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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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演技賞 

’14selector spread WIXOSS」 ‘15「六花の勇者」 ‘16「クズの本懐」 ‘17「メイドインアビス」 ‘18「ハッピーシュガーライフ」 ‘19「荒ぶる季節の乙女どもよ。」 ‘20BEASTARS(第2期)」 ‘21「かげきしょうじょ!! ’22「異世界おじさん」 ’23SHY -シャイ-

’24「来世は他人がいい」

 相変わらず声優部門との違いが難しすぎるのがこちらの部門。声優オタクからしたらどのアニメも演技賞の候補作品といえなくもないわけで。そんな中からも、いくつか役者のお仕事に注目しながら名前を挙げてみよう。

 中の人の話題で事欠かなかった作品といえば、例えば今年度2つ重なった高橋留美子作品がある。「うる星やつら」では新キャストが、「らんま1/2」ではオリジナルキャストが躍動し、それぞれに良さを見せてくれたと思う。リメイク作品での声優の扱いにはなかなか「正解」は見つけられないが、この辺りの成功例をサンプルに、今後の展開を考えられると良いのではなかろうか。「元からのキャストが云々」という意味では「ATRI -My Dear Moments-でのキャスト陣も強かった。いわゆる裏仕事関連では色々と面倒な部分も多そうだが、今作の仕事っぷりを見れば、やはり職業に貴賎はないのである。

 あまりに役者の負担がデカすぎるためにねぎらいの言葉をかけたくなる作品もたくさんあり、代表格の西尾維新作品、「〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン」については相変わらずのお疲れ様を送りたい。特に今回胡散臭さでは抜きん出ていた忍のキャラクターをきちんと息づかせた坂本真綾、そして1人N役を事もなげにこなす花澤香菜の仕事ぶりなど、応えられるキャスト陣への信頼は篤い。イカレキャラばかりが並び立ちカロリー消費が多そうな「Re: ゼロから始める異世界生活」も声優博覧会が楽しい作品。今時ここまでのメンバーが一堂に会することはなかなかないだろう。イカレという意味では「BanG Dream! Ave Mujica」では声優業にすら慣れていない若手の面々がよく頑張ってくれていたと思う。いきなりこんな無茶苦茶なもん叩きつけられたら、そりゃ困るだろうよ。

 イカレとはちょっと違うが、かっとんだ演技プランが話題を呼んだのは「負けヒロインが多すぎる!」。何度でも聞いていたくなるクセ強キャラが揃っているのでどこを切り取っても愉快。刺激的チャレンジと言えば「合コンに行ったら女がいなかった話」における男装女子たちの活躍も印象的だった。普通はありえないようなキャスティングでも、強引に押し通してしまう強さがある。

 真っ当な演技の重さでいえば、例えば「先輩はおとこのこ」における恋愛ドラマと、それだけでは終われないテーマ設定の重さを受けたメインキャスト陣のお仕事も注目したい。一筋縄ではいかない思春期のあれこれが切実さを持って伝わってくる。切実さで言えばさらに命懸けの「チ。-地球の運動について-」も色々と真に迫るお仕事ぶりを楽しむことができた。人は思想で生きる死ぬを選ぶものなのねぇ。

 最後の最後までこの部門にふさわしい作品として悩んだのは「花は咲く、修羅の如く」。まさにキャスト陣の負担が最大となるであろう「朗読アニメ」。演出のサポートはもちろんあっただろうが、やはり基盤は応えてくれるキャスト陣ありきだ。声のお仕事の素晴らしさを再確認させてもらった。

 というわけで、本部門の最終的な到達地点は石田彰……というわけではないが「来世は他人がいい」を選出させてもらった。あまりにもゴリゴリなやべえ奴らが大挙する極道の世界。霧島という化け物と、それに真っ向からぶつかる吉乃の強さ。気持ちのいい関西弁の啖呵に毎回痺れさせてもらったし、ねっちょりとにじりよるようなロマンスとすら言えないようなたっぷりの情話。これこそアニメになって炸裂した特大の飛び道具だ。普段なら絶対近づきたくないと思っていたジャンルに極上の魅力を感じてしまった私の負け。

