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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 さぁ、特級なんとか物の登場だ。呪物じゃなかったとしても、何かしら弩級の存在であることは疑いようが無い、声優界の異端にして最先端、もしかしたら終端。彼女はファン目線では「ほっちゃん」と呼ばれることがほとんどだが、私はあんまりその呼び方はしていない。一番の理由が「私にとって一番大切な存在が『ほーちゃん』なので被るとややこしいやろがい」というどうでもいいものだったりするのだが、正直、「ちゃん」づけで呼びたいほどに距離を近づけていないというのもあるのかもしれない。何かの気配を感じ、常に一定の距離を空けて恐る恐る見守る対象、やはり「堀江由衣」というしかない存在なのである。

 




 

・馴れ初め

 はっきりとは覚えてません(正直)。私がしっかりと声優を意識するようになった時期が堀江由衣のデビュー時期とかなり重なっていることから、果たして認識が更新されたのが先か、堀江由衣と出会ったのが先かが判然としないのだが、普通に考えると「ラブひな」ってことになるんだろうか。「ラブひな」は当時なら原作もちゃんと読んでいたはずで、「アニメ化するで」っていうんで視聴してたのは確実。その中のメインヒロインに注目が集まるはずなので、そこで初めて堀江由衣という名前を認識した可能性が高い。微妙なのは、ほぼ同時期に「シスタープリンセス」シリーズがメディア展開されており、私はギャルゲーは苦手なんですが、この当時はまだそのことに気づいてなくて、とりあえず色々触ってみようってんでシスプリはちょろちょろプレイしたんですよね。まぁ、推しが千影だったから咲耶にはほとんど興味を持っていなかったはずだが。

 なんでこのあたりの記憶がこんなにふわっとしているかというと、そもそもメディアで堀江由衣に遭遇したのが本当に最初なのかも定かでない。デビュー間も無くアイドル方向の活動も行っていた堀江由衣は、Wikiによれば1999年時点で「やまとなでしこ」を結成して活動を開始。もしかしたら、なんかの拍子で「こっちの」堀江由衣が初接触だった可能性もある。いや、でも流石に99年は俺絶対声優に興味持ってないな……うーむ、こと堀江が絡むと、本当に何もかもが泡沫のごとくあって……まぁとにかく強固な印象が固まったのは「ラブひなの成瀬川/シスプリの咲耶」で間違いない。だいたい似たようなキャラだしな。あとはそこから「フルバ」の透くんが出てくるので本戦開始である。「なるほど、透くんのあたりで堀江由衣を一線級だと認識したんだね!」と行きたいところだが……そう簡単にはいかないのが厄介なところでして……。

 

 

・良きところ

 実を言うと、堀江由衣をめぐる言説はすでに1回ブログ上で吐き出している。「10000記事記念」の時にも紹介しているので繰り返しになるが、「猫物語」の感想の中でのこと。この時に書いたことを今回も繰り返すことになる。

 まず、私は堀江由衣が嫌いだった。実際、過去の感想を漁ったらなんと「化物語」の感想(2009年)時点でもまだはっきりと「興味が示せない」「いまいち盛り上がれない」などと言及しており、出会って10年、実質的なアンチ堀江由衣のスタンスを維持していた。この時の「アンチ」という感覚がまず難しい。これまで当企画でも「初めは好きじゃなかったんですよ」という声優はそこそこいて、純粋に第一印象が悪かった白石晴香とか、花澤・佐倉あたりの「出たての棒」は嫌いになって当然。ただ、堀江由衣の場合は(上手いと思ってはいなかったが)決して目に見えて酷い棒というほどの仕事ぶりでもなく、「下手だから嫌い」というのもちょっと違う。ニュアンスが近いのは竹達彩奈だろうか。ただ、彼女の場合は「他のキャスト陣に比べて取り立てて褒めたい要素がない」という状態からスタートした、いわば無関心が故の「マイナス」であり、堀江由衣についてはもっと積極的に、ネガティブか感情を持っていた。もしくは持とうとしていた。これがいったい何に起因したものだったのか。

