2月8日 ドラフト模様(GTC×3)
ピック順 【Thraxi】→【Sangriter】→【Alessi】→【Serra】→【Mei】→【Metallica】→
ギルド門侵犯第2回。まだオンラインも稼働してないので経験値は横並び一線。みんな迷走しながら必死にカードをかき集めるがいい。迷走具合だったらみんな平等なはずなんだけど、やっぱり個性が出まくっているのが笑えるポイントだ。ちなみに、「6人戦で5つしかギルドが無いのはメンドい」という趣旨のことを前回書いていたが、今回も一切反省などせず、6人で5つどころか4つのギルドを奪い合っているぞ。
(●は累積パック数)
AL SE TH SA ME MT
AL ー ◎ ◎ × × ◎ 3ー2 2
SE × ー × ◎ ○ ○ 3ー2 3
TH × ◎ ー ◎ ○ ○ 4ー1 1
SA ◎ × × ー ○ ○ 3ー2 4 ●
ME ◎ × × × ー ○ 2ー3 5
MT × × × × × ー 0ー5 6 ●
1位 【Thraxi】 緑赤白黒 <ゴーア族の暴行者 両生鰐 瓦礫鬼>
こんなコト書くとまた誰かに「贅沢言うな」って怒られそうだが、実は凄く久しぶりの優勝である。どこかの誰かに負けているので素直に喜べない部分はあるのだが、とにかく一安心。さて、今回のデッキだが、実はある一点だけが決め撃ちである。それは「はじける境界線」でデッキを組みたい、ということ。私の1つのお約束として「燃え立つ復讐」や「火炎収斂」などの赤火力エンチャントデッキってのがあり、今回の該当カードが「はじける境界線」なのだ。もちろん、パックから出てこなければ目指しようもないが、今回は開けたパックから出たので予定通りに進むことに。考えていた予定というのは、「まず赤を使わなきゃいけないが、その他、色の合わない門をかき集めることになるので、自動的に多色デッキになる」→「門だけでサポート出来るわけがないので、緑は濃いめにして『新緑の安息所』や『緑側の見張り』のサポートで回す緑中心の節操なしデッキになるだろう」というもの。ピックを見れば、この狙いに向かって恐ろしい早さで門を引いているのが分かるだろう。しかし、序盤に「ザル=ターの豚」が2枚流れてきてしまい、1引き「ゴーア族の暴行者」も絡んでかなりグルールが強い流れ。それなら無理に逆らう必要も無かろうと、中盤からは門はサブに回してグルールの骨子を作ることにした。前回の優勝デッキを見ていたので全体像のイメージはあったし、低マナ域を「古き道の信奉者」×2「緑側の見張り」×2で作ってしまえば後はそこまで難しくない。3パック目では初志貫徹のために「新緑の安息所」×2も引いているが、こちらは門云々というよりは多少重くなったマナカーブのサポートの色合いが強く、これによってグルールなのに平気で「慈善獣」をぶち込んで戦ったりしている。色事故ぎみの展開も無かったわけではないが、終わってみれば前回と同じ「グルールは正義」で幕。確かにこれといって苦手なマッチがないんだな。このグルールを止めることは出来るのだろうか。
2位 【Alessi】 青黒白 <夜帳の死霊 死体の道塞ぎ 虚無渡り>
「全員の意図を組んでディミーアにいった」とのこと。確かに、今回も相変わらず青の不人気は継続しており、ディミーア1のシミック0。前回が赤緑だったこともあり、まだ見ぬディミーアの地でしっかりとこの環境の青黒の基盤を見るのには良いタイミングだっただろう。しかし、前回のグルールと違ってまだ見えてこないのがディミーアのスタイル。ライブラリを削るのは夢物語として、とにかく回避能力持ちでライフを削るのが必須条件。これに適宜暗号を絡めることでアドバンテージを狙うわけだが、やはり視点は散ってしまうので、なかなか一本の芯が通ったデッキスタイルは見えてこない。勝ち星はそれなりなのだから不満はなかろうが、まだまだ模索の必要がありそうだ。今回の結論としては、「ディミーアのキーカードは『オルゾヴァの贈り物』」とのこと。間違っちゃいないけど、なにか違う。「ディミーアのキーカードは3マナ2/3」の方がまだ近い気がするな。
3位 【Serra】 白黒 <突撃グリフィン 組織の処罰者 欄干のスパイ>
試合中に割と注目を集めたのがこちらのデッキ。前回はグルールやボロスがその全貌を知らしめる試合となったが、今回ヴェールを脱いだのはこちらのオルゾフだろう。デッキには7枚の強請持ちが詰め込まれており、これを「亡霊招き」や「予言のプリズム」などなるべく軽いスペルを増やすことでぎゅんぎゅんライフを奪っていく。「オルゾフの魔鍵」や「死体の道塞ぎ」などで一度盤面を固定させることが出来れば、あとは一度たりとも殴らずに相手のライフを根こそぎ奪うことすら可能な体制だ。細い戦線を力強くサポートする「暴動用具」や「影切り」もなかなか心憎いチョイスである。もちろん現段階で何か正解かなんて分かるわけがないが、こと「強請」というシステムに特化したデッキメイクを目指すというのならば、このデッキが大きなサンプルになるのは間違いないだろう。となると次は、このデッキが勝ちきれなかったシチュエーションからどう脱却するかというのが課題になってくる。弱点をピンポイントで指摘するのは難しいが、やはり個々のカード単体でのスペックがそこまで高いというわけではないので、「守り役」「吸い役」がある程度盤面にバランス良く揃ってこないと、力業で突き抜けるデッキに抗する術がない。今回は黒除去が集められなかったので、そのあたりのバランス調整が1つの焦点になるだろう。
