忍者ブログ
最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
[11624] [11623] [11622] [11621] [11620] [11619]

CITY THE ANIMATION」 6→5

 結論としてはぐぬぬ。評価すべき対象が目の前に転がっているのに、心から評価できない自分がいる。すまねぇ京アニ。俺の心に余裕がないばっかりに……。

 おそらく、小難しいことを考えずとも世間一般の評価傾向はなんとなく分かっている。「映像はそりゃもうすごい、だって京アニだもん」という絶対無敵の真実がある。そしてそこに立ちはだかる「その画で描かれたネタは面白かったのか」というギャグアニメとしての勝負の分かれ目。かつて「日常」では私はこれを「トータルで余裕のプラスじゃん。面白かったじゃん」だった。今作も同じ評価になるだろうと思っていたのだが……何が変わったのだろう。全力で受け止めきれなかった。ネタとしての面白みは享受できなかった。

 すごい部分は改めて言わずとも、である。ことに今作は「日常」以上に群像劇としての性格が強く、そのタイトルが表す通りに「街」全体が1つのネタ。街全体が1つの生命体であるかの如く、あらゆるキャラクターの動きが繋がって1つの模様を描いていく。あらゐけいいちは持ち前のこちゃこちゃした絵柄でもって、画面の端から端まで油断できないモザイク画のようなネタ回しを展開したのである。そして、およそアニメとしては再現不可能であろうこのネタ回しを、あろうことか京アニは真正面からパワーでぶち抜いてきた。普通に考えたらそんな画作りは思いついても実行できないものだが、いかんせん京アニにはそれを実現させるだけの力があった。おかげで信じられない枚数の動画を費やし、ひたすらに細かい部分まで動かし続けて「群像劇」の「群像」をそのまま画面に再現できてしまったのである。

 できてしまったこと、これが皮肉にも評価の分かれ目になってしまった気がして、どうにも不本意である。何が問題だったのか、それは「緩急」の感覚。いや、「弛緩の大切さ」みたいなものだろうか。原作は、どこをどう見ても「ユルい」のである。それが京アニ作品になることで、皮肉にも特大カロリーの映像の暴力に姿を変えた。この暴力的なまでの「動画」は、視聴者に緊張を強いる。ちゃんと見ることを迫る。1秒でも目を離したら取りこぼしてしまう要素が出てくるかもしれないという、全力での注意を求めてくる。そして、本来この作品はそこまで緊張感を持って見るネタではない。そのせいで本来のあらゐけいいちの持ち味であるシュールギャグを「正面から受け止めるしかない」という大混乱が巻き起こるのである。

 もはや、これは京アニというスタジオの業である。受け持った時点で、ここまでやり切るしかないし、やらなかったら「京アニなのに」と言われてしまう。結果的には、作品を受け持った時点で割と袋小路気味だったという結論になる。ここに何かもう一段上の革命があったかもしれないし、それを京アニに望むのも高望みだとは思えないくらいの信頼はあるんだが……今回に限っていえば、突き抜ける方向性が最適解ではなかったという話である。

 いや、でもこれ以上点数は下げられないよ。イカレた映像、ほんとになんでここまで……まぁ、京アニとしては今後の更なる進化のための実験場だったと思えば、サンプルは色々ととれたんじゃなかろうか。決してこの作品はむげにせず、引き続きチャレンジ精神を持って次なる地平を切り拓いてほしい。

 
Amazonアフィリンク

拍手

PR

コメント


コメントフォーム
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字


忍者ブログ [PR]
カレンダー
09 2025/10 11
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
ブログ内検索
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
ーーーーーーーーーー
↑越えられない壁
沢城みゆき 斎藤千和 
中原麻衣  田中理恵  
渡辺明乃 能登麻美子
佐藤利奈  佐藤聡美
高垣彩陽   悠木碧
最新CM
[09/30 Serra]
[09/30 NONAME]
[09/30 NONAME]
[09/29 通りすがり]
[09/29 とみしの]
バーコード