 

 

ユーモア賞 

’14「スペース☆ダンディ(シーズン2)」 ‘15「てさぐれ!部活ものすぴんおふプルプルんシャルムと遊ぼう」 ‘16「ヘボット!」 ‘17「ゲーマーズ!」 ‘18DOUBLE DECKER ダグ&キリル」 ‘19「女子高生の無駄づかい」 ‘20SK-エスケーエイト-」 ‘21「異世界美少女受肉おじさんと」 ’22「不徳のギルド」 ’23「カワイスギクライシス」

’24「ぷにるはかわいいスライム」

 評価軸が他の部門とズレるので個性が出しやすいユーモア賞。もともとアニメなんてもんはエンタメとして視聴しているわけで、ケラケラ笑ってすっきりリフレッシュできるに越したことはないですからね。

 毎年、「他の人はしらんが俺は笑えたんや」という不思議な枠というものが存在しており、今年度は直近の「妖怪学校の先生はじめました!」がそれに該当した。「ギャグだから」という理由でアニメとしての品質がグダグダになっても許されるというのはちょっとずるいが特権的な部分である。そういう意味では「変人のサラダボウル」も同じ枠に入る権利を有した作品だったかな。ローカルな舞台でだらだらやってるという意味では割と共通点が多いのかもしれない。

 「ギャグとして処理しちゃえば多少の設定不備とか無視できるのに」はなろう作品に対してよく思うことで、今年度はそこをうまく活用した「悪役令嬢転生おじさん」という作品が生まれた。かつては「ファ美肉」あたりも同じラインを狙った作品だった感があり、なろう文化が何周かして安定した「いじり素材」になっていることがよくわかる。そういう意味では、なろう黎明期からギャグとしての姿勢を崩さず、未だ安定した評価を受けている「この素晴らしい世界に祝福を!3」はやはり偉大なのだと改めて感じる。そして今期は選出候補としてギリギリまで悩んだ「嘆きの亡霊は引退したい」もあったし、ちょっとジャンル外れるが「魔王2099」というカテゴリ分けが悩ましい怪作も。なろうとギャグ、色んな方向で相性がいいので、今後はそっち方面を重点的にアニメ制作に向けたらいいと思う。

 今年もう1つ被ったコンセプトになぜか「魔法少女もの」というのもあり、「かつて魔法少女と悪は敵対していた」は小粒ながらも丁寧な作りでしっかりと笑いと癒しを提供してくれたし、コンセプトは似ていても全くアプローチが異なる「アクロトリップ」もユルさを活かした作劇が印象的。まぁ、こうしてセルフパロディみたいな要素が多くなるとアニメ業界もどんどん内に内に凝縮される気もするのだが……オタクが享受するのは別にそれでいいや。

 その他、時代に即した攻め手で言えば「VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた」あたりは私の理外の方向から飛んできた一撃。相変わらずVTuberの面白みってのは今ひとつ分かってないのだが、新しいカルチャーが開ければそこからアニメが生まれ、ギャグが生まれるというのは必定である。そういう意味では「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」もハーレムアニメという狭い世界から生み出された鬼子と言えるのかもしれませんね。

 こうして並べてみると、セルフパロディ要素を多分に孕んだ「いじり」系のギャグが多くなった今年度。もっと尖った、個性爆発のギャグアニメはなかったのかと言われたら、ちゃんとある。例えば「村井の恋」はアニメでなければ実現し得ない電子ドラッグみたいな危険な存在。令和の世にもこうしたアバンギャルドな攻めのアニメが生み出されるというのは喜ばしい限りである。そして、アバンギャルドが過ぎて突き抜けてしまった化け物作品として「エグミレガシー」の名前は歴史に刻んでおきたい。ギャグ作家は心壊しやすいとよく言いますが、今作の製作者のメンタルが心配だ。

