6月29日 ドラフト模様(AVR×3)
ピック順 【Metallica】→【Serra】→【Sangriter】→【Mei】→【Alessi】→【Thraxi】→
おそらく史上最も遅い時間、2時半から開始されたドラフト。まぁ、既に時間が遅くなることは覚悟の上だったし、この大きく空いたブランクの中で仮眠を取っていた人間が結果を残すという、「遅らせたかいがあった」結果になっているのだから、これはこれで良しと見るべきか。気付けば夏至も回って朝日の登る時間は少しずつ遅くなっていくのだから、今のうちに朝日を出迎えながらの清々しさを味わっておけばいいじゃない。クソ暑いだけだけどさ。
AL SE TH SA ME MT
AL ー × × × × ○ 1ー4 6
SE ○ ー × × × × 1ー4 5
TH ○ ◎ ー × ◎ × 3ー2 3
SA ○ ◎ ◎ ー ◎ × 4ー1 2
ME ○ ○ × × ー × 2ー3 4
MT × ○ ○ ◎ ○ ー 4ー1 1
1位 【Metallica】 白緑青 <ドルイドの使い魔
銀刃の聖騎士 翼作り>
長かった苦節の時を抜けて、今新たな光明が見える。それが「アヴァシンの帰還」におけるメインフレーバーなわけだが、この男にも、まさにその光明が訪れた。苦節約9ヶ月。最後に優勝を手にしたのは「新たなるファイレクシア」の最終回だったので、まるまる1つの環境の間、ずっと優勝を手にできぬままくすぶっていたことになる。その戒めがようやく解かれ、ついにこの世界での初優勝。長かった呪縛は終わりを告げ、これで「アヴァシン」環境は8戦やって6人全員が優勝を経験する混戦模様に突入することになる。
で、そんなデッキの勝因だが、まぁ、強い色の強いカードを集めて強いデッキを作っている。本人のいうようにレアの恩恵も大きかっただろうが、全体的にクリーチャースペックは高く、今ひとつパックの流れが乗り切れていなかった今回のデッキ群の中では、安定して「強いバントカラー」だったのではなかろうか。ピンポイントで刺さった「栄光の目覚めの天使」の活躍や、プロテクション(天使)という脅威の軍勢で「月銀の槍」を突破したミラクルマッチ、そして私の心をボッキボキにへし折った2度の「死の超克」など、なかなか劇的なゲーム展開であった模様。そんな君に送る言葉を1つ選ぶとしたら、「真の戦いはここからだ!」しか無い。
2位 【Sangriter】 黒青緑 <翼作り
月銀の槍 捕食者の計略>
優勝者が乱立する混戦模様とはいえ、勝率では頭ひとつ抜けているのがここ。想定外のアーティファクト破壊を喰らって優勝こそ逃したものの、今回も4勝1敗で更に勝率を上げて好調をアピールしている。今回のデッキはいわゆる「サクりの黒」スタイルに、「今回の槍人」を加えたもので、「グールの解体人」基盤からそこそこ除去、そこそこビートしつつ、最後は「月銀の槍」でしめる。槍が入ってれば全部一緒やんけ! と思わないでもないが、「魂獄の悪鬼」などのおかげで思いの外ビートスピードが速く、「槍さえなんとかすれば」とか思っているといつの間にか削りきられたりもするのである。やっぱり「流血の鑑定人」と「グールの解体人」のシナジーは脅威であることよ。
3位 【Thraxi】 赤白 <屋根職人の反乱
戦争の伝令 天使の武装>
ピック中は嗚咽しか漏れなかったデッキ。1引きで他に赤が無いパックから「屋根職人の反乱」でスタートし、とにかく徹底的に赤を絞って逆回りに期待しつつ赤ビートを作ろうと思っていたのだが、そういや、公式ページの解説でも渡辺雄也が「赤はコモンで使えるカードの枚数が少ないから、かなり博打」と言っていたんだった。そこから先は待てど暮らせど赤の欲しいカードは流れてこず、「屋根職人」を有効利用するカードはほとんど手に入らなかったし、除去は1枚もないという状態。破れかぶれの赤白ビートだが、骨子が弱いのは一目瞭然。一瞬のチャンスを貫くしかなくなり、「ファルケンラスの駆除屋」のサポートとして「信じ抜く心」まで突っ込んでの勝負である。結果3つも勝てているが、本当にたまたま「駆除屋」が突き抜けたり、ここしかないというタイミングで唯一のレア戦力である「戦争の伝令」が突き抜けたり、かなりラッキーに助けられている。そうでなければこんなみっともないピックで勝てるとは思えないし。ツキも実力のうちと思っていったんは納得してみるが、まだちゃんと赤が出来ていないというフラストレーションはたまるのであった。
