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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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この記事は4本で1セットになっています。

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<キャラクター部門・女性キャラ>

 男とは違うテンションでお送りしたい、女性キャラ部門。今年も数が多いので駆け足で参りましょう。まず、数多くのヒロインが登場するいわゆる「ハーレムもの」における支持表明。理由無きハーレムが困惑と達成感を生み出した怪作「お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ」では、やはり飛ばしぎみのメインヒロイン姫小路秋子ちゃん。今作は割とアナや銀兵衛などに票が割れたようだが、あたしゃ中の人も含めて断然秋子推し。彼女がいなかったら作品が成立してない。敢えて浮気するなら編集者の神野さん推しです。似たようなセッティングだった「この中に一人、妹がいる!」では、メインヒロインを押しのけて水谷衣楠ちゃん派です。衣楠攻略ルートは真剣に考えるべき。選択肢はそこまで多くないのでハーレムものじゃなかったけど、「ロボティクス;ノーツ」では圧倒的にフラウ派。名塚ボイスの奇妙なハイブリッド形がぞわぞわきます。そして、両手でも数えたりないヒロインが押し寄せた「ガールズ&パンツァー」なら、もう、レビュー中も散々盛り上がっていた通りに圧倒的に河嶋桃ちゃん! ヘタレ眼鏡、クソ使えない! そこにしびれる殴りたくなる!

 メインヒロインが目立ちぎみの作品でも、それを押しのけて出てくる枠というのは結構あって、「アクセル・ワールド」では黒雪姫を差し置いてニコこと上月由仁子ちゃんが圧倒的。高飛車ロリ最高。ちなみに同じ作者の「SAO」については、中身はおもんないとか言いつつも、それでもアスナは割と可愛いと思ってしまったのは秘密。ついでなので、このままアスナの中の人キャラを一気に挙げてしまおう。「流石に1年の間にそんなにいくつもいくつも刺さるキャラなんて無いだろ」と高をくくってみたものの、リストアップしたらその中に登場する圧倒的戸松キャラ。「となりの怪物くん」からは水谷雫嬢、「夏色キセキ」からは花木優香ちゃん。「貧乏神が!」の龍胆嵐丸ちゃんに、「マギ」で大活躍のモルジアナちゃん。どのキャラも全部戸松なのは間違いないのに、どれもこれも一筋縄ではいかないギャップがたまらない。共通して言えるのは、みなエネルギーに充ち満ちているということだ。これぞ戸松のパワーである。

 中の人縛りで恐縮だが、もう1人だけこのくくりでリストを片付けてしまいたい。「K」からは、残念味覚が光る素敵おねーさん淡島世理さん、「ココロコネクト」では無敵のツンデレ稲葉姫子さん、「めだかボックス」から不幸のサイエンティスト名瀬夭歌、「もやしもんリターンズ」からはフランス元気娘マリーちゃん、「人類は衰退しました」からスタイリッシュ腐女子のY氏、「絶園のテンペスト」では直球大魔道士鎖部葉風ちゃん。そして問答無用の峰不二子。沢城キャラが多いのは仕方ないが、これだけの数が出てきても、全てが圧倒的存在感を誇り、ランキング入りしてもおかしくないのである。この時代に終わりはくるのだろうか。みゆきちの恐ろしいところは、これにショタ枠まで入れると性別すら飛び越えてしまうというところ。くわばらくわばら。

 違う、ここは声優部門ではない。改めてキャラの話に戻ろう。作品単位で「決められないよぉ!」と悩んでしまうこともままある。たとえば「TARI TARI」は元気な女の子が眩しい作品だが、その中から1人選べなんて、とても無理な話、個人的に絞ったとしても、和奏にするか、紗羽にするか、それとも教頭まひるさんか……あれ、なんか世代が一個ずれてる。上で龍胆の名前を挙げた「貧乏神が!」だって、実際は桜市子紅葉というダブルヒロインはどちらを選んだらいいか分からないくらい楽しかった。あ、やばい、この流れだとまた花澤キャラを列挙する声優推しの流れになる。小鳩ちゃんと常守朱ちゃんと、あと「しろくまカフェ」のメイメイも外せないな……。だからあかんて。

