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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 能登かわいいよ能登。当企画もようやく1/4。記念すべきクォーターで登場するのは、こちらのレジェンド。能登麻美子だ。麻美子のことは「能登」とも呼ぶが「麻美子」と呼ぶことも多い。これは当時彼女の話題を出すことが多かった賢プロ勢(生天目仁美・伊藤静)が最大級の親愛をこめて「まみこ」と呼んでいたことに引きずられている。

 




 

・馴れ初め

 長い付き合いにはなったもので、その端緒を思い出すのはなかなか大変だが、実は彼女との出会いはアニメではなくラジオ番組である。当時ラジオ大阪主体で放送していたのが愛河里花子・宮村優子の2人をパーソナリティに据えたカオス番組「ゆる蔵、うれしいね。」。何きっかけでこの番組を視聴していたのかよく覚えてないんだが、もしかしたら放送枠の前後に何か別な番組を聞いていたとかかもしれない。もしくは単純に愛河里花子という破壊兵器の番組が気になっただけかな。

 そんな雑多な番組の中、番組アシスタントとしてワンコーナーで起用されたのが、当時駆け出しだった能登麻美子だった。まだ右も左もよく分かってないようなひよっこ麻美子は業界のごろつき愛河に散々にいじられ、今の時代だったら下手したらアウトじゃねぇかと思うレベルの下ネタの犠牲になったり、とにかく不憫な立ち位置。「この子、この先声優としてやっていこうとか思えるんかな……」と不安になったものである。もちろんこの時は「声優」能登麻美子など全く意識するきっかけにはなっておらず、「なんか生真面目で大変そうな子がいる」くらいの認識だったとは思うが、すでにこの時点で発声の個性が強かったために、どこか記憶の片隅に引っかかっていたんじゃなかろうか。

 そのあたりの時期にも端役でちょこちょこアニメ出演はしていたようだが、私がキャストロールではっきりと能登麻美子の名前を認識したのはそこから数年後、記念すべき彼女の主演作品「成恵の世界」である。作品自体の記憶は1ミリも残っていないが、確か「あ、ゆる蔵でいじられてたあの子、メインヒロインゲットできたんや」と思った記憶はある。そしてそして、この作品がとても印象に残っていたのが……「下手」だったからである。当時も多分ネットで叩かれてたとは思うのだが、そりゃまぁこのヒロインの子、棒である。つまり最初期の能登麻美子は「悪い方の意味で」印象に残った。「なんでこんな子引っ張ってきたんや」と思っちゃう方のパターンだったわけだ。検索してみたら当時の能登の音声がニコニコ動画に残っているのでせっかくだからリンク貼っておくが、まぁ、今の麻美子を知ってる人間からしたら「これ、キャスティング側の起用法にも責任ないか?」とは思わないでもない。でも、多分当時の声優の売り出し方といえば、やっぱりアイドル的な方向性を1回は狙っていくのが常道だったのだろう。適材適所も何もないな。必死に頑張った麻美子ボイスも、残念な意味で我々の胸に直撃してしまった。

 かてて加えて、なんとか売り出そうとする業界の流れにぶつかる要素が発覚する。ご存じの方も多いかと思うが、この当時の能登麻美子、致命的に……お歌が下手だったのだ。そりゃね、当人からしたら「役者がやりたくて声優目指したのになんで歌わなきゃならんのじゃ」って話で、全くもって不当な要求だったとは思うのだが、各所でキャラソンやらタイアップやらを求められ、割とあっさりと判明する「能登ソング」のリスク。下手という言い方に角が立つなら「怖い」と言い換えてもいいかもしれない。そもそもがアイドル営業に向かない声質の人間を素材に、業界も事務所も、しばらく能登麻美子という天然素材の扱いに困ったのかもしれない。その後も「苺ましまろ」のアナや「ケロロ軍曹」のモアなど、高音域でのお仕事は比較的多く回されているのが印象的だが……もちろん業界人とて馬鹿ではない。そして何より、能登麻美子という素材自体のポテンシャルは尋常じゃなく、それが最大限に発揮される形があるだろうことは、本人もよく分かっていたはずだろう。少しずつ、その「武器」は研ぎ澄まされていく。実戦に即して次第に切れ味を増し、前代未聞の「妖刀」能登が完成するまで、さほどの時間はかからなかった。

 

 

・良きところ

 今更何をか言わんや、といった感じだが……本当に唯一無二、絶対不変、唯我独尊なその声質こそが能登麻美子最大の武器。これまで紹介した「変な声」部門の久野ちゃんやしーたむとは違うので「似た属性の声」はあるかもしれず、たとえばデビュー直後の早見沙織なんかは「能登の後継」とか言われてた時期もあったことはあったが、今となっては2人の声は全く別方向を向いているし、やはり未だ能登の後に能登は無い。ずっと以前にどこかの記事で「1/fのゆらぎを持つ声」なんて評されているのを見たことがあるが、とにかくえもいわれぬ、深く沈み込む独特の発声法は誰にも真似できぬ。西尾維新風に表現するなら、泰然たる、厳然たる、超然たる声帯の魔女。そのあまりの謎めきように人々は彼女を評する言葉を失い。残されたダイイングメッセージが「能登かわいいよ能登」なのである。

