最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「花咲くいろは」 6→7
とにかく半年間お疲れ様でございました。オリジナルシリーズでここまで一切の中だるみ無しに追いかけてこられたのは、本当にありがたいことでしたよ。ここから新しいアニメの形が生まれそうな、そんな風格すら感じられます。 まず、この作品はなんといってもP.A.Worksの作品だ。P.A.といえば、個人的にはほとんど外すことが無い鉄板スタジオという認識であり、特に映像技術にその良さが出るという、非常に分かりやすい長所があるおかげで、全くの新作を見る時でも評価のポイントが分かりやすい。加えて、今作は監督に安藤真裕を据えた「CANAAN」のスタッフが集まっており、構成力や細やかな演出力についても保証が得られる。ここまで盤石でこけたらおかしいだろうし、実際、想像していた以上のものを作り上げてくれたと思う。ま、ベースとなっているのが「ドタバタ旅館奮闘記」なので物語が想像を超えるドラマティックなものになったりはしないのだが、この「ギリギリ近くて、ありそうだけどやっぱり無い」という、昼ドラ具合がこの作品の売りだったのですよ。 シナリオ面についても、岡田麿里のいい仕事がここでちゃんと結実している。「あの花」のように劇的な短編ものではないが、2クールの中に実に様々なテーマが込められており、1つ1つがきちんと回収されている。特に、個人的には「親子」「血縁」というテーマの重さが好きで、25話で見せた皐月の表情や、最終話のスイと緒花の関係なんかは大のお気に入り。人間誰しもが親近感を抱き、それだけに壁としてもぶつかる問題は、なんといっても「親と子」という関係性。それを、あまり押しつけがましくならないレベルで、26話を通じてじっくりと描いてくれたおかげで、シナリオにがちっとはまるバックボーンが出来ていた。他にも様々な恋愛話や経営奮闘記、「ぼんぼる」という言葉を象徴とする「人が輝くこと」についてのテーマ性なども、ゆっくり拾えるだけの分配でありながら、1つ1つに心を砕いていることがよく分かる。脚本家の意図を、アニメに描き下すスタッフがしっかりくみ取って構築していることが、この隅々に行き届く完成度を生み出したのであろう。「何をすべきか」「何がしたいか」が伝わってくる物語だったおかげで、1人1人のキャラクターへの愛着も増し、緒花たちへの共感も強くなる。悩みながらもぼんぼっている緒花たちは、モヤモヤする部分も多くあったが、それでも最終的には応援したくなる、愛すべき馬鹿野郎たちであった。 そして、これは余談になるが、この作品の「ご当地アニメ」としての立ち位置も面白い。石川県に本拠地を置くP.A.が10周年記念作品として送り出した本作は、地元石川の名所PRの役割も果たしているらしい。実際、この「いろは」効果でそっち関係のお客さんが増えたという報告もあるし、とにかく地方の観光産業に少しでも興味が持てるというのは悪いことではない。こうしたモデルケースが上手く実を結べば、アニメは新しい商業を生み出すことが出来るし、そうなれば新しいアニメの形が広がり、文化的にも幅が出る。なんでもかんでも宣伝ばかりでは味気なくなるが、こうして現実的な側面でも影響のあるオリジナリティを発揮させた、というのは、この作品の白眉な部分ではなかろうか。私も、これを機会に湯乃鷺(湯湧温泉)に行ってみたいと、思ったり思わなかったり。まぁ、私みたいな人間が顔を出すと明らかにアニメが動機だって分かるからこっぱずかしいんですけどね……(とかいいつつ、先日秋葉原に行って「あ、この辺をオカリンがフラフラしてた」とか思ってたんですけど)。 最後はやっぱり中の人トーク。本作は実に様々な方面からの刺激が美味しゅうございました。代表するのはやはりメインヒロインの緒花を演じた伊藤かな恵ということになるだろうか。かな恵ボイスの不思議なパワーには、いつも元気を貰っております。緒花は「ぼんぼる」だの何だのと妙な言葉を生み出す天才で、孝一をわがまま勝手に振り回していきなり早とちりから落ち込んだり、ともすると寒々しいキャラになるところなのだが、かな恵ボイスのおかげでそうした「難有り」の部分は上手いこと誤魔化してしまえている。菜子の度が過ぎた天然っぷりとかもそうかもしれない。豊崎の魔性である。また、今作は年配の女性の迫力が見どころの1つとなっており、絶大な存在感を発揮したスイ役の久保田民絵が実に見事。また、皐月役に本田貴子ってぇのも非の打ち所のない配役。やっぱ格好いいよなぁ。あとは巴さんの中に入ってる能登麻美子ですよね。能登さん、地元に帰って縁談とかしないで下さいね、お願いしますから。 ラストに、これが実に微妙な問題なのだが、民子役の小見川千明がいる。実をいうとまだ悩んでいる段階なのだが、民子については「ややアリなんじゃ?」と思い始めている自分がいるのだ。小見川がなかなか上達しないことは分かった上で、「なんか、民子の融通の利かないこの感じは、いっそ小見川ボイスで当たっていた気も……」とか思えてきたのだ。この判断が正しいのかどうかは、皆さんにお任せします。 とにもかくにも、半年間お疲れ様でした。みんなが明日もぼんぼれますように。 PR |
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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