 作品を支えるメインヒロイン部門に移ろう。タイトル部門でも何度か取り上げたが、たとえば「さんかれあ」より散華礼弥ちゃん。あのヒロイン像はかなり希有なものだ。同時期に似たようなスタンスにあった庚夕子さんはより強烈なキャラのインパクトがでかい。どうせ人外キャラが列挙されるなら、ここについでに「だから僕は、Hができない」より、メインヒロインリサラ・レストールさんもいれてしまっていいだろうか。作品自体はぐだぐだになってたけど、リサラさんのスマートなプロポーションはかなり好みのタイプでした。脱いで素直に嬉しいエロキャラ。そういや、脱ぐといえば「じょしらく」より蕪羅亭魔梨威さんも脱ぐメインヒロインとしてインパクトがありましたよね。まぁ、エロさは皆無だったけれども。「作品が残念だったけど可愛いことは揺るがない」枠ではもう1人、千反田えるもやっぱり入れておいて下さい。声がずるい、声が。

 微妙なところをついておきたい部門では、「ファイ・ブレイン 神のパズル」より、謎の立ち位置だったメランコリィちゃんもカウントしていいでしょうか。何してるかよく分からないのに、おいしいところを持っていったおかげで無駄に存在感が出たよね。そして、謎の名前かぶりでは、「となりの怪物くん」の夏目あさ子さんと、同時期には「ひだまりスケッチ×ハニカム」から夏目(名前不明)さんが。どっちも可愛いせいで「夏目がいいよね」と言っても作品が限定出来ないという現象が発生したり。

 最後の最後まで悩んだキャラがあと4人ほど。まず、どうしたって冷静にジャッジが出来ない「夏雪ランデブー」のメインヒロイン、島尾六花さん。何が可愛いのかは分からないよね、そうだね。仕方ないよね。同じ理由で(?)「もやしもんリターンズ」では苦労人の長谷川遥さん。幸せになって欲しいです。そして、面白かった作品を支えたメインヒロインという点ではある意味今期最大の存在感、「ヨルムンガンド」よりココ・ヘクマティアルさん。本当はココをランクインさせるつもりでいたんだが、部門別と被っちゃうしなー、というので自重しました。それでもその存在感は色褪せませんよ。フフーフ。あ、でも案外ヘックスさんを入れてしまうというのが正解だった気も……。で、ラストに枠外から乱入させて申し訳ないが、滑り込みで「シュガー・ラッシュ」のヴァネロペちゃん。劇場作品はカウントしないんだけどね。どうもね、抗えませんでした。

 

第3位

‘05 「灼眼のシャナ」より「“弔詞の詠み手”マージョリー・ドー」

‘06 「天保異聞妖奇士」より「アトル」

‘07 「バンブーブレード」より「千葉紀梨乃」

‘08 「とらドラ!」より、「逢坂大河」とその他ヒロインズ

‘09 「デュラララ!!」より「セルティ・ストゥルルソン」

‘10 「会長はメイド様!」より「鮎沢美咲」

‘11 「47都道府犬」より「名古屋犬愛知犬」

’12「しろくまカフェ」より「笹子さん」

 多分半年以上前じゃないかなぁ、「あ、多分今年のこの部門には笹子さんが入るんだろうな」って思ったのは。入ります。あろうことかココやら夕子さんを押しのけて入ります。なんかもうね、どストライクなんですよね。あのキャラクター性が。なんだか男に都合の良い理想を全部丸め込んだような不透明なその立ち位置が、本当にミステリアスでそそられるのです。温厚で美人、スタイルもよくて実に気が利く、その上で致命的なほどに天然で、何故か油断すると土偶を発掘する。こんな女性、現実にいたらそりゃマズいでしょうよ。いや、土偶要素は置いといて、こんなおねーさんがいるカフェがあったら、そりゃ通いたくもなる。毎日妙なペンギンの脇でカフェモカを飲もうっていう気になる。本当に半田さんがうらやましいし、幼い頃の記憶を共有出来ていたラマさんがずるいと思うし、雇い主の立場であるシロクマさんがずるいと思う。もう、最終的に「しろくまカフェ」の良さを煮詰めていったら笹子さんが残るに違いない。いや、すまん、嘘です。グリズリーさんです。

 とにかく、しろくまカフェが現実に存在しないことが一番悔しいのは、「笹子さんがいない」というその一点に尽きるのである。リアル笹子さん募集中。ひょっとしたら中の人である程度補完出来る気もするのだが、中の人の天然ぶりは、若干方向性が違うよな。

