10月19日 ドラフト模様(RTR×3)
ピック順 【Sangriter】→【Mei】→【Serra】→【Thraxi】→【Metallica】→
ラヴニカ環境3回目。今回も都合により5人スタートだが、そろそろ各人がこの世界を自分なりに見始めたくらいのタイミングなので、少ないパックの中で錯綜する思惑が悲喜こもごもである。「多色必須なのに案外色が広げにくい世界」って、割と地獄絵図だと思うんだ。ピックの難度はおそらく前期ラヴニカよりも高くて、たとえどの色が空いてるとかいう情報が分かっても、途中から動きにくい気がする。もう少し互いの思惑を読めるくらいに熟練度が上がってくれば違う景色も見えてくるんだろうか。このお悩みが、わずかにあと3ヶ月で終わり、次も同じレベルのラージエキスパンション体験をしなきゃいけないとか、どんなご褒美でしょうね。
SE TH SA ME MT
SE ー ○ × × ◎ 2ー2 3
TH × ー ◎ × × 1ー3 5
SA ○ × ー ◎ ○ 3ー1 1
ME ◎ ◎ × ー ◎ 3ー1 2
MT × ◎ × × ー 1ー3 4
1位 【Sangriter】 青白 <門衛
拘留の宝球 リーヴの空騎士>
意志のある「門衛」1引き。壁としても使えるしライブラリも攻められる2マナクリーチャーというのでアゾリウスの戦術を採るなら充分引く価値がある、ということだったが、今回のデッキを見ればなるほど確かにそうかもしれない。今回はアゾリウスが2名なので決して空席というわけではなかったのだが、全体的に白がプールに恵まれていたことと、「守りの白」と「攻め気の白」という棲み分けが出来ていたおかげで、ピックはかなり潤沢な選択肢があった。「拘留の宝球」「アゾリウスの魔除け」といったお高い除去に加え、2枚の「トロスターニの裁き」やカウンターも搭載して守備力は強固。今回最速で誰一人太刀打ち出来なかったラクドスデッキを封殺してしまったことからも、そのことは分かるだろう。また、前回私が組んだ「とにかくライブラリ」デッキと違い、こちらはライフを攻める方のルートも案外選択出来ちゃう受けの広さが相手の対策を封じる。攻めるのは鳥トークンだったり1/3のペガサスだったり、大したことはないのだが、居住絡みでついでに出てくるクリーチャーが殴るので無駄がないし、視点が揺らされるせいで、対戦相手は「門衛」と鳥トークンのどちらが目先の脅威なのかが判断しにくかったりするのである(まぁ、使ってる方も悩んでたけど)。どっちつかずといえばそれまでなのだが、そんなプランが勝利をもぎ取っちゃったんだから悩ましい。今後は、アゾリウスメインからのミル戦術も無視出来ないアーキタイプの1つとなるのは間違いなさそうだ。
2位 【Mei】 赤黒青 <リックス・マーディのギルド魔道士 究極の価格 死の歓楽者>
今回のラクドス人。「跳ね散らす凶漢」2体に「流血の家の鎖歩き」も2体。これに「ラクドスの哄笑者」「リックス・マーディのギルド魔道士」も完備し、序盤のビート力は当然高い。そして今回判明した事実として、結局ここがいかないと誰もイゼット方向に手を出さない、という悩ましさも明るみに。おかげで、最後までダラダラと流れ続けるイゼットカードを無視することが出来ず、最終的にデッキに青が入っている。ただ、結果的には「しぶしぶ」であるのだが、青の立ち位置ってのはこの辺でいいんじゃないか、っていう気もする構成なんだよな。ラクドスビートが相手を圧迫し、中盤以降に「瞬間移動門」あたりでとどめをさしたり、「薬術師の計略」で相手陣営を潰したり。個人的には、序盤をガンガン叩かれて「ここから堪えよう」と思ったタイミングの「魂誓いの霊」に心をボキボキに折られてしまった。もう、赤青っていう色合いにこだわるんじゃなく、「ラクドス+青」や「アゾリウス+赤」っていうのが答えなんだろう。そろそろ赤以外の色も使わせてあげないと可哀想な気がする。
