最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
○「空中ブランコ」 5 約3週間続いた新番チェックのとりあえずの幕引きとなるであろう作品。そして、常に刺激的なモノを世に送り出してドキドキさせてくれるノイタミナ枠の新作でもある。前作「東京マグニチュード8.0」やその前の「東のエデン」は割とまっとうなアニメーション作品だっただけに、久しぶりに戻ってきたこの異臭はなかなか強烈だ。 監督はあの「モノノ怪」で物議を醸した中村健治。あの作品も充分イロモノであったが、今回は更にギリギリ感あふれる仕上がりで、思い切り賛否の分かれそうな難物である。錦絵や貼り絵細工をイメージした「モノノ怪」のビジュアルを更に進化させ、今作は従来通りのアニメの作画、CGに加え、実写取り込みを積極的に導入し、アニメという媒体そのもののエッジに挑戦している感がある。実写取り込みという技法自体は近年では少なくなく、シャフトでは尾石達也が得意としているし、今期も「ご姉弟物語」のオープニングなどで効果的に使われている。しかし、今作の場合はそうした際立ちを持った「実写であること」への訴えがメインになっているのではなく、本当に「アニメ」と「実写」の境界を曖昧にしてやろうという意識があるように思われる。例えばメインの舞台である精神科医伊良部の診療室に登場するナイスバディの看護婦は、もう、アニメの登場人物ではなく、完全に実在のグラビアアイドル。流石にそのまま演技させて取り込むわけにもいかないので動き自体はぎこちないものになるのだが、彼女が画面の中心に居座ると、どこからがアニメで、どこまでがアニメなのかが次第に曖昧になっていく。 他にも移動シーンでは現実の背景を採用しているし、1話の主人公である山下の顔も実写取り込みしたものを再合成してアニメーションに落とし込んである。しかも、この顔が声の出演をしている森川智之のものであるから話はややこしい。声が森川、顔も森川だったらそれは純粋に役者「森川智之」なのではないかとも思えるのだが、あくまでそこは「森川の要素がある」だけで、実際に画面に現れるのは「アニメのキャラクター」である。次週のメインになる櫻井孝宏も実写取り込みで登場しているし、見れば見るほど現実と空想の境が曖昧になる、非常に独特な視聴感がある。 こうした独自の実写取り込みの技法を載せているため、アニメの他のパーツも非常にくせの強いモノになっている。一見してあまりファンが付かないように見えるふざけたデザインのサブキャラ、エキセントリックすぎて訳の分からない背景、ぺらぺらと紙人間で処理されてしまうモブなど。あまりに異質な要素が多すぎてふざけているようにしか見えないのだが、全てが集まることによって、「アニメってどこまでだっけ?」という意識がどんどん鈍化していく。その意識の隙を突いて実写のパートを自然に混ぜ込み、本作のメインプロットである「精神病」というモチーフを描いていくわけだ。この悪ふざけは、とても思いつきだけで出来るものではない。 実際のところ、この画面は、かなり不快である。一瞥しただけではその演出意図が全く分からないし、放送局のアナウンサーがずけずけと作中に入り込んでくる無神経さとか、気に入らない部分も少なからずあるのは事実。しかし、この一見無駄にしか見えない演出の中に、きちんと作り手の意図が見えてくるとするならば、話は別である。中村監督は、「あやかし」という曰く言い難い対象を描くために、「モノノ怪」では独創的な表現を生み出した。そして、おそらく今作でも、その目的意識は同じであるはずなのだ。それが何かをきちんと確認出来るまで、この作品を見逃すわけにはいかない。 最後は当然キャストにちょっと触れておく。物語の進行から見て、本作は神経を患った患者を扱うオムニバスだと思うのだが、その進行を牛耳る精神科医、伊良部役の三ツ矢雄二は流石の貫禄。何パターンかある伊良部の変幻自在の容姿に合わせて、ぽんぽん変わる声音は必聴だ(まぁ、時たま朴璐美になるけど)。これはこれで癖になりそう。 PR |
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