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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 少し前に事前情報が出た時点で「絶対面白いやつやん」と思っていた「カルロフ邸殺人事件」のプレビューが今週スタートしていますね。面白いってのは、ゲーム自体は知らんけどフレーバーとかカードデザインが楽しそうという意味ね。ほんで、最近全然出来てなかったし今回はレビューできるかと思っていたのだが、残念ながら時期的にこの1週間を全てカードに捧げるわけにもいかず……しょうがないので、前回の「イクサラン」同様、せめて第一印象の記事だけでも上げておくことにした。当ブログはごく稀にMagic関係の記事を見にきてくれている人もいたので申し訳ない部分もあるのだが、最近の製品リリースの速度にはもはやついていくことができず……まことに遺憾です。

 あと1週間遅ければ身体があいたかもしれんのでちょっと無念だが……まぁ、もうそういうことができる時代でも年齢でもないんや……。

 

 以下の要素の詳細については、公式記事カードギャラリー参照のこと。

 




今回のメカニズム

・変装(Disguise)/偽装(Cloak

 正直、「まさかそうくるとは思わなかった」というメカニズムである。だって舞台がラヴニカなんだぜ? すでに「灯争大戦」で「ギルドと無関係なラヴニカセット」は展開しているので「ラヴニカ的」でないことにはそこまで驚きはしなかったが、流石に変異ギミックをこの次元でやることになるとは……。そしてもう1つの驚きは、純粋に裏向きクリーチャーの質を向上させるという方向でアップグレードを施した点。これはおそらく、開発チーム内でもそれなりに議論があったんじゃなかろうか。

 変装によって新たに護法付き裏向きクリーチャーが生み出されたことによる最大の問題点は、これまであらゆるセットを通じて定義されていた「裏向きのパーマネントは全て2/2バニラのクリーチャーである」というシンプルなルールが覆ったことだ。これまで、変異で登場してそこから予示といくつかのバリエーションで「裏向きのパーマネント」を出す手段が作られたが、ルール的例外と記憶負荷を低減するため、それらは全て同じ性質を付与されていた。裏向きのカードを扱うのは紙のMagicでは実は結構神経を使う作業であり、常に不正のリスクを管理しなければならず、ライブラリ以外の「不可視領域」に負担をかける仕組みは常に危険視されてきた。現在でも、必ず「裏向きに出せるカードだったのか」をマッチ終了時に公開する義務があるし、どのカードをどの順番で展開したのか、どれが前のターンに攻撃したものか、などを識別させる義務がある。変異クリーチャーはその存在がルールのギリギリをいく存在だった。

 そして今回これに「2種類目の裏向き」が加わった。これにより、今後EDHのように新旧セットが混ざる環境では、そのカードが「変異で出されたものか、変装で出されたものか」を明言し、しっかりと区別しておく義務が追加された。これまでは手札から裏向きのパーマネントが出てきたら「あ、変異持ちなんだな」と確定したが、今後はそうではなくなるわけだ。こうした負荷の上昇は純粋にリスクではあるのだが……まぁ、実際のところ変異と変装が混ざるレギュレーションってあんまり無いので、そこまで問題はないでしょうけどね(下の環境で出てくる変異クリーチャーなんてほとんどいねぇし)。

 では、「2/2に護法2を追加する」という判断はどうだろうか? 個人的にはこのアップデートは勇気ある決断だと評価したい。何しろ変異が登場したのが20年以上も前のこと。次なる変異環境であるタルキールでも10年前。そしてその10年前ですら、「変異クリーチャーって弱すぎるんだよな」というので開発チームは頭を悩ませ、その結果登場したのが大変異(爆笑)だったりした。タルキールは新たな変異環境としてリミテッドは大成功したのだが、結局構築クラスまで上がってくる変異クリーチャーはほとんどいなかったと記憶している。このままでは変異はジリ貧で、もはや再録の価値がない手垢のついたロートルギミックに成り下がったのである。

 そこで、多少の混乱リスクは孕みつつも、裏向きクリーチャーを強化するという判断をし、ユーザーに新たな裏向きカードの可能性を見せるという拡張はMagic全体の可能性を広げる試みだ。混乱があるとは言っても、その実これによる問題はそこまで大きくない。この程度のリスクで「構築でプレイできる可能性がある裏向きカード」が増えるなら、その挑戦はやってみるべきだ。