4位 【Sangriter】 緑青赤 <グルールの憤怒獣 練達の生術師 キヅタ小径の住人>
「グルールの憤怒獣」からスタートしてのグルール狙いだが、今回のギルド被りは残念ながらここ。しかも上家との被りということで、なかなかデッキ構築に必要な肝となるカードが確保出来ない。悩んでいる2パック目で「練達の生術師」が現れ、そこからは緑を軸にして攻めのグルールと持久戦のシミックの連合軍を模索することになった。青は不人気カラーではあるのだが、今回は純正シミック向けのカードがあまり多くなく(イソギンチャクはいっぱいいたけど)、クリーチャーベースはやはり緑をぶつける形。ここに「キヅタ小径の住人」のようなシステムを盛り込み、火力で時間を稼ぎながら、ところによっては「尖塔なぞり」+暗号呪文のような青いギミックも混ぜ込むデザインだ。色マナのサポートが揃わなかったので結局カラーバランスに最後まで悩まされた印象はあるが、あくまでサブとして立ち回るシミックの立ち位置としてはこんなものなのかな、という無難な着地点。「力の噴出」を使って戦闘をさばくなど、少しずつシミックの姿も見えてきた頃だろう。ただ、気付けば2戦続けて「余ったシミックの要素を何とかしてよ」と押しつけられて眼魔セレクションさせられているのはちょっと残念な気もする。「両生鰐」にカウンターが2個乗った段階で「強いやん、眼魔レベルやで」と。間違っちゃいないが、何か違う。
5位 【Mei】 赤白 <影小道の住人 火花の強兵 オルドルーンの古参兵>
衝撃的なのは1引きの「影小道の住人」。確かに地味なパックだが、流石にこの1引きは普通ではない。おそらく、「前回シミックに満足したから今回はディミーアを決め撃ちにして暗号の使い方を周りの凡百どもに教えてやろう」という腹づもりだったのだろうと思われる。実際、その後も2引き「盗賊の道」であからさまである。しかし、4引きの時点で既にこの志はまろび、一切色の合わない「サンホームのギルド魔道士」、そして待ち構えたかのような「火花の強兵」で、ボロスが空きギルドと確信してあとは一直線。まぁ、こういう転換の仕方はむしろ上手い部類だと思うのだけども。最終的に「火花の強兵」が2枚揃うという恐怖ボロスが完成し、戦線も「火拳の打撃者」や「戦心の歩兵」などが理想的に機能する悪くないレベルのボロスに仕上がっている。「航行隊の猛士」あたりも出されればなかなかウザイことが分かったし、「軍部の栄光」「大規模な奇襲」などのボロススペルも良い具合である。しかしまぁ、なんかせっかちなんだよな。色々と企んでいるはずなのに、肝心のアタック宣言で殴る選択を間違えたり、序盤の1手2手で勝負が決まってしまうボロスとしては勿体ないシーンも多かった。ちなみに私の試合では平地を一切引かずに死んでいったわけだが、その影にはボロスでも何でもないのに「ボロスのギルド門」をさっさとかすめ取った人間がいることが関係しているかどうかは謎である。
6位 【Metallica】 黒白赤 <徴税理事 破壊のオーガ 墓所の怪異>
今回は確実に「無駄に踊らされたこと」が敗因であることは誰が見ても明らかだろう。あまりに意固地にピックを続けるのも勝てない原因になるが、ここまで前が見えずにピックで彷徨ってしまっては、流石にデッキも言うことは聞いてくれない。1引きは地味なパックから「徴税理事」でスタート、2引きは前回の試合で最強と謳われた「向こう見ずな技術」。3引きは「ヴィスコーパのギルド魔道士」を引き、この時点で白中心のボロス・オルゾフという前回と同じカラーリング。まぁ、前回のノウハウがあればここからバランスを取れるか、というところなのだが、次の引きが「スカルグのギルド魔道士」で、4引きにしてめでたく4色。この時点で「ザル=ターの豚」が2枚、「強盗」1枚が下に流れているので、赤緑系は完全に下家と喧嘩する体制である。その後は最初の白メインの流れが切れ、1パック目はグルール中心にピックが進む。2パック目を開けると「破壊のオーガ」が現れ、曲げてグルールへ行ったことが正解であると天からの声が聞こえる。ボロスの引きも維持して2パック目時点では赤中心の3色。しかしまだあきらめがつかないのか、8引きで白単色のカードをまとめて流して「重要人物のペット」。果たして何色になる予定なのか。そしてとどめは3パック目を開けて現れた「墓所の怪異」である。前々から「是非使ってみたい」と言っていたオルゾフの化身。しかし、3パック目のこの時点で引いている黒いカードなんて「ギルド魔道士」と「重要人物のペット」くらいだ。いくら頑張っても沼が並ぶデッキになんてなるはずがないのだが……引いてしまうのである。そして色の遠いグルールとはこの時点でお別れ。2パック目なんて無かったかのように必死にオルゾフピックである。ここまでぶれた割には頑張ったピックだとは思うが、最終的なデッキスタイルを見れば「ああしてれば」「こっちを引いていれば」という大後悔時代である。そりゃまぁ、色々無理だ。こんな終わり方ではデッキも魂も泣いているが、来週はドラフトに参加出来ないらしいので、オルゾフの亡霊に悩まされながらしばらくは悶々とした時間を過ごすことになるのだろう。もう2度とドラフトはやらないらしいので、生まれ変わった新たなる魂での挑戦に期待したい。
今回のピック表
【Thraxi】(緑赤白黒)→【Sangriter】(緑青赤)→【Alessi】(青黒白)
↑ ↓
【Metallica】(黒白赤)←【Mei】(赤白)←【Serra】(白黒)
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