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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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<アニメソング部門>

 カラオケ戦士になって以来、随分存在意義が変わったのがこのアニソン部門。完全に「甘受する側」だった時には映像面での評価も強かったのだが、最近は歌えてナンボ、みたいなところもある。まぁ、歌えないからこそ好きな曲もたくさんあるけども。今年はどんな楽曲がアニメを彩っただろうか。ちなみに、ランキングには残念ながら絡ませられなかったけど、今年度私がカラオケで一番熱心に練習したと思われるのは、各クールでは以下の通り。マイナーアニメの歌って、人前で披露する機会が無いから完全に自分のための練習になるのよね。

春クール・「始まりのResolution」(レヴィアタンOP)

夏クール・「Bye Bye Lullaby」(シンフォギアG挿入歌)

秋クール・「SAVIOR OF SONG」(アルペジオOP)

冬クール・「azrurite」(とある飛空士OP)

 昨年の受賞歴からも浮き上がってくる今期のスタートダッシュでは、やはり「恋は渾沌の僕也」の名前を挙げるべきだろう。1期の時点で一大ムーヴメントを巻き起こしたうーにゃー旋風で2期OPのハードルは無闇に上がっていたわけだが、見事なSAN値ピンチで堂々とした電波路線を貫き通し、見事に「OP詐欺アニメ」の看板を守り抜いた。相変わらず電波ソング好きは変わらぬ性癖だが、過去に選出した作品の傍系では、たとえば劇場版から地上波に降りてきた「深淵に舞う戦慄謝肉祭」なんかも、「2期目」の重圧をものともしない見事な出来映えであった。相変わらずの中毒性がたまらない。その他の電波を列挙していくと、作品との親和性など欠片もないくせに大看板に仕上げた「カニDo-Luck」、映像の疾走感も相まって話題をさらった「回レ!雪月花」、デビューシングルにして異色のプロモーションで際だった「七つの海よりキミの海」、カラオケ歌唱絶対不可能のカオスソング「地獄の沙汰も君次第」、安定の水島努クオリティで中毒性を引き上げた「ウィッチ☆アクティビティ」などなど、アニメらしい賑やかさ、無茶苦茶さはやっぱり欠かせない要素である。

 最近のアニソンでますます勢力を増したのが、「出演声優ユニットによる歌唱」部門。昔からたくさんの作品があるが、最近は特にユニットとして大々的に売り出すようなことをせず、しれっとグループを組んで歌うことも増えてきた。作品世界との親和性を高める働きが強く、声優ファンにはたまらないものがある。ユニットの代表格でいえばたとえばRO-KYU-BU。「Rolling Roling」の通報必須の歌詞など、元祖電波ソングメイカー桃井はるこの面目躍如。また、別方向から謎の高揚感を生み出した怪作には「今よ!ファンタジスタドール」なんて若いユニット歌唱曲も。ファンタからのメンバー繋がりで触れるなら、不思議な魅力でじわじわ人気を伸ばしたのが情報処理部による「せーのっ!」。日常系4コマってのは関連曲にも「歌手としてのプロレベルの特別さ」よりも「作品の雰囲気にあったユルさ」が求められるため、「のんのん日和」あたりも「何で終わるんだよ!」という重度の依存症患者に深刻なダメージを与えた。もちろん、不可思議な歌唱力の高さってのも魅力の1つで、今年最後に綺羅星のごとく現れた若手声優集団みかくにんぐッ!による「まっしろわーるど」なんてのも嬉しい予想外。その他、元祖声優ユニット騒がし系の隠れた名曲だと繰り返し主張している「わんわんわんわんNo_1!!」、地道にユニットとして活動を続けるsweet ARMSの「デート・ア・ライブ」など、今後もシームレスな役者と歌い手の活躍が楽しみである。ちなみに、「声優ユニットによるネタソング」部門でダントツだったのは「14 to 1」だね。閲覧注意レベルの爆発物やで。カメラが下からぐいっとパンするのはおいとこう。

 「映像がすげぇ」枠も軽く触れておこう。もちろん楽曲の印象も強くないと映像を楽しむことは出来ないのだが、映像でひと味もふた味も楽しくなった作品といえば、たとえば「S・M・L☆」。あの出だしはかなり衝撃的。艶めかしいモノクマダンスが話題をさらった「Never say Never」も映像のデザイン性が際だつ一本だろう。絵本風のデザインが曲調に見事にはまり込んだ「ビジュメニア」も非常に見事なアニメーション。OP職人として素晴らしい活躍を続ける梅津泰臣の手になる「シンクロマニカ」は本当に本編の出来が悔やまれる素晴らしい映像だった。「JUSTITIA」といい、本当に梅津さんは曲に恵まれいる。

 さて、残りは「マジで最終選考まで残った」群。ここだけでいっぱいあるのはどうかと思うが、まず、誰に出しても文句を言われないところでは、数々の記録を塗り替え、今年のアニメの頂点になった新たなアニソンの寵児「紅蓮の弓矢」。流行りもんには違いないが、アニメにかっちり合わせた歌詞の内容や、様々な形でファンを魅了した映像は本物だろう。同時期には、アニメ本編で波紋を呼びながらもトラウマレベルのインパクトを残していった「- a last flower-」なんて問題児も。こういう冒険が出来る土壌があるのは大事。「今年のアニメ」とするのは抵抗があるので選出までは至らなかったが、「拍手喝采歌合」の盛り上げ方、再構成された映像の演出は相変わらず素晴らしい。

