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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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<アニメソング部門>

 実は一番悩んでいる部門、という噂もあるのがここ。何せどんな曲も繰り返し聞いてると馴染んできて、全部が全部お気に入りになってしまう危険性があるもので。今年も数々の素晴らしいアニソンが誕生したわけで、その中から3つ選ぶっていうのは酷なんですよ。

 では、とりあえずベスト3から惜しくも漏れたものを見ていこう。楽曲のリピート回数で何故か断トツだったのは「My Secret」(会長はメイド様!)。なんだか知らないけど無性に曲自体を気に入ってしまったもので、歌詞の内容とはちょっとズレた精力的な歌声が魅力だ。アニメーションの方も、美咲の営業スマイルには心臓を射貫かれます。同様に歌自体にどっぷりはまった曲と言えば、「本能のDOUBT」(探偵オペラミルキィホームズ)がある。飛蘭は本当に格好いいよね。麻雀を打っている時にBGMとして流すのがお勧めで、何を切ろうかと悩んでいる時に「降りるなら早くして」とか言われて凹むこと請け合いである。「こんなハズじゃなかったなら、どんなはずだっていうの」って、こっちにも色々思惑があったんだよ! そして曲単体の破壊力で今年度最後に訳の分からないインパクトを残していったのが、「インモラリスト」(ドラゴンクライシス!)。この曲は堀江由衣の歌唱で良かったような、やっぱり何か違うような……いや、とにかく何度も聞き直すことになったので、すごい曲だったのは間違い無かろう。今後他のアーティストによるカバーとかがあれば面白いのだが。個人的にはスタチャアーティストならangelaアレンジが聞いてみたい。

 女性ボーカルの強さで押すなら「ハートの確率」(そらのおとしものf)も名曲。TVサイズでも素直で聞きやすい曲だけど、fullで聴いた時に真価を発揮するタイプですね。あとは目立たないところでは、「舞風」(薄桜鬼碧血録)なんかも気に入っててヘビロテした曲ですかね。「強い女性像」っていうのがここまでの全曲共通したモチーフだけど、なんかそういうのがツボる傾向にあるのかもしれません。

 ちょっとイレギュラーな候補としては、「心のファンファーレ(ポケットモンスターBW)を挙げておきたい。ほとんど視聴していない作品からテーマソングのみをピックアップするのは邪道で申し訳ないのだが、某所で曲のみを聴く機会があり、本当に心に染みた。震災の影響でちょっと沈みがちだったところに聞いたので、こういう純正応援歌というのは、子供達の未来にも力を与えるものに思えたものである。

 アニメーション映像とのマッチングも楽しかった楽曲群としては、何故か昨年もピックアップした「Poo」(あにゃまる探偵キルミンずぅ)を1つ。まさか後半戦になってダンスのキレが増すとはおもわなんだ……オノノノ。キルミンと言えば後期エンディング「Clap your Sunday」の愛らしさは兵器クラス。悶え苦しむ愛らしさだ。

 「フライングヒューマノイド」(世紀末オカルト学院)の映像もものすごいインパクト。世界各地のオカルトを短い時間にぎゅぎゅっと詰め込んだ映像の迫力は凄まじいものがあり、この中を力強く疾走するマヤの勇姿も実に格好いい。作品自体も「映像が魅せる」ものだったので、このオープニングも納得の仕上がりである。また、今回のエントリーとしてはややイレギュラーだが、「Future Gazer」(とある科学の超電磁砲OVA)も忘れられない映像の妙。4人の女子中学生のとある1日を曲に乗せて印象的に描いており、この作品の本質がわずかな時間に凝縮されている。

 更に作品との親和性を高め、楽曲自体と映像の組み合わせを1つの完成品として昇華させたワンランク上のカテゴリもある。例えば「刀と鞘」(刀語)。相変わらずのアリプロサウンドと言えばそれまでだが、一気に引き締まった作品後期の雰囲気を体現した「肉体を伴わない」バトル要素は迫力満点だし、全体を覆う「似非ジャパネスク」な雰囲気がたまらない。こういう「はったり含みのエンターテイメント性」が全面に押し出されるのは、作品自体の性格が綺麗に出ているおかげだろう。

