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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「雨と君と」 6→6

 良きアニメでした。もちろん筆頭は「たぬ可愛い」だけど、それ以外にも魅力的な要素は多かった。今期いくつかあった「放送終了後に原作買おうかな」作品。

 まずわかりやすいところからいくと、たぬ可愛さは文句なく。「君」という名もなきタヌキは常に丸っこく、愛嬌があり、それでいてどこか変で。この狸の魅力を発信していくのがこのアニメの必要条件だったのだから、そこを満たしてくれた時点でまず文句はない。加えて、動物だけじゃなくて人間の方も実に魅力的。藤さんを中心に広がっていくコミュニティとすら言えないようなどこか疎であり密である人間関係、その1つ1つに違う世界が垣間見えて、1人の人間を起点にいろんな人生を覗き見しているような充足感がある。おおきくまとめれば「日常系」ではあるはずなのだが、「平凡さ」を売りにせず、日常生活の何に楽しみを覚え、感動を得るのかを描いた純文学の味わいはなかなか他のアニメではえられないものだ。あとはまぁ、ガールズコミュニティなので絵的にもセクシーってのはやっぱり大事だけどね。なんだろ、このアニメの女性の描き方は「エロい」じゃなくて「セクシー」っていう言葉が一番しっくりくる気がする。日々の暮らしにお疲れの社会人女性からしか得られない魅力というのはあるものだ。

 とまぁ、ここまでが表層的な評価部分なんだけど、今作の波長があったのは、もう少し本質的な部分だった気がしている。藤さんという主人公が「作家」なので非常に端的な捉え方になってしまうが、最後に藤さんが色々と悩んでいたように、今作のテーマの1つには間違いなく「言葉」がある。もっと踏み込むなら「言語によるコミュニケーション」かな。常に真剣に一言一句を考え続けながら生きている作家の藤さん。そんな彼女の下を訪れたのが「人語を解し、フリップでコミュニケーションが取れる狸」という変な相棒。もし「コミュニケーション」を考えるだけなら単なるアニマルでよかったはずなのだが、ここに「言葉が通じる」という要素が付け足されると、藤さんは大した疑問も持たずに狸と対話を始める。狸の方も藤さんの言っていることの9割は理解しつつ、それをほんのちょっとのフリップのみで返す、文字通り「言葉少な」な対話である。この「使えるけどそこまで使わない」という関係性の中に、日頃感じないような「言葉」の面白み、今まで気づけなかった隠れた役割などを感じ取ることができて、作家の藤さんは色々と刺激を受けている気がする。単なる思いつきみたいな初期設定の「変な狸」が、今作で描かれたしっぽりとしたテーマ性をうまく支えている。そんな気がするのだ。

 情報量が増えすぎた現代人にとって、仕事、人間関係、そしてアニメというエンタメとの付き合い方も人それぞれだと思う。そんな中で「こういう関係性もありじゃない?」と問いかけてくるこのアニメは、それ自体が癒しであり、思索でもある。そういう静かな時間も、必要なんじゃないですか?

 
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