最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
甲斐田ちゃん。甲斐田ちゃんのことは「甲斐田ちゃん」と呼んでしまうのだが、元々誰発信だっただろう。多分同年代の誰かと話してる時の呼び方なので、多分中原麻衣とかその辺だと思われる。さて、ここにきて実はかなりレアなケースの方が登場することになりました。なにしろこの甲斐田裕子、本企画に居並ぶ残りの99人と異なり、ほぼ「単体での主演アニメが無い」という状態なのである。一応探せばスタッフロールのクレジットのトップに名前がのるアニメもゼロではないかもしれないが、おそらくよっぽどのファンでない限りは「甲斐田裕子が主演だったアニメは?」と聞かれても答えられないだろう。「傍で渋く活躍する声優が好き」というのはたまに言及している部分なのだが、彼女は「サブの声優」という印象でもないのがまた不可解で。そんな唯一無二のポジションで今もバシバシアニメに出演しまくっている甲斐田ちゃん。しっかりと取り上げるのは初めてかもしれません。
・馴れ初め 大丈夫かとは思うが念のために先に断っておくと、「主演作品が無い」というのは別に謗る目的の言及では無いし、あくまでも「僕らが見ているアニメ媒体では」の話。甲斐田裕子の主戦場は吹き替え作品であり、外画の吹き替えなら主演作品が山ほどあるってのは今更触れる必要もないだろう。「アニメ声優」と「吹き替え声優」ってのは何となく実績でユルい線引きがなされる感覚もあるが、私の中の甲斐田ちゃんは決して「外画声優だから専門外」ではない。私のようにアニメにしか興味がない人間でも、甲斐田ちゃんの声を聞いたら「あぁ、絶対どこかで聞いたことある」ってなる程度にはアニメでの存在感も発揮しているのだ。 そんな甲斐田ちゃんとの出会いは「光と水のダフネ」である。厳密にはがっつりメインキャラで登場した「一騎当千」シリーズの呂蒙の方が世に出たタイミングは早かったはずだが、確か私の家ではこのアニメが視聴できなかったんですよ(当時はまだAT-Xにも加入してなかったんで)。後々のシリーズで呂蒙を見る機会はあったが、時系列は逆になる。さて、これを読んでる人の中で「光と水のダフネ」を観ていたという人がどれくらいいるものだろう。今確認したら2004年の作品。一応メディアミックスはしてたけど基本的にはアニメオリジナルで、2クール放送して特に世間に爪痕を残したわけでもない地味な作品。「前貼りアニメ」という謎の設定が一部のオタクに注目されが、お話の方もそこまでかっ飛んだものではなく、贔屓目に見ても「まぁ、それなりのアニメ」くらいだったんじゃなかろうか。 そんなアニメが強烈に印象に残っているのは、むしろ作品本体ではなくアニメ放送に付随したアニラジの方だった。この当時はぼちぼち世間のネット環境も固まっており、ネット配信ラジオもかなり数を増やし、声優オタクになりたての人間にはありがたい社会になりつつあった。そして今作は私を声優沼に沈めたきっかけである大原さやか・浅野真澄のコンビがメインで出演しており、ラジオのメインパーソナリティが中原麻衣・岩田光央という飛び道具要素強めの2人。このラジオもかなり面白かったと記憶している。 そして、そんな些か危ういラジオ番組の収録ブースのすみにひっそりと現れたのが、当時アニメ声優としてはまだまだ駆け出しだった甲斐田裕子であった。作中では主人公が所属する会社の同僚ポジションだった甲斐田ちゃん、ソロでゲスト出演もあったかもしれないが、このラジオはやたらまとめてゲストを呼んでくる傾向があり、他のラジオモンスターたちがどったんばったん大騒ぎしている中にこっそり混ざり込み、そのくせ堂々とトークに切り返していた甲斐田ちゃん。声質のせいもあるのかもしれないが、当時からやたらと落ち着いてて動じない性格だったような気がしている。この時点で既に吹き替え声優としてもキャリアを積んでいたおかげか役者としての仕事も安定しており、この「やたら腰の座った若手声優」の印象は下がる理由もない。元々ハスキーボイスも好みのタイプだったこともあり、確か私は当時から甲斐田ちゃんの情報を調べて慣れない吹き替えドラマを齧ってみたりもした(「トゥルー・コーリング」っていう検死医を主人公にしたタイムリープもののドラマだった)。まぁ、慣れなかったもんでそれは途中で視聴をやめちゃったはずだけど。今確認したらドラマ自体は打ち切り扱いだったらしいわ。 まぁとにかく、そうしてひょっこりと業界の隅に居着いていた甲斐田裕子。その稀有な声質の存在感を活かして、「決して主役を取らずに」じわじわと業界で勢力を拡大していくその様は、数多描かれる声優ドラマの1つとしても興味深いものである。
