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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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TO BE HERO X」 6→8

 今期もぼちぼち最終回ラッシュに入っていくが、まず最初にゴールテープを切ったのはこの作品。まぁ、内容的には中間ゲートくらいなのだが……再開がいつになるか分からないのでとりあえず現時点での評価は必須である。

 とはいえ、毎週感想を書いていたのでディティールには今更触れなくてもよさそうだが……とにかくすごい作品だった。ここ最近は中国アニメに驚かされることが多くなってきていたが、その最右翼と言ってしまってもいいんじゃなかろうか。個人的に「中国アニメすごいなぁ」と思った履歴をざっくり確認しておくと、まずは単品作品として「羅小黒戦記」は動画クオリティが非常に高く、しかもアニメーションの質感も日本のそれにどこか共通するものは感じさせつつも充分にオリジナリティが出ていたところが評価点。そこからしばらくは細かいコメディ作品で評価することが多くなり、「万聖街」や「Call Star」、「フェ〜レンザイ」といった細かな秀作が続く。さらに「時光代理人」ではシナリオラインの運び方も新鮮さを感じるようになり、直近では「RINGING FATE」でいよいよ「こりゃぁ日本では出てこない作品だなぁ」と舌を巻くことになった(ついでに「この恋で鼻血を止めて」もシナリオラインだけ見たらその破天荒さは充分に主張できていた)。

 こうして着実に培われてきた「チャイナ・オリジナル」の1つの完成形がこの作品だと、個人的な観測結果として認識している。大きく分けて「シナリオ部分」と「映像部分」に分けて見ていくが、まず、シナリオについては「多数のヒーローがくんずほぐれつ、時に殺し合いながらも複雑に絡み合う群像劇」という構造が実に興味をそそる。時系列シャッフルもうまい具合に興味を引く要素になっていたし、毎回の引きが衝撃的で「どうなっちゃうの!?」というインスタントな興味の惹かれ方で常に引っ張り続ける形は、刺激が強くないとすぐに見限られてしまう現代エンタメ消費社会でもハートを掴み続ける強烈な要因となっていた。普通に考えたら10人以上の「主人公」が入り乱れる構造はすぐにでもとっ散らかって破綻してしまいそうなものだが、毎回ちゃんとメインのヒーローに際立ちがあり、単発の物語としても成立していたのは素直に脚本のうまさだ。まぁ、強いて言うならジョニー編とかは単発ヒーローの力で引っ張る形ではなかったが、その辺りからはもう、「この世界はどういう全体像を構築するのだろう?」っていう興味の方が強くなっていたからね。

 それと、これは「時光代理人」あたりからぼんやり思っていたことなのだが、「えげつないこと」「悪を悪として描くこと」に関しては、中国作品の筆致というのは日本人の(少なくともアニメしか見ていない私の)視点からするとかなり強烈に映る。なんだろ、根本的な道徳観の持ち方の違いなのか、はたまた日本のアニメ業界が「鬱」にやたら敏感になってしまってソフト路線を強く押す流れがあったのか、「刺激の強いもの」をあけすけに見せる手管は中国アニメは共通して上手い……というか、やっぱ「えげつない」印象がある。今作でもナイス編の常にありえない悲劇に叩き込まれる展開とか、謎のはらみつつも圧倒的な闇堕ちを描き切った魂電編の構造あたりは、普段はなかなかえられない刺激にゾクゾクしてしまった。脚本の引っ張り方、これがまず素晴らしい。

 続いて映像面だが、これはもはや説明不要だろう。最終話に全部出し切っていたが、「アニメのデザインそのものを作中でコロコロと変える」という「アニメでしか実現しえない」表現を大胆に展開するその表現が、ほんとうに刺激に満ちた斬新なものになっていた。思い返せば「RINGING FATE」では平気で「実写映像」をぶっ込んできたわけで、そりゃアニメのデザインの変化など、まだまだ優しい方である。しかもそれを単なるこけおどしではなく、「Xの能力」に絡めてしっかり意味のあるものに仕立て上げているというのも念が入っている。ぼんやりと眺めてシナリオの展開が分からなくなったとしても、このファンキーでぐるぐると目まぐるしく入れ替わる画面を見るだけでも、本作は楽しめてしまうのではなかろうか。いったいどれだけの手間と人員を割いて作られているのか分からないが、こいつぁ新しい時代の、新しいアニメの形だと胸を張って言えるだけの成果を残したのではなかろうか。

 さて、こんだけ褒めてしまうと後半戦でぐだった時にちょっと恥ずかしい思いをしそうだが……この作品の監督ならきっとやり切ってくれると信じている。待ち遠しきー。

 
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