 まぁ、そうしてエキセントリックな作品を選んでもよかったのだが、やはり総合力。アニメとしてのまとまりとギャグの安定感、そして未来へのさらなる期待も合わせて、今期のネタ作品ナンバーワンは「ぷにるはかわいいスライム」にさせてもらおう。大人になって、社会に疲れたからこそ求められる「大人のコロコロコミック的要素」。アニメ視聴者の平均年齢はどんどん上がっているというが、それならニーズに合わせて「子供向けギャグ」の概念だって変わってくるはず。まぁ、それがこんな先進的すぎる例でいいのかどうかは分からんが……愉快だったのだからしょうがない。おっさんはアニメを見続ける。さらなる笑顔を手にするために。

 

 

アイディア賞 

’14SHIROBAKO」 ‘15「おそ松さん」 ‘16「ユーリ!!! on ICE」 ‘17「アクションヒロインチアフルーツ」 ‘18「ゾンビランドサガ」 ‘19「ダンベル何キロ持てる?」 ‘20「デカダンス」 ‘21Sonny Boy ’22「アキバ冥途戦争」 ’23「勇気爆発バーンブレイバーン」

’24「わんだふるぷりきゅあ!」

 「その発想はなかったわ」を評する部門。あまりにも大量に生産され、消費され尽くすアニメという媒体。もはやマンネリズムの極地にあり、その退廃的な状況を一手に引き受けるなろう系文化のせいでことさらにその「様式」ばかりが取り沙汰されることになるが、もちろんクリエイターの人たちはそんな殻を破ろうと日々研鑽を積んでいる。なんとかこの閉塞感を打ち破る方法はないものか。

 というので今期の「面白い発想」の作品を並べてみたら……なんか、「進化系なろう」みたいなのがずらっと並んで我ながらびっくりした。もはや「異世界」は「時代劇」や「アイドルもの」と並んで普遍のフォーマットの1つ。ならばそこからの差別化をまず考えるのが当然の流れか。

 例えば直近では「悪役令嬢転生おじさん」が悪役令嬢ものというテンプレートの有り様を見直し、再構築した作品として注目を集めた。不備があるなら補えばいい、齟齬があるなら正せばいい。そうして「真っ当な」作品は生まれるものだ。似たような工夫として、「著名人転生もの」の流れも一時期かなりの量が生み出されていたようだが、そんな中でも今期アニメとして成果を挙げたのは「異世界失格」。わざわざ個性的な「キャラ」を立たせるのだから、いつも通りのなろうではダメだ、という問題意識がきちんと活かされた秀作。さらに「戦隊レッド、異世界で冒険者になる」は似たような手法をオタク文化+オタク文化という禁断の足し算で膨らませた発想力の勝利。いや、思いついてからちゃんと練り込む行程を経ているというのは共通する最低要件ではあるのだが。

 同様のアプローチをよりダイナミックなコンセプトで解決しにいったのは「異世界スーサイドスクワッド」。もはや足し算はなんでもいいのかもしれない。だって「時代劇」と同じくらいにテンプレートなのだとしたら、もはや「異世界」は単にドラマを繰り広げる1つの舞台設定の選択肢でしかないのだから。どうしてもそこに意義を見出したいというので必死に「異世界ファンタジー」という存在を解体し、意味を見出そうとしたのは「全修。」。とりあえず、過去の人気アニメの要素を全部ピックアップして、それらをランダムに足し算するところから始めてみると意外と斬新なものが出てくるのかもしれません。

 なんかもう、異世界ものばかりでこのコーナーが埋まってしまいそうなので強引に話を変えると、シナリオ運びのアイディアというか、思い切ったところで遠慮せずに突き抜けた作品としては「擬似ハーレム」あたりが挙げられるかもしれない。「ハーレムもの」という一種のテンプレを逆手に取った「擬似ハーレム」。やってることは非常に馬鹿馬鹿しいのだが、よくもまぁそれで作品を1本作ろうと思ったものだ、というところは素直に感心できる。また、時代に即したパロディ要素の積み重ねからのチャレンジという意味では「VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた」も私の中では色々と斬新。「配信者アニメ」なんて成立しないと思っていたが、近隣で生成された文化を重ね合わせることによって、きちんと1つの世界を打ち立てていたのはお見事だ。アニメでしかなしえないようなギミックで「Vという不確かさ」が滲み出ているのもなんとも皮肉が効いていて面白い。