 ほとんど注目されなかった「再放送枠」というちょっとヒネたところからは、「カウンターアイデンティティ」(SOUL EATER リピートショー)がやたら癖になった。やけっぱちな歌詞は倒錯的な「SOUL EATER」の世界をイメージさせるし、意味不明な遊園地をベースにした映像は、馬鹿馬鹿しいギャグテイストを含みつつも「夜の遊園地」の奇妙なダークさがこの作品独特の狂気を喚起させる。バトル描写が大迫力なのも流石の五十嵐卓哉である。そして、五十嵐卓哉作品と言えば外せない、「SHININGSTAR」(STAR DRIVER 輝きのタクト)。大量のキャラクターがまとめて出てくるにも関わらず、その関係性をさらっとまとめ上げながら、最大のセールスポイントである映像の迫力もしっかりと見せつけてくれる。ラストで飛び出すザメクの大迫力は必見だ。こういう捻りの無い「少年アニメ的オープニング」の方法論というのは、固まりきっているだけに見せ方に差が出るものだ。そうそう、スタドラといえば四方の巫女による劇中歌も忘れてはならない。現在音源となっているのは「モノクローム(戸松遥)だけだが、4曲すべてが作品世界とマッチし、タウバーンの登場シークエンスと共起していたのは特筆すべき部分だろう。

 クリエイターの個性で言えば、シャフトと梅津泰臣というコラボレーションが印象的だったのは「DOWN TOWN」(それでも町は廻っている)。梅津さんの強烈な個性が何故か「それ町」の作品の雰囲気にきちんと収斂しており、これが坂本真綾の楽曲と相まって見事な完成形を見せる。アニメーションのクオリティが恐ろしく高く、匠というのはどんな要素でもちゃんと自分のものにしてはき出せるのだ、ということを窺わせてくれる。

 そしてシャフト繋がりで最後に「コネクト」(魔法少女まどか☆マギカ)。シナリオ面で押してくる作品なので普段のシャフトのような「イメージ映像」としての要素は弱めだが、その分作品本体との親和性が非常に高くなっており、10話の変則構成では歌詞そのものがほむらの人生にオーバーラップするという演出がある。そして、漫然と聞いていた歌詞が全て作品の反映となった時に、このオープニング映像が完成するのである。こういうこざかしい演出は、本当に好きです。

 

 

第3位

‘05 「Canvas2」 ED  「NA NA IRO

‘06 「涼宮ハルヒの憂鬱」挿入歌 「God knows」「Lost my music

‘07 「Myself:Yourself」OP 「tears infection

‘08 「マクロスF」25話挿入歌 「娘々サービスメドレー」(ライオン)

09 「乃木坂春香の秘密ぴゅあれっつぁ♪」OP 「挑発Cherry Heart

‘10 「みつどもえ増量中!」OP 「我が名は小学生

 今期のアニソンベスト3はかなり1つの方向性に固まってしまっているが、御容赦願いたい。やはり、個人的に「オープニングはアニメを観る前に出来る限り気分を盛り上げるものである」という認識があるので、こうした賑やかな楽曲の方が選びやすいのだ。

 とにかく騒がしく、とにかく楽しげに。「我が名は小学生」という全く意味の分からないフレーズが作品の骨子と結びつき、何とも言えないおおらかさに繋がるこの楽曲は、アニメのオープニングとして完璧に機能していた。そして、それに付随するアニメーションも1期の「みっつ数えて大集合!」に比べて更に賑々しく、更にダンサブルに。小気味よく踊る三つ子の姿を見ているだけでも、満足できるだけのクオリティがある。

