9月30日 ドラフト模様(INN×3)
ピック順 【Mei】→【Serra】→【Alessi】→【Thraxi】→【Metallica】
いえーい、年に1度のお楽しみ、新セットのお時間がやってまいりました。今回のセットは特にドラフト中に影響が特大の爆弾、両面カードが売りの問題児だ。一体どんな波瀾万丈のドラフト戦になるのか、みんな戦々恐々ワクワクがとまらねぇぜ!
………………あれ? なんか違う? 地味? デッキ出来る? よく分からない? 両面カードやっぱり邪魔? なんだろう、この感じ……
いや、知ってますよ、Wizards社が直々にどこかで言ってましたからね、アラーラあたりから起こっていたカードパワーの暴走を、少し抑えるセットになるっていうアナウンスは。その割りには人狼クリーチャーとかサイズがでかいし、どうせ大した差は出ないだろうと思ってたんですが……ドラフト環境はすこぶる地味。なんだろう、他にたとえが見付からないけど、マジでマスクス環境のような……考えてみりゃ、今回採用されたギミックって、変身以外はほとんどが刺激にならないんだよね。フラッシュバックは既に3度目のキーワードだし、陰鬱もそこまで数が多くないもんで、あんまりキーを握る存在になってない。あとは墓地絡みの諸々だけど……少なくとも今回の試合ではあまりそういったギミックの妙は感じられず。変身カードも、スムーズに動けばそれなりに緊張感のあるシステムなんだろうけど、代用カードとの交換とか、ピック中の煩わしさとか、そういうのが先だって今ひとつのめり込めない……うぅむ、慣れればするめのように味わい深いセットなのか。それとも、本当に単に地味なセットなのか。とりあえずあと1ヶ月くらい遊んでから考えよう。
AL SE TH ME MT
AL ー × × ○ ○ 2ー2 4
SE ○ ー × × ○ 2ー2 3
TH ○ ◎ ー × × 2ー2 2
ME × ○ ○ ー ○ 3ー1 1
MT × × ◎ × ー 1ー3 5
1位 【Mei】 緑白 <
霊誉の僧兵 願い事 無謀な浮浪者>
環境のトップを飾ったのはこちらの男。相変わらずデッキが弱いだのなんだのと憎まれ口を叩くので本当に勝利を讃える気が起こらない(まぁ、今回に限ってはみんなして弱い弱い言ってたけどな)。勝ったデッキは人狼多めのシンプルな脳筋ビートで、「スレイベンの歩哨」×2あたりの圧力がそれなりに高効率。やっぱり変身クリーチャーってのはでかい、ということをシンプルに伝えてくれる。あと「アヴァシンの仮面」ね。これだけは是が非でも書いとかなあかんと思った。あれ、本当に触れない。どうしようもないデッキにはどうしようもない。呪禁だけなら許すけどタフネスが2もあがるのが鬼畜。でもさ、優勝したって言われても、デッキリストを見ても何がそこまでいいのかはよく分からない。それがこの環境のはじまりの印象なのである。
2位 【Thraxi】 青白 <礼儀正しい識者
神聖なる報い アヴァシン教の僧侶>
今回1名風邪で欠席した人間がいるのだが、そやつからの欠席メールに、「青でライブラリを削るデッキを組もうと思ってたのに」との一文が添えられていた。そして、その連絡を受け取った私の第一声は、「よしっ」である。ライブラリを削ることにおいて、他者にその第一歩を譲る気など、私は欠片も無かったのだ。もちろん1引きレアなどで臨機応変に行こうとは思っていたが、とにかく1回目のデッキはライブラリを削りきる。このことは、フルスポイラが出た2週間前から胸に秘めていた(まぁ、どれだけ漏らさずとも流石にうちの連中には感づかれてはいたんだろうけど)。無事にライバルも欠席して、私は1引きからなりふり構わずのライブラリ狙い。事前に、最も相性がいいのは除去が強い白だろう、とも思っていたので、青白2色狙い。コモンで「夢のよじれ」「血まみれの書の呪い」の2種がかき集められれば、それだけで勝てるはずだ。しかし……今回15パック開けて、双方とも1枚ずつですよ。想像以上のお通夜ですよ。辛うじて青が独占色になり、そのためにそこそこ有用なディフェンス手段も確保出来たので案外戦うことは出来たが、改めて振り返ると、2パック目なんか7〜8引きあたりで欲しいカードが無くなってカットに入ってしまっている。やはり成功したデッキとは言いがたい。そして、一発目にこんなデッキを作ってしまったら、来週以降はわずかながらも他人からのチェックが厳しくなる。もう、ライブラリの底は拝めないのだろうか……
