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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「ティアーズ・トゥ・ティアラ」 4→4

 うーむ、期待しすぎてしまったのだろうか。小林智樹監督作品ということで放送開始から期待を込めて観ていた作品だったのだが、あの「うたわれるもの」のようなムーブメントは結局発生せず、普通の「RPGが原作のアニメ」として幕を閉じてしまった。特に悪い点もないのだが、特に見るべき点も見あたらず、言うなれば「戦場のヴァルキュリア」との差も見いだしにくかった。

 「うたわれ」が個人的にハマったのはいくつか理由があると思うが、比較してみると、まずキャラクターにハマるかどうかの違い。トウカ、カルラ、エルルゥにアルルゥ、男性キャラもハクオロにヌワンギ、ニウェまで、キャラクター1人1人に目がいった「うたわれ」に比べて、この作品で目がいくキャラクターはそこまで多くない。アロウンとアルサルはいいとして、居並ぶ女性キャラで気になったのはモルガンとオクタヴィア、あとリディアくらい。周りを取り囲むキャラクターの掘り下げがほとんどなかったので、補助的な楽しみ方が出来なかったのが残念。まぁ、これはゲームをやらないと分からない部分が多かったのかもしれないけど。

 そしてストーリーについてだが、悲愛をベースとした「うたわれ」と対比して、この作品の場合は英雄譚としての側面が色濃い。一部は創世神話としての意味合いも持つが、こうした媒体の場合、本当に筋は王道一本のみ。となると王であるはずのアロウンに感情移入して立身出世を見守っていくしかないのだが、完全に記憶を失い、1から世界を見つめていったハクオロと違って、アロウンは「視聴者が知らない」様々な世界情報を知っている。おかげで序盤から視点の剥離が著しく、なかなか物語に没入できなかった。知略で局面を打開していくハクオロと違って、アロウンの場合はピンチになると「何かスゴイ魔王パワー」で乗り越えてしまうのも興ざめ。「それが行けるなら何でもありだろう」と思ってしまう。そもそも何故アロウンが「魔」王なのかも結局しっくり来なかった。最終的には普通の「王」でしかないしなぁ。

 改めて振り返ると、「うたわれ」と今作の違いは根本的な設計思想の部分にある。何を見せようとして描かれた物語なのかが違うために、その演出も変えなければいけなかった。そこを勝手に「うたわれ」的な期待を持ってしまい、肩すかしを食らった形になる。ただ、それでもやっぱり見どころは少なかったと思うけど。シナリオもよく分からん部分が多かったしな。

 もちろん、画面のクオリティだけを見るなら、決して質の悪いものではない。個人的には最終決戦やアルサル対ガイウスの戦闘シーンなどは非常に満足できるものだったし、オープニング映像などのようにわざわざ面倒な構図にチャレンジするフェチシズムあふれる演出は評価したい。今回はあくまで「あまり向きではない」作品を扱ってしまったのだと、とりあえずそういう結論にしておこう。

 そうそう、最後は中の人の話。「うたわれ」を一大ムーブメントにまで持ち上げた要因の1つにラジオ番組があるが、この作品のラジオもそれなりにパワーはある。石井真の名前は、今期最もインパクトを残した役者として語り継がれたり、そうでもなかったり。でも、個人的に一番感心したのはモルガン役の中原麻衣。ここまでテンションが高い役は久しぶりだったのだが、やはり彼女はリアクション芸こそ真骨頂。本当に活き活きしていて聴いてて気持ちよかった。 

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