・良きところ まー、声質ですよね。以上です。 ……全員この一言で事足りるやんけ、という気もするんだけども……まぁ、甲斐田ちゃんをご存知の皆さんならこれで理解してもらえるでしょう。分類としては確実に「ハスキーボイス」にカテゴライズされる声質、決してきゃぴきゃぴの女子高生ヒロインなんてものは回ってこない星の下に生まれており、今にして思えは(眼帯格闘マッドとはいえ)JK役だった呂蒙は貴重だったのかもしれない。 彼女が決して舞台の中心に据えられないのは、単に現代日本のアニメが「甲斐田ボイス用」にチューンされていないだけ。吹き替え作品でガシガシメインを張ってることを考えれば、これがアメリカンなハードドラマだったら嫌というほどしっくりくるってのは自明であろう。「じゃぁ、そんな声は日本のアニメに求められてないの?」という質問に対しても否であることは歴史が証明している。現在は既に中堅からベテランの域に達しつつある彼女だが、その仕事が途切れた時期はなく、常に何かしらの作品でその声を発信し続けている。特に責任のあるポジションに回される傾向が強いことから組織の幹部とか、管理者の雰囲気が強いのに、不思議と「悪の組織の幹部」みたいなものが回ってくる印象はそこまでない。基本的には「法と正義」に則った役柄にフィットするあたり、同じハスキー路線の朴璐美や田中敦子あたりと比較してみるのも面白いかもしれない。 これだけ声のイメージが固まっていて「○○な役ならとりあえず甲斐田ボイス当てとけば大丈夫だろ」みたいな圧倒的信頼感を勝ち取っているからこそ、そこから意外な方向に振れた時のマッチングも面白いところ。直近だと「ドッグシグナル」の律佳役あたりはあんまり「らしく」ない役柄だったにも関わらず、主役の鈴村ボイスとのバランスの妙が絶妙な距離感と生活感を生み出していたのがお見事だった(まぁ、幼少期の声で別な女性声優をあてがわれるあたりがあまりに甲斐田ちゃんだが)。 この手の「低音部門」の女性声優は、なかなか若手が出てきにくい傾向があり、私の中で甲斐田ちゃんの後継は未だ明確に現れていない。本田貴子・園崎未恵といった「強い声」の流れで突然変異的に業界に生み落とされた甲斐田ワールド、この先の時代、果たして誰がどのように受け継いでいくんだろう。
・お勧めキャラ3選(ぐらい)
・「とらドラ!」より「狩野すみれ」 ほら、責任感ある立場ですよ。ラノベにありがちな「権限も性格も強烈な生徒会長」ポジションの狩野すみれ。この人の声が、私の中での初期甲斐田裕子の印象を決定づけるものになっているんですよね。北村との関係性は今作を傑作たらしめた大きな要素の1つで、選挙演説での見事な切り返し、そして陰で明かす心の奥底。圧倒的な大きさ、圧倒的な人徳。どうしても浮ついてしまうラノベアニメの名シーンを、ずしりと地に足つけたドラマに仕上げたのは(もちろん大河や北村の手柄もあるが)、全てを受け切った生徒会長の功績に他ならない。業界が甲斐田ボイスの使い方をしっかり分かっているという好例である。
・「とある魔術の禁書目録」シリーズより「黄泉川愛穂」 多分甲斐田ちゃんがアニメシリーズの中で最も長く付き合ってるだろうキャラ(いや、呂蒙の方が長いのか?)。こちらは多少砕けた雰囲気が楽しめる「ラフなことやってる方の甲斐田ボイス」だが、それでも学園都市の立派な先生だし、アンチスキルで武闘派もがっつりこなせるという意味ではやはり基本線がブレてない。この世界は変なキャラがてんこ盛りだが、そんな中でも単なる一教師のくせに「語尾が変」という安易な属性を与えられてしまった黄泉川先生。そのギャップがまたヘンテコな味わいになって「ガワをどう包んだとしても甲斐田ボイスは強いな……」というのがよく分かるのである。そういや同僚の小萌先生の中の人(中の人も同世代!)は最近あんまみないけど何してんのかなぁ。
・「約束のネバーランド」より「イザベラ」 結局3キャラとも「人の上に立つ」役職になってしまったのはどうしようもないが……こちらは、甲斐田ボイスを全力で悪い方に振り切った時にどうなるかという実験である。そらもう、どうしようもない圧倒的ラスボス感を醸し出してくれるのは間違いないし、最終的に今作におけるイザベラは単なる巨悪で終わらずに人間的な強さも見せつけてこの世界における強さそのものを見せつけた、怪物のようなキャラである。そして、甲斐田キャラならフィジカルでの優位から他者を脅かすことも容易だろうに(個人の感想です)、あくまでも策謀と度量で主人公たちを苦しめるというスタンスも心憎い。声を荒らげるだけでなく、静かに泰然とした中にも垣間見える強さ。これが醸し出せるからこその、業界での特異点なのである。ちなみに同様のポジションに「真賀田四季」ってのがあるんですが、そっちはあんまり台詞数が多くないので一応ピックアップはしなかった。The Perfect In甲斐田。
こうして他の役者さんと明確に違うポジションの人は取り上げる意義があってとても良いですね。次回は……さて、どれくらいの長さになるか……。
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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