ありげに描かれていたおじいちゃん原画師の動向ね。今回の感じだと、「馬のシーン、めっちゃ上手いやん!」っていう流れになるのかな。職人気質のベテランさんも頑張れ。 PR マジでこのアニメの放送が終わったら続けて「えくそだすっ!」の放送が待ち遠しいよね、第10話。とりあえずメインキャストが中原・御前・かやのんの3人で展開されるアイドルものっていうだけで興味津々である。是非、オリジナルアニメでそういう企画が出てほしいものだ。 普段は大体2話完結で1人1人のエピソードが展開していたわけだが、今回はあんまり「終わった」という気がしないお話。それもこれも全ての木下監督のせいである。そりゃまぁ、今作の主人公は間違いなく宮森なので、彼女の正念場となる最終話の出来上がりがクライマックスになるのは間違いなかろうが。そのため、今回のメインであったはずの美沙ちゃんの行く末については、結局結論が出ないまま終わってしまった。いや、「退社する」っていう結論は出ているのだろうが、彼女がこの後路頭に迷うか、新しい会社に入った後も「やっぱりスーメディ辞めなきゃ良かった」と後悔するか、希望通りの新しい生活をむかえることが出来るかは全く分からない。あくまでリアルに「働くということ」「人生の岐路」を描く物語なのだからこれはこれで良いのだろうけど、絵麻ちゃんのお話はきちんとそれなりのまとまりがあったわけで、出来れば美沙ちゃんにもそれなりに晴れがましいエンディングを用意してあげてほしいものである。次回以降にもう少し描かれるだろうから、そちら待ちってことになるかしらね。 ただ、今回彼女のエピソードがなんだかぼやっとした印象になったのは他にも理由がある。何故かしらんが、「退社」というキーワードが乱造されたためだ。既に制作進行の部屋では落合が会社を移ることが決定しており、今回それに本田さんがケーキ屋の夢を追うための退社が重なる。更に更に、なんだか矢野さんまで怪しげな動きを見せており、このまま行くとムサニの制作部屋には駆け出し下っ端の宮森とタローしか残らない可能性も……総崩れですね。ボロボロですね。どうしたらいいんでしょうね。新しいアニメの仕事なんて取ってきて大丈夫なんでしょうか。矢野さん、電話の相手が親戚とかそういう筋の人っぽかったから、多分寿退社ってことになるんだろうな……。 そんなわけで、残念ながら美沙ちゃんが悩みに悩んで決心した退社も、このアニメの中では「たくさんの事件の1つ」でしかなかった。また、これまで見てきた「声優という未来のほとんど見えない仕事でもなんとか頑張るずかちゃん」「先が見えずに困惑するも、先輩の一言でいくらか道が開けた絵麻ちゃん」に比べると、美沙ちゃんの進路選択は、あまり共感を覚えるものではない。そりゃ「夢と違う」ということは確かなのだろうし、3年どころか下手したら一生にわたって意に沿わぬ仕事をやり続けなきゃいけないという見通しは恐ろしくもあるだろうが、それでも日本の現代社会は入社1年も経たずに退社する選択肢はかなり厳しいものがある。転職先にいい顔をされないという実利面での問題もあるが、視聴者側の視点から見ても、「もう少しがんばってみてからでも遅くないのでは?」という感情が先に立つからだ。宮森の訪れた音響会社のおっちゃんがいっていたように、「仕事は続けなければ楽しくならない」。これはおそらく真実だと思う。いや、働いてない私みたいな人間が何を偉そうにしてるのかとは思うが、どんなことだって「入り口から楽しすぎ」なんてこたぁそうそうないだろうし、もしあったとしたら、逆に怪しい。趣味でも仕事でも、何かのきっかけで奥の方へ足を進めてからが本番なのである。昨今は若者の仕事に対する意識というのも旧態依然とした日本の「滅私奉公」からは変わっており、何かと「ブラック企業」なんて言葉が持ち出されて仕事の是非を問う風潮があるが、やはり「生業」という言葉の通り、その仕事を一生のものとしたいなら、目先の1年2年で決めるのも考えものなのじゃなかろうか。まぁ「2年も3年も1つの仕事を続けて歳を重ねたら、それこそ転職の機会が無くなるやんけ」というのもまた事実ではあるのだが……。ムズカシイネ。 というわけで、美沙ちゃんの選択が「若さの特権、夢への第一歩」となるか「若さ故の過ち」となるかは全くの未知数。この作品でバッドエンドってことはないのでそれなりに「希望の持てる」終わり方になるとは思うが、個人的にはスーメディの社長ともう一回膝を突き合わせて相談して、退職を思いとどまってくれるのが一番理想。いっそ七福神アニメにCGの車を投入してものすげぇホイールを描けばいいんじゃないかな。今のところあの5人で出来ることは「ホイールを描く」「猫を描く」「ディーゼル車について調べる」……。みどりちゃん、早く一人前になろう。 そして、今回もその他ちょこちょこと「業界の小話」みたいなものが展開されていて色々ためになるお話。