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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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幽霊の最後の反乱、第10話。序盤の方は見ていて冷や冷やしましたよ。この作品の事前予告で亮介が言っていた台詞は「寝取りますから」だったわけだが、まさか肉体そのものを「生き取られ」るんじゃないかと。どんなホラーだ。

 今回は亮介君(の中の人)が大忙しの、「次第に現実に戻り始める」ターンとなっている。ただ、亮介君自身は気が気でない状態で、いきなり夢世界の店長が反旗を翻し、自らの葬式に導いてくれるというサプライズ。「どれだけお人好しだ」と言われていたが、島尾に身体を貸す約束をしたときは、べろんべろんによってましたからね。意識がもうろうとした状態に契約を持ち込むなんざ、どこぞの白い悪魔よりも質が悪い取引だったのよ。結局、島尾のやりたい放題を止めることは叶わず、亮介君は哀れ海の底。生身と幽体が決定的に入れ替わってしまった。

 しかし、このまま生者が死者に取って代わられるホラー展開だと誰も得をしないが、流石に今まで組み上げてきたこの物語がそんな終わり方をするはずはない。散々憎まれ口を叩いて好き放題やっていた島尾だったが、内心ではこの状況がどれだけ異常なものであるかはちゃんと理解している。わがままだし、自己中だし、どうしようもなく苛つく存在なのは間違いないのだが、この男は一応「大人」なので、どこまでが自分の出来る限界なのかは、おそらく分かった上での振る舞いなのだろう。なし崩し的に正体がばれてしまったことを大人しく受け入れ、そのままピクニック気分で念願の六花さんとのお食事会へ突入したにも関わらず、それが「最後の晩餐」であることは覚悟しているようである。

 もちろん、そんな島尾の覚悟は知る術もない亮介は慌てる……わけでもないな。最初のうちは変わり果てた自分の姿を見て細かく突っ込みを入れるなど忙しそうにしていたが、途中から無力感に疲れたのか、だんだん適当になり、最終的には幽体として漂っていることを楽しんでいるようにすら見えた。この若者、やはり図太い。六花さんの惚れる男は、なんか色んなところでズレた連中な気がする。いや、こんな超常現象への正しい対処の仕方なんてしらないけども。

 乗っ取る側、乗っ取られる側、双方が現状をおよそ理解しており、利害関係も実はそこまでかけ離れているわけではない。「納得いく死別などあるはずがない」と亮介は独りごちていたが、島尾だってそんなことは重々承知しているわけで、多少のわがままに付き合ってくれている気の良い若者のことはいくらか気にしつつも、どこかで蹴りをつけて、この関係を終わらせることになるのだろうことは分かっている。一夏の思い出としては、できすぎたくらいに愉快な記憶である。

 ただ、そうも言っていられない人が約1名。島尾の存在に気付き、それを受け入れた六花さんその人である。目の前にいるのは良人だ。それは分かる。しかし、それではどこからどこまでが島尾だったというのか。あの海は、あの夜は。別にそれが島尾であることは構わない。だが、「葉月亮介という存在はどこにいるのか」という疑問が出ることによって、どうしようもない彼女の心情が問われることになる。目の前の男が島尾篤であるなら、自分は同じ人物を2回好いたことになる。それはそれで問題は無いだろう。しかし、その前段階に、別な男の存在があったとしたら。その感情は嘘だったのか、島尾はそれを知っているのか。島尾には六花しかおらず、亮介にも六花しかいない。だが、六花には島尾もいれば亮介もいる。この齟齬を、どのように埋め合わせれば良いのか。改めて故人の前に持ち出された「現在の感情」を前に、幽霊は何を思うのか。クライマックスである、修羅場ともいう。

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