 後から考えれば、当時主役に抜擢された成恵で棒声優呼ばわりされたのも、地獄の底から響くようなお歌で国民を恐怖のズンドコに陥れたのも、麻美子の責任ではなくて周りがこの「妖術」を扱いきれなかったがための失態である。いや、もちろん役者として未熟だったってのはあるだろうが、あまりにも前例のない声だったため、業界が扱い方を知らなかったのはしょうがないことだし、おそらく能登麻美子を声優として指導する教師やディレクター、音響監督に至ってすら、彼女をどう伸ばすべきかが分かっていなかったのだ。既存の方法論に当てはめて「あれ、この使い方だとダメだな」と気づくまでに数年。そしてそんな周りの反応を伺いつつ、本人が自分の武器をチューンして完成させるまでが数年。そこまで熟成されて、初めて魔道は成る。今にして思えば、2006年時点で「殺戮人妻キャラ」というとんでもねーキャスティングに当時26歳だった能登麻美子を起用している「ウィッチブレイド」こそが先見の明を持ったスタッフだったのかもしれない。

 こうして武器を確立させ、「癒し」と「呪い」を自在に行き来できるようになった能登麻美子。あとは単なる殺戮劇であり、「ただ声を発するだけ」で人を殺せることに気づいてしまう。故人個人的には柿原徹也と担当してた「鉄のラインバレル」のラジオの身も蓋も無いいじられトークとかも最高だった記憶。これは声質云々以前にご本人の人柄も強く出てるところでしょうね。

 そう、麻美子といえば「魔女」なわけだが、これは声ヲタ的人気とかそういうものを表すものではなく、業界全体での能登麻美子というミラクルの扱い方にもよく現れている。上でも名前をあげた生天目仁美・伊藤静が代表選手だが、当時からの業界での能登麻美子争奪戦は壮絶なものだった。百合営業なんてちゃちなもんじゃない。いや、営業要素もゼロではなかろうが、もうね、周りの共演者全員が、多分麻美子のことが大好きなんですよ。一目見るだけで惚れるんですよ。隣に置いときたいと思っちゃうんでしょうね。百合だのなんだのじゃなくて、それはただ純粋に、人間としての彼女の魅力なんだと思いますよ。いいですか、改めて今回のテキストの大意をまとめます。

 

能登 かわいいよ 能登

 

 

・お勧めキャラ3選(どころか)

 はいリミッター解除。当たり前だろ!

 

・「マリア様がみてる」シリーズより「藤堂志摩子」

 志摩子さんあたりが麻美子ボイスの使い方について、業界全体で「あっ、これじゃん」と気づけたタイミングだった気もします。百合作品の金字塔とされる今作ですが、ここでいちゃついてた聖さまと志摩子の関係性が中の人的にパラダイスだったという話。

 

 

・「妄想代理人」より「鷺月子」

 個人的に麻美子のイメージを決定づけた役その1。月子については作品のネタバレになっちゃうのであんまり多くは語れないのだが、とにかくトリッキーでつかみどころがない彼女のキャラクターが、少しずつ実体を得てどうしようもないくらいにあけすけになっていく過程が作品の本質そのもの。この段階で「能登魔道」のゴールが見えていた今敏はさすがとしか言いようがない。

 

 

・「ウィッチブレイド」より「天羽雅音」

 上述の通り、運命の因果に囚われたシングルマザーという業が深すぎるキャラを麻美子に任せたのは英断ですよね。まぁ、音域自体は低いから年嵩の役を任せてもそこまで違和感はなかったろうが……って思って確認したら、雅音って作中で23歳じゃん。失礼しました。

 

・「sola」より「四方茉莉」

 これも世間にはあまり知られていない佳作なんですけどね。魔女たる能登麻美子の片鱗を垣間見せてくれる良きキャスティング。ヒロイン勢のパワーバランスが強烈。

 

・「CANAAN」より「ハッコー」

 上で意識して書いたんですが、こちらのハッコーさん、マジで「声を聞かせるだけで相手を殺す」っていう能力者なんですよ。そんな罪な役を麻美子にやらせます? やらせますよね。ですよね。説得力の塊。

 

・「君に届け」シリーズより「黒沼爽子」

 貴重な能登麻美子ピュア系正統派(?)ヒロイン。キャリアの初期からズドンとこの爽子的な配置に焦点が当たってればもっと早い段階で麻美子地獄が訪れていたことだろう。可愛いんですよねぇ。

