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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 歯磨きってあんな角度であんな風にやるものだっけ? 第5話。我が家の場合、本当に小さい時は寝っ転がって親がやってくれた気がする。いや、正直言うとあんまり覚えてないんだけど……みんな、歯はちゃんと磨こうね!(切実)

 今回のトピックスは大きく分けて2つ。1つ目は、ついに面会が叶って初登場のりんの実母、吉井正子さん。先週の引きからドキドキしていたのだが、さぁ、難しいキャラクターが出てきたぞ。これで本当にりんに興味がないだけの駄目な女が出てきたりとか、りんに会えなくて涙を流すような必死な女性が出てきたら話は簡単なのだが、そんな漫画みたいなキャラクターが出てくることはなかった(漫画なのに)。吉井正子は、確かにどこかズレたところのある人物ではあるが、それは、ダイキチが初見で判断出来るような、分かりやすいものではなかったのだ。

 りんを手放したことについては、特にこだわりがあるようには見えない。本人がいうように「母親であるべきでなかった」という理由付けは既に数年前に済んでおり、今更「子供を捨てた」と言われても、他人と相談して放棄した母親像を責め立てられても知ったことではない。しかし、いわゆる常識、モラルが無いというわけではないので、娘が元気でいると聞けば嬉しいし、当然娘には幸せになって欲しいとも思っている。誰もが、近所の知り合いの子供や、親戚の子供にはそうした感情を抱くのであるし、自分の人生に面倒を引き起こした憎悪の対象などにはなっていない。あくまで「母親であること」「自分と繋がった人生であること」を放棄しただけであり、正子は意識的に「それ以上の関わりを持ってはならない」という自戒を維持している。彼女の中では、今現在の関係性が、完璧に出来上がったものとして成立しているのだ。

 大吉も、そうした正子の「普通の部分」は短い会話で理解した。しかし、その上で、自分が想像していた「母親像」とは違っている部分が納得出来ないのも事実。「お腹を痛めた子供」であるなら、もっと愛情を持つべきであるというのが、古くから教えられている典型的「母親像」であり、複雑な事情は理解しながらも、そうした「良い人物」を期待してしまうのも、常識人ならば仕方がない。結局、2人の意識のズレは、正子の人生遍歴によってもたらされたものであり、どちらが正しいとか、間違っているという類のものでもないのである。

 この絶妙に「正しくない」スタンスの吉井正子というキャラクターだが、非常に安易な見方をすると、実は現代の「母親像」としては1つの形としてありそうな気もするのだ。よく言われることとして「子供が生まれれば親は親として成長していく」という慣習があるが、実際には、多分そんなことはないのだと思う。もちろん、子育てをしていく上で培われる経験や、養われる人間性があるのは事実だろうが、それだけで全てが決まるはずもない。実際のところ、これまでの日本の生活様式では、子供が出来れば確実にその祖父母との関わりというものが生まれ、周りの子持ちの先輩との関係が生まれ、そういった先人達との接触で、初めて得られるものもあったはずなのだ。

 しかし、今の日本の生活スタイルでは、そうした人と人との自然な繋がりは薄い。実際、正子は大吉の祖父との関係性だけが子育てをする上での繋がりであり、その中で想定されたりんとの関係性が「断絶」だったのである。そんな状態で、通常通りの母性を養え、というのも無体な要求であるような気がするのだ。「母性」というよりも「親の在り方」のレベルで、今の社会は確実に変質しており、諸々の社会問題も、そうした変化の過程で生まれる歪みではないかと、そう思ってみれば、まだ鹿賀家の問題はそこまでおかしなものではないのかもしれない。

 とまぁ、色々と考えてはみたものの、1つだけ確実なのは、大吉はりんのことを考えているし、正子も同様に考えてあげられるだけの能力を持っていたということ。これまでのお話は「大吉とりん」という大人と子供による子供の話だったわけだが、今回は大人と大人による、子供の話。2人の大人がきちんと考えてあげられるのだから、りんの将来は、多分心配ないのだろう。毎回よく分からないところで変なところを刺されるこの作品だが、今回は正子との別れ際の大吉の台詞、「俺はりんにとっての一番を考えます」っていう台詞が、突然涙腺に来た。大吉の台詞って、本当に裏が無くて真っ直ぐなんだよなぁ。

 そして、そんなまっすぐな大吉とりんのいつも通りのコミュニケーションが、2つ目のトピックである。すっかり関係性が固まった「親子じゃない」2人。大吉はりんを「子供扱い」するのは当然のことなのだが、要所要所でちゃんと「鹿賀りん」として見てくれているのがすごく良い。冒頭の朝食を用意するシーンでは、自然に棚の上のボウルを取った後に「頼む」と一言。りんに「してあげる」のではなく、りんに「お願いする」立場でのコミュニケーションだ。そうしてちゃんと見てあげているからこそ、りんは自分で考えて、決断するだけの自我を獲得している。大吉との養子縁組をサラリと拒否し、「鹿賀りん」という名前が大事だ、という主張も自然に出来るし、大吉の感情の変化をみて、「だっこしてあげればよかった」という気遣いだって出来る。「りんに考えてもらう」ことを望んでいた大吉からすれば、そうして平然と期待通りの振る舞いをしてくれたりんを見て、涙腺が緩むのも仕方ないことだろう。まぁ、実際のところ、大吉を「お父さん」とは見られないわなぁ。「じいさんの子供」っていう意味では対等だしなぁ。

 ……本当に、Cパートのりんの愛らしさがたまらんなぁ。なんか作画が独特だったけど。今回の、すごく小さい萌えポイント。大吉が歯磨きしようとして「もうちょい上(向いて)」って言ったときのりんの「あい」っていう返事。りんはすごく良い返事が出来る子です。あと、幼稚園のお遊戯の様子はダイレクトに可愛かったです。あぁもう……

 あと、吉井正子役が坂本真綾だったのも個人的にはミドルヒット。真綾って、役者としてみると「すごく上手い」っていう人じゃないんだけど(歌い手としては別格)、独特の「現実感の薄さ」というか「どこか魂が抜けてるっぽさ」みたいな感じが、ハマると凄く面白い役になるんですよ。「ホスト部」のハルヒとか「SOUL EATER」のクロナとか。今回の正子役も、どこか現実感が薄くて、それでいて人間的に放っておけない感じなんかが、すごく良い味になってる。これは良いキャスティングだ。

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