一番の見どころは何と言ってもエキセントリックな音響制作のおっちゃんだろう。音響の職人さんがむやみやたらにこだわるっていう話はどこかで聞いたことがあるので割と業界あるあるとしてはお馴染みだろうが(よく聞くのはエロゲーのちゅぱ音とか、BLものの衣擦れ音など)、スタジオの中に水を張ったプールまで用意出来るのは驚きである。こういうエピソードを見ると、普段見ているアニメの見え方(聞こえ方)もだいぶ違ってきて、音響スタッフにもより興味が持てるのでありがたい。今回は久しぶりにアフレコ現場の様子も描かれていて、当然のようにコンテ撮になっているあたりがなかなか辛そうである。マイク前の出入りの様子なんかもさりげなく描かれているので声優ファンにも嬉しいところ。意外だったのは、キャストが本当に自分のタイミングまでマイク前に移動してなかったという点で、具体的には、警部役の人がしゃべっているとき、残り2本のマイクには誰も入っておらず、警部が離れたタイミングでメインキャスト3人が同時にマイク前に入っていた。どうせ誰も使わないマイクがあるならさっさと入っててもいい気もするんだが、実際はこういう感じなんですかね。 そうそう、あと1つ面白かったのはコンテ打ちのシーン。アニメ制作の手順で一番一般に知られていない行程って、実はこのあたりだと思う。具体的にはコンテ担当がコンテを作ってから、それが実際に原画として仕上がるまでの間。「演出」っていう役割もどういう仕事なのかが分かりにくい。今回の木下監督の熱弁を聞くと、なるほどよくいわれるようにコンテはあくまで「設計図」。これに目鼻をつけて1つ1つの原画が作られていく過程には、こういう会議があるわけですね。その時には代表となる原画マン(今回だと瀬川さんなんか)も出社して打ち合わせしてる。なんだか少しずつアニメ制作の現場が見えてくるこの感じ、やっぱりこのアニメの売りとして楽しいのです。そして、そんな制作現場がたった1人の監督の意志の弱さに振り回される様子もね……さっさとタクシー呼んでおけばよかったんや……。 「野球のプリンス様」の略称はどう聞いても「焼きプリン」にしか聞こえないよ、第9話。これ、タイトル的に歌プリっぽいけどイラスト見るとテニプリなんだよね。なお、今週は「デンキ街の本屋さん」のラストにも「シャトルの王子様」が紹介されており、アニマックスではテニプリの再放送もしているという謎の奇跡が発生している。うん、どうでもいいね。 今週も色々と刺激的な内容が多く、現実を突きつけられてテンションが下がるのと同時に楽しませてももらっている。この「社会の厳しさを見せつけられてもやもやする」感はどうにもならんよね。カタギの人生送ってないこっちに責任があるからね。くそー、福利厚生がしっかりしてる会社で働きたいけど一生タイヤコウカーンだけなのはやっぱり嫌だー。というわけで、ついにお話は仲良し5人組も4人目、3Dクリエイターの藤堂美沙ちゃんに回ってきた。これまでは「頑張って仕事してるけどまわりに迷惑な大人が多くてどうしようもない制作進行」「頑張ってるけどそもそもその仕事自体が茨の道過ぎる声優志望」「真面目に頑張ってそれなりに成功してるけど、スランプに陥ったアニメーター」という3人が描かれてきたわけだが、また新しいパターン、「仕事は順風満帆だし一切問題はないのだけど、仕事の中身に疑問を持ち、代わり映えしない将来に不安を覚えるサラリーマン」が登場した。私みたいにまともな仕事をしたことが無い人間が見ると「うへぇ、一年中、これから死ぬまでタイヤのCGと格闘するなんてマジ勘弁して、1日で飽きるやんけ」って思ったが、考えてみりゃ世の中のサラリーマンなんて大なり小なりこういうことしてるんだよな。世の中の社会人のうち、「クリエイティブな仕事をしている」なんて実感を持って臨んでいる人間なんてどれほどの数がいるものだろうか。 今回の主役である美沙ちゃんも、そんな有象無象のサラリーマンの1人といってしまえばそれまでである。ただ、彼女の場合は「3D関係の仕事」というカテゴリだけは若い日の夢が叶っているわけで、その中でやっている作業が「おもてたんと違う」だけなのが悩ましい。もう少し別な会社に入っていれば自分のやりたかった「アニメ制作」に近いことが出来たのか? 今から社長に直談判すればもう少し血の通った仕事がもらえるのか? 疑問は尽きず、解決策も見えてこない。意を決して社長に相談はしてみたものの、社長の側もそんな従業員の悶々とした気持ちは理解しつつ、ぐうの音も出ないほどの正論で正面から抑えにきた。「毎月50人もの社員にお給料を払うのって、大変」。……それを言われたら、返す言葉もないよなぁ。仕事ってものが「やりがい」を取るものなのか「実利」を取るものなのか。そのあたりの割り切り方次第でこの会社での仕事も随分見方が変わりそう。第三者目線だと「若いうちは実利を取って、この会社でノウハウを色々と盗んだ後で自分の夢を追えばいいじゃない!」