 ちなみに「護法2をつける」という調整についても議論の余地はあるが、ひとまずは良さそうだとは見ている。変異クリーチャーの弱さの1つに圧倒的テンポの悪さというのがあり、例えば3ターン目に2/2を出しても、相手が「ショック」や「死の重み」など1マナで簡単に対処できてしまう。この弱点を克服しない限り、普通のプレイヤーはわざわざ3マナ2/2クリーチャーを唱えようとは思わない。護法2という数字を得ることにより、「ショック」などで対処する時にも最低3マナが必要になり、無事にテンポロスのリスクを減らすことに成功している。ちなみにもう1つの弱点である「3マナ2/2ってステータスがそもそも弱い」については改善はされなかった。マローの記事によれば3マナ3/2なども検討したようだが、変異だけ並べてアホみたいに殴って通用するバランスはそれもそれで問題だ。ひとまず能動的に設置だけを行い、その後ターンを返してもらった後に解除するタイミングを増やすことができる「守備力の強化」というのは、おそらく開発陣が推し進めたい「変異の理想形」に近づけてくれるものなのではなかろうか。

 そのほか、「タルキール」でも有効に機能していた変異のもう1つの利点に「無色で出せる」という特徴があり、今回はラヴニカという多色(厳密には非単色)環境において、リミテッドを念頭に置いた時に色マナでの事故の低減にも貢献してくれる。「タルキール」は変異解除に3色マナが必要なサイクルがあったが、今回のカードを眺めると、多色の変装クリーチャーの多くは変装解除に混成マナを使い、どちらか片方の色だけでも運用が可能なようにデザインされている。これにより最低限の「ギルドらしさ」を演出することもできているし、混成マナの生まれ故郷であるラヴニカらしい良いデザインなのではなかろうか。

 ちなみにこれはあくまで雰囲気の話にはなるが、今回の変装ギミックは、「謎を与えられ、それを解く」という「ミステリセット」という概念からボトムアップ的に導かれたギミックである。そのため、結果的にラヴニカという次元にマッチングされているとはいえ、やはり最初に感じた「ラヴニカなのに変異環境?」という違和感は常について回る可能性はある。ただこれはあくまで目的が違うためであり、例えば今回、いわゆる変異誘発能力(表向きになった時に誘発する能力)を持ったカードでも、「これが戦場に出るか、表向きになった時」のように、必ずしも裏向きで出す必要が無いデザインが多い。あくまで裏向きは選択肢の1つであり、裏向きにこだわらずとも戦えるカードのバランス調整を試みているのではなかろうか。まぁ、その結果全然裏向きでプレイされなかったら寂しいのだけど……。さぁみんな、Magicカード最弱スレで有名な「こじ開け」を持って街に出ようぜ!

 

 

・調査(Investigate

 最初に収録が発表されていた再録メカニズム。まぁ、「探偵のセット」でこれが収録されないはずがないので分かりきっていたことではあるが、「拡大鏡」の再録はちょっと笑った。初登場の「イニストラードを覆う影」がミステリチックなセットであり、そこから続く「イニストラード:真夜中の狩り」でも「過去にこの次元で人気があったメカニズムだったので」という理由で再録されていたこのギミック。今回はラヴニカに次元を移しての登場だが、イニストラードよりも文明レベルが進んでいることもあり、さらにさまざまな要素を使い倒し、今回の中心的ギミックと言えるまでにのし上がっている。具体的には「アーティファクトを場に出すこと」「アーティファクト(もしくは何かしらのパーマネントを)をサクること」「カードを1ターンに2枚引くこと」など、調査/手掛かりの持つあらゆる要素を各色のシナジー要素に取り込んでいる。パッと見た感じ、まじで調査を制した者がこの環境を制するのかもしれない。「覆う影」のリミテでも青緑調査は強かったしね。ちなみに1つ前のイクサランにある作製ギミックともシナジーを形成しているのはどこまで狙っているかは定かでない。落魄とはシナジーないからな。

                                                

 