3位 【Serra】 白緑青 <
拘留の宝球 三巨頭の執政官 守護者の木立ち>
ピックを見れば圧倒的レアゲー。そして構築時の下馬評、カードプールを見れば、今回最強と囁かれたデッキである。実際、どこを引いても抜群に安定したバントビート構成は今回余っていた「攻めのアゾリウス」とセレズニアの綺麗なハイブリッドを構成しており、空からのビート、そしてトークンによる波状攻撃と、クリーチャーの重さは圧倒的。「議事会の招集」からスタートして「守護者の木立ち」で締めるトークンの物量は除去では処理出来ず、「太陽塔のグリフィン」などのフライヤー軍団がトークンにまごついている相手のライフを削りきる。充分にトップを狙えるデッキだった。勝敗については、運命を決める一戦で致命的なプレイングミスから敗北を喫し、その心癒えぬままにもっとも苦手とするラクドスビートに瞬殺されるという流れの悪さが響いた。まぁ、実際は「狩猟者の協定」が多く詰め込まれていたせいもあり、速いデッキに対しては大きく不利だったのは間違いなかろうが。このデッキを見ていて思ったことは、「とりあえず早く充分な数のトークンカードを揃えないと、盤面が見づらくて仕方ない」ってことである。
4位 【Metallica】 緑黒赤 <
死橋の大巨虫 ゴルガリのおとり 構脚のトロール>
前回歓喜の優勝に打ち震えた御仁であるが、今回はピック中に「寒い、寒い」と不調を訴えながらの試合となり、終わってみれば自称「デッキが紙束」である。何がしんどいって、開けちゃったパックが前回ものすごく甘やかされたゴルガリ軍勢の「死橋の大巨虫」だったこと。2試合連続のゴルガリ志向ってのも面白くない気がするが、これを流す理由など世界のどこを探しても見つからない。そこからは先週の幻影を追う形で墓地をさまよい歩くことになったわけだが、このゴルガリ志向は上家とまるかぶりである。一応序盤は「アゾリウスの大司法官」を引いたりしてるので他のルートも考えていたみたいだし、後半も「サイクロンの裂け目」が2引きだったり、謎めいたアクションも取っているのだが、終わってみれば「水路の蠍」2枚がメインじみたガリガリゴルガリ。決め技の「ヘルホールのフレイル使い」にありったけカウンターを乗っけて投げるのが勝ち手段、などという素敵なデッキ。でも、こうしてみるとゴルガリとしては悪くないデッキだった気もするんだけど。「死儀礼のシャーマン」が思った以上に強かったのが収穫。
5位 【Thraxi】 黒緑 <
屍体屋の脅威 門を這う蔦 コロズダのギルド魔道士>
開けたパックはなかなか腕白だったものの、その中でも一際目立つ「屍体屋の脅威」を無視するわけにはいかない(実際、これを流したら下家が今週もエラい事になるとこだった)。「仕方ないなぁ」などとぜいたくなことをいいながらこれを引き、あとはカウンター乗せまくりの解鎖・活用方向に行きたいところ。ただ、1パック目の早い順目で「打ち上げ」2枚が引けたので、そのあたりもデッキの軸として考えていく。結果的に「下水の害獣」2枚を必要以上に早く引いたりした苦労はあったものの、「打ち上げ」×3と「貧民街の刈り取るもの」に「滑り頭」「下水の害獣」が絡む、いかにも生と死をサイクルとしたゴルガリらしいシナジーは作れた。今回唯一優勝者に勝てたんだから、デッキ自体はそこまで弱いもんじゃなかったはず。でも、勝てなかった。やっぱり2パック目で一切収穫がなかったピックがひどかったなぁ。早めに3色目の当たりが付けられたらもう少し幅のあるピックが出来たんだろうが……難しいよ。空いている色なんて分かるわけ無いやんけ。
【Sangriter】(青白)→ 【Mei】(赤黒青) →【Serra】(白緑青)
↑ ↓
【Metallica】(緑黒赤) ← 【Thraxi】(黒緑)
PR