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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「ココロコネクト」 5→5

 まったくもって意図していなかった騒乱に巻き込まれたおかげで余計なオプションが色々とついてしまった不幸な作品。しかし、その製作姿勢は一貫した理念があり、充分に、与えられた使命を全うした完成度になっていたように思う。

 元々不可思議な立ち位置の作品である。学園が舞台で、しかもなんだかよく分からない連中があつまる「文研部」という集団が対象になっていることから、いわゆる「ダラダラする日常系」のようなセッティングに見えるが、決してそんなものじゃない。かといってバトルがあるわけでなし、超能力を使える主人公がいるわけでもなし。徹底的にメインキャラ達が地味な嫌がらせの「被害者」に回り続けるというセッティングからしてなかなか新しいものである。こうした、何とも形容しがたい不可思議な設定をアニメ化するにあたっては、前例が引きづらいので制作も大変だったことだろう。開始直後は「けいおん風の絵柄」ってなあたりも話題に上っていたが、いつしかそうした「何かの焼き直し」という風味も薄れ、すっかり「ココロコネクトの世界」になっていた。

 白眉なのは、なんと言ってもその「現象」の与え方で、余計な理屈は付けず、とにかく「人智を越えたもの」によって「起こることだけが決まっている」怪現象を相手取って戦うというのは非常に珍しい。そして、そんな中で「現象を止めるためにあらがう」のではなく、「現象の中で個々の関係を培っていくためにあらがう」というのも特殊なポイント。余計な外装を引っぺがせば最終的に残るのは「痛みを伴った青春劇」である。恋愛もそうだし、自己形成という思春期独特の心の動きも、あの手この手で揺さぶっていくことで、それぞれに成長を促していくのである。考えてみれば、アニメ化された3つの事件は、自己形成と他者理解という、人間関係の基礎の基礎を築くためのルーツに必ず触れている。「ヒトランダム」は自己と他者の境界性を揺さぶることで「自他とは何か」を問い、「キズランダム」ではさらけ出した欲望を先鋭化することによって「自己とは何か」を突き詰める。そして「カコランダム」ではトラウマとなるタイミングの記憶を引っ張り出してくることで「自己を作り出してきたものは何か」を問い直すことを目的としている。「人格入れ替わり」とか「時間退行」とか言われるととたんにSF臭だが、描写の目的だけを考えれば、これはカウンセリングや、意識調査の基本事項と変わらないことをやっているのである。

 そうした、ある種「地味な」テーマでありながら、画面を見ていれば決して退屈しないものであるし、「地味な」部分を黙々と掘りさげるしかないために、とても丁寧な描き込みが実現している。最後の伊織についてはちょっとどうかな、と思う部分もあったが、「カコランダム」における義文の立ち位置や、「キズランダム」での姫子の結末などは、納得出来る部分も多かったし、見ていて非常に新鮮だった。今期は割と多かったが、これもプロットが面白くて「原作を読んでみたいかも」と思わせるラノベ作品の1つだ。こんな作品をアニメにしろ、と言われてもなかなか難しかったと思うが、それをしっかりと形にして伝えてくれた川面監督をはじめとするSILVER LINKのスタッフの手腕も、大したものだと思う。川面さんはなぁ、妙なケチさえつかなければいいデビュー作になったはずなんだけどなぁ。同時進行で「乙女はお姉さまに恋してる 二人のエルダー」の方も担当していて、そちらも悪くない出来だったので、川面さんの仕事ぶりを確認したい人にはそちらもお勧めである。

 最後に中の人のこと。まぁ、今作は特に中の人の影響が大きい作品でしたからね。数々の無茶ぶりにも挫けずに見事な仕事を見せてくれたメインの5人はとりあえずお疲れ様です。誰が一番かと問われたらやっぱり稀代の名キャラクター姫子さんの中の人と言いたくなってしまうが、今作は5人とも本当に良い仕事だったので比べられない。これはキャスティングした側の手柄でもあるとは思うけど。是非、続編も見たいところですよ。

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