 そして、この曲をベスト3に食い込ませたのには大きく2つの視点がある。1つ目は、この曲を作り上げたクリエイター、前山田健一について。彼は、いわゆる「ニコニコアーティスト」の出身である。つまり、言い換えればこの曲は「ニコニコ原産」と言えなくもないわけだ。一昔前から、「ニコニコ動画に集まるような連中なんて」という風潮というのはどこにでもあって、実際、私自身も「素人が集まって気持ち悪い自己満足を見せ合っている場」であるという認識は今も変わっていない。そのほとんどは自己満足であったり、害悪であったりする場合すらあるだろう。1つの文化として形成された歪みきった土壌は、ちょっとでも遠くから観る視点を固めてしまうと、近寄りがたい異様さを孕んでいるのだ。

 しかし、昨今のアニメ業界は、このニコ動というフィールドを無視できない産業基盤として認識している。ニコ動で話題になれば宣伝効果はかなりのものになるだろうし、配信手段としても機能は低くない。これまでは「プロ」と「アマ」という決定的な差でもって隔たっていたアニメ業界そのものと「ニコ動文化」は、強引な擦り寄りによって、1つのパイプラインを作るに至った。その一端として現れているのが、「ニコ動アーティスト」のアニメ作品への流入だ。今期では「俺妹」がエンディング楽曲を全てニコ動で募集した企画が記憶に新しいし、「ヨスガノソラ」のエンディングもニコ動アーティスト、Team.ねこかんが関わっている。エアーマンまで馴染んでいた身としては、なんだかムズかゆいような気分である。

 そして、このヒャダインこと前山田健一だ。彼の場合、既にアニソン業界にしっかり食い込んでおり、今や完全に「プロ」のクリエイターとなっている。そして、その楽曲を聴くに至って、「しょせんニコニコアーティスト(笑)だろ」みたいな差別意識は湧かない。実力主義の世の中で、そんな壁なんてものは本当は無かったのだ、ということをまざまざと見せつけてくれるわけだ。この曲は充分に「アニメの看板」たるものとなっている。そして、それはあの「ニコ動」を発端とした文化の現れである。この流れは、今後の「アニソン文化」には間違い無く大きな影響を与える現象であるといえるだろう。

 そしてもう1つの視点は、これを歌っている声優のことである。そう、今期は「君がいる場所」「光のフィルメント」という2枚のシングルで、高垣彩陽がソロデビューした記念すべき年なのだ! 本当はこの2曲のうち1曲を選びたかったのだが、どちらもエンディング曲としてあまりに映像が適当だったので、流石に選出することが躊躇われた。それなら、彩陽の技能の表れである「キャラ声歌唱」の1つの形として、この曲を選んでもいいだろう。戸松のキャラ声、あけこのキャラ声、彩陽のキャラ声。どちらも素晴らしい(あけこはそのまんまな気もするが)。「声優ソング」という言葉は、かつては「下手でも許される免罪符」として機能する言葉だったように思うが、今となってはそれは通用しない。声の専門家である彩陽を筆頭に、井上麻里奈や喜多村英梨など、プロ顔負けの「歌える声優」は続々育ちつつある。そして、一般のアーティストには無くて彼女達にのみ与えられた特権が、「キャラ声歌唱」なのだ。改めて、丸井みつばとしての彩陽の歌を聴こう。彼女の限界は、まだまだ見えてこない。

 

第2位

‘05 「ゾイドジェネシス」 2期ED 「ありのままでLovin’U

‘06 「武装錬金」       OP 「真赤な誓い

‘07 「ひぐらしのなく頃に解」OP 「奈落の花

‘08 「狂乱家族日記」OP 「超妻賢母宣言

09 「獣の奏者エリン」OP 「雫」

‘10 「けいおん!!」OP 「Utauyo!! MIRACLE

 結果はどうあれ、「けいおん」という作品は「バンドもの」であるので、そこに関わる楽曲は非常に重要な位置を占める。作品2期にも実に様々な曲が登場し、そのどれもが密接に関わって、印象的な役割を果たしている。

