○「ウマ娘 シンデレラグレイ」 6
今期2本目の岐阜アニメ。去年からなんか知らんけど岐阜アニメの流れきてるな……まぁ、今作は途中から岐阜じゃなくなるけども。
さぁウマ娘だ。原作は何故か既読。何きっかけだったか忘れたけど今作については電書で単行本も買ってるので一通り読んでる。まぁ、電書は相変わらず苦手なので、放っておくと新刊が発売されてもず〜っとほっといちゃうせいで未読分が結構な量積まれちゃってるが……アニメで放送される部分くらいは確実に読んでる程度の読者。加えて、ウマ娘に関してはゲームプレイヤーじゃないので大したフォロワーじゃないが、アニメ1期2期、そして昨年の劇場版で心動かされた勢なのでファンではある。3期目がちょっと期待はずれになっちゃったのは残念だったけど、長いシリーズ、当たり外れがあるのは致し方ないだろう。
ウマ娘のアニメを評する時に必ず持ち出してくる話として、「単なるかけっこが面白くなるわけがない」というくだりがある。この問題提起は、面白かったシリーズでは「面白くなるわけがないのになんで面白いんだろうね」という話になっていたし、唯一刺さらなかった3期については「面白くなるわけないんだからしょうがないじゃん」という歪んだ免罪符になったりした。今作ではどっちに転がるか分からないが、引き続き「単なるかけっこをどうやって面白くするんだろう」と思いながら観ていきましょう。でもまぁ、原作読んでるからなんとなくは知ってるんだ、「かけっこでもそれなりに面白くなるよ」ってのはね。
ほんとにひねりのないスポ根なのでもちろん好き嫌いは分かれるだろうが、今作の主人公・オグリキャップは基本的にチートクラスの強さを持つ「怪物」。彼女が不器用ながらも彼女なりに必死に努力し、その結果周りの連中をちぎっては投げ、ちぎっては投げするのを楽しむ作品。その過程で、周りのウマ娘たちもいい具合に友情物語を演じたり、個々の戦いに邁進したりしてくれる。少なくともコミック時点ではその辺りのバランスは成立していたし、アニメも当然CygamesPicturesが担当しているわけで、大崩れするわけないだろ、という期待票を投じておく。
一応、これまでのシリーズとは大きく異なる点があるのでそこだけは注意する必要がある。それは、ウマ娘アニメでは初の「短期間で結論を出さなくてもいいシナリオ」なのだ。オリジナルアニメシリーズはどうしたって1クールである程度の起承転結を持った筋立てが必要になるし、劇場作品ではそれが2時間弱まで圧縮されたわけだが、今作は元々「コミック原作がある」と分かって作られているわけで、別に1クールの枠にとらわれる必要はない。そりゃま、セールス的にはあった方がいいんだろうけど、元々そういうデザインになっていないってことは視聴者も共通認識で持っている。おかげで、アニメ3期で悩んだような「なんか適当でもいいから結果出しとけ」という性急な展開が必要なくなる。まぁ、今作独自の強み(?)として「史実を紐解けばなんぼでも試合は描ける」というのもあるから、尺はだいぶ調整しやすいのだけども。1クール目でどの辺まで描かれるかは気になるところだ。
その他のポイントとしては、わたしゃすっとぼけたオグリのキャラは割と好きよ。いわばドラゴンボールの悟空みたいな「世間知らずの純朴」枠ですから。少年漫画的には王道の強キャラと言える。サポートのベルノライトも可愛かったし、しばらくはこの2人の二人三脚で進めてもらえればいいだろう。カサマツにしか出てこないので将来的には使い切っちゃう感がある3人娘(+フジマサマーチ)も存在感は充分だし、地方編だけでもとりあえず楽しませてもらおう。
Amazonアフィリンク

PR