3位 【Serra】 黒白 <
血統の切断 災炎のドラゴン 礼拝堂の霊>
イニストラードのリストを見て、多分誰しもが思うことが1つある。それは、「黒除去弱くね?」ということだ。おそらくコモンの代表除去であるはずの「夜の犠牲」の適用範囲が異様に狭く、「死体の突進」も条件付きなので使いやすいとは言い難い。「死の重み」はそこそこだが、とりたてて優秀とは言い難い。コモンの除去に、華がない。しかし、アンコモン以上になればそこそこの収穫は出て来る。今回このデッキが恵まれたのはそんな高級除去で、レアの「血統の切断」からスタートして「飢えへの貢ぎ物」が手に入った。この2枚は今回の除去の中でも素直に使いやすいものだ。その他の部分はクリーチャー事情と「掘葬の儀式」の強さから白が選択されており、今回5人中4人が白、という状態ながらもそこそこのクリーチャーライン。2パック目で引いた「災火のドラゴン」だって、是非入れたいカードだったろうに、結局赤にたどり着けずにお蔵入りだ。この、どうにかしてベースを作ろうにもままならない感じ、これこそがイニストラードなのだろうか。憶測だが、ピック中には多分「あぁ、赤に行きたいけど赤が弱い……おそらく今回は卓に赤が多いんだ」などと考えていたと思うのだが、意外にも今回赤は1人しかいなかったりする……やれやれ、困ったものです(CV・小野大輔)。
4位 【Alessi】 赤黒 <モークラットのバンシー
煽動する集団 ハンウィアーの砦守り>
今回の変身する人、2人目。1引きの2枚が変身クリーチャーであり、レアリティも様々なややこしい人狼乱舞が楽しめるデッキになっている。また、「レアが2枚ある」という衝撃発言から、「今回のパックは両面カードが必ず1枚だけ入っており、そのレアリティはランダム」という法則の発見に繋がった(ついでに引いたカードがレアであることもバレた)。3体集まった赤の人狼はどれもこれもでかくて強い。だが、この世界の除去の枯れっぷりに色々と難渋しており、「夜の犠牲」×2、「硫黄の流弾」など、引ける限りの優良除去で何とか捌ききった印象か。今回最も種族トリビュートを頑張って、割と吸血鬼らしい部分も見せたような気もするのだが、結局「血に狂った新生子」も今ひとつだった模様。最も役に立った最強カードが「銀の象眼の短剣」だからなぁ。装備品は次元を越えてもやっぱり強いなぁ。
5位 【Metallica】 緑白 <
ケッシグの檻壊し 蜘蛛の発生
荘園のガーゴイル>
今回唯一、1引きが2枚レアなので「レアゲーですから」と言っていたデッキだが、優勝がかかった最終戦で敗れ、結局最下位に終わってしまった。本当に色んなところで紙一重の状態だが、流石にまだ負けた理由を分析出来るような段階ではないのでそっとしておこう。基本的な戦術が「バイパーは強そうだったからとりあえず見たら引いた」とのことで、瞬速トリック「待ち伏せのバイパー」が実に3体も潜んでいる。そして、実際にこれがめちゃめちゃうざい。他にも「修道院の若者」や「ガツタフの羊飼い」など、今回最もスピードに重点を置いたデッキ構成になっている(おかげで私は瞬殺された)。コンセプトとしてはまとまっているのだが、残念なことにこの環境は基本的に「遅くなる」ように調整された世界。速いデッキはよほど気合いを入れて突破力を上げない限り、結局押し戻されてしまう場合が多いのである。ま、その点バイパーは後半でも充分強いので、方向性は間違ってないとは思うのだが。3/4のクリーチャーを0/4だと思ってたら、そりゃ負ける。
【Mei】(緑白)→【Serra】(黒白)→【Alessi】(赤黒)
↑ ↓
【Metallica】(緑白) ← 【Thraxi】(青白)
PR