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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 コンビニ商品のディティールがやたら鮮明な第5話。全部実名商品で、しかもいちいちテクスチャで細かい部分まで再現してるのは、この作品なりの「リアリティ」なんだろうか(何故かポッキーだけ実名じゃないのは、許可が下りなかったからか? 「喰霊--」はわざわざ許可取ってたからな)。懐かしネタやワンピースとかも全部実名だし、本当に些細な部分から「生々しさ」が出てくるのがやらしいよね。

 さて、ゆきあつ騒動がひとまず収束。本当なら見た方にも見られた方にも一生もんのトラウマを植え付けかねない事件だったはずなのだが、やはり超平和バスターズの面々は、どこか幼馴染みどうしの気安さと優しさがある。仁太との対峙を経て、ゆきあつは何かを「堕とす」ことに成功したようだ。そして、そんなゆきあつの晴れやかな態度と対比されるその他の面々。今回も、面倒とは思うが11人の様子を見ていくしかなさそうである。

 主人公の仁太が「堕とす」べきは、ひとまずその生活態度ということになってしまうだろうか。「何故めんまは仁太のもとに現れたのか」というこの作品最大の謎もそうだが、今のところ、仁太は結局全てに流され流されここまで来ているだけで、過去の「リーダーらしさ」を垣間見せたのは勇気を振り絞って登校しようとした一瞬だけ。めんまは「じんたんは頑張ってくれているし」とフォローしてくれるが、内省した仁太の脳裏にフラッシュバックするのは、「寝る・起きる・食べる・ネット」の模範的ニート生活サイクルのみ。結局何一つ頑張れていないことは、本人が一番よく知っているのだ。

 そんな仁太の生活に一石を投じたのが、こちらはあまり「堕とす」ものが存在していない唯一の人間、ぽっぽである。彼は彼なりのロジックでめんまの存在を肯定するが、ゆきあつ、仁太という2人の「めんまに縛られた者」とは違い、彼にとってのめんまは過去であり、今ではない。だからこそ、彼は本当の善意から、めんまに対して「成仏」という言葉を使う。「多分良いコトじゃない」とはっきりと言ってのけた彼にとって、「堕とすべきもの」は「他者としてのめんま」に他ならない。自由の身であるからこそ、めんまを取り巻く一連の事態が、彼には「バスターズ」としてバスターすべきものに見えてしまうのである。

 彼の訴える「現状が良いモノではない」という訴えは、うじうじと思い悩む仁太の耳には手厳しい。「現状がおかしいことは分かっているし、解決出来ればいいのは知っているが、どうやって解決したらいいか分からないし、解決したいとも思わない」。それはめんまのことであるのと同時に、仁太の置かれた引きこもりとしての生活そのものでもある。サブタイトルにある長い長い「トンネル」は、彼の人生に訪れた失意の一時の暗喩になっており、それを奇妙なプラス要素に転化させつつ、解決を待つ身の体現者として、めんまが存在しているように見える。「めんまがそこにいること」は、めんまにとっても、仁太にとっても甘美であり、一時の充足である。だが、他者(ぽっぽ)の目から見たら、やはりそれはおかしいことであり、良くないことなのだ。ぽっぽの手によって鮮明に示された「めんまの存在」と「仁太の人生」の二面性は、そのトンネルに出口を見いだすことが出来るのか。

 最終的には、この物語は仁太が歩き始めるところで幕を閉じると思われる。そのため、メインボディとなるのはあくまで仁太のお話であるが、それを取り囲む周りの面々の悩みも、ちゃんと筆が割かれている。今回収束したゆきあつの「憑き物」もその一つ。奇行に走った彼を苛んでいたのは、過去にめんまと交わした会話にあった。彼女の死の直前、ゆきあつはめんまを押しとどめて告白するという冒険に出たが、幼い身どうしのこと、これは空振り。そのままめんまは帰らぬ人となった。そのことが彼をずっと悩ませており、「自分がめんまを殺した」という罪の意識が、自身をめんまに移し換える倒錯した行為に走らせていたのだ。

 しかし、それを解決させたのも、まためんまであった。「パッチンをありがとう」という言葉は、ゆきあつとめんましか知り得ない(と、少なくともゆきあつは思っている)事実であり、仁太の口からそれが漏れたことは、「仁太のめんま」が本物であることを示し、更にその「本当のめんま」が自分を責めていないことの証にもなった。これでまず罪の意識が「堕とされ」、さらに「仁太のめんま」が本物であることは、自分が仁太との争いに敗れ、めんまを受け渡したことを示す。これにより、めんまへの憧れの気持ちも、ある程度は片付くことになった。「堕とした」後のゆきあつはどこか清々しい面持ちになっており、これまで壁を作っていた知利子や鳴子との接し方も変化し、優等生としてのポテンシャルが前面に出てきている。これまで「劣等生」として斜に見ていた鳴子に「付き合ってみるか」と問うたのも素直な変化の表れであろうし、嘘を吐くときにとっさにでた仁太の名前も、彼との関係性が改善され、昔に立ち戻って幼馴染みを見られるようになったことを示している(その上で「あんな奴のどこがいいのか」と悪態をつけるのは、生来のものである)。