とか考えてしまうのだが、まだまだ若い美沙ちゃんは(頭で分かっていたとしても)なかなか割り切れるもんじゃないよなぁ。 しかし、その他の面々はもっとストレートな「若いうちの苦労」をし続けているのである。今回再び「新人声優あるある」を披露してくれたずかちゃん。相変わらずレギュラーの仕事は貰えないが、スケジュール開けまくってたおかげでなんとかガヤの仕事で滑り込む。必死に練習し、なんとか「アニメデビュー」を飾ろうと奮戦するも、やっぱり色々と初めてのことが多すぎて空回り。どうせあそこで頑張ったとしてもなかなか音響監督とか上の人の目にとまるって展開もないだろうしなぁ。苦しいお仕事ですわ。それでも、「新人声優はほんの一瞬の仕事でもとにかく全力でぶつかるぐらいの気持ちが必要なんだ」っていう「良く聞く訓話」は伝わってくるし、どういう風にガヤ録りしてるか、なんてのも自然に分かって面白い。そういや音響スタジオが土禁で云々ってのは、誰か実際に話してる人がいたような気がする。あとあの現場にいた永井つかさっていう「主役声優」のモデルは誰なんだろう。パッと浮かばないのでここは単にフィクションかしらね。 そして、再び戻ってくるのは宮森のところ。最終13話を任されて前途多難な宮森だが、諸悪の根源である木下監督はまたまた暴走。ぷる天のことを抜きにしても、やっぱりコイツ問題児やな。情熱は人一倍あるのだろうが、それでもタイムリミットを守れないのは業界の人間としては致命的な問題点だろうに……実力はあるってことなのかしらね。今回もシナリオライターの人の度量の広さと対応力の高さのおかげでなんとかなったが、その余波は当然原画以降の直接的なスタッフへの負担に。大丈夫かえくそだす。スタッフが逃げ出すんじゃないか、えくそだす。ここはアレかな、突然宮森が絵麻に大量の馬原画をオファー、テンパった絵麻ともども「手描きじゃ無理だからCGだろ?」ってんで下柳さんのとこに持っていき、なんやかんやあって美沙ちゃんのところに助けを求めて……いや、ないな。車メインの制作会社に馬は外注せんな。オメガフォースとかに頼んだ方がいいだろうしな。何にせよ、せっかく発注したはずの空母は無駄になっちゃったね。そもそも元のシナリオはなんで空母だったんだよ。「日本に空母ないじゃーん」って、あんたが一番分かってるやろ水島監督。大洗だけは例外かな? ちょいちょい入れてくる自虐がずるすぎる。 そういえば、今回は木下監督の思惑とは別に新しいアニメの仕事を取りに行くムサニの首脳陣の様子も描かれていたっけ。スタジオでは仕事が終わらなくてひーひー言ってるけど、いざ新作タイトルのオファーが出たら当然スタジオどうしで取り合いにはなるのね。そのあたりの様子も見ていて興味深い。「監督は木下でいきますから」とかいうアピールがあるってのが面白い。やっぱり大体の監督はどこぞのスタジオについているもんだからね。僕の作品がアニメ化するなら、やっぱりP.A.で、監督は安藤真裕氏でお願いします、次点でディーン+大森貴弘、WHITE FOX+元永慶太郎。「僕の作品」ってなんだっていう疑問はおいといて。 猫のあそこってかかとだったのか……第8話。「いやいや、アレはかかとじゃねぇよ」って思って調べたら、まじでかかとだった。常につま先立ちって……「かかとを地面につけるタイミングないやん!」って思ったけど、まぁ、なくはないか。香箱組むときとか座ってるときはついてるもんな。 猫の話題ばかりで恐縮ですが、猫好きなら仕方ない。そして、作中でも猫はとても大切なものなのだ。ニャジロウっていう名前の付け方はどうかと思うけど、まぁ、野良猫に名前つける人って大体これくらいの適当さで呼ぶよね。あいつがニャジロウってことは、どっかにニャタロウもいるんですかね。すっかり懐いていたところを見ると、井口さんは普段のお散歩で餌とかばらまくタイプの人なのかもしれません。 さて、絵麻ちゃんエピソードの「解決編」となった今回。前回のエピソードでの彼女の煮詰まり具合は割と洒落にならないレベルで、悩み多き若者に対し、隣のおじいちゃんのアドバイスはちょっとマイナス方向に働いてしまうし、上からの叱咤はプレッシャーになるし、同期の友達は適当なコト言ってなかなか自分の辛さを分かってくれないし、いいとこ無しだった。このまま鬱々と自分の世界に入り込んでもがくばかりだと最終的に「アニメーター辞めます」まで転がり落ちてしまう恐れすらあった。しかし、きっと「過去の栄光があった」らしいムサニのこと。それなりにそうした不幸な前例もあったのだろう。アニメ業界全体を見れば、「途中で夢破れ、力尽きて業界を去った」人間なんてものは数多く存在していたに違いない。そのため、そういう迷える子羊を救済するためのメンタルケアの方法論も、ひょっとしたらどこかでは確立されていたのかもしれない。