最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
冷静になると本当に分からない第17話。毎回きちんと「へうげもの名品名席」まで見ているわけだけど、本当に「芸術品」っていうジャンルの良さってのは分からないもんだね。平蜘蛛の接いだ奴がいいとか悪いとか……あれもちゃんとお勉強すれば見ただけで鳥肌が立ったりするようになるものなのかしら。
時は流れてあっという間に秀吉が関白の位にまで到達。「ようやく天下人になれたわ」と安堵の溜息を漏らす秀吉ですが、どうにも、あれだけ必死に狙っていた「天下」を取ったという感慨が無いのは寂しい限りですな。まぁ、あの席に座るまでにどれだけのものを失い、どれだけ神経をすり減らしたかを考えれば、あの大怪物織田信長のように、呵々と笑って鎮座するような心持ちではないのだろう。あくまでも「小ずるく、周到に」積み重ねてきた結果の天下なのだ。ひとまずのんびりと女漁りでもしたいという気持ちになるのは仕方ないところか。 そして、そんな秀吉の天下取りに多少なりとも荷担した「共犯者」、左介。徳川との折衝役として事を成したことも評価され、ついに位を賜るまでに上り詰めていた。元あった中川の家については弟夫婦に全部任せて、自分は新たに得られた山城の石をもとに、数寄の道を邁進しようという腹づもりだ。位が上がれば武に取られる時間も多くなるとはいうものの、使える財もそれだけ増えて、念願だった自分独自の道探しも一気に視界が開けるというもの。「趣味が高じれば金がねぇ、金を稼げば時間がねぇ」というのは、いついかなる時代のマニアにも避けては通れないジレンマよの。ま、無いものをやりくりしている逼迫感も趣味に没入する楽しさの一つと思えば。 秀吉を通じて手に入れた新たな官位の名、それは「織部」であった。織物などの紡績業を統べるために存在していた官職とのことだが、そこには「弾正」などが持つ無骨なイメージもなく、「左介」が孕んでいたぺしゃっとしたイメージも大きく改善。そして何より、あの憧れの色彩、オリーブに似た響きを持っているのだ。織部、おりべ、オリーベ……なんという運命の悪戯であるか。……これって、いわゆるDQNネームの走りですか? 名前までもが「数寄」に寄ってしまい、左介改め織部の腹の中には、他人には理解し得ないほどの物欲がぐつぐつと煮えたぎるのである。 しかし、数寄の道は未だ果てなく。念願叶って借りられた茶入れを使っての茶席で利休に褒められたまでは良かったが、まだ茶室を完成させるまでの領域には達していないとの酷評を受け、ちょっと伸び始めた鼻っ柱をへし折られてしまう。まだまだ黒衣の怪人には及ばないということか。 それならば、あとは自分にだけ与えられた恩恵である「資産」を使って、望むべき未来を追究し続けるのみ。あの信長の意志を受け継ぎ、父親の小言には耳も貸さずにつぎ込むところに全額投資。大量の焼き物職人を集めての一大窯職人プロジェクトは、他の誰とてチャレンジしようとは思わない「数寄勝手」の極致といえよう。興味半分で列席した上田左太郎は、そんな狂気の入り交じった織部の計画に、呆れを通り越して底知れぬ馬鹿の恐ろしさを感じたのであった。 今回から、傍観者としての上田左太郎が正式参戦したことが、物語の中における織部の立ち位置が大きく変化したことを表している。これまでは信長や利休、荒木村重といった数寄の先人達の後を追うのに必死だった左介を中心に物語が進んでいたわけだが、今回をもって、ついに織部は「追うもの」から「追われるもの」へとシフトチェンジしたのである。「訳の分からない織部のすごみ」を見せるには、その意図を計りきれないオーディエンス、つまり驚き役が必要になるのだ。その重大な役目を務めるのが、上田というわけだ。彼の目から見たら、既に織部も利休も、得体の知れない怪物には違いないだろう。 天下が変わり、名前が変わり、立場が変わり、そして物語での役割が変わった。「チェンジング・マン」とは、何とも味のあるサブタイトルではないか。 PR |
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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