 作中に実際使われたものに限定しても、初期オープニングの「GO! GO! MANIAC」に始まり、「Listen!!」「No Thank You!」「ごはんはおかず」「U&I」「天使にふれたよ」などがあり、この中から1つ選べ、と言われるとなかなか難しい。最後の最後まで悩ましかったのは、やはりクライマックスの盛り上がりを演出した曲たちで、最終回で涙を誘った「天使にふれたよ」は、素朴な仕上がりながら聞く度に涙ぐんでしまう佳作。「ただいまって言いたくなる」という2番のフレーズが何とも印象的だ。

 そしてもう1曲選ぶとしたら、スタイリッシュな中にも女子高生らしい、子供らしいわがままな主張が強烈な「No Thank You!」。日笠陽子のボーカルというのは不思議なパワーがあり、彼女が「想い出なんかいらない」と熱唱するパートは、本当に胸にくる。「締めくくり」としての選出なら、こちらでも文句無しである。

 だが、今回は敢えてお祭りムードのオープニングであるこちらの曲を選ばせてもらった。20話の感想ではこの作品を象徴する要素として「想い出」と「感謝」という2つを挙げたが、我々がこの作品に求めたものが「想い出」であるなら、製作スタッフが一番丁寧に作り上げた要素が、「感謝」の方であったように思う。「暖かみ」「近しさ」を重視する作劇であるために、放課後ティータイムに必要なものは、周りを取り囲む環境とのインタラクションであり、学園生活の楽しさそのもの。それがより鮮明に出ているのは、唯たちがちょっとやんちゃに机の上にのぼってライブを披露する、オープニング映像の方ではなかろうか。そして、このインタラクションの様子は、作品とファンを繋ぐ、より直接的な架け橋となったものでもあるだろう。

 もちろん、楽曲自体の完成度も非常に高い。初めて聞いたときには加工音源かと勘違いしてしまうほどハイペースで畳みかける歌詞は、とにかく意味が分からないけど盛り上がろう、というアニメオープニングのお手本のような勢いがあるし、無茶苦茶な歌詞も、緩さを信条とした唯のキャラクターにマッチしている。そして、この突拍子も無い歌を歌える豊崎愛生のスキルが半端じゃない。もちろん音源になる際にある程度の加工は施しているだろうが、彼女はちゃんとこれが「歌える」のである。メインサビだけでもいっぱいいっぱいに聞こえるのに、フルで聞いてらラストリフで更にキーを1つ上げてきたりする。よくもまぁ、ここまでのものになったものだ。

 最後を締めくくるのは「大好きをありがとう」の繰り返し。「愛を込めてずっと歌う」と言ってくれる唯の言葉には、本当に励まされる。これまでもこれからも、放課後ティータイムは永遠に放課後なんだろうと思える。見事な1本。

 

 

第1位

‘05 「ぱにぽにだっしゅ」 OP群

    (「黄色いバカンス」「ルーレット☆ルーレット」「少女Q」)

‘06 「うたわれるもの」PS2版・アニメ最終話ED「キミガタメ」

‘07 「ぽてまよ」  OP 「片道きゃっちぼーる

‘08 「ひだまりスケッチ×365」 OP「?でわっしょい

09 「シャングリ・ラ」OP 「キミシニタモウコトナカレ」

‘10 「侵略! イカ娘」OP 「侵略ノススメ☆

 わがアニソン遍歴を鑑みれば、やはり2010年を代表する1曲はこの曲ということになってしまうだろう。ささやかな狂乱を生み、誰一人不幸にすることなく、慎ましく流れた一時の癒し、「侵略! イカ娘」のオープニングテーマである。

 曲調は明快な電波ソングベースで、単調ながらも素直にノれる仕上がり。コール&レスポンスを最低限意識した抑揚の付け方は堂に入ったものだし、最近のアニソンではめっきり減ってしまった「アニメのためのアニソン」であることがよく分かる明快な歌詞も好印象。これさえ聞けばすぐにでもアニメ世界に没頭出来るという、お手本のような「オープニング曲」として機能する。そうした明快な方向性に、水島努が付与するメリハリの効いたアニメーションがベストマッチし、何度観ても飽きない画面になっているのもありがたい。わずか1分30秒の間でも、ちゃんと「あぁ、イカちゃんが可愛いなぁ」という、このアニメの持つ最大にして唯一の持ち味が発揮されるようになっているのだ。このあたりのそつのなさも、恵まれたスタッフの手による総合的なプラスポイントといえるだろう。

