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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 明智の最期、第14話。辛いお話になりました。これが群雄割拠の乱世の厳しさであることは分かっているが、こういう無情を見せられると、やはり色々と考えさせられるものがあります。

 明智軍の包囲網は次第にかたまり、大きくなっていくばかり。加勢に馳せ参じようとした徳川勢にも、羽柴の軍勢が4万を超えたという絶望的な報せが届く。それでも義に殉じようと馬を向ける家康であったが、家臣から上がった声は「三方ヶ原を忘れたのか」という決定的な一言。あの戦での醜態は、家康の未来をも左右した決定的な教えである。意気に任せて進軍を決めようとした家康の表情が強ばる。

 そんな状況は何も知らぬ光秀は、既に自らの時代が「三日天下」で終わったことを理解していた。わずかばかり残された部下との「最後の晩餐」では、未来を憂う必要も、部下を守る必要も無い、純粋な「楽しむための夕餉」を久し振りに迎えることが出来た。わずかな手間と発想で無念の晩餐に彩りを添える光秀。「武に尽くすより、数寄に興じてみたかった」と自らの無念が詰まった半生を振り返り、「武など美には勝てぬ」と達観した様子。しかし、時代の動乱を生み出した自らの進退については、きちんと1つのけじめを付けなければならないのも、彼なりの流儀である。

 そんな光秀に対して、「反信長」という1つの旗印を拠り所に、延暦寺からの救いが差し伸べられる。信長の命とはいえ、本来ならば僧たちを攻め滅ぼした光秀に恨み言こそあれ、救いを差し伸べるなど想定の外。その信義に感じ入った光秀は、何とか最期の生に賭けてみる決断をする。落ち延びる山中において、延暦寺の僧たちも一枚岩ではないことをしらされることになったが、それでも自分を求める人間がいるのならば、その思いに答えてみせるのが武人である。

 しかし、世はかくも無情である。結局、光秀は生を長らえなかった。どれだけ徳を積もうとも、あの「魔王」の下で働き続けた業は容易く祓えるものではない。最期に民を守りながら別れを告げる光秀の目には、燃え落ちる自らの人生そのものが、至上の「侘び」として理解される。一度は思いを異にし、事実、自らの進退を左右して人生に終止符を打つ直接の原因になった男、千利休。彼の身にまとう「黒」は、人生においては喪の色として扱われる。その「黒」に彩られた末期の一瞬に、彼は利休の思惑すら越える侘びの極致にたどり着くことになったのである。艶やかな色彩もいらぬ。余計な人生も、末期を見取る臣下も要らぬ。そして、下の句すら蛇足である。義に篤く、信義を尊んだ1人の武士は、こうして目を閉じたのである。彼の残した思いは、1足の足袋を通して、次の天下に受け継がれることになる。

 そんな壮絶な最期とは一切関係無く、気づけば羽柴軍の目利き役として重宝がられることとなっていたのは、信長への思いから頭を丸めることになった古田左介である。数寄の道は信長への忠義、憧れが後押ししていた感情であり、目標を失った今、彼の目にはどんな大名物も心を動かすことはない。……とかいいながら、火炎土器を相手にするとやっぱり変な顔。確かに、これまで持ち続けた「数寄」への情熱は失われたが、彼の性根はどこまで行っても一数寄者。嗜好が遷移し、新たな美の地平を切り開く段階に入っただけで、そこから情熱が消え去ることはなかった。現時点において、彼の目指す道は明確には見えていない。あの事件のとっかかりとなった八角釜によって、新たな美の可能性である土器が粉々になってしまったことが、その「未だ成らざる道」の存在を端的に表しているだろう。

 左介の行く道が正しいのかどうか、それはまだ誰にも分からない。しかし、あの明智光秀が最期に思ったのは、最期の一瞬こそ最愛の妻であったが、その直前には、「一途な数寄に迷いがない男」である左介の姿を思い描いている。少なくとも、1人の武人に憧れられた、理想の人生であることは間違い無い。時代は巡り、天下は変わる。左介の美、そして利休の美。大成の時は、まだ先のことなのだろう。

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