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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 天さんだよ。天さんはいつの間にか天さん。最初は「天ちゃん」って呼んでた気もするのだが……なぜだろう、奇怪なレベルで「天さん」の方が座りがいいですね。……気功砲くらいは撃てそうだもんね。当然読みは「そらさん」じゃなくて「てんさん」である。油断すると「あめみやてんさん」って1つも合ってない呼び方してしまいそうなので注意が必要だ。今回も「声優の人生も色々ありますね」って話です。

 




 

・馴れ初め

 記事を書くにあたって改めて確認して「そういやそうだったな」と思い出したが、私としてはファーストインプレッションは「一週間フレンズ。」の藤宮さんだった。厳密にはその前の年にはすでにデビューしていたし、名前は認識していたようだが、キャラと紐づけて印象付けられたのはやはり主演のこのタイミングである。エンディングのカバー曲歌唱も担当しており、デビュー直後からそつのないお仕事ぶりを見せてくれている。

 ちなみに、何故「名前は認識していた」のかといえば、そりゃまぁ事務所の関係である。天さんのデビューは正式には2012年のことだが、この時点ですでに天さんの所属事務所・ミュージックレインの先輩ユニットであるスフィアの評価はほぼ固まっており(すまん、まだ美菜子だけ固まってなかったわ)、「ミューレといえばスフィア」という構図だった。他の声優事務所と異なりスフィアの4人のみをほぼ専門でプロデュースするミューレのデザインは業界でも珍しく、「この形式で後輩とかできるもんかいな」と不思議に思っていたので、「2回目のオーディションやって、ついにスフィアにも後輩ができたぞ!」となればそれは注目せざるを得なかった。

 んで、実際に出てきた後輩連中の中でも突出していたのが天さんだったわけだ。同期の2名、のちにTrySailとしてユニットを結成する麻倉もも、夏川椎菜もほぼ同時期にデビューはしているのだが、メイン級の役での露出は天さんが一歩抜き出ており、現在もアニメ仕事の量だけで見ればだいぶ差があるため、当企画ではもちょとナンスには触れられないのはちょっと申し訳ないが、まぁ、こればかりはしょうがない。「スフィアは問答無用で4人に触れるのに……」とか思っても差別じゃないので許してほしい。

 天さんが他の2人からややスタートでリードを取れた理由は何だったのかは正直よく分からないが、ぶっちゃけ3人とも基礎はしっかりしていたので、おそらく役者仕事としてはそこまで大きな差はなかった。ただ、やっぱり声質の差かな。もちょナンスはよりスタンダードな「萌え」の方に寄せやすい、よく言えばアニメ的な声ではあるものの、その分業界での差別化、個性の発揮に時間がかかった。いくらか声が硬めで個性を見出しやすかった天さんが、ミューレが送り込む第2陣の第1陣(どゆこと?)としてふさわしかったのではなかろうか。藤宮さんを務めた2014年、一気に「アルドノア・ゼロ」「東京喰種」「アカメが斬る!」「七つの大罪」と、ヒロインカウントを重ねていく。この辺りの露骨な売り込みの強さはやっぱりミューレだよな。この数年前にあった戸松の快進撃を思い出させる幕開けであった。

 

 

 

・良きところ

 しかし、このデビューの快進撃がそのまま現在の天さんに繋がるわけじゃないのが面白いところだ。ここ最近続けて紹介してきた「小澤亜李の千代ちゃん」「赤﨑千夏の織部やすな」のような運命的な出会いは、快進撃を巻き起こした雨宮天にはまだ訪れていない。そりゃ器用な子なのでどんな役でも文句なくこなせるし、最初に藤宮さんが回ってきたのも声質に依るところが大きいのでむしろハマり役の部類。誤解を恐れずに書いてしまうが、私の中で天さんの声は「細い」声で、分類としては名塚佳織に近いものだと思っている。それならまぁ、最初にメインヒロインを狙うなら「おとなしめの女の子」とか「お淑やかなお姫様」ポジションを狙うのは当然のことで。

 しかし、声質と「キャラの質」は違うってのが役者という商売の面白いところで。もう何が言いたいかお分かりだろう。雨宮天のターニングポイントは、やはり(本人がどう思ってるかは知らないが)駄女神・アクアなのである。それまでのおとなしかったり、クールだったりといったキャラクター像から180°切り替えたぶっ飛びギャグテンション。キーキーととにかく鬱陶しさに全振りしたキャラ造形。なんと、ここに天さんのオアシスがあった。汲めども尽きぬイライラの泉。鬱陶しさとむかつき、そして消しきれぬ愛嬌。「細い」と思われていた天さんの声は、むしろそれをぐいっと引き絞ってけたたましい高音域に突っ込んだ方が勢いを増したのである。

 もちろん、その1点突破だけという話でもないし、それまでに培ってきた素養があればこそのアクアだったとは思うが、本人の人間性とも見事に噛み合ってしまった(悪口じゃないよ!)アクアの威光を武器に、そこからの天さんはまさに天衣無縫。いついかなる時も「ぷークスクス」の精神でもってオタクたちの精神を逆撫でし、弄ぶことになる。この「最初に狙い撃ったフィールドと違うところに鉱脈が眠っていた」感じ、実は声優ヒストリーを覗いても案外観測できない現象なので非常に面白い。すげぇ失礼な言い方になってしまうかもしれないが、天さんの場合はルックスもどう考えても「デキる女」風に見えたので、こっち方向の崩し方になかなか起用する側もアクセルを踏めなかったってのもあるかもしれない。そりゃなぁ、あんなモデルさんみたいな人がアフレコスタジオ入ってきて、さんざんアクアをやり散らかして帰っていく図、面白すぎるもんなぁ……。