 で、表面的にはそうした「そつのなさ」が加点要因となるわけだが、この曲の場合には、個人的には「次なる萌えソングの地平」という意味合いが最も大きい。もっと分かりやすい言葉を使えば、「小池雅也の次のフィールド」ということだ。2004年、桃井はるこが眼鏡を置いた時に号泣した身には、小池アニキの刻むシンプルな打ち込み系メロディラインは魂の咆哮となる。

 改めて見てみると、わずか2年ちょっとという短い活動期間だったアンセブが残した「萌えソング」の遺伝子は、現在ではすっかり浸透と拡散の度合いを強め、様々なアニソン、ゲームソング、声優ソングへと受け継がれている。しかし、そんな中でもやはり小池雅也の作る音というのは独特である。音楽作りにおける「芯」は歌い手を少しずつ変えながらも脈々と繋がり続けており、アンセブからMOSAIC.WAVに続き、そしてこのULTRA-PRISMへとたどり着いた。はっきり言ってしまえば「アンセブ時代から何一つ変わっていない」音楽であるが、それ故に、ここが魂の帰るべき場所であることも疑いようがない。

 アニキとのタッグを組むボーカルの変遷も興味深い。始祖とも呼べる桃井はるこは、オタク文化の草分け的役割を果たし、萌えソングの定礎を示すほどの影響力を持つ人物。アニキ自身がどのように考えているかは定かでないが、彼女が作り上げた「萌え文化」により、小池節が1つの形を成したのは間違い無いだろう。次の発現となるMOSAIC.WAVについては、曲作りは柏森進の手によるものがほとんどであるが、アニキとの交流の深さも考えれば、その作風が大きな影響を受けていることは確実。そして、ボーカルのみ〜こは柏森・小池という癖の強いクリエイターの音楽を軽々と受け止め、100%以上のクオリティでもって表出することが可能な万能の歌い手である。

 この流れで見ると、ULTRA-PRISMのボーカル月宮うさぎは、歌い手としてのスキルは弱い。歌唱力もそうだが、声の存在感やトーン、パフォーマンスに至るまで、モモーイ、み〜こという大きな存在に太刀打ち出来るレベルではないのが現状だろう。だが、そうした短所は認めながらも、この「侵略ノススメ☆」においては、卓越した作詞のスキルが可能性を感じさせる。シンプルな萌えソングとしての盛り上がりを維持しながら、まずアニメソングとして「主題歌」の品格を確立させ、その上でオタクソング的なダブルミーニングの含意までも持たせてしまった作詞の重層構造は、悪戯心に溢れる「電波ソング」にはなくてはならないものだ。ことこのセンスにおいては、月宮もモモーイ、み〜こに並ぶだけのものを持っている。そして、それをアニキが受け入れて、新たな「萌えソング」の可能性を見いだしたというわけだ。これ以上に喜ばしいことがあるだろうか。

 いつ聞いても、何度聞いても、あの「萌えソングを極める」と叫んだモモーイの志に帰ってくることが出来る曲。それが作り続けられているうちは、僕らはまだまだ戦える。間奏で響き渡るアニキの自重しないギターソロを聴く度に、そんな安心感が得られるのである。

 

 

