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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 3月は存在感のある声優が続きますね。さぁ、川澄だ。以前もどこかで書いたかもしれないが、私は以前から「もし私が大学で『声優学』を専攻していたら、修士論文を川澄綾子で書き、博士論文で大沢事務所を対象にするだろう」と言っている。その川澄がここにきて登場。つまり私はこれから修論を書かねばならぬのだ。ごめん、無理。

 




 

・馴れ初め

 桑島法子の時にも似たようなことを書いたが、一定の時期(ゼロ年代初頭)のアニメ視聴順は私の中では割と曖昧。なぜかというと、オタク文化に本格的に触れ出したのがこの時期であり、地上波のリアルタイム視聴のアニメと並行して「レンタルビデオ(DVD)」という媒体でもアニメを観ていたためだ。その上で川澄綾子という化け物はあまりにも出演作品が多すぎるので記憶がだいぶごっちゃになっているのだが……多分「NieA_7」のまゆ子がファーストコンタクト……じゃないかなぁ。違う場合は「おねがいティーチャー」の小石かもしれない。まぁ、とにかくその辺。

 なぜ過剰なまでに川澄を重要視しているくせにその馴れ初めが曖昧なんだよ、と突っ込まれるかもしれないが、この接し方こそがまさに私が川澄に興味を持つ最大要因であり、私が声優という文化に興味を持ち、本格的に目を向けた時点で、世に川澄綾子は溢れすぎていたのである。右を見ても左を見てもヒロインの声は川澄綾子。深夜アニメという文化はこのくらいの時期からいよいよ定着しつつあったと思うのだが、まるで「深夜にアニメを放送するなら、一旦大沢事務所を通じて川澄の声を入れてから販路にのせてください」と指示されているかのように、とにかくありえない稼働率で仕事を続けていた。おかげで気付いた時には「川澄はそこにいる」ことになっており、その起点を印象に残していなかったのである。

 一応、多分「NieA_7」か何かで川澄ボイスを認識し(今思うとアニメですらない、ゲームのシスプリの可能性もあるな)、その後は先述の通りにレンタルで「星界の紋章」「星方武侠アウトロースター」「ゲートキーパーズ」などに遡り、「やっぱどこ見ても川澄しかおらんやんけ!」と慄いたものである。だから私にとっての川澄綾子は上手いとか下手とかいうことを論じるような対象ですらなく、「ただそこに当たり前のようにいる、声優文化の最低条件」であったのだ。そして、そのことが彼女の評価を不可解なものにしている。

 

 

・良きところ

 そう、私は川澄綾子という役者の巧拙をほとんど論じたことが無い。いや、「無い」は嘘か。多分評する時には「上手いだろ」という前提で語っている気がするのだが、何をもって川澄を評価しているのか、一度落ち着いて胸に手を当てて考えるとよく分からなくなる。ただ漠然と消費しすぎていて、「毎朝食べてる目玉焼きに美味いも不味いもないだろ?」みたいな感覚だ。強いて評価するなら、「本当にどこにでも使えてしまう利便性」ということになるんだろうか。少なくとも、川澄綾子の声を聞いて「合ってないなぁ」とか「下手だなぁ」と思うことは一度もない。なんだか古式ゆかしい「裏方にいる声優」像に一番マッチしているのが川澄なのかもしれない。

 音域にもそこまで高低の特徴はなく、だからとて完全に役に溶け込むでもない。川澄ボイスは間違いなく川澄だと分かるので「七色の声」というのとは絶対に違う。そのくせ、川澄ボイスは「川澄であること」を聞き手に強要しない。訳のわからない表現だが、「あぁ、川澄だ」と脳は認識するのだが、そこから「川澄が面白いことやってんな」にならず、そのままスンとキャラの中に落ち着く。この「個に没し、個に消える」属性こそが、一時代を築き上げるまでに至った川澄綾子の最大の特徴といえるのかもしれない。

 そして、何故こんなにも評価がふわふわしているのに当企画で取り上げているのか。また、何故修士論文まで書きたくなるのか。それは、社会的に見て川澄綾子の存在がどうにも軽んじられているような気がしているためだ。これは、声優業界というか、オタク業界における川澄の業績再考を促すための論説なのだ。

 今となっては「声優ファン」はオタクのステータスの中ではオーソドックスなものの1つになり、声優が表に出てきてやいやい言ったり言われたりするのも普通のこと。ことさらに「豪華声優が!」なんて盛り上げたりバラエティに出て話題になったり、現代社会での声優の栄枯盛衰は目につきやすい。そんな状況下ではあるが、この漠然とした「声優ビジネス」のありようについて、歴史的・客観的な記録というものはほとんど残っていない。そりゃそうだ。野球選手は成績を数字で残せるが、声優が残せる数字なんてせいぜいWikiの出演数のところくらいなもんで(現代ならSNSのフォロワー数とかもあるんだろうか)、1人1人の声優が「何を成したか」なんてことが語られることはまずない。その割に、やたらと「歴史的に」語られる声優というのは多くあり、その代表は林原めぐみである。

 90年代、間違いなく「林原めぐみの時代」があった。これは論を俟たない事実として扱う。それこそ右も左も林原ヒロイン、みたいな状況で、第何次かも良く分からない「声優ブーム」の牽引役が林原めぐみだと言われることが多い。そして、その同世代としてピックアップされるのが例えば椎名へきるとか国府田マリ子だったりするわけだ。その後の時代となると、例えば(私はあまり納得していないが)「田村ゆかり・堀江由衣・水樹奈々」がアイドル声優御三家と呼ばれたりもする。三者三様の時代を作ったことは間違いなく、歴史にこの3人の名前が残ることは理解できる。そしてその後の時代はどうだろう。「声優」として沢城あたりはしっかりと歴史に足跡を刻んだだろうか。それこそ能登・花澤あたりの大沢勢は何かといえば名前は上がるだろうし、現代であれば種﨑敦美あたりは「時代の声優」の看板を背負っているだろう。