 古式ゆかしいフォーマットからの一歩先という意味では惜しいところまで行ってそうだったのが「カミエラビ GOD. app」。セカイ系作品の1つの派生、そこにデスゲーム要素も混ぜたいいとこ取りを狙った結果はどこか散漫な印象になってしまったが、どこかで噛み合わせがずれていればもっと飛距離が出た可能性もあるジャンルだ。あまり大きな1発を狙わずに「アプリ→アニメ」という安定した収束を狙った「誰ソ彼ホテル」あたりが今のところは穏当な着地点だったのかもしれない。そしてその「誰ソ彼ホテル」と似たようなコンセプトを節操なく膨らませた結果アニメという媒体からも飛び出してしまったのが「RINGING FATE」である。お隣の国の発想力には脱帽だ。

 とまぁ、色々と「挑戦」について触れてきたわけだが……今年私が一番評価した「挑戦」は、やはり「わんだふるぷりきゅあ!」ということになる。既存のプリキュア像からは大きく離れた徹頭徹尾「戦わないプリキュア」。犬が主人公というのも思い切った設定だったし、ペットと人の関係を主軸に置きながら、単なる動物かわいいアニメでは絶対終わらせず、対等な「友情」をどしりと組み上げるのがプリキュアという看板の意地である。シナリオの組み方、1年間のスケジュールの使い方についても既存作品の方法論が全く使えないというので1年間ずっと手探り状態での進行だったと思うのだが、最終的に実にプリキュアらしい、素敵格好いい作品に仕上がった。この1年でもらえた幸福感の総量で言えば、ダントツで今作でした。ほんとにありがとう。

 

 

 

第3位 

’14「月刊少女野崎くん」 ‘15「えとたま」 ‘16RE:ゼロから始める異世界生活」 ‘17「3月のライオン(第2シーズン)」 ‘18「ひそねとまそたん」 ‘19BEASTARS」 ‘20「無能なナナ」 ‘21「小林さんちのメイドラゴンS」 ’22「メイドインアビス 烈日の黄金郷」 ’23「呪術廻戦 渋谷事変」

’24「義妹生活」

 今年度は色々と挑戦的な作品も多く、各部門の選出も難航した1年となったが、そんな中、一際異彩を放つ存在がこのアニメ。どの部門に入れるにもなんだか取りこぼしがあるような気がして、やはり今年度のベスト3に取り上げるべきだと判断した。

 強いて選ぶとすれば「技術賞」候補ということになるだろうか。かつては「モノノ怪」や「化物語」も技術賞に選出された履歴があり、画面構成の斬新さというのは「技術」の枠で括ることができる。ただ、本作の場合はそうした作品のように見た目にエキセントリックな画面がボンと飛び出してくるわけじゃない。誤解を恐れずに書くならば至極地味な、おとなしい画面がただ粛々と流れていくだけの作品だ。しかし、その画面の1つ1つを切り出していくと、それこそ「化物語」あたりが築いた「1枚絵としてのアニメーション」としての骨格が浮かび上がってくる。アニメーションという技術が究極的には「多量の静止画の連続」であるという、根源的な部分にまで遡っての演出意図が見えてくる。

 令和の世に、しかも劇場アニメなどではなく地上波放送のアニメに紛れ込ませて今作が作られたことは相当にリスキーな挑戦だったのではなかろうか。しかもタイトルが「義妹生活」。もう義妹とのあれやこれやなんてもんはラノベで散々やり尽くされて時代遅れだと思われ、そのまま無視されてもおかしくないところに、今作はひっそりとその絵を提示した。こんなことを書いてる私だって、初期はそのあまりにそっけない態度にスルーしそうになってしまった。しかし、どうやらこの音もなく忍び寄る奇妙なアニメーションが、何かとんでもないことをやろうとしているんじゃないかと、その画面で訴えてきたことに気づくことができた。それからはもう、本当に美術館での絵画鑑賞のごとく。