<キャラクター部門・男性キャラ> 

 個別のキャラクターについて、私の好みを吐露する部門。でもまぁ、男連中はさほど興味が……

 いや、大丈夫です。ちゃんと今期だって魅力的な男性キャラが多数登場しましたよね。なかなか順位を付けるのが難しい部門なんですが、ざっくりと見ていくことにしましょう。

 過去の受賞遍歴を見れば分かるのだが、私はこの部門で「ヘタレ」を選出することが多い。アニメを楽しむ上での1つの条件に「共感」というものがあるために、あまりヒーロー然としたキャラクターには没入しにくい、というのが主な理由。やっぱり駄目な部分が多いキャラクターの方が、見ていて味があることが多いんですよね。

 そんなわけで、今期も多数登場した「ヘタレ系主人公」。例えば「お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからね!」からは、作品の根幹を成している(はずの)「お兄ちゃん」こと高梨修輔君。土下座が最大の武器である主人公キャラって、珍しいよね。他にも、ヘタレ度合いでは更に磨きがかかった主人公としては、「世紀末オカルト学院」の内田文明。最終回の覚醒シーンまで含めた「よわっちい男の戦い」は、胸にくるもんがありました。そして、異質の駄目さ加減を誇る主人公には、「さらい屋五葉」の朴念仁、秋津政之助もいる。彼の性根が、この作品のスタート地点。江戸時代でもニートはニートですよねぇ。

 こんな情けない奴ばかりを見ていても憂さは晴れないので、もう少し信念が強そうなキャラを見ていこうか。例えば「レベルE」のクラフトなんかはどうだろう。子安ボイスがここまではまるとは思わなかった、生まれながらの苦労人。見ていて胃が痛くなりますね。従順な家臣、という意味では「刀語」の左右田右衛門左衛門も実に良い忠義を見せてくれたキャラクター。そういや、「刀語」は真庭鳳凰真庭蝙蝠宇練銀閣などなど、イカした敵役が多くて毎回ワクワクしましたね。敵役と言えば「STAR DRIVER」のヘッドことミヤビレイジさんが忘れられないんですけど。石田彰ボイスの時点で卑怯なんだな。

 もう少し軽いギャグのノリが欲しいなら、「探偵オペラミルキィホームズ」を毎回かき回したトゥエンティあたりか? くそ、あんなに気持ち悪いのに気づけば癖になってるっていう……いやいや、変態レベルでは「パンスト」のガーターベルトだって負けちゃいない。無駄に石井康嗣のいい声で変態ホモプレイに耽るってんだから、やってられない。

 駄目だ駄目だ! もっときちんとした信念を持った男前キャラはおらんのか? あ、「HEROMAN」のDr.ミナミなんかは、ものすごく強烈な信念があるキャラでしたね。最終回まで含めて、かなりのお気に入りキャラでした。

 あ、そうだ、格好いい主人公が1人いた。「屍鬼」で最後の最後まで苦境に立ち向かい続けたたった一人の英雄、尾崎敏夫だ。「屍鬼」という物語は尾崎の物語と言ってしまってもいいもので、彼の執念がなければ、この作品は完成しなかった。ちょっとマッドな要素が入っちゃったところまで含めて、今期では最もパワフルな主人公と言えたキャラかもしれません。

 さて、あと3人選ぶよ?

 

第3位

‘05 「灼眼のシャナ」より「“蹂躙の爪牙”マルコシアス」

‘06 「コードギアス〜反逆のルルーシュ〜」より「ジェレミア・ゴッドバルト」

‘07 「CLANNAD」より「春原陽平」

‘08 「SOUL EATER」より「鬼神・阿修羅」

09 「亡念のザムド」より「寺岡フルイチ」

‘10 「会長はメイド様!」より「碓氷拓海」

 ヘタレを選ぶ傾向にある、とか言いながら、真反対のキャラクターをいきなり選んでみました。いや、彼の場合はイケメン度数が完全に埒外の領域まで飛び抜けてしまっているので、一周回ってギャグキャラ扱いで問題無いと思いますよ。