 もしかしたら認識が多少改変されてるかもしれないが、結局これは「アイドル声優憎し」の感情だったのだと思う。今は歳をとったもんで自分でもだいぶ丸くなったと思っているが、若い頃の私なんて、そりゃもう「声優ってのは役者なんだろ! 歌って踊れる必要なんてないじゃないか!」という過激派であった。アイドル声優という呼び方が嫌いだった。このあたりの感情については田村ゆかりの項でも触れた通りなのだが、相方である田村ゆかりについては、「は? 役者業もちゃんとやってるんだが? 誰がこの仕事を真似できるってんだ?」という実力でねじ伏せられたのだが、同じ時期の堀江由衣は、まだ存分につつかれる程度の実力だった。特別下手というわけでもないが、生来の地声をそのまま使って、単にキャラに「やらされている」感覚があった。だから平気で叩きもしたし、嫌いだと標榜していたのである。この認識は、別に今でも間違っていないと思う。

 しかし、ことがそんなに単純じゃないのが堀江由衣という魔物の厄介なところで……これでさ、「演技がめっちゃ上手くなってた! だから手のひらを返してファンになったんだ!」なら話は早いのだが、上述の通り、出会って10年近く経とうという2009年時点でまだアンチ継続。どうも、私の耳には堀江由衣の演技はしっくりこない様子。それなのに、いつの間にか堀江由衣は「認めざるを得なくなった」。これは、10年以上かけて私が彼女の武器をようやく理解するに至ったからなのか。もしくは堀江自身の中で何かが変わったのか? 多分前者だと思っているのだが……。

 上述の「猫物語」の記事で堀江の持ち味について「作り物じみた違和感」と評している。そう、堀江由衣の仕事は、どこまでも「作った」感が付き纏っている。声優といえばその裏に人間がいることは誰でも承知しているはずだし、常に「中の人」も見ちゃうというのが声優オタクの悪いところでもあるのだが、それをやろうにも、堀江由衣は「本人」を見るのが本当に難しい。どこまでが作られたアイドル声優堀江由衣で、どこからが1人の人間の堀江由子なのか。それが図れない。いや、別に他の声優さんだってプライベートの顔なんて誰にも分からないが、そこに勝手にオタクは人間性を想像して楽しんでるわけじゃないですか。でも堀江由衣って、「アイドル声優としての顔」以外をイメージできなかったんですよ。まぁ、こちらから勝手に嫌って距離を置いたためにラジオなどの媒体を摂取しなかったからってのもあるかもしれないが……どこまで行っても全部「堀江由衣」という仮面に見えて仕方がなかった。だからこそ、声優としてのお仕事をしている時に、「仮面をかぶる役」の堀江由衣が、「虚像が虚像にハマる」という謎の親和性を見出してしまったのだ。それを最も代表していたのが、作られた英雄・羽川翼だったからこそ、「猫物語」の記事でそのことに言及した次第である。

 結局、ここまでの話は全て私という間抜けなオタクの1人相撲でしかない。勝手に「作り物」を嫌って、勝手にイメージを膨らませたら、たまたまそれが「役者」という仕事にかちりと噛み合った瞬間を見てしまい、それを「堀江オリジナル」だと認識したのだ。嫌よ嫌よも好きのうち。強烈なネガティブ感情というのは、何かの拍子で印象が転じた時に、それが大きなプラスになることもあり得る。今となっては、「堀江由衣にしかできない役」が世にたくさん存在することに疑わないし、25年経っても微動だにせず「堀江由衣」であり続けるその姿勢には引き続き畏敬の念も、薄気味悪さも持ち続けている。結局、堀江由衣が作り上げた最大のキャラクターは、「堀江由衣」だったというオチなんですよね。魔のものが蠢く声優業界、その最深部で、今日も堀江由衣は牙を研ぎ続けている。

 

 

・お勧めキャラ3選(みなさんの化け物ヒストリーも是非教えてください)

 

・「フルーツバスケット」より「本田透」

 そんなわけで、初期堀江由衣にはあまり応援したかったキャラはいなかったはずなんですが、不思議と透くんはそこまで嫌いじゃなかった。単にそれ以上にフルバが好きだったのか、ディレクションがうまくハマっていたおかげか……。

 