 作品や情景を褒める時に「一幅の絵のよう」と表現することがあるが、本作はまさにアニメ表現を「一幅の絵」にしたためようとしている。もちろん動きも、光も、声も、音も、さまざまな付加要素が全て作品に力を与えているが、他の作品に比べたらそれらの要素の役割は最低限である。人は「絵」にどこまで意味を感じられるか。アニメーションの絵は、「画」となってどこまで表現し尽くせるか。そんな無謀にも思える挑戦が、思いの外何かしらを成し遂げた。この挑戦は、実に意義深い。

 現代日本のアニメはさまざまな要素で変化を余儀なくされている。それは技術の要請であるかもしれないし、放送形態の変化や、視聴者の変容かもしれない。そんな荒波の時代に、真摯に「アニメとは何か」と向き合える。そんな時間を与えてくれたこの作品には、本当に感謝している。

 

 

準グランプリ

’14「四月は君の嘘」 ‘15「昭和元禄落語心中」 ‘16「ふらいんぐうぃっち」 ‘17「宇宙よりも遠い場所」 ‘18「風が強く吹いている」 ‘19「まちカドまぞく」 ‘20「ウマ娘 プリティーダービー Season2」 ‘21Vivy -Fluorite Eye’s Song-」 ’22「よふかしのうた」 ’23「ワールドダイスター」

’24「負けヒロインが多すぎる!」

 さぁ、小難しい話はここでおしまいだ。アニメなんて楽しめたもん勝ちだろ!! という原初的快楽を徹底的に追求したご陽気パワー全開、とにかく気持ちのいい映像と気持ちのいい作劇がガンガン飛び込んでくる今年のエンタメ大賞筆頭、我らが負けインである。

 この作品についても実は褒めるのが案外難しい作品なんですよね。だって「全部がおもろい」と言ってしまえばそれまでですから。でも、こうしてあらゆる要素を貪欲に狙いに行って、全てで高得点をあげられるコンテンツなんてそうそうあり得ないんですよ。そんな必勝法があるなら世のアニメ制作者は全員それに則ればいいだけの話ですからね。過去にたくさんのラノベが、アニメが培ってきた正と負の遺産を踏まえて試行錯誤を繰り返し、ようやく辿り着いた1つの到達点。それがなんでよりによってこのタイトルなんだって話ではあるが、辿り着いちゃったんだからしゃーない。萌え・ギャグ・青春。ラノベ文化が背負ってきたあらゆるものを、ここで吐き出して令和アニメの礎としよう。

 今作がなんで面白かったのかの分析はおそらく世のアニメ評論家みたいな人たちがいっぱい検討してるだろうから頑張ってそういう論説を探してみてほしい。だってオラにはそんな力はないから。ただ、楽しんじゃった者目線ではやっぱり3人の功労者をピックアップしておきたい。1人はもちろん監督。北村翔太郎氏という気鋭のアニメ作家、今後どこに飛び出すか分かりませんが、この采配をこなせるのは相当な勝負感をお持ちだと思われる。まぁ、ここまで突き抜けちゃうと「2作目のプレッシャー」に押しつぶされてそうだけど。

 2人目は原作者(原作読んでないからよく知らんけど)。どれだけアニメとして出来上がった完成形が面白かったとはいえ、やはりその根幹は原作ラノベの面白さがなければ成立し得なかったものだろう。「負けヒロイン」というある種の蔑称を使ったプロットは自虐的であり、一見すると手垢のついたミームの副次利用に過ぎないように思えてしまうが、その実、錬成されたのは鬱屈したコンプレックスを抱えた普通の(?)女の子たちの戦い。イロモノに見えて根っこのところですごく真面目な恋愛小説が紡がれているという抜かりのなさ。純粋に「小説が上手い」。

 そして3人目は完全にオタク目線の贔屓だが、やはり世界を作ったのは八奈見さん役の遠野ひかる。ここにとのぴーを持ってきたキャスティングは本当に世紀の大発明である。もちろん焼塩役の若山詩音、小鞠役の寺澤百花などなど、周りを固めるヒロイン勢にも抜かりなし。

