普通に気になるアニメ、第3話。こちらもいい具合ですね。同じくNHKで放送していた「十二国記」に通じる雰囲気があるようにも感じる、この容赦ない世界観と緊張感。
いろんなところでちゃんと世界を作ろうとしているのがわかる作品で、最大のヘンテコポイントである「カラスに変身する人間」(人間に変身する鳥?)という設定が、想像以上に根深い概念であることが明かされたのが今回のお話。まずもってこの世界は多分全員が鳥。1話目の導入だとその辺がはっきりしてなかったんだけど、鳥っぽくなかった4つの宮の姫君らについても、自分たちが「ほとんど烏に変化したことなどない」という認識であり、それはつまり化けようと思えばメタモルフォーゼが可能ということになる。どう考えても烏形態の方が便利なタイミングってのは多いはずなのだが、それでも変身しないということはやはり貴族連中にとっては変化がどこか下卑たものであるとか、下賤な存在との繋がりを意味する行為に映っているということなのだろうか。まぁ、「変身したら服はどうなっちゃうんだよ」とかいう現実的な問題もあるのだが……少なくとも主人公・雪哉の変身を見る限りでは解除後にすっぽんぽんということはなさそう。
そして、「身分の高い人があんまり烏に変身しない」のと真逆の概念として、「ウマ」という身分(?)があり、そちらは今度は「人間の形態をとってはならない」という制約がある最下層民の扱い。烏は烏だがこの世界の人間はみな「八咫烏」で、3本目の足がついている。その足に拘束具をつけてふんじばることで人型に化けることができなくなり、移動用の家畜同然の扱いになるとか。これがなんともエグい設定。まー、古代・中世の身分差なんてガチでそれくらいの扱いだった可能性はあるけども。
こうして「鳥であること」があまり良いことだと思われてない風潮があるくせに、民のてっぺんに立つ人間が「金烏」と呼ばれ、「本物の金烏」とかいうスペシャルの権威が強いという。実際、「真の金烏」ながらもうつけと呼ばれていた若宮がどんな人物かが描かれたわけだが……これまた一筋縄ではいかないやつらしい。今後は雪哉とこの若宮の間のあれやこれやでどんどんお話が転がっていく感じになるのかしら。
ヘンテコ世界には違いないが、なるほどアニメ化されたのもなんとなくわかる気がする作品。ちなみに今回のコンテが川面真也氏だったのでちょっとびっくり。なんか、監督のコネで強い人脈集められそう。
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