 

 

第2位

‘05 「地獄少女」より「閻魔あい」

‘06 「うたわれるもの」より「トウカ」

‘07 「キミキス pure rouge」より「二見瑛理子

‘08 「紅」より「九鳳院紫」

‘09 「ささめきこと」より「村雨純夏」

‘10 「刀語」より「否定姫」

‘11 「花咲くいろは」より「四十万スイ」

’12「人類は衰退しました」より「“わたし”ちゃん」

 説明不要の存在感。小さな学園のいじめ問題から、天地創造に至るまでを管理する名プロモーター。そして卑怯ですらある愛らしさ。本当に鉄壁。ここまで作品を1人で支えた主人公は久しぶりに見た気がするよ。まぁ、エピソードによっては何十人単位で増えてたけども。そういや1話目から坊主頭のヒロインってのも史上初じゃないかな。色々と新機軸すぎたわたしちゃんの愛らしさだが、その勢いに待った無し。あまりに分厚い中原麻衣ヒストリーに、更にボリュームたっぷりの1ページ。一応、毎年恒例の「ラスボス」枠もここでいいんじゃないかな。腹黒だし。でも意外なことに中原キャラがこの部門で選ばれたのは初めてなんだな。田中理恵なんて3人もいるのに。

 

 

第1位

‘05 「ぱにぽにだっしゅ」より「レベッカ宮本」

‘06 「ローゼンメイデン・オーベルテューレ」より「水銀燈」

‘07 「ひぐらしのなく頃に解」より「鷹野三四」

‘08 「SOUL EATER」より「魔女メデューサ」

‘09 「CANAAN」より「リャン・チー」

‘10 「けいおん!!」より「田井中律」

‘11 「よんでますよ、アザゼルさん。」より「佐隈りん子」

’12「中二病でも恋がしたい!」より「凸守早苗」

 意外にも、最後の最後までここは悩んだ。何を悩んだかといえば、同作品から一体誰を1人ピックアップしたら良いかということである。「中二病でも恋がしたい!」から、メインヒロイン六花、飛び道具ヒロイン凸守、そしてあふれ出る母性丹生谷森サマー。ギリギリまで六花の方を選ぼうと思っていたのだが、いつものように11話を見直していて、最終的にやっぱり凸守にすべきだと結論づけた。今年のトップヒロインは、闇からの刺客、無敵のサーヴァント凸守早苗ちゃんだ。

 この作品を考えると、やはり中心となって回していたのは六花の方である。「中二病」というメインパーツをどのように扱うのか、というのが脚本部分で一番の見どころになっており、多少変則的な解釈の仕方から、新たに「中二病」をテーマとしたドラマを作り出した。その中心となって中二病の描出に努めたのが六花である。どのモードでも愛らしさはマックスだし、視聴中も、どれだけ周りのヒロインに浮気しても最終的に六花のはち切れんばかりの愛らしさにクラクラしていたので、彼女を担ぎあげるのが一番直感に従った選択だと思う。

 しかし、改めて考えてみると、中心人物であり、大きな存在であるだけに、六花というキャラクターは至極当然の産物であるとも言える。愛らしさの種類も非常に真っ直ぐで、小動物の可愛らしさ、どこか年齢に追いついていない保護欲をかき立てる挙動など、いわゆる萌えキャラとしての十全たる要素を持ち合わせている。そりゃ強いのは当然だし、「クリエイターが六花を産みだす」のは、そこまで意外なことではない。他方、この凸守というキャラクターはどうだろう。何から何まで規格外で、全ての要素に「凸守ならでは」が溢れている。登場時には「六花も勇太もいる状態で、これ以上中二病患者を増やしてどうするんだよ」という印象すらあり、中盤からの参加ということで大きなビハインドもあったはずなのだが、気付けば世界は凸守を受け入れ、それどころか凸守を中心に回り始めていた。

 頓狂な出で立ち、無茶苦茶な口調、そして中二病を扱う絶妙な立ち位置、そうした全てのパーツが「無難であること」を拒否しており、唯一無二のブランドになっている。一歩間違えればとんでもなく痛々しいキャラクターであるはずなのに、不可思議なことに凸守の挙動は本当に愉快であり、可愛らしい。非常に危ういバランスの中から、ピンポイントで凸守を産みだしたことこそが、「中二病」の最大の功績だったのではなかろうか。