 というわけで、天さんの最大の良きところは「いじられのプロ」という部分ですね。本人はどっちかというといじられというよりも「攻め」の気質なんですが、そんな性格なもんだから、聞いてる側は「ちくしょう、いじめてやりたいぜ!」と思ってしまうのかもしれない。喜怒哀楽のどの側面でもとにかく振り切れるまで突っ走る。そんな役者としても極まった「王道」を走り続けられる、彼女こそがミューレスピリッツの筆頭継承者なのである。

 

 

 

・お勧めキャラ3選(TrySailでうだうだしてる自然体の天さんが一番好きではあるんだけどね)

 

・「1週間フレンズ。」より「藤宮香織」

 まぁ、世間的にはやっぱりここでしょ。正直この時点で何の不満もなかったし、「こういう路線に強みを持つ役者なんだろうな」って思ってましたもんね。「奏」の天さんカバーはやっぱ名曲よ。

 

・「七つの大罪」シリーズより「エリザベス」

 高貴なる王族の声、雨宮天。これも最初はもしかしたら安易な配役だったのかもしれないけども、シリーズを重ねてエリザベスも色々と大変なものを背負わされたりもして、存外現在の天さんを鍛え上げる現場になっていたのかもしれない。

 

・「この素晴らしい世界に祝福を!」シリーズより「女神アクア」

 説明不要。アクアといえば天さんだし天さんといえばアクア。それくらい切っても切れない関係性になってしまったのである。当時はさ、「綺麗格好いい系を目指している天さんからしたら本意じゃない役」みたいなこと言われたりもしてたんだけど、実際どう思ってたんでしょうね。

 

・「キリングバイツ」より「ラーテル」

 立て続けに「頭の悪い雨宮天」のキャラクター像。アクアともだいぶ違う頭の悪さではあるが、声は「細さ」があるのにちゃんとこの辺の荒くれキャラにも乗せられるのは純然たる技術である。

 

・「ダンベル何キロ持てる?」より「奏流院朱美」

 初期型の「お嬢様的天さんボイス」にほど良きクレイジーを混ぜ合わせた神配合。ギャグの飛ばし方がやたらとこなれている。

 

・「理系が恋に落ちたので証明してみた。」より「氷室菖蒲」

 これも「クール系美人」という初期フォーマットにギャグが丁寧に混ぜ込まれた配合。全人類の「天さんに踏まれたい」という願望が程よく実現している。当然のようにオープニングも担当している。(エンディングの方が有名になっちゃったけど)

 

・「彼女、お借りします」より「水原千鶴」

 作品自体の評価はアレだが、5期も継続している作品のヒロインの座を堅守し続けるその造形は評価して然るべきだろう。クールな雨宮ボイスに「レンタル彼女」という仕事を押し付けるささやかな背徳感が、この作品のゲスさを際立たせている。「役者を目指している役」という微妙にムズい配置もいい具合に説得力を持っている。

 

・「キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦」より「アリスリーゼ・ルゥ・ネビュリス9世」

 これもいい具合の「崩し+姫」である。この魂の奥底から湧き上がるようなチョロさと、肝心なところで高潔さのブレンド具合は本当に模範的な雨宮キャラ。

 

・「見える子ちゃん」より「四谷みこ」

 全人類が雨宮天に踏まれたいと思うと同時に、散々に泣かせたいとも思っている。歴代ナンバーワンの嗜虐心をそそる不幸ヒロインの最先端。

 

・「よふかしのうた」より「七草ナズナ」

 好き度でいったらナンバーワンかもしれない雨宮ヒロイン。突き抜けた能天気さと理不尽さ、それにひとつまみの夜の哀愁。ナズナちゃんはアクアに並ぶ「天さんじゃなきゃなし得なかったヒロイン」だと思っている。

 

・「ひきこまり吸血鬼の悶々」より「ミリセント・ブルーナイト」

 この子もお気に入りでしたね。やっぱ「高貴さ」は天さんが一番掴みやすくてインパクトを残せるフィールド。それを善に振るか悪に振るかでまた味わいも変わってきますよね。ミリセントメインでのお話も1本見てみたいわ。

 

・「響け!ユーフォニアム」シリーズより「久石奏」

 アクアもナズナちゃんも好きだけど……やはり現世最強の雨宮ヒロインといえば、それは久石奏をおいて他になし。圧倒的な小悪魔っぷり、適切な神経の逆撫で方、それを丸っと飲み込む外面の良さと、壊れた時のチョロさの両立。ユーフォ世界はいい女が多すぎるのだけど、最終的に一番男にモテるのは奏だよなぁ、と思う。本人が望むと望まざると。最終的に転校してきた戸松に叩き伏せられるところまでが人生黙示録。

 

 天さんみたいな人こそ、今後の役者人生がどのように広がっていくのかが一番楽しみな人材かもしれないですね。頼むぞミュージックレイン。

 

 

・関連リンク集

新番チェック・一週間フレンズ。

新番チェック・モンスター娘のいる日常

番組感想・この素晴らしい世界に祝福を!

新番チェック・キリングバイツ

○劇場版「響け♪ユーフォニアム〜誓いのフィナーレ〜」

番組感想・理系が恋に落ちたので証明してみた。

ひきこまり吸血姫の悶々 #3 「ひきこもり吸血姫の闇」

 

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