 一方で、なかなか「堕ちない」厄介なものを抱え込んでしまったのは鳴子だ。彼女の抱える「仁太への想い」は、友達づきあいとのアンビバレントの中で、その捻れを少しずつ増している。必死に取り繕うチャラチャラした外見は彼女の内面とどんどんかけ離れて行っているし、過去に立ち戻ろうにも、既に構築した今の関係性が邪魔をする。ゆきあつが作り上げた「歪んだ今」は荒療治によって払拭されたが、彼女の場合はそうもいくまい。「今」という呪縛と「めんま」という呪縛に苛まれる彼女が、「仁太」を堕とすことは叶うのだろうか。ゆきあつが、停車したトンネルの中でぼそりと漏らした「自分たちは取り残された」という言葉は、鳴子にとっては必要以上に重くのしかかっている。ゆきあつから見れば、「めんまが見えず、置いて行かれた」という寂しさに解釈されるのだろうが、鳴子に取ってみれば、居もしないめんまが、仁太の手をとってトンネルの先へ抜け出てしまった、文字通り「取り残された」状態。明々とライトをともして先行する特急列車のビジョンが、そんな鳴子たちの心境をダイレクトに表しているようだ。人ならざるものとの無謀な争いに、出口は見えるのだろうか。

 そして一人我が道を行くのは、最後に残された知利子である。彼女に「憑いて」いるものは、「ゆきあつへの感情」という悩みと、ゆきあつ以上に膨れあがる自尊心だろうか。未だ隙を見せず、泰然とした彼女には悩みなどなさそうにも思えてくるのだが、彼女が自室の机にしまい込んだヘアピンが持つ意味は、思った以上に根深い。何しろ、あのヘアピンは過去のあのシーンを見ていなければ絶対に手に入らないものであるし、わざわざそれを見つけ出し、後生大事に取っておくという行為も、恐ろしく強い想いの表れである。にも関わらず、彼女はそれを一切表に出さず、淡々と自分の役割をこなす。ベンチで座席3つ分空いたゆきあつとの距離がそれを端的に表しているし、「取り繕うだけ」と非難した鳴子の服装や態度にしても、「変わらなきゃやりすごせない」と見下したような物言いだったが、それすらも「変われない」自分への自虐のように聞こえてしまう。他人に見えてこないだけに、この「憑き物」もかなり面倒なものであろう。

 勝手な展開予想だが、今後は真っ先に問題を解決させたゆきあつが、まずは鳴子を「堕として」みせるだろうか。その後は鳴子が知利子を、最終的に全員で仁太、つまりめんまを「堕とす」ことになるように思える。こうして書くと割と単純なシナリオになるように見えるが、特に女性の心理描写をおおっぴらに表さずに少しずつ間を埋めていく岡田麿里の憎たらしい演出方針は、終始緊張感を維持し続けるだけの求心力を持っている。本当に、このむずむずするようなやるせなさは他の作品では得られないものだ。

 それにしても……本当に会話の1つ1つが面白いし、キャラクターが良く出ているし、画面の取り方にいちいち見応えがある。今回でいうなら、見えないめんまを相手どって必死の説得を試みるぽっぽのシーンなんかが、嫌というほど胸にくるものがあった。面白展開ありつつのお話なのだが、毎話毎話、何故か妙なところを刺激するのである。他に細かいところでは、開き直ったゆきあつのさばさばしすぎた様子が楽しい。「あんた、めんまのことが好きなんじゃないの?!」って鳴子に聞かれて、「ま、そうだけど」ってしれっと答えるゆきあつさんが男前。故人(ロリ)への思いを遠慮せずに言えるのは素敵だと思います。

 そして、今回一気に株を上げてきた女性陣2人。必死で取り繕ってきたビッチスタイルが完全に破綻してしまった永遠の処女、鳴子。援交会社員に必死に抗う様子や、ゆきあつにいじられて慌てふためく様子が無闇に可愛い。エロ可愛いくせに公式処女認定を受けるビッチキャラ。阿漕過ぎて何も言えない。

 更に、知利子さんである。一人こっそりヘアピンを付けてみる知利子さん。「見えないわね」って、当たり前やん! ツッコミ待ちか! 天然過ぎる上に本人に一切自覚無しか! 守ってやりてー! そして一途! 変態相手でもその気持ちは変わらない! 素敵過ぎるだろ! しいたけ狩りとか誘いてー! 

 ……実は個人的にツボったのは、電車に間に合わなくてハァハァ肩で息をしてるシーンで、ほんの少しの間だけだけど、知利子さんが珍しく必死だったことが伺えるのが高ポイント。きっとゆきあつと同じ電車に乗らなきゃ、っていうので必死に走ったのだろう。そのくせ、間に合わなかったと見るとすぐに取り繕ってベンチで本を広げて、何事も無かったかのように振る舞うのである。いいなぁ、ポイント高いなぁ。彼女が読んでた文庫本、意外にもページの向き的に横書きなんですよね。解説書とかなのかしら。ひょっとして洋書? あのサイズで? 知利子さんマジかっけー。今後も二人の女子高生がもっともっと可愛らしくなることを期待しています。

 となると、やっぱり中の人のことも触れておきたくなるな。戸松遥・早見沙織というほぼ同年代の若手エース2人が、本当に見事なプレーを見せ続けてくれている。戸松はキョドらせても困らせてもはにかませても一級品。早見もちょっと珍しい知利子の配役にこれ以上ないベストマッチを見せている。本当に使われ方の幅に限界の無い2人。そして、そんな大器に挟まれる形ながらも色あせない茅野愛衣の存在感も注目に値する。今年は彼女がブーストしそうな予感ですな。

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