 そして、凸守といえば神がかった融合っぷりを見せた中の人、すみぺこと上坂すみれの奇跡の覚醒。ラジオも含めて、本当に水を得た魚のごとき彼女の輝きは、凸守を彩る最大の武器になった。キャラも飛翔し、中の人も飛び立つという理想の関係性。今後も凸守の将来を楽しみにしつつ、すみぺの行く末も見守っていきたい。凸守はいい女になるだろうなぁ。

 

 

<声優部門>

 さぁ、最後に控えしは、実はここがメインじゃないか疑惑もある声優部門である。毎年書いてるんだからそろそろ沈静化しても良い頃だと思うのだが、一切話題が減らずに加速し続ける世界、それが声優業界。今年1年、(女性限定だけど)声優業界にはどのような動きがあったのか、改めて名前を列挙しながら確認していこう。

 まず、昨年度までのスタンダードを振り返ると、当然のことながら時代が動いていることが確認出来る。どうしたってブームというのはあるものだから仕事量に増減があるのは仕方ないが、新しい世代に席を増やしていけば、上の層は少しずつ変化していくものである。しかし、意外だったのは小倉唯の仕事が思いの外伸びなかったことである。まぁ、学業に専念しなければいけない歳だから現在はセーブしているのかもしれないが。それに比べて、相方の石原夏織は予想通りにキャリアを積んで確実に一軍への足がかりを作った。まだまだ伸びしろの多い人材なので楽しみは多い。同じようなルーキー枠をここで列挙してしまうと、今年一番の躍進があったのは大沢事務所の新星、種田梨沙だろう。大沢の社風なのだろうか、「え、この子ナニ?」と思う間もなく、一気に仕事の量を増やしていつの間にかそこに居る。花澤・井口のような派手さは無いものの、安定感のある仕事を見ると、事務所が推す理由も分かるというものだ。同じく移籍により大沢所属となった日高里菜との熾烈なトップ争いは今後も注目である。まぁ、個人的には圧倒的な日高スキーなので、どうしてもそちらにばっかり目がいってしまうのだけども。過去に選んでなければ、多分今年度の躍進ぶりを見て間違いなくトップ3に選出していただろう。

 その他、若手から伸びてきた名前を挙げていくと、三澤紗千香、瀬戸麻沙美、小松未可子などの露出の多い面子に加え、渋い仕事が光る山本希望に、アカン方向にばかり期待が広がっている佐倉綾音、そして諸星すみれ・木戸伊吹の真性ロリコンビ、個人的に凄く気になっている種﨑敦美、フジイ役で何かが目覚めた感がある西明日香、危険すぎて今後の扱いが不安視される村川梨衣といった名前は色々と面白そう。他にも新田恵海、久保ユリカはラブライブ組でも今後が期待される名前。同じくアイドルグループ声優からは何度も名前を挙げている原由実の仕事に期待したいし、うまいこと当たり役を引いてステップアップに成功した渕上舞の名前も、今後は良く見るものになるだろう。

 多少上を見ると、今年も花澤・阿澄・沢城の3つの名前は一切仕事量を減らさず、既に聖域となりつつある名前。これに食い込むのが福圓美里、日笠陽子、井口裕香、戸松遥、早見沙織といった面々だろうか。実は井口はウザキャラだけではなく、少しずつキャラの幅も広げて役者としても面白いものを見せ始めている。もちろん、戸松は個人的に不可侵となりつつある唯一無二の存在。スフィアの面々はお互いに譲らずの攻防がまだまだ続きそうである。

 ちょっと渋いところでは、この歳になって急に仕事を広げ始めた下田麻美の名前も気になるところ。アイマス声優なのでどうしても他の仕事は制限されてきたイメージがあるのだが、少し離れて聞いてみると、実はトップを取れそうなポテンシャルがある。また、突然レギュラーを増やして返り咲いた名前には南條愛乃もある。ジョルノはこの1年で急に華が出てきた気がする。そんなナンジョルノとやたら仕事が被っている三森すずこも無視出来ない。今年は一気に飛躍した感があるが、まぁ、正直言うと抑えめのみもりんは個人的にあまりピンとこないんだけどな。腹黒ピンクのにじみ出るエロスの方が聞いてて楽しいんだ。そんなみもりんの華々しい活躍の陰で着実に地盤を固めている徳井青空の方が面白いものが飛び出して来るので聞いてて楽しかったりする。そらまるは羽ばたく気がする。