・容疑(Suspect

 まだちょっと謎が多いシステムがこちら。特定のクリーチャーに「容疑状態か否か」という新たなトグルを設置するギミックで、容疑付きクリーチャーは「威迫を持つが、ブロックに参加できない」という攻撃特化の能力を付与する。攻撃に利するギミックなので、今のところボロスやラクドスあたりに多そうなギミック(まぁ、容疑をかけるのはボロス軍の専売特許みたいなところあるし、かけられる側の代表がラクドスだし)。名前の響きからして容疑をかけらたクリーチャーにペナルティを与えるカード(もしくは相手に容疑をかけることで自分が恩恵を受けるカード)が多くなりそうだが、ちょっと気になるのは威迫というプラスの性質も同時に与えてしまうこと。マローはかつて「プレイヤーは自分がリスク・デメリットを負うことを嫌う」という当たり前の事実について繊細にならなければいけないと反省していたことがあり、例えば手札を空にすることが恩恵になる暴勇能力、「次のターンアンタップできない」というデメリットが与えられる督励能力などは実際より低く評価されがちで人気も下がる、という分析を行なっていた。今回の「容疑」も、メリットとデメリットを同時に与える部分が悩ましく、もしかしたら多くのプレイヤーが「なんで威迫与えちゃうんだよ! いらんやろ!」と思うことにもなりかねない。もちろん「自軍クリーチャーに容疑を与えれば攻撃性能が上がる」という部分で悩んで欲しいということなのだろうが……この辺りのバランスが個々のカードでどのように調整されているかは興味深いところ。

 

 

・証拠収集(Collect evidence

 直近の作製能力にも流用されていた「探査」の焼き直しのようなギミック。ただし今回はカードのタイプや枚数ではなくマナコストを参照することで新しい概念を導入している。ぶっちゃけ変装や調査といった他のギミックとのシナジー関係が薄いので取ってつけたような印象は否めないのだが、おそらくラヴニカにいるという前提で流石にゴルガリ・ディミーアあたりに関われる要素が少なすぎたので広げたギミックなのではなかろうか。前のセットの落魄などとの噛み合わせも視野に入れているだろう。ま、一応「探偵のお仕事」とギリギリフレーバー的な紐付けはできているし、諜報や活用など、過去のラヴニカギミックを思い起こさせる要素もある。墓地ってのはいつ使ってもいい便利なリソースなんですね。

 

 

・事件(Case

 新たな書式を導入した新たなエンチャントタイプ。ドミナリアで誕生した英雄譚が大成功して以降、こうした変則表記のカードタイプはクラス、そしてバトルなどの展開が見られるが、今回は英雄譚に似たデザインではあるか。ただ、実はギミックとしてはむしろダンジョン探索に近い。うろ覚えなので間違ってたらすまんが、確かマローはダンジョン探索を作っている時に、何か個々のミッションを達成したら前に進めるような複数のダンジョンをデザインしていたはず(もしかしたら英雄譚の時だったかもしれない)。ただ、ダンジョンによってクリアミッションが異なる場合、条件と報酬をいちいち記載するスペースが無い上に煩雑になりすぎるというので、探索は1つの能力となり、ダンジョンも(当時は)3種類に限定された。今回はそうして「個々のミッションをこなす」という概念を推し進め、1つ1つの事件の「謎」と「解明」を与えたわけだ。もちろん、こういうカードは取り合えず出した時に効果があればみんな満足してくれるっていう事実は「クラス」カードで学んだことである。

 「事件」カードの面白みはなんといってもそのフレーバーを想起させやすいこと。カード名でどんな事件なのかを想像し、解明方法とその結果でどんな事件だったのかがなんとなくイメージできるのが面白い。もちろん、解明条件を具体的に与えることにより、それぞれのアーキタイプを明示する役割もこなせるだろう。「事件が起こる」は物語の基本のキなので、今後大々的に取り上げずとも、各セットに数枚ずつ紛れ込ませるという、落葉樹的な使用法も検討することができそうだ。まぁ、その場合は英雄譚と同居するような面倒はないように気を付ける必要があるが。

 

 以上、今回のセットギミックへの雑感でした。現時点で「ラヴニカっぽさが出ないとギルドファンはちょっと期待外れになるかもな」というリスクがわずかにありつつも、こんだけ世界観に即したキャラと物語でガチガチに固めてくれてれば些細な問題だろうという気もする。あとはリミテが楽しくなればそれでいいかな。多分、どんだけ強化したとしても変装クリーチャーはあんまり構築レベルに絡まない気はするが……(絡んでも変装状態で出されないとかそんなんじゃないかな)。「賛美されし天使」、あんたすごかったな。

 あ、ちなみにストーリーの方はめちゃくちゃ面白かったです。各ギルドの代表者が集まって個性をぶつけ合いながらあーでもないこーでもないと次元の未来を議論してる姿、あまりにもラヴニカでとても良き。虐殺少女ちゃんのファンになります。

 

 

 

個別カードについては、気になったものについての雑感を今日明日中にアップしようと思ってます。

 

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