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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「モーレツ宇宙海賊」 6→6

 終わってしまうのが寂しい作品ってのは「日常系」のカテゴリに多いのだが、この作品はとても「日常」じゃないのに、なんだかすごく寂しい気がします。実に不可思議な、独特な味わいが癖になる作品でした。

 敢えて初期配点から上げなかったのは、ここで何かをとりあげて「ここが面白かった!」と言うことができないもどかしさのため。実際、2クールというそこそこ長い作品になったわけだが、その間、非常に存在感が希薄で、楽しく見てはいるけれど「何となくある」という期間があった。心躍る大活劇があるでなし、腹を抱えて爆笑するギャグがあるでなし、この作品を包む空気は、やっぱりどこか古くさくて、ベタな匂いがして、それでいて、やっぱりどこか吹っ切れてて。こんだけ「海賊」っていう単語が出てくるくせに、結局海賊らしいことを何一つやってないとか、肩すかしもいいとこなんだよ。でも、それが悪いとは決して思わない。「モーパイならこれでいいや」というこの近さ、安心感が、最大の売りだった。だから、特別「すごいアニメ」ではないんだ。でも、「良いアニメ」なのは間違いない。

 振り返ってみると、略奪行為や謀略が渦巻く荒事を2クールやったくせに「緊迫感溢れる回」ってほとんどないんだ。主人公の茉莉香が常にどこか緩いっていうのも理由だろうけど、作品が徹底的に「シリアスになりきること」を嫌ってるんだよね。そこを曖昧にする意味があるんだろうか、っていうのは最初不思議だったんだけど、「シリアス」と「ギャグ」をはっきりと分けてしまう構造の単純化っていうのは、ひょっとしたら大量のアニメやラノベ媒体を処理しているうちに出来上がった、あまり良くない認識方法なのかもしれない。この作品を見れば分かるが、「シリアスであること」を強要されずとも活劇は描くことが出来るし、「ギャグであること」に固執せずとも笑いは起こる。この不可思議な「あり得ない日常」のお話を作るための26話だったと考えると、これって結構すごいことだったのかも。ちゃんと風呂敷もたたんでるしねぇ。「おっさんが好きそうな古くさいアニメ」と言われながらも、そこにちゃんと現代アニメっぽい阿漕な要素もまんべんなく張り巡らされている。時代性も、シナリオラインも、常に線引きを許さずに大きな枠組みを提示する。なかなか面白い試みでありました。これをもって新たなサトタツの代表作と言っても文句は言われないだろう。

 中の人のことは、まぁこんだけ色んなキャラが出てくるともう大変なんだけども、まずはやっぱり茉莉香役、小松未可子だろうか。CD出したりなんだり、この作品を通じて一気に表舞台に出てきた。「HEROMAN」が好きだった身としては「今更みかこしかー、俺2年前から知ってたわー、ずっと応援してたわー」とか言いたくなるけども(いや、そこまで注目してたわけではないが)、羽ばたいたのを見ると嬉しくなりますね。ただ、個人的には「声優界のみかこ」と言ってぱよぱよの方が出てこなくなるんじゃないか、というのがちょっと不安だけど。

 そして本作における花澤香菜のポジショニングも好き。荒ぶる花澤は(略)。あとは御前と松風雅也コンビ、学園パートのサトリナ・ぴかしゃの百合百合コンビ、双子姫様の戸松・金元組もおいしい。なんだ、全部おいしいや。これこそ2期が欲しい作品だなぁ。2期じゃなくてもいい、学園の2年生組がずっとダラダラしてるスピンオフとかでも充分楽しめる気がする。素敵な海賊の時間でございました。

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