完全に行き詰まってしまった絵麻に対し、改めてサポートの姿勢を見せるおじいちゃん(杉江さんというらしい)。自分の言葉で結果的に彼女が追い込まれてしまったことを気にしていたのか、改めて彼女のモチベーションを問い直し、悩み抜いているところに、同性で歳も近い井口さんにパスを出す。こういう問題は、とにかく少しでもいいから「他人を世界に入れる」ことが大切。そのためには、まず対話からだ。 杉江さんに頼まれて満を持して参入した井口さんの出した解決策はあまりにオーソドックスなもの。「リラックスせぇよ」である。更に「最初から完璧なんて無理に決まってるやん」「何事も上手い人の真似から始まるもんよ」と、全部業界の訓辞としては当たり前のものばかり。おそらく、絵麻ちゃんだってそんなことは色々なところで見聞きしているし、理解もしていたはずだ。しかし、理解はしていても実感出来なかったのがこれまでの窮状である。誰の言葉でも良いというわけじゃない。同業者として同じように悩み、経験してきた井口さんが改めて声をかけてくれたことで、彼女はようやく自分の殻から出てくることが出来た。P.A.Worksの美術が本領発揮した秋晴れの散歩道、猫なんぞをいじりながら久しぶりに見る「広い景色」に、彼女の視界はスッと広がっていく。これからまだまだ大変なことはあるだろうが、それを勢いで補っていけるのは若者の特権である。これで絵麻ちゃんもしばらくは大丈夫だろう。 今回絵麻が悩んでいたことは直近の技術的な問題も当然のファクターだが、「その先に何があるか」という将来の目標も1つのテーマとなっていた。絵麻ちゃんはケーキ屋さんになりたいなんて大層な夢は持っていないのである。それにリンクして、メンバーをとりまとめる役割で動いていたのが宮森のおねいちゃんである。彼女も田舎から出てきてリフレッシュしている最中であり、飄々としているように見えても、抱えている悩みは絵麻と同じだった。先行きへの不安、見通しの悪い未来、そんなものに嫌気がさして妹の所に「逃げて」きたわけだが、彼女は後輩のみどりちゃんのキラキラした目に救われたようだ。「やりたいことはないか」と問われ、「人生の経験はこれすべて財産」と恥ずかしげもなく言い切るみどり。そんな彼女を見て、頑張っている妹を見て、おねいちゃんももう少し地元で頑張る勇気をもらったようだ。田舎の信用金庫に幸あれ。 ちなみに、おねいちゃんはラストシーンで宮森に対して「まんず、がんばっべ」と方言で激励の言葉を残している。前に知り合いとも話題になったのだが、彼女達の出身高校が「上山高校」であること、宮森の自宅に花笠が飾ってあったことなどから、彼女達の地元は山形でほぼ間違いないようだ(当然のことながら「上山高校」という高校は実在しない)。また、当然ながらメインキャストにも山形出身の人間はいない(残念)。一応ずかちゃん役の千管春香は岩手出身らしいけども。 ダイレクトに胃に来る展開はやめて下さい、第7話。「お仕事アニメ」だからなぁ、こういう現実的なしんどさも容赦無く叩きつけられるんだよなぁ。 宮森編、つまり制作進行についてのお話は前回までで大体片付いたので、そろそろ本格的に宮森のお友達連中にスポットの当たるお話になっていくだろうか。4話でも声優ちゃんにスポットが当たっていたが、今度は原画マンを担当する女の子、安原絵麻ちゃんのお話。声優の貧乏話や現実の厳しさを知らしめる話は良く出てくるし、制作進行なんて馬車馬みたいなもんだ、なんて話もよく聞くが、それに負けず劣らずひどい話に事欠かないのは、やはりアニメーターという職業だろう。声優には「芸能人」的なシンデレラドリームがあるし、制作進行は言うても会社勤めのサラリーマンである。まだ現実的な職種としてギリギリ救いはあるかもしれない。しかし、アニメーターに関わる話で明るい話題というのはほとんど聞いたことがない。使い潰されるとか、死ぬほど働いても歩合制の給料は雀の涙であるとか、好きな人が本当に好きでないと出来ないボランティアみたいな仕事だとか、どこまで本当かは定かじゃないが、日本のアニメ業界の先行きが不安になる逸話ばかりがこぼれだしてくるのである。 そんな中、今回の主人公である絵麻はまだマシな方の立場だろう。最も厳しい動画の時代をわずか1年半で抜け、まだまだ若手で原画への大抜擢。生活水準だけで言えば、都市伝説になるようなどん底からは既に離脱しているポジションのはず。しかし、あくまでそれは「死なない」ところまでなんとかあがってきた段階であり、夢を追い、この仕事で生活をしていくためには、本当の戦いはこれからなのだ。ちょうどそんな揺れ動くタイミングで訪れたのが、今回の事件。おそらく、実在の原画マンにあったエピソードを基にしたような、「業界あるある」の1つなのではなかろうか。自分の技量がどの程度のレベルにあるのかは、自分では判断出来ない。