○「リトルバスターズ!〜Refrain〜」 4
こちらも第2シーズン。しかし、相変わらずこれの視聴姿勢は難しい。1期は世間での評判と相反するほどに噛み合わなかった作品なので、正直2期目と言われても食指は伸びにくい。「リフレインからが本番」なんて意見もちらほら見かけるが、1期で一切のめり込めず、粗ばかり見つけてしまっていた人間はそもそもその「本番」に参加する権利があるのだろうか。
せっかく仕切り直しをしたのだから、出来ることなら楽しんで観たいというのが正直なところである。2期目の利点というのは、キャラクターの内面が分かりやすくなっているので様々な前提を持った上で描写出来、より深い話が作れるということ。デメリットは、尺が長くなることによってマンネリになり、刺激が乏しくなってしまうこと。「2期が本番」とまで言われた作品なので、後者のデメリットについては考えなくていいだろう。その上で、1期は合わなかったとは言っても、一応女の子の話はちゃんと見ていたわけだし、キャラの素行も割と理解出来る状態で見られるなら、一応プラス要素の方が多く見込めるという期待はある。あとはどれだけ「合わなかったなぁ」という先入観を捨てきれるか、だ。
ただ、残念ながら、1話目はあんまりいい出会いではない。今作はひたすら「ヒロインらリキの周りの人間が不幸な目に遭う」がスタート地点になるわけだが、相変わらずその「不幸」が人為的なものである。単純な悪意である。別に他人から恨まれたりねたまれたりすること自体は問題ではないが、1期でも割とそういういじめ的なものによるシナリオ展開は多く、単純に「またやな」となる。奇矯な人間ばかりが集まる集団なので、差別的な目で見られるのは日常的な出来事であるようなのだ。そうなると、結局「こいつら、仲間内では楽しそうにしてるけど、そんな閉じた世界で幸せだと思ってるだけで本当にいいのかよ」と思ってしまう。外部を完全な「悪」として描いているので「どちらが悪い」みたいな議論にすらならないが、ことは高校生の交友関係という非常にデリケートな問題である。もし、主人公チームが全面的に正しい人間関係なのだとしたら、あんな身内だけで延々連むのではなく、もっと周りの人間との交流があってしかるべきなのだ。しかし、残念ながらリトルバスターズの面々は、それ以外の人間と交流している様子がほとんどない。こうなると、やっぱりあいつらの方がおかしいんじゃないか、という見え方になってしまうのである。また、単純な人間の悪意に晒された状態になってしまっているため、そのままそれを「敵意」で返すしかないというのもギスギスしている一因だ。結局、救われる方法は「悪意の排斥」しかなく、そうなるとリトルバスターズはますます小さな世界に籠もっていくことになる。学園ストーリーとしてこれはいいことなのだろうか。
また、相変わらず細かい部分ではあるが、各々の行動に奇妙な点が見られる。今回いじめの原因となった武闘派の女の子だが(名前を覚えてない)、彼女は何故、いじめグループが談笑していた録音データを持っていたのだろうか。リアルタイムで録音していたとするなら、明らかにおかしな行動をしている。自分を貶める現場に居合わせ、黙って盗み聞きしたら友人が虐められているのを知ったのに、その後で何食わぬ顔で部室へ戻り、いじめの被害にあったことを素知らぬ顔で聞いていたのである。もし義侠心に溢れる性格なのだとしたら、相手グループの話を聞いた時点ですぐにでも仕返しに出て、友人達が不必要なショックを受ける前に、いじめの原因が自分であり、心無い人間が迷惑をかけたことを謝罪すべきだ。何故それをせずに、さも今気付いたような顔で生活していたのか。それとも、あのレコーダーはあの場で回収して、初めて音源を聞いた設定なのか? だとしたら単なる盗聴犯である。レコーダーを仕掛けるほどの疑念を持っていてその行動はやはり不自然だ。
結局、1期を引きずるとあら探しみたいになる。うーむ、ここから先のお付き合いはどうなるか……まぁ、無理はしない。
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