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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「バスカッシュ」 6→5

 「バカがスカしてんじゃねーよ!」という作中のダンの言葉通りに、スカしたことをやるくらいならばバカ一辺倒でいいじゃないかと、そういうメッセージが込められた作品。そもそも「ロボットでバスケをやる」の時点でバカなのに、「ロボットがバスケットシューズを履く」「神はバスケで世界を作った」「バスケしないと世界が滅ぶ」というシナリオラインで、バカと言われない方がおかしい。それでも、バカにする阿呆と楽しむ阿呆。同じアホなら楽しまにゃ損である。バカってのは楽しいんだって言うのを教えてくれる、そういうアニメになるはずだった。

 序盤は、本当に楽しかった。ストーリーの些細な問題点など全く無視して、とにかく現在のサテライトの技術力で描ける限界にチャレンジする。マクロスならば拍手喝采のフルCGバトルも、ロボットバスケならギャグの一端。同じ「フィクション」には違いないのに、このおかしさったらどうだろう。あり得ないスピードで街をバウンドして流星のごとき奇跡を描くボール、街のランドマークに作られ、自由に動いたりぶっ壊れたりするゴール、歌を歌うことで決められる試合時間に、殺人ボールだと思われていたのが実はパスだったりする。いや、もうどこから突っ込めばいいのか分からないが、とにかく、「何か動かしたいんだ」というのが分かる。そして、その勢いは考えることを放棄していいと視聴者に伝えてくれる。そういうアニメがあってもいいはずなのだ。

 しかし、1クールを終えるところで事態は急転直下。どういった理由かは分からないが、それまで作品を作り上げてきた監督が交代した。そして、これを皮切りに、アクションシーンの削減、馬鹿な演出の減少、そしてあからさまな作画のクオリティ低下。まるで同じ作品とは思えないほどに、全ての面が変容してしまった。ダンたちが落ちた「ダークサイド」は、作中の話だけでなく、実際のアニメ製作の現場にも言えることだったのだ。

 いろいろな噂はある。板垣前監督が調子に乗って資金と時間を使い放題だったのでクビになったとか、どうしてもクオリティを下げることに反対したとか、今現在でも誰が悪いのかは藪の中。佐藤英一新監督だって、ひょっとしたらとんでもない状態でお鉢を回されたのかもしれないし、ガラッと変化したことに付いての責任があるとは思わない(本人がコンテを切った新オープニングを見る限り、決して実力がない人だとは思えない。そもそも作画の低下は監督の責任じゃない)。だが、結果的に作品が変容してしまったことは間違いなく、なにがしかの「原因」があったことは事実だろう。おそらく、その「原因」は、アニメの根本的な魅力を削り落とす何かだったのだと思われる。

 シナリオラインも、後半になるにつれてトーンダウンしていった。もちろん前半からシナリオなんてあって無いようなものだったわけだが、それでもルージュの逆襲、ダンの退場、フローラの決意など、見せ場となるシーンは多々あったはず。そうしたシーンが大したインパクトも無しに、ただ単に「シナリオを消化するだけ」のものに見えてしまうようになった。多分に偏見は含まれているとは思うが、これも騒動の「余波」ではないのか。

 DVDの修正などの噂から総合するに、これらの改変は全て「大人しくなるように」動いていたように思う。つまり、このアニメの場合は「つまらなくなるように」だ。サラはきわどい台詞を吐かなくなり、ルージュはすぐに心を取り戻して何の盛り上がりもなく復帰した。アイスマンはあっさりと宿怨を片付け、後半は延々うなっていただけ。ラストシーンでダンと2人でシュートを決められたのだけがせめてもの救い。最終的なメンバーも、ルージュになるのか、ナヴィが受け持ったのか、アイスマンをカウントするのか、フローラが復帰するのか、何がなんだかよく分からない状態になったし、恋愛模様も、ダンは結局ルージュエンドだったのか、ミユキエンドだったのか、フローラだったのか。サラはナヴィで決まりなんだろうが、あのサイズ比で「遺伝子をもらう」ことは出来そうにない(出来ることなら見てみたいもんだが)。

 最終的な危機感もいまいち分かりにくくて、ヤンはどこまで悪意を持って、何を最終目標としたかったのか。サウザンドはどこまで計算にいれていたのか。伝説で危機を回避出来ると言われても、それが一体どこまで本当だったのか。

 そして何より、ダン・JDとは、一体どんな男だったのか。ワンピースのルフィのような直情馬鹿だったのは間違いないはずなのだが、しばしば表れる負けたときのいじけっぷりや、大したインパクトもなく、シューズの力だけで勝っているような微妙な力量。何が最終目標なのかも見えてこず、そこに視点の共有はなかなか出来ない。正直、あまり人気の出る主人公には見えない。

 これらのプロットの問題は、実をいうと前半から抱えていた部分も多いのだが、再三繰り返すように、前半のノリだったら「別にどうでもいい」部分だったのだ。それが「どうでも良くない」レベルまで作品自体がトーンダウンしてしまったことで、色々な部分がちぐはぐになってしまった。あえて書くなら、非常に「勿体ない」作品である。出来ることなら、最後まで「板垣版」だったらどこで破綻を来すのか、それを見たかったものだ。

 中盤以降は見るモチベーションも下がっていたのだが、一応前半盛り上げてくれたことを評価して、点数は7をキープ。サテライトは、今後どこへ向かおうとしているんだろうか。

 最後にやっぱりキャストの話はしておこうか。今作ではそこまで印象に残ったキャスティングはないのだが、個人的にはアイスマンの「デストロイ」が好き。出番は少なかったが藤原啓治の悪役も不思議なインパクトがあった。あとは前半のサラのエロ全開っぷりとか。御前のエロさは業界一。でも、一番好きなキャラは、多分スパンキー。銀河の歌姫も、こうなったら形無しだ。 

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