「精一杯頑張っています」では通用しないのは当たり前だし、なんとか誠心誠意で仕事に応え、スキルアップを狙っていきたいところ。しかし、絵麻の隣のおじいちゃんが言っていた容赦無い現実が彼女を焦らせる。「上手くなれば速くなる、上手くなるには数を描くしかない、数を描くには……」ということだ。これまでの絵麻は、おそらく「真面目な」性格が上手く仕事の流れに合致しており、丁寧な作業で回りの期待に応える仕事をしてきたのだろう。しかし、そのまま続けてもなかなか先の見えない業界。停滞感の出てきたこの辺りの時期で、安易なレベルアップを期待してしまうのは致し方ないところ。「やれば上手くなる」と信じていれば、その「うまくなったこと」を誰かに保証してほしい、確固たる証明がほしい。それが、彼女に筆を急がせた。「上手くなったから速くなったんだ」と、誰かに言ってもらいたかった。 しかし現実はこの上なく残酷である。同じく「真面目な」仕事師である瀬川さんからの容赦無い言葉。彼女がまだまだ青二才であることが突きつけられる。実際の労働の成果がふいになったことも当然ダメージにはなるだろうが、瀬川さんという絶対的な指標から「ノー」を突きつけられたことは、彼女にとっては大きなダメージになったことだろう。「上手くなったんじゃないか」「次のステップに移ったのではないか」という淡い期待が、もろくも打ち崩されてしまったのだ。宮森は気を遣ってフォローしてくれているが、現実的な問題としてそれが何の意味も無いことは、「真面目な」絵麻が一番よく分かっている。ゴールがどこにあるのか全く見えない自分の仕事の行く先を考えると、とてつもない虚無感に襲われもするだろう。そういう瞬間に、曲がれず、折れてしまうのが、ねいちゃんのいうところの「真面目さの代償」なのである。 これまで本作で語られてきた様々な「問題」の中でも、一番辛くて、解決しようのない純粋な「仕事の苦労」のお話。なんとかするには「絵麻ちゃん、立ち上がれ」としか言いようがない。どれだけ宮森が励まそうとも、彼女と絵麻は畑が違う。彼女の悩みは完全に宮森が理解することの出来ないものだ。彼女が救われるには、同じ畑の人間から太鼓判を押してもらうか、彼女が出口の見えない現状を受け入れる他は無い。さて、一体どのように復調してくれるのだろうか……。 はぁ……辛いなぁ。やっぱり大人になる第一歩ってのは「努力しただけじゃ駄目なんだよ」というごく当たり前の事実を突きつけられるところから始まる気がする。絵麻の場合はそれをよく分かっているからこそ、自分でつくった壁にぶつかりに行くような結果になってしまっているのだけれど、自縄自縛だからなかなか解決の糸口が見えない。最後には「瀬川さんは私(の仕事)が嫌いなのではないか」と他人に原因を求めてしまう所まできており、かなり追い詰められている。「努力しただけじゃ駄目なんだけど、結果を出すことに急ぎすぎなくてもええんやで」ということにどこかで気づければ救いになるのだが……。旧友達がその辺で力になってくれるかなぁ。周りの人間もそれぞれに悩みを抱えているので、なかなかメンタルケアが出来そうにないのが悩ましいな。 さて、その他の出来事としては、同僚の落合さんが予定通りに他所のスタジオに移籍。まぁ、やっぱり円満退社ではあるんだね。回りの人間も「大手スタジオに移るんだってー」っていってるから、別に「あいつ、裏切りやがった」みたいな見方はされてないね(当たり前だけど)。何のためにそういうシナリオになってるのかはよく分からないのだが、他所の事務所とのあれこれも今後関わってきたりするのかな。その他、新キャラとして宮森のおねいちゃんが登場。割と軽いし、妹には迷惑な存在である。でも決して仲が悪いわけではなく、電話で助言を仰ぐなど、そこそこ信頼されている模様。この辺りは年の功か。ただ、そんなおねいちゃんの存在とは別に、今週の宮森はあんまりよろしくなかったですね。気持ちは分かるが、あの状況で絵麻に対して安易な慰めや励ましをかけるのは無責任だ。制作進行の仕事を考えるなら、むしろ絵麻にはもっとはっぱをかけて多少の荒療治でもやる気を出させないといけないところ。もう少し瀬川さんに細かいところまで聞いて調整すべきだったろうし、友達なんだったら瀬川さんに対してもう少しフォローしてあげても良かった気が。なんでもかんでもドーナツ食べたら解決するわけじゃないんやで。 このアニメに看過されて久しぶりに「妄想代理人」10話「マロミまどろみ」を見直したよ、第6話。何がすごいって、10年の時を越えてもやっぱり「タロー死ね」って思えるところ。今作とほぼ同等かそれ以上のことを10年前にやっていた今敏ってやっぱり凄まじい。 ま、こちらのお話は人は死なないのでとても平和な(??)アニメ製作です。前回が問題編なら今回が解決編なので、基本的に雰囲気は温かい方向へと向かうハッピーエンドなストーリー。