4位 【Mei】 黒緑 <
殺戮の波 悪魔の監督官 獰猛さの勝利>
相変わらず結果は伴っていないのだが、今回デザインとして一番面白かったのはここだろう。1引き「殺戮の波」から引きずられるようにして出来た、いわゆる「殺戮の波+芸術家」という、構築でもカルトな人気を誇る(らしい)タイプのデッキだ。もちろん構築ほどうまく作れるわけがないので、たまたま2パック目で「血の芸術家」が2枚拾えた結果論ではあるのだが、面白いライフ計算を要求しているシーンも見られたので、作ってる方はそこそこ満足出来たんじゃなかろうか。「血のやりとり」「骨の粉砕」などが「人殺しの隠遁生活」「悪魔の監督官」の単騎パッケージをサポートしているのもそれなりに使えそうなところ。まぁ、実際どれくらい回ったかは知らないんだけどさ。俺の試合ではほとんど何もされなかったし。
5位 【Serra】 赤青 <
グリセルブランドの猟犬 ネファリアの密輸人
ウルフィーの銀心>
こちらも赤だが、ここは何度目かになる「グリセルブランドの猟犬」スタートという、理由が明確な赤。ただ、上述の通り赤のショボさはなかなかのもので、2人で分け合っただけで完全に枯れてしまっている。こちらは「火柱」2枚がある分まだマシといえるかもしれないが、その分犠牲になったのはクリーチャー陣。青がサブカラーだが青も当然人気はあるわけで、結果的にかなりお寒いラインナップになってしまった。かてて加えて何も引くものが無いパックから「ウルフィーの銀心」なんて訳の分からないものが現れ、1引きでカットなんてしてるのも泣けてくる。「どんな状況だとしても、絶対に使わないカードのカットで1引きを費やすのは流石にナシでない?」なんて偉そうなことを言おうと思ったのだが、ピック表を見たら本当にどうしようもなくて泣けてきた。これ、「銀心」切ったけど下家には「ドルイドの使い魔」が行ってるんだもんな。どうしようもねーよ。かくいう私もそのパックでは「逆鱗」が5引きでね。
6位 【Alessi】 緑青白 <
士気溢れる徴募兵 消え去り
狩られる者の逆襲>
相も変わらず多色に踊らされている感じのデッキで、これまではそのうちの「割と回った方」のパターンが目立ったが、今回は「やっぱ駄目な方」の例。色マナ引かず、クリーチャー引かずなど、様々なブレーキの結果久しぶりに最下位の地位まで降りてきてくれた。試合後に反省していたのは、2枚ある「国境地帯のレインジャー」のサポートをメインに据える判断が出来ずに森の枚数を渋ったこと。おかげで手札に「レインジャー」が待ち構えてどんどん緑のカードが貯まっていくのに「森」が来ないというもどかしさマックスな展開が頻出とか。相変わらず強い色の強い組み合わせなので、ブン回ると本当にどうしようもないはずなんだけどね。唯一今回勝っている試合が優勝者との同色ミラーというのが笑える。「さまよう狼」が「森林地の先達」+「現実からの剥離」で見る見るでっかくなってどうしようもなくなるのを見てると悲しくなった。
【Metallica】(白緑青)→【Serra】(赤青)→【Sangriter】(黒青緑)
↑ ↓
【Thraxi】(赤白)←【Alessi】(緑青白)←【Mei】(黒緑)
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