 さて、実はここまでが前振り。これ以降の名前が、今年選びたかった候補である。まず、昨年も選出に悩んだのが大久保瑠美。よくゆるゆり組でまとめられることがあるが、やっぱりるみるみだけ持ってるものが一段階違う。「直球表題」では炸裂するアドリブ芸(マジギレ芸?)で楽しませてもらいました。今期下半期のベスト台詞は「なんなん?!」で決定。同様に去年も名前に触れていたのは高森奈津美。基本的には「使いやすいサブ」のイメージなのだが、「さくら荘」の美咲のように一気に空気を作る仕事でも安定感がある。かやのんとのラジオコンビの不思議空間は癖になる味わい。更に、東山奈央は分かりやすく今年になって仕事を伸ばしてきた人材だろう。年齢に比して安定した仕事ぶりと天性の声質は、日高里菜に近い可能性を持っている。やはり91年、92年組の層は大したものだ。そして91年組といえば、新たなカオス、上坂すみれである。声優なのにあさっての方向に羽ばたいてしまったのは良いのか悪いのか悩ましいところだが、何はともあれ「役者としてすげぇ」が見せつけられた1年になった。今後どのような使われ方になるのか。業界の選択を見守ろう。

 すみぺの名前を挙げたのだから、ここは中二病繋がりで赤﨑千夏の名前を挙げねばなるまい。キルミー赤﨑の異名を手にした昨年がピークじゃないかと思われたのだが、折部やすなは何とあくまで助走の一歩目だった。森サマー、チワワといった強いレギュラーで更なる存在感を見せつけてくれた。赤﨑と同世代で今期花開いた人材としては、「貧乏神が!」の紅葉で素晴らしい仕事を見せてくれた内山夕実がいる。今年はプリキュアでもその驚異的なスキルを遺憾なく発揮しており、確実に今後の声優界に求められる人材といえる。やっぱり声は低めが好みです。そして低めの声といえば、すっかり定着して「少年」の愛称で親しまれている田村睦心も、今年度ではっきりと立ち位置を確保した。気付けば田村少年も赤﨑・内山と同世代。声優業界は25歳というのが1つの勝負の歳、節目となるのかもしれない。そして最後の1人は内田彩の名前を挙げておこう。更に1つ年上であり、「キディ・ガーランド」でデビューした後に地に潜っていた期間が随分長かったが、ようやく今年、蓄えてきた下積みが実を結んだ感がある。こうして振り返ってみると「あぁ、あのアスクールがついにここまで……」と感慨深くある。

 さて、今回はほぼ25歳以下の若手に絞って話を展開したが、それでもこんだけの名前が出てくるのである。さて、残り3人の名前は……勘のいい人なら、指摘出来るかもしれないですな。

 

 

第3位

‘05「植田佳奈」 ’06「小林ゆう」 ’07「戸松遥」 

‘08「佐藤聡美」 ’09「原田ひとみ」 ’10「日高里菜」

‘11「伊瀬茉莉也」

’12「茅野愛衣」

    アニメ 「さくら荘のペットな彼女」「好きっていいなよ。」

        「氷菓」「輪廻のラグランジェ」他多数

 

 「今更かやのんかよ!」

 すまん、その通りだ。どう考えても、彼女を選出すべきは去年だった。ただ、去年の記事を読んでもらえば分かるが、どうしても枠が足りなかったのだ。その結果、茅野の名前は「最も1位に近い4位」ということでお茶を濁させてもらった。そうして外したからには、もう今年は選ぶわけにはいくまいと思っていたのだが……選ばざるを得なかった。

 去年の時点で茅野旋風は吹き荒れており、デビュー1年目にして既にピークを迎えたような雰囲気さえあった。どれだけニーズがあって、どれだけ実力を認めても、流石に2年目にそこまでのことはないだろう、と勝手な想像をしていたのだが、茅野マジックは、易々とその予想を乗り越えてしまった。2年目のジンクスってな言葉もあるはずなのだが、どうやらこの「大型新人」にそんな言葉は関係無かったらしい。吹き続ける茅野旋風は終わる気配を見せず、まだまだ暴風域を抜け出せない。とりあえず、ここで名前を挙げることで土下座代わりとしたい。

