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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「悪役令嬢転生おじさん」 5→6

 成立してたねぇ。なろう文化をベースにした作品なので、常にどこかで警戒心を維持しながら見てたし、実際鼻につく部分も無いわけではなかったが……フツーに愉快な作品になっていたのだから、そこは素直に認めちゃったほうが楽ですわ。

 重要なのは「咀嚼」だ。本作の作者は主人公の憲三郎と似たり寄ったりのおっさん。ベテラン漫画家が流行りの悪役令嬢物を描くなんて、流行りにおもねった節操のない所業だと頭ごなしに叩きたくもなったが、クリエイターたるものきちんと自分の作品に責任を持っているわけで。おそらく作者は「悪役令嬢もの」というジャンルの存在を知り、試しに1本2本、もしかしたらそれ以上に作品のサンプルを摂取したことだろう。そして当然、おっさんであればあるほど、私に近いさまざまな疑問が浮かんだはずだ。「そもそもゲーム世界ってどういう概念だよ」「破滅フラグってなんだよ」「悪役ってどういう概念だよ」etc. etc. そして、それをしっかり咀嚼し、自分なりの解釈でジャンルそのものを再構築し、満足いく形のギャグ漫画としてアウトプットしたのがこれ。

 そう、当然こんな支離滅裂な設定なのだからギャグにするのが一番手っ取り早いし、さまざまな不条理を全部「そういうネタ」にしてしまえば手軽に笑いに転化できるのだ。そうして不条理を笑いつつもそうじゃない部分はしっかりとサポートを盛り込んで「設定として」説明していくことで釈然としなかった部分を解題していく。これによりなろうフォーマットの不利な部分はどんどん減少していくことになる。唯一「おっさん礼賛」というなろう的なファクターは残ったが、まぁ、そこはおっさん作者がおっさんのために残す「良い物」と認識したのだろう。個人的にはおっさんageが強すぎるとちょっと気持ち悪いと思ってしまうので本作でもそこの要素だけ微妙に受け入れがたかったのだが、ここまできたら純然たる好みの問題だ。文句を言うのも野暮というものだろう。

 こうして1人の作家がしっかりと責任を持ち、「私の考えた悪役令嬢作品はこういうものです」と示してくれた答えは、なんかもう、面白いとかつまらない以前に、「納得できた」。この感覚はとても重要だ。特にゲーム世界という理不尽の塊について、ゲーム内・ゲーム外の両方からアプローチすることで作品の根幹をなす謎として維持したままでストーリーを進行し、さらにこの2極を家族で分担することによって家族愛のドラマにも接続している設定が実に如才ない。続きが気になる作品でしたわ。

 中の人の話にちょろっと触れておくと、当然今作のMVPは主人公の中の人2名ということになるわけだが、無茶苦茶な世界をしっかり支え、賑やかにしてくれたアンナ役の関根明良のお仕事ぶりも大いに評価したい。やっぱ底抜けハッピーボイスはとても元気になる。こういう「馬鹿馬鹿しさ」はいい栄養素ですよ。

 
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