 番組の感想でも書いたのだが、この作品が面白かったのは、ひとえに碓氷が完璧超人すぎたおかげである。あの鮎沢美咲を最後まで苦しませた超人的な能力は、この作品から余計な現実感を取っ払い、ただただ美咲が悶える姿のみを楽しませてくれる舞台だけを残してくれたのだ。どこまでもクールに、どこまでも非現実的に。どれだけ美咲が苦しい状況に立たされようとも、「相手が碓氷じゃ仕方ない」と、その一言で作中のキャラたちも、視聴者たちも諦めてしまえる。そんないき過ぎた舞台装置が、碓氷という男だったのだ。油断すると、同性でもフェロモン星に連れて行かれそうになりますな。

 

第2位

‘05 「魔法少女リリカルなのはA’s」より「レヴァンティン」

‘06 「ネギま!?」より「モツ」

‘07 「天元突破グレンラガン」より「ロシウ」

‘08 「コードギアス 反逆のルルーシュR2」よりルルーシュ・ヴィ・ブリタニア

09 「化物語」より「阿良々木暦」

‘10 「四畳半神話大系」より「私」

 ここでこういう選択をしてお茶を濁すのは申し訳ないのだが、やはり改めて考えると、「四畳半」はものすごい作品だったと思う。全体構成もそうだし、個々のエピソードのこだわり抜いた画面演出も凄まじい。今回イマイチ選びきれずに他の部門には選出していないのだが、この作品が今年を代表するアニメだ、と言われても文句をいう気はない。

 そして、そんな作品をたった1人で成立させていたキャラクターが、「私」である。本来ならば小津とどちらを選ぶかは迷うところだが、あの最終回があるのだから、ここはひとまず「私」ということで問題無かろう。言うなればこの「四畳半」という作品は「私」そのものであったのだから、ここでキャラクターとして選出することは、それすなわちこのアニメ自体を評価していることの表れであると受け取って欲しい。

 そしてもちろん、この選出の裏には、中の人である浅沼晋太郎に対する敬意も含まれている。「四畳半って、何がすごい?」と聞かれたら、迷わず「監督と、あと浅沼君」と答えるしかない。それくらいに、この作品がもったのは浅沼君の力である。本当に芸達者なお方だ。あ、震災の時には真っ先にしゅが美の無事を知らせてくれてありがとうございました。ほんと、泣きそうでした。

 

第1位

‘05 「アカギ」より「浦部」

‘06 「うたわれるもの」より「ハウエンクア」

‘07 「大江戸ロケット」より「赤井西之介」

‘08 「仮面のメイドガイ」より「コガラシ」

09 「花咲ける青少年」より「クインザ・ハフェズ」

‘10 「魔法少女まどか☆マギカ」より「キュゥべえ」

 今期最も世間を騒がせたキャラクターといったら、こいつしかおるまい。男キャラかどうかはやや微妙なところだが、少なくとも女性ではないから、一応ここでエントリーさせてもらった。

 魔法少女のマスコットにして、ラスボスにして、宇宙の使者にして、淫獣にして、空気読めない奴にして、詐欺師。なにコイツ。こんなキャラクターは、おそらく後にも先にもこのインキュベーター様だけであろう。こいつ一匹でこの作品は成立しているのであるから、魔法少女とか魔女とか差し置いて、とにかくキュゥべえ様をあがめ奉るところから始めなければならないのだ。誰かサンドバッグ持ってきてくれ。

 そしてこちらも当然、中の人である加藤英美里の頑張りを評価する必要がある。最初のうちは「なんだか英美里も安定という名のつまらないところに落ち着いた感があるなー」と思って聞いていたキャラ作りだったのだが、「こうなる」ことによって、1話から作り上げてきたキャラ付けの意味が分かり、「あぁ、こいつぁ無茶苦茶な役だ……」と天を仰いだ。このキュゥべえを演れ、というのはかなりの無理難題。そして、受けた人間の心境こそいかがなものか。「どんな役でもやれるのが声優の楽しさ」というのはよく聞く話だが、中にはあまり経験を共有したくないキャラクターだっているよなぁ。英美里がシャフト作品でやった役っていうと、このキュゥべえ以外には「八九時真宵」……まともな身体持ってないキャラばっかりやな……

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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