「2D or not 2D」の対決は、てっきり前回遠藤さんが3Dを鑑賞した時点で解決したのかと思っていたが、タローが余計な燃料をガンガン投下してくれるもんだからまだしばらくこじれ続けてしまった。でも大丈夫、そんな問題もイデの巨人様が一発解決さ。確かに同年代の人間がアニメを志したなら、その原体験が被ることは多いわな。まだ当時だったらそこまでアニメの本数は多くないし。今から10年、20年後にアニメーターになる人がいるなら、その人達は一体どんな原体験を力として目指すんでしょうね。ボクが憧れるとしたら前述の通りの今敏か、あとは真下さん、大森さんあたりなんだろうけど、この人らって「絵描き」っていうよりも「物書き」のイメージが強いな。うむ、基本的にアニメは構成で見て絵で見てない人だな。 今回のお話はものすごく簡単にまとめると「タローが散々かき回した現場を、宮森が奇跡のアシストでもってフォローし、イデオンの力で何とかなった」というお話でしかないのでシナリオは非常に簡単。遠藤さんの心情は理解出来るとはいえ多少大人げなかったが、そのあたりの軋轢は下柳さんがとても大人だったのでなんとかなった。あと、多分遠藤の奥さんの内助の功もあったかもしれない。あの奥さんだったら、ごねて仕事から離れた旦那を優しく優しく諭してくれそうだし。瀬川さんもそうなんだけど、なんで今作の女の子はみんな可愛いんでしょうね。そうそう、女性キャラといえば、この業界における横尾まり(作中では縦尾さん)のスタンスがああいうところにあるのか、というのが分かってちょっと面白かった。「養成所で後進を指導する声優さんたち」ってたくさんいると思うのだけど、普段アニメではあまり聞かない声で、吹き替えメインの人でも養成所の指導では参加してくれるんだね。いや、実際に横尾さんがそういう業務についてるかは知らないけど、多分ここで(ほぼ実名で)起用されてるってことはそういうことなんでしょうよ。そのうちプロダクション社長役で賢雄さんとかも出てくるかもしれない。最近の男性声優は「社長」の肩書きがやたら多い気がするけど。 さておき、そんなメインの悲喜こもごもの裏では、相変わらず木下監督と本田氏の戦いが続いていた。唐揚げで鍛えたあのボディのくせに、あの程度の高さの牢獄ならば強引に脱出出来るくらいの身体能力は有していたらしい。まぁ、人間切羽詰まるとなんでも出来るもんだし、よっぽどあの空間が嫌だったのだろう。もしくは、すごく好意的にとらえればアフレコを無視して仕事することが許せないくらいに仕事熱心だったともいえる。いや、全然熱心じゃないけども。タローと違って完全に駄目な人間ってわけではないので、木下監督はなかなか憎めないキャラである。出来るだけ本田さんに負担がかからないようにはして欲しいけどね……。 さて、次の展開は一体どこになるのか? 今回他所のスタジオの車に乗ってたせいで変な疑いかけられそうなキャラがいたけども……実際のアニメ制作って、他所のスタジオを目の敵にしたり、他所に行った人間を「裏切り者」と見たりするんだろうか? 制作とかはまだしも、絵描きなんて大抵流動的なもんだと思うのだが。 最終回が総集編なんて前代未聞ですよ!(無いとは言ってない) 第5話。水島監督の容赦無い自傷行為に涙を禁じ得ない。まぁ、特別編放送して禊ぎは済んでるから……。 新たな問題編。ただ、単に「タローが腹切ればいいんじゃないか」の一言で終わってしまうのが難点ではあるが、それ以外にもちょこちょことアニメ業界のホントや嘘が入り交じっているのは相変わらず刺激的。まず、何と言ってもメインのもめ事を構成する「2D or not 2D」の問題であろう。今回のもめ事は「タローが無能だったせいで余計な諍いが起こった」風に作られてはいるが、おそらく現場で仕事をしている職人さんたちからしたら、割と洒落になっていない問題なのではなかろうか。既に世界レベルで見ればここまで「作画アニメ」というものに固執しているのは日本のアニメだけであろう。もちろんそこには価値があるからこそ脈々と受け継がれているわけだが、時代の変化はそうした伝統にも容赦無く変化を迫っている。3Dのレベルがあがればあがるほど手描きとの差は少なくなっていくだろうし、そもそも手描きといっても現在はほぼコンピューター上での作業になっているわけで、「伝統」自体も既に変質している。これまで通りのものを守り通す意思を持つとしても、一体それがどこまで「今まで通り」のままなのか、常に言及していかなければならない問題だろう。 幸い、今回の問題は割と表面的な部分で留まっており、「作画がいいの? 3Dがいいの?」という問題の入門編程度のもの。作画代表の遠藤氏は、大先輩である板野さん(的な誰か)に叱責を受け、自分の態度がいささか大人げないものであることを反省した様子。ここから最終的に問題のシーンが作画になるかCGになるかは現時点では定かでないが、今後武蔵野アニメーション内で今回のような「3D問題」が起こることはなさそうである(まぁ、制作進行がしっかり伝達してくれればね)。