 もちろん、単に惰性で選出したわけではない。2年目の茅野パワーは更なる進化を見せ、元々のイメージから奔放に世界を広げ、実に様々なキャラクターに浸透していった。元々「めんまみたいなロリっ子ボイス」と「日々乃さんみたいなおねーさんボイス」という二極が代表的な茅野ボイスだったが、今年は「ガルパン」や「カグラ」「俺修羅」で見せたような素直に元気な女の子ボイス、「好きなよ」で見せた硬質な気品、「ラグランジェ」でたっぷり垂れ流した天然セラピーなど、本当に枠にとらわれない自由な仕事ぶりが素晴らしい。感心し通しだった去年の段階でも、ここまでの広がりは予想していなかったものだ。

 聞いているだけで癒されるというナチュラルセラピーボイスは天性の武器。今後もしばらくはかやのん旋風は止むことは無いだろう。面白いのは、似たようなカテゴリの花澤ボイスとはほとんど仕事が被っていないということ。共演作としては「アクエリオンEVOL」や「ギルクラ」あたりがあるので比較は難しくないが、大きな2つの個性がぶつかり合う中でも、独自に「茅野道」が明確に見えているのは興味深い。何故か共演すると必ず花澤が気の強い女の子役に回るというのが面白い(「神様ドォルズ」もそうだったし)。

 

 

 

第2位

‘05「斎藤千和」 ’06「後藤邑子」 ’07「佐藤利奈」 

‘08「遠藤綾」 ’09 「悠木碧」 ’10「喜多村英梨」

‘11 「豊崎愛生」

’12「金元寿子」

    アニメ 「スマイルプリキュア!」「琴浦さん」

       「ココロコネクト」「俺修羅」他多数

 

 こちらは、今年度のピックアップに大きな問題は無いだろうと思われる名前。ひーちゃんの場合もデビューから波に乗ったのは1年前かもしれないが、本格的に勢いが増したのは今年度だろう。気付けばいつの間にやら替えの利かない素晴らしいポジションを手にしていた。

 「イカちゃんの子」という肩書きがついて回っていた売り出し直後、確かにあれだけ鮮烈な「メインキャラ」を演じてしまうとなかなかそのイメージを払拭するのは大変だが(その前にやっていたカナタの立場はどうなるんだ、っていう話もあるが)、ひーちゃんの場合、真っ向から仕事を増やし、そのまま力業で「イカちゃんの子」というレッテルを引っぺがしてしまった。やはり最大の看板となったのはキュアピースだろうが、それ以外にも天性の声を活かして様々なタイプのキャラに広がりを見せ、次第に「イカちゃんの声」から「ひーちゃんの声」になっていったのである。

 改めて聞いてみれば、至極真っ当な路線での「アニメ声」と言ってしまっていい声質だと思うのだが、その使われ方が面白くて、イカちゃんのように真っ直ぐに出せば元気っ子になるし、キンキンと高めなので「ココロコネクト」の唯のようにツンデレ要素を混ぜることも出来る。唯の場合は、ツンデレ要素に加えて様々な要因が絡む複雑な内面性も同時に見せることが出来、役者としては大きな一歩となった。また、キュアピースに代表されるロリっ子ボイスにしても、ちょっとこまっしゃくれたところを強めに出せば「ラグランジェ」のようなお嬢キャラとしての聞き応えが出てくるし、素直さを前面に出して琴浦さんのように愛らしさが際だつ演技もどんぴしゃりだ。もちろん、阿漕な方向に持っていけば「俺修羅」の姫香のように全力の萌え方向でも転がすことが出来る。

 恵まれた声質というのは若手声優には当然望まれるものだが、ひーちゃんの場合には、それを裏付けるだけの懐の深さと、キャリアの浅さを感じさせない伸びがある。「アニメ声」には今後もライバルは多いだろうが、オリジナル要素で売りを作り続ける「金元節」は、他を寄せ付けないだけのレーベルとして一本立ちしていくことだろう。ごたごたの多かったバオバブにとっては、なくてはならない看板女優である。

 

 

第1位

‘05「生天目仁美」 ’06「井上麻里奈」 ’07「阿澄佳奈」 

‘08「井口裕香」 ’09「高垣彩陽」 ’10「藤村歩」

‘11「福圓美里」

’12「内田真礼」

  アニメ 「さんかれあ」「中二病でも恋がしたい!」

      「あいまいみー」「非公認戦隊アキバレンジャー」 他多数

 