・「まほらば Heartful Days」より「茶ノ畑珠実」

 履歴を見直してて、「そういやこんなキャラもいたな!」と新鮮な驚きがあったのがこちらの珠実。マイナー作品なので知らない人も多かろうが、こちらのキャラは「糸目の腹黒女子高生」役。当時の堀江由衣といえばそれこそ成瀬川みたいなストレートな(暴力)ヒロインとか、阿漕に可愛らしさを押し出すような「アイドル声優っぽい」役が多いのだが(この書き方も悪意が滲み出てるな)、そんな中で「性格の悪い堀江由衣」が出てきたのでちょっと「おっ」と思った記憶がある。もしかしたら、この時点ですでにあんまりブリブリしてない堀江由衣の声だったら抵抗なく聞けていたのかもしれない。

 

・「とらドラ!」より「櫛枝実乃梨

 ターニングポイントの1つ目は間違いなくこの櫛枝。なんなら歴代堀江由衣キャラでベスト3に入るまである。表向きは相変わらずちゃらんぽらんで飛ばし気味の「学園のアイドル」みたいなポジションだったが、そのトバし気味のテンション芸や物言いの裏に隠れたドロドロとした感情が滲み出した時に、堀江ボイスの「作り物感」が最大限に活かされる。ギャップが大きければ大きいほど。言動が嘘くさければ嘘くさいほど、堀江ボイスの説得力が反作用のように跳ね上がる。実に面白い傾向だ。

 

・「戦記絶唱シンフォギア」シリーズより「セレナ・カデンツァヴナ・イヴ」

 あ、すみません、奏者はここにリストアップしなきゃいけない決まりでして……。正史だけだとしたら単に血の涙を流して死んでいっただけの幼女であるが、マリアに対して残していった陰の大きさはやはり存在感がある。XDUまで含めると単なる可愛い妹だったり、埒外巨乳だったりするだけである。アナザーカデンツァヴナ姉妹、いいよね。

 

・「ミス・モノクローム」シリーズより「ミス・モノクローム」

 堀江由衣の抱える入れ子構造が現実世界でも限界突破してもはや理解不能になった事例。「作り物めいている」と繰り返し主張しているわけだが、実際に堀江由衣本人がキャラクターを「作り」、そのキャラを担当している。「そりゃ作り物ですよ、作ったんだから」と言われながら、さらにその声の「作ってるなー」という感覚に違和感を覚える。もはやクラインの壺の如く、どこまでが表なのかわかりゃしない。

 

・「それが声優!」より「堀江由衣」

 もはやキャラ紹介でもなんでもないが、堀江由衣が浅野真澄との縁を業界で最も強固に繋いでいるという現状も、どこか示唆的である。かたや「作り物めいて」業界最前線で長年生き続ける「役者という業種の陥穽」みたいな存在、かたや役者としては一線をひきつつも、別な業界で「作ること」に邁進し、一番「実になる」ことを追求し続ける「生きることの権化」みたいな存在。……面白いなぁ、声優って。

 

・「魔法使いプリキュア!」より「十六夜リコ/キュアマジカル」

 結局そんな堀江由衣という存在を見て、人々は「マジカル(魔術的な)」としか表現できないのかもしれません。このタイミングでのプリキュア起用も、業界的にだいぶイレギュラーな事例な気もする。

 

・「怪異と乙女と神隠し」より「畦目真奈美」

 比較的直近の作品からはこちらのよだれ怪異先生。やっぱり、堀江由衣を適切なポジションで使うとしたら「怪異」になってしまう。弱いのか、強いのか、本当にどちらか分からない。

 

・「〈物語〉シリーズ」より「羽川翼」

 というわけで、結局私の中の堀江由衣を説明しようとすると羽川を持ってくるのが一番手っ取り早いのである。奇天烈な西尾維新世界の中でもトップクラスの「こんなやついるわけないやろ」キャラだが、そんな「作り物」にこそ堀江ボイスはよく沁みる。これだけいい女なのに正ヒロインには絶対になり得ないというポジションどりで、すぐ近くにあるのに絶対掴めないような、蜃気楼の如き立ち回りである。羽川の物語に結論が出る頃には、私の中の堀江評も固まっているんでしょうかね。

 

 

 皆さんは、もっと気楽に、声優との接し方を考えていいと思います。

 

 

・関連リンク集

化物語 第十四話 「つばさキャット 其ノ肆」

新番チェック・ドラゴンクライシス!

番組感想・それが声優!

番組感想・UQ HOLDER! 〜魔法先生ネギま!2〜

怪異と乙女と神隠し 第九怪 「夢とダンスと付喪神」

 

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