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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「僕の妻は感情がない」 4→5

 終わってみればいい話。この展開でいい話風にまとまっちゃうのもアニメ文化のなかなか異常なところではあるよな。

 新番チェック時の感想は「キモい」だった。そしてその評価は全く変わってないはずなのだが評価は上がっている。その理由は「きちんとキモかった」からである。もうちょい言葉を変えるなら「責任あるキモさ」とか「覚悟を決めたキモさ」と言えるかもしれない。異常性を安易に放置して萌えやギャグに逃げるのではなく、異常な設定であることを充分に承知した上で、そこに重きを置き、そこを起点としたドラマ作りを実現させている。キモいものにはキモいなりの責任が生じるが、その見返りとしての際立ちも手にすることになる。

 「家電が嫁」という設定自体はそこまで目新しいものではないというのも新番チェック時に書いた通りなのだが、このポッと出の思いつきで1クールのアニメを作るとなるとかなりの難行。確認したら原作もスタート時点ではTwitterの落書きから思いついたような1コマ2コマ程度のネタが起点だったようだし、そこから膨らませて「ホームドラマ」にしようとすると、すげぇ安易にお茶を濁して「最初の設定どこいってん」みたいな流れになりかねないところだ。しかし、今作はとにかく「そう、主人公のタクマは頭がおかしいんですよ」ということを認めつつ、だからとてタクマを異常者扱いして馬鹿にするとか、自虐を突き詰めたネタ回しにするのではなく、「異常だと分かっていても、本人からみれば間違いなく純愛。それを認められる世界があったっていいじゃないか」と唯一にして最大の個性を突き詰め、そこに真っ正直なドラマ性を生み出している。ここまでしてくれるなら、キモさも強さである。いや、1クールのドラマを見せられた後では、もはやタクマたちはキモくない。彼とミーナの関係性に祝福を送れるようになってこそ、今作の評価は上がるというものだ。

 今期は図らずも「ATRI」とこれの2本同時進行だったことも、忌避することなく今作を飲み込むことができた外的要因になったかもしれない。かたや「どう見ても人間にしか見えないヒューマノイドの中にあるロボな部分に気づき、その上で人間性を与えてやる」ドラマ。かたや「どうみてもロボにしか見えない家電の奥底に眠る可能性に期待し、人間性を見出してやる」ドラマ。真逆の構造のようではあるが、「人間性とは何か」を考えさせられる部分は一緒だし、結末も満足いくものであった(ATRIの方はまだ終わってないが)。

 まぁ、どんだけ言うてもキモく見える人にはキモいままだろうし、この文化が万人に受けないからこそ成立するという逆説的な状況でもあるとは思うけど。いいじゃない、人間(かもしれないもの)だもの。

 

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