個人的にはやっぱり作画でやって欲しいけどね。少なくとも、「大事なシーンだからこそ手描きでけれん味を出したい」っていう遠藤氏の目的意識は正しいものだと思うし。 そんなメインのもめ事のわきでグダグダやっているのは、相変わらずの問題監督と、決意の鬼となった本田氏。流石にどこのアニメスタジオを探しても座敷牢を用意してるところは無いと思われるが、実際に決意を固めた制作スタッフは「あれくらいのことをやってみたい」という、スタッフの願望の現れといえろうだろう。まぁ、似たようなカンヅメ強制は行われてるかもしれないけども。多分、あんなことしても作業能率は上がらないんだよなぁ。揚げたての唐揚げが冷めていくのを見せつけるという鬼畜の所業である。なお、木下監督の初監督作品であり、大ヒット作となった「裸の催眠術師」は、ストラップを見る限りでは絶対に面白くなさそうなので勘弁してほしい。ボクはぷるんぷるん天国の方がいいかな。まぁ、こっちもクソアニメ臭が半端ないけど……それで萌え作品って……。実際の水島精二は、そこまで大ハズレになった作品は無いので割と優等生的な監督です。夏○キ○キも、決して悪い作品じゃない。悪い作品じゃないんだ。 お仕事アニメは直接精神的ダメージが入るので色々キツい、第4話。「いいなぁ、仕事のことが話せる人は。ちゃんと仕事してるってことだから」。うん、そうだな………………。話題を変えないかね? 残念ながら今作は「頑張るお仕事女の子」シリーズなので、そのあたりは容赦無しなのです。導入となる宮森の社内奮闘記が3話までで一段落し、この後は宮森の大学時代のサークル仲間5人のお話が次第に広がっていくことになるのだろう。その一本目となる今回は、それぞれがどんな状況にあるのかをざっと描き、ぺーぺーで苦労している様子を、声優の子を中心に描かれていく。この「新人声優の苦闘人生」というのは我々声優ファンには非常になじみ深いもので、アルバイトで必死に食いつなぎながら、藁をも掴む思いで必死にオーディションを受けている様子はまさに「なんでこんな職業を選んでしまうのだろう」状態である。世の中の声優全部に言えることなんだけどね。あれだけ現役の人たちが声高に「絶対しんどいし、やめといた方がええで」と力説しているにも関わらず、未だに声優志望という若者は減るどころか増え続けているというではないか。裾野の人口が増えれば業界全体の実力が底上げされる可能性はあるのでファンとしてはそういう状況も悪くはないのだが……弊害も多そうなので悩ましいところである。「何事も熱意が大事で、やる気があれば何とかなる」なんて甘っちょろい根性論が通用する業界じゃねぇからなぁ。 というわけで、声優志望の娘っ子、坂木さんは涙ながらに頑張り続けているのです。改めてオーディションの風景を見てみると、やはりこの職業の理不尽なまでの壁の厚さを痛感させられる。なにせ、オーディションを受けるためにスタジオに入れただけでもかなりましな方なのだ。「ちょっと多すぎる」120人くらいがオーディションに呼ばれていたようだが、各事務所から選出されてそこにたどり着くのだって簡単じゃないだろう。おそらくテープオーディションとか、マネージャーとの頑張りがあって初めて現場に出向くことが出来る。そして、そこまで頑張って挑んだ現場は本当に一瞬の勝負。どこかで聞いたことがある声のベテランさんまで同じ現場でしのぎを削っているし、ジャッジしている制作側スタッフだって、120人聞いてたら「何がいい仕事か」なんて分からなくなっちまいそうだ。ちょっとマイク前に立ったくらいでキャラへの向き不向きなんて、微細に分かるもんじゃなかろうし。結局、オーディションを受けるときのタイミング、そして巡り合わせ。マジで運ゲーである。これに勝ち残った歴戦の強者たちだけを、僕らは「声優さん」としてあがめ奉ることが出来るのです。……頑張れ、数多の綺羅星。 3話までの宮森の奮闘、今回の坂木さんの顛末、それらを見た後での、一時の憩いは旧友と集まっての飲み語り。多分、みんなして翌日も仕事だし、あんまり遅くまでは飲めないんだろうね。幸いなのは、みんないわゆるカタギの仕事ではないので、おそらく映画にしろ居酒屋にしろ、平日の混んでない時に入れるってことくらいだろうか。そしてタローが羨ましがっていた通りに、5人とも普通に可愛いんだろうな。贅沢な集団である。こんな子らが集まってきたら、そりゃ居酒屋店長もサービスしたくなるってもんやな。「新人声優(の卵)がバイトしてる居酒屋」って、上手くいけば後々プレミアがつくかもしれんよね。個人的に、「茅野愛衣と赤﨑千夏がバイトしてた喫茶店」ってすげぇな、っていつも思う。あとアスミスが実習に行った保育園とか。首都圏近郊では当然そういう場所も多いんだろうけどなぁ。売れ始めの男性声優とか、上手くいけばまだどっかてバイトしてるかもしれんで。 