 改めて、アニメってのは総合芸術である。すべての要素が奇跡的に噛み合い、こんなにも気持ちよくなれる時間が提供されることを、オタクは本当に幸せだと思わなければいけないよ。

 

 

グランプリ

’14「ユリ熊嵐」 ‘15「響け!ユーフォニアム」 ‘16「昭和元禄落語心中 -助六再び篇-」 ‘17「宝石の国」 ‘18「リズと青い鳥」「やがて君になる」 ‘19「この音とまれ!」 ‘20「ミュークルドリーミー」 ‘21「オッドタクシー」「劇場版 少女歌劇 レヴュースタァライト」 ’22「ぼっち・ざ・ろっく!」 ’23BanG Dream! It’s MyGO!!!!!

’24BanG Dream! Ave Mujica

 幸せ……だっただろ?

 私は本当に酷い采配をしている。「お前、よりによってユーフォを除け者にした上でこれを1位に持ってくるのは違うだろ」と言われても返す言葉がない。「去年の1位がMyGOで今年がMujicaだったら、それも外すのが誠実な対応ってもんじゃないのか?」と。

 いや、でもさ、そこはほら、違うじゃん。2タイトルも取り除いて開催するグランプリに意味はないじゃん。だから少しでも刷新を図るために、苦渋のユーフォ外しをしたんですよ。その苦渋を2回も舐める気はねーですよ。私は2024年度というこの1年で、Mujicaを浴びられたことを本当に幸せだったと思っているし、このアニメが世に出たことを誇らしく思っている。これを持って、当グランプリにおけるバンドリプロジェクトとの関わりを手打ちとしたいのだ(続編が出てきたら、次は多分枠を区切ります)。

 改めて今作の恐ろしい部分をまとめていくと、興味深いことに上述の「負けイン」と同じく徹底したエンタメ精神であるとくくることができる。しかし、「負けイン」の場合にはそれが圧倒的な快楽となって萌えや笑いの形でドバドバと浴びせられたわけだが、今作はその真逆。失意や絶望の形で次々と押し寄せてきた。人は楽しいものを見るのも好きだが、怖いものを見るのも大好きなのだ。まるきり逆のアプローチで粋を極めた2作品が、同じ年のワンツーで並び立っているというこの現状は非常に興味深いことであるし、アニメーションという媒体の多様性を保証しているようでとても安心する。

 しかし、見た目には対極に位置するこの「喜怒哀楽」を「喜楽」と「怒哀」に分けたような2作品であるが、結局のところは「真に迫ったものを伝える」というアニメ媒体の役割は変わらず、それ即ち、人の心をいかに画面に滲ませるかということにかかってくる。負けインが軽妙な対話劇やえも言われぬもどかしいシチュエーションコントでそれらを繋いでいく中、Mujicaは突拍子も無い人間の精神性の発露を次々に繰り出すことで紡ぎあげていく。近しい感情を共有できそうな負けインに対し、Mujicaはあまりにも理解が及ばない彼岸の存在にただ打ちのめされるばかり。

 しかし、そうして遠く遠くに行ってしまったかのように見える少女たちの内面を描くためにアニメーションはフル回転している。圧倒的な情報量、想像を絶する苦悩を切り出すために考え抜かれた1枚1枚の「画」の力。結局は「義妹生活」の項で触れたその要素に戻ってくるのだ。「義妹生活」ほどにその押し出しは明確ではないものの、CG中心で描かれたMujicaの画面においても、ありとあらゆる要素が「伝える」ために配置されいてるのは承知の通り。表面的な刺激が強すぎるために感覚が麻痺してしまいそうになるが、単なる露悪的なゴシップバンドアニメではないのだ。その二重三重に埋め込まれたどうしようもない感情の粒子を1つ1つ拾い集めて、この世界は成り立っている。

 アニメを観る上で、どこまで行っても「観て感じる楽しさ」が全てである。今年度は本当に、幸せな作品に恵まれたシーズンでしたよ。

 人生を捧げたくなりましたか?

 

 

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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