 この部門で(ほぼ)新人を選ぶのはひょっとしたら初めてのことか。しかし、それも仕方ないくらいのインパクトが、この内田真礼にはあった。今年度、一番盛り上がった声優の名前を1つあげろと言われても、ほとんど悩まずに答えることが出来た。

 今年度の履歴を遡って見ると、真礼のファーストインプレッションは「さんかれあ」の礼弥だったわけだが、そこから「あれ、そういえばこの子、アキバレンジャーにも出とるらしいやないか」ってなことで慌ててアキバレンジャーを見てかなりの衝撃を受けた。何しろアキバブルーやらアキバイエローの子は割と分かりやすく「若手」だったのに(まぁ、特撮でのデビュー作なんてそんなものだが)、博士だけは、微動だにしない完璧な演技を見せていたからだ。最近の特撮1話目からここまでのものが見られたのは、ボウケンピンクくらいのもんじゃなかろうか。慌てて調べたら歳はまだ22歳(当時)というのだから驚きで、司令官ポジションだったせいか全く年の若さから出るはずの拙さも感じさせず、妙ちきりんなパロディ特撮で与えられた仕事を伸び伸びとやりきっていた。何故わざわざアイムの声優が顔出しで出演していたかといえば、当然作中の「ズキューーン葵」の声優も兼ねていたからであるが、この葵役でもきっちり「博士と同一人物とは思えない」レベルでの演技を決めているのだから見事なものだ。

 そして、そんな実写出演と「さんかれあ」の時期が重なっていたことで、内田真礼の破壊力は更に分かりやすく提示された、片や蓮っ葉な年上博士と純正魔女っ子を演じる声優役であり、かたや儚げな印象で幸薄いゾンビお嬢様。何から何まで違う役回りで、その1つ1つがきっちりハマるところに収まる気持ちよさ。正直、礼弥役一本だけでも今年はここに選出するかどうかを検討出来たくらいだ。

 しかし、当然それだけでは終わらない。彼女の存在感を決定づけたのはなんと言っても「中二病でも恋がしたい!」の六花である。礼弥とも博士とも住む次元の違う、非常に重要な「メインヒロイン」であり、ちょっと本義からずれた「中二病」という非常に面倒なステータスを持つキャラクター。どこか1つはずせば単なるあざとさしか残らないし、複雑な内面性と、ドラマにおける微妙な立ち位置は、呼吸1つで六花という存在が崩壊しかねない実に際どいもの。そんな大役をこの若さで軽々と乗り越えてしまったことは、心底脅威である。同作中には上坂すみれが産みだした凸守に、赤﨑千夏が産みだした森サマーという強力なヒロインが2人も存在しているわけだが(このあたりの競り合いは凸守の項も参照)、やはり作品の中心となったのは六花である。彼女の愛らしさが常に保持されていたからこそ、凸守は輝き、森サマーは保護者ポジションに収まることでその魅力を発揮した。全てを中心で回していたのは、やはり内田真礼である。

 更に更に、六花と同時期には「K」でお堅い委員長役をこなすことで、声優としては最大の賛辞である「まさか同じ人とは思わなかった」状況を作り出したし、その後も「ビビッドレッド・オペレーション」では中心人物となるれいちゃんを好演。その裏ではどうしたらいいか分からない怪作「あいまいみー」でも中心になって作品をぶっ壊すメインヒロイン・ミイ役を投げきった。更に目立たないところでは「幕末義人伝浪漫」では何と峰不二子ポジションまであっさりとこなしてしまっているではないか。ここまで完成度の高い新人というと、戸松・早見クラスと言ってしまっていいのではなかろうか。いや、この2人に比べれば声の特徴は多少抑えめなので、本来ならばもっと埋もれてしまう可能性もあったはず。役者としてのスキルできっちりとステップアップしていることを考えれば、下克上だって夢じゃないのかもしれない。今のところ歌唱関係の仕事はそこまで多くないが、どうやら歌の方も割と達者らしいので、今のところ弱点らしい弱点がないのである(ルックスも大丈夫だし!)。

 さぁ、来年以降の更なる進化が楽しみで仕方ない。若手が元気な業界は、今後もきっと安泰だろうさ。

 

 

 

 

今年も、良きアニメに巡り会えますように。


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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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