その他、相変わらずスタジオではタローがトラブっていたり、例の監督がまたやらかしていたり、宮森が休んでいる間にも事態は進行しているらしいですが、それをさておいて、個人的には「宮森の実家ってどこなんだろう」っていうすげーどうでもいいことが気になりました。普段帰省出来ないくらいの遠方ってことは間違いないだろうけども、具体的にどこっていう描写はないんだ。米とか白菜なんてどこの田舎でも送るだろうし。ただ、実家のリビングに花笠が飾ってあったのが気になるんだ。すまん、どうでもいい話だ。あ、あと坂木さんの自宅の様子が何となくそれっぽいのもリアル。声優やる人間は、自腹で衣装を増やしていかないといけませんので、洋服の管理は大変そう。まぁ、大体「服 管理 声優」とかだと、汚部屋で有名なあの人やこの人のイメージしか出てこないけどね。 今作で一番色っぽい女性って実は宮森の机の上の人形のおねーさんなんじゃないかって気がする、第3話。前回エンディング見た時点で「なんやこれ」って思ってたんだけどね。良い味だしてる。流石ダンスエンディングの祖と言われる水島努である。 いい話で一区切りとなった3話目。まぁ、このあたりまでが大体想像出来る「アニメ製作アニメ」の内容よね。じわじわピンチが重なっていって、最終的に絶望的だと思われる状況に陥るも、そこは主人公の頑張りとマンパワーでなんとかするという。これで結局どうにもならずに総集編になってしまった方がある意味リアルで笑えるのだが、流石に「働く女の子シリーズ」を銘打ってる作品でそれは残念過ぎるからね。ちなみにP.A.のお送りする「働く女の子シリーズ」というのは「花咲くいろは」についでこれが第2弾ということらしいのだが……そこにナンバリング打つ意味があるのかどうかは謎。ある意味カナンだって(マリアが)働いてたっちゃぁ働いてたんだけども。私のなかで「いろは」は既に殿堂入りレベルの作品なので、今作がそこに肩を並べることになるかどうかは分かりません。 それにしても、やっぱり「大勢の人間が集まって1つのものを作る」という作業は本当に大変なものである。世にある「企業」って組織は大体そういう作業を毎日毎日繰り返しているのだし、どこの世界だってこうして「大勢の調整が大変」な日々で溢れかえっているのだろうが、残念ながら私自身は「働かない男の子シリーズ」な人間なので、そのあたりの苦労は「うわぁ、大変やなぁ」と思うばかりで、そこまで共感を覚えるものではない。いや、学生時分の思い出なんかを掘り起こせば色々と関連しそうな記憶はあるのだが、「自分の失敗=放送出来ずに穴があく」っていうレベルの恐怖と戦った経験はないのでねぇ。途中で漏れていた「武蔵野アニメーションの復活をかけた勝負だったのに! 2話までの評判は良かったのに!」っていう叫びがとてもとても切実で痛々しい。確かに、4話で落として総集編が入ってしまったら、昨今のアニメファンならあること無いこと邪推しまくって、作品の質とは関係無しに評判が落ちそうである。別に最終的に良い物が見られれば間に何が入ろうと消費者側は構わないはずなんだけどね。もちろん、放映や製作販売を請け負ってる放送局、関連会社にダメージがあるのであかんのは間違いないけど。 今回は色々な人の努力によってなんとか完パケまでたどり着いたわけだが、実際に「納品まであと1日」とかの段階で間に合わないことが確定した時って、どうやって対処するんだろうね。総集編総集編言うけど、総集編を作るのだって1時間2時間で出来るもんじゃないだろうに。それこそ「ガルパン」は総集編が何回も入ってしまったわけだが、そのたびにちゃんとナレーションは取り直してたわけだし、あれを作るのだってそれなりの日数は必要だと思うんだけども。そのあたりの時間感覚は我々素人には計り知れない部分よね。そして、今回は前半パートで宮森が予定を確認するくだりなど、様々な専門用語がマシンガンのように連射されるシーンもある。次から次へと飛び出す「製作進行の苦悩」が立て板に水で流れていく様子を見て、今作主演の木村珠莉はなかなかやりよると感心してた。夢想パートの二役も彼女の演技でしょ? それなりに引き出しが多くないとああいう仕事は出来ないんじゃなかろうか。今作が良いステップアップになりそうな予感で楽しみ。 そして、今回一番感心したのは、ラストにながれたあるぴんのリテイク後のカットである。監督が涙するシーンでてっきり「出来上がった後の画は見せない方向の演出なのか」と思ったが、ちゃんと視聴者に見せつけてきましたね。きちっと「より良いもの」が出来るという自信がないと作れないシーンだと思うのだが、それをきちんとやってのけるのは流石のP.A.である。なるほど、4話も評判の良さそうなアニメであるな。 |
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