 

・「戦国BASARA」より「お市」

 地獄に引き摺り込むタイプの麻美子の初期の傑作。どのキャラも節操なく暴れ散らかすおふざけ作品なせいもあり、ほんとのほんとに救いがない麻美子ボイス。第六天魔王、もうちょい手加減してほしい。

 

・「花咲くいろは」より「輪島巴」

 北陸万歳! ちゃらんぽらんな能登麻美子からしか得られない養分ってのもあるんですよ。そして能登麻美子の能登弁からしか得られないものもたくさんあるので。巴さんはほんとにいい女なんだぜ。ちょっと行き遅れて焦ってるだけなんだ(まだ20代やぞ)。

 

・「有頂天家族」シリーズより「弁天」

 これも業が深すぎる能登。神は神なんだけど、人の身から神に引き上げられたという経歴を持つ弁天の超然たる振る舞いと、その裏に隠された哀愁。未だに寺町通りに行ったら時たまアーケードの上をひょいと見上げてしまいますね。

 

・「四月は君の嘘」より「有馬早希」

 「能登の母親役」もこの辺りですでに完成系に至っているし、「能登の呪い」もすでにネクロノミコンに封印されています。主人公の母親役だが、一筋縄ではいかない関係性。毒親といえば毒親でもあるのだが……彼女の抱えるおびただしい情念も一概には語れないよねぇ。

 

・「ガールズ&パンツァー」シリーズより「ミカ」

 今のところ、各校部長は全員登場しています。これもまた一方向に特化した完成形の麻美子キャラだろう。継続戦、ほんとどこ見ても最高なんだから。

 

・「Re:ゼロから始まる異世界生活」シリーズより「腸狩り(エルザ・グランヒルテ)」

 完全にぶっ壊れたタイプの能登。魔女の恐怖はエロスとともに。

 

・「ヘボット!」より「ナグリ・ドツーキ王妃」

 恐怖といえば恐怖か。度を超えた理不尽は確かに恐怖だ。こちらも一応「母親役」なのだが……全く次元が異なる「異物」としての恐れ。畏れ。

 

・「宇宙よりも遠い場所」より「藤堂吟」

 志摩子さんに続いて2キャラ目の「藤堂」。母親役とはちょっと異なる「責任を持つ強い大人」のポジション。作中では男キャラがほとんど出てこず、この吟さんがめちゃめちゃ格好いいリーダーなんだが、そんな彼女の貴子との友情がクライマックスへの重要なファクターになりますのでね。

 

・「ゴールデンカムイ」シリーズより「インカラマッ」

 こちらもいい女。金カムって濃密なホモォ要素のせいで野郎のキャラばっかりスポットが当たるけど、実は女性キャラもめちゃめちゃ魅力的なんだよな。彼女も魔女といえば魔女か。

 

・「ちみも」より「鬼神むつみ」

 こういうへろっとした麻美子も好きなんだよな。酒飲んで管巻くタイプ。

 

・「江戸前エルフ」より「ハイラ」

 そしてギャンブルで有り金全部スるタイプ。ハイラは本当にド畜生のくせして、それでもいすずちゃんが放っておけないどうしようもない神性というか、魅力も理解できるのよね。俺は、マジで金沢に行ったら能登麻美子が祀られた神社があると思ってるよ。

 

・「SHY」シリーズより「スピリッツ(ペペシャ・アンドレアノワ)」

 はい、酒飲んで管巻くタイプの麻美子の最新版。幸せそうなんだよなぁ。

 

・「機動戦士ガンダム 彗星の魔女」より「プロスペラ・マーキュリー」

 「魔女」最新版。ついに母親・能登麻美子がここまで来たぞ。麻美子の幸せのためなら、世界なんてどうでもいいですからね。

 

 

・「地獄少女」シリーズより「閻魔あい」

 というわけで、私の中の麻美子像が完成したのは、意外にも早い時点だったというお話。皆さんも深夜0時になったら、ぜひ麻美子の顔を思い浮かべながらネットにアクセスしてみてください。人を呪わば穴二つ。さりとて麻美子に終わりなし。ナンベン、シンデイル?

 

 怪談話みたいな回が2回続いたなぁ……。こっから少し間が空きます。

 

 

・関連リンク集

番組感想・戦国BASARA

CANAAN8話「乞」

番組感想・君に届け

花咲くいろは第七話「喜翠荘戦線異状なし」

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第8話

Re:ゼロから始める異世界生活第3話「ゼロから始まる異世界生活」

番組感想・ネト充のススメ

新番チェック・ちみも

機動戦士ガンダム 水星の魔女第7話「シャル・ウィ・ガンダム?」

江戸前エルフ 第八話 「彼女とエルフの事情」

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