 私の中で、誰よりも「時代を支えた」声優は川澄綾子である。ゼロ年代前半には間違いなく「川澄綾子の時代」があった。しかし不思議なことに、それから20年が経とうとしている現代、若者にこの「川澄綾子の時代」の印象はほとんど無いような気がするのだ。あれだけでずっぱりで、現代風の言い方をするなら「覇権」を握り続けた川澄綾子の偉業は、何故か現代まで口伝されていない、そんな気がしているのだ。これが何故なのかを考えると、やはり「オタク文化」の過渡期だったというのが最大の要因なのではなかろうか。エヴァの放送が95年。そこから「深夜アニメ」の文化が少しずつ浸透した時代には「アイドル声優」林原めぐみなどが支えた文化。そこから世紀を跨ぐタイミングでは深夜アニメの版図拡大が行われ、その地道な行程には常に川澄綾子がいたはずだが、あくまで「中継ぎ」のイメージであり、大きなランドマークが存在せず、歴史の教科書に載せにくい形になる。おそらく「深夜アニメ」というオタク文化の明確な転換点は2006年の「ハルヒ」ということになり、折しもその辺りで川澄綾子は「ヒロイン百貨店」の看板を半分おろすような時代になっていた(興味深いことに、セイバーが世に出るアニメ「Fate/stay night」が2006年である)。

 改めて私は、時代の礎、歴史の転換期を支え続けた英雄である川澄綾子を再評価することを求めたい。いや、別に今評価されてないなんてことはないんだろうけど。もし、何も知らない小僧っ子どもが「川澄、あぁ、あのセイバーしかやらない一発屋ね」みたいなことを言い始めようものなら、私は仁王の形相で討滅を期すことになる。将来的にNHKが「プロジェクトX」とか「その時、歴史が動いた」みたいなドキュメンタリーで「川澄綾子が築き上げた時代」をしっかりと評価してくれるといいな。そんなことのために受信料は使われません。

 

 

・お勧めキャラ3選(川澄史の選定、死ぬほどムズい)

 

・「星界の紋章」より「ラフィール」

 時代順で行くと、やっぱり最初の「ヒロイン」というとラフィールかなぁ。ぶっちゃけこの時代の川澄はまだ拙い部分も多くて「新人がよく起用されたな」という印象なんだけど、デビュー直後からこうして大量のメインヒロイン役が回ってきたのは、何かしらの時代の要請があったということなのだろうな。

 

・「ゲートキーパーズ」より「生沢ルリ子」

 至極真っ当でわかりやすいメインヒロイン。こういう「誰に任せても分かりやすくキャラが定まりそう」なキャラを、川澄は持っていく。やっぱり「真ん中に置いときたい」声なのかなぁ。最近だと鬼頭明里が割と近いイメージだが。

 

・「藍より青し」より「桜庭葵」

 この辺りの時代には川澄的ヒロイン不文律が固まってたとは思うのだが、元気っ子も大和撫子もなんでもござれ。私は強くフォローしてなかったが前年には「まほろまてぃっく」でもメインヒロインを担当している。

 

・「ぽぽたん」より「うなぎ」

 私と「ぽぽたん」については8月と12月に改めて触れる予定だが、ここでの川澄の配役は「マスコットのフェレット」役である。しかも番外編みたいなとこでショタっぽい人型にメタモルフォーゼする。ほんと、どんな役でもいいってことなんでしょうね。

 

・「ニニンがシノブ伝」より「不知火楓」

 個人的には川澄ボイスのスタンダードはここにありそうだな、というのが「被害者にまわされがちなツッコミ役」。上述の「NieA_7」のまゆ子も似たポジションだ。ぎゃんぎゃん喚く時の声質がしっくりくる。

 

・「苺ましまろ」より「桜木茉莉」

 後輩にして盟友・能登麻美子との共演歴も多数。この茉莉ちゃんについてはチーム内で最も奥手でおとなしい役ということで、原作ファンだった私は「流石にそこは川澄じゃなくてよくない?」と思ったり思わなかったり。

 

・「のだめカンタービレ」より「野田恵」

 まだまだメインヒロインは回ってくる。のだめに関しては破天荒すぎるキャラにどこまで肉付けできるかっていうのでハードルも高かったと思うのだが、もはや信頼しかない。

 

・「ガールズ&パンツァー」より「ケイ」

 「そういう使い方もあるかぁ」とちょっと感心した配役。「置いとくだけでとりあえず心配がなくなる」という無体な安心感がアメリカンなテイストに。

 

・「Fate」シリーズより「セイバー」

 現代の若者たちにも印象が残せているならそれに越したことはないんですけどね。セイバー専用声優じゃないということだけは確認しておいてくれよ。Fateシリーズがここまで大成したのって、川澄綾子が「問おう」と言ってくれたからじゃないの(歴史の誤認)?

 

 

 冷静に振り返ったら、単なるおっさんの懐かし語りにしかなってないような……。修士論文はこんなんでは通りません。

 

 

 

 

・関連リンク集

番組感想・のだめカンタービレ フィナーレ

番組感想・緋弾のアリア

新番チェック・Fate/Zero

ガールズ&パンツァー 第5話「強豪、シャーマン軍団です!」

新番チェック・16bitセンセーション ANOTHER LAYER

 
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