○「ATRI -My Dear Moments-」 6
こっちの妻はちょっと感情がある。いや、妻じゃないけども。いや、感情があるかどうかも分からないけども。あるのかい、ないのかい、どっちなんっっだいっ。
というわけで、尽きることなき機械生命ものである。機械なヒロインを描いた作品では昨年度「SYNDUALITY Noir」という佳作が誕生したが、今作も設定自体は似た部分が多い。一度なんらかの原因で荒廃してしまった世界で主人公の男の子が偶然拾った機械仕掛けのヒロイン。記憶があったりなかったりするが、果たして彼女はこの世界の真実に繋がっているのか否か。まぁ、ノワールの世界観に比べりゃぁこちらは純粋に自然災害での荒廃世界っぽいので、なんらかの敵とドンパチするようなバイオレンスな展開にはならず、機械ヒロインの大先輩・マルチさんが代表するようなギャルゲー展開にはなるようですな。
というわけで確認したところ原作はゲーム。エロゲなのかと思ったけどWikiの表記ではCERO:C程度ということでエロゲってわけでもなさそうだし、やはり「ギャルゲー」というのがしっくりくるジャンルなのかしら。残念ながら名前は聞いたことがないのでどの程度展開された作品なのかも今ひとつピンとこないが、ここ最近はこの手のゲームからのアニメ化ってのもとんと見なくなってしまったので、そんな時代にわざわざアニメになってるということは、それなりに期待されてのものなのかもしれない。
制作はTROYCA、そして監督は加藤誠ということで悪くない座組み。TROYCAというと白い画面の印象が強いが、今作は「海! 夏!」みたいなトロピカルなイメージが優先されているおかげか、過去の作品に比べるとやや原色寄りで見やすいカラーデザインになっている。その上での作画力はさすがのもので、ヒロインのコミカルな表情変化なども実に自然に見せてくれているし、1話目での印象はなかなか良い。まぁ、ここからどれだけシナリオラインだけで持っていけるかは結局未知数なのだが……最近のギャルゲアニメというと、「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」が今ひとつだったので、できればしっかり画面のクオリティを維持しつつ、業界の期待を背負って戦っていただきたいところ。
一応もう1つ推せるポイントがあるとするなら、ヒロイン役に満を辞して出撃してきた赤尾ひかるの存在が挙げられる。以前その筋の詳しい人から赤尾ひかるがギャルゲー方面でいい仕事してるみたいな話も聞いた気がするし、この辺りがホームグラウンドなのかもしれん。こんな声質のくせして、やたらと業の深いキャラが回ってくることが多い気がするのも、業界の期待の表れなんじゃなかろうか。
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