 アニソンアーティスト定番枠では、「スタイリッシュ説教」が無闇に盛り上がった「遠くまで」なんて変化球もあれば、夢のユニット結成からドがつく王道ソングとなった「Preserved Roses」、力強いボーカルが荘厳さを築いた「終わらないメロディーを歌いだしました。」、原点回帰とも言われる熱すぎる「愛愛愛に撃たれてバイバイバイ」、「ニブンノイチ」などなど。そして、最後の最後まで選びたくて保留してのは「シフトと自給と、ついでに愛をとりもどせ!!」。結局吉木りさって何ものなのさ。

 

第3位

‘05 「Canvas2」 ED  「NA NA IRO

‘06 「涼宮ハルヒの憂鬱」挿入歌 「God knows」「Lost my music

‘07 「Myself:Yourself」OP 「tears infection

‘08 「マクロスF」25話挿入歌 「娘々サービスメドレー」(ライオン)

‘09 「乃木坂春香の秘密ぴゅあれっつぁ♪」OP 「挑発Cherry Heart

‘10 「みつどもえ増量中!」OP 「我が名は小学生

‘11 「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」ED 「secret base 〜君がくれたもの〜

’12 「這いよれ! ニャル子さん」 OP「太陽曰く燃えよカオス

’13「有頂天家族」OP「有頂天人生

 ここでも当然出てくる有頂天。こんなにも盛り上がり、直接的に作品世界を体現したオープニングテーマもそうそうお目にかかることはできないのではなかろうか。有頂天といえば、そのテーマは「阿呆の血の然らしむるところ」。この曲を歌っているmilktubbamboo氏といえば、アニソンでは「バカテス」のエンディングで知られることになったわけだが、「馬鹿」に続いて「阿呆」の歌というのだから徹底したスタンスである。無闇にテンションの上がる素直なフレーズ、メロディラインは、細かいことを気にせずに呵々と笑って日々を過ごす狸たちの日常を体現する見事な親和性を見せてくれた。

 この「阿呆」な曲に合わせて展開されるアニメーションの作りも見事で、久米田康治のシンプルなラインのデザインに合わせ、数々のガジェットが切り絵細工のようにちりばめられて展開されるお祭り騒ぎが、京都の町並みの背景にのって絶妙な悪ふざけを作り上げる。「なんだか分からないけど、とにかくこれは面白いことになるぞ」という期待感を最大限に高める働きを十全に成すのである。なるほどこいつぁ有頂天。

 

第2位

‘05 「ゾイドジェネシス」ED 「ありのままでLovin’U

‘06 「武装錬金」OP 「真赤な誓い

‘07 「ひぐらしのなく頃に解」OP 「奈落の花

‘08 「狂乱家族日記」OP 「超妻賢母宣言

‘09 「獣の奏者エリン」OP 「

‘10 「けいおん!!」OP 「Utauyo!! MIRACLE

‘11 「神様ドォルズ」OP 「不完全燃焼

’12 「坂道のアポロン」 OP 「坂道のメロディ

’13「戦姫絶唱シンフォギアG」第4話ED「教室モノクローム

 今年度の「アニメ」で「歌」といえば当然この作品ということになるだろう。アニソンバトルの1つの終着点、歌ってぶっ放せるシンフォギアソングこそが、分かりやすい盛り上がりの具現化だ。一応表題曲として4話で謎の大感動を巻き起こした「教室モノクローム」を選出しているが、基本的にこの枠は「シンフォギアソング全て」に対するものである。

 既に「歌バトル」のスタイル自体は1期で固まっており、今期は「盛りつけを増し増しにする」という分かりやすいバージョンアップを果たしている。歌い手が増え、曲数が増えたことで、燃え方向一辺倒だった神器ソングもバリエーションが増えた。列挙するならば、1期継続組はメインに「正義を信じて、握り締めて」「月皇ノ剣」「Bye-Bye Lullaby」と分かりやすい「延長線上」の曲を展開し、これに新たな3人が「神器ソング」として各々「裂槍・グングニール」「塵鋸・シュルシャガナ」「獄鎌・イガリマ」を加えている。あとは最後の一押しとして「歪鏡・シェンショウジン」、それにマリア・翼のデュエットソングである「不死鳥のフランメ」。各々のカップリング曲まで含めると、1クールの話数よりも多い楽曲がこのアニメを彩ったことになる。正統派「シンフォギアソング」としての厚みが増したことはもちろんだが、今期はたとえば「シェンショウジン」が変化球の路線で攻めていたり、「手紙」なんて無茶な曲でも平気で歌わせてしまったり、楽曲集としても見るべき点が多い。中でもお気に入りは2つの楽曲が独立しながらも、最終的に組み合わさることで「ZABABA」モードとなる「シュルシャガナ」「イガリマ」の2曲。アニメの流れに綺麗に融和した曲のスタイルが本当にお見事。やはりアニソンは「アニメとどれだけ繋がれるか」っていうところに存在意義があるのだ。馬鹿馬鹿しい歌詞も熱唱しながら、レッツ絶唱。

 

第1位

‘05 「ぱにぽにだっしゅ」 OP群

    (「黄色いバカンス」「ルーレット☆ルーレット」「少女Q」)

‘06 「うたわれるもの」PS2版・アニメ最終話ED「キミガタメ

‘07 「ぽてまよ」  OP 「片道きゃっちぼーる」

‘08 「ひだまりスケッチ×365」 OP「?でわっしょい

‘09 「シャングリ・ラ」OP 「キミシニタモウコトナカレ

‘10 「侵略! イカ娘」OP 「侵略ノススメ☆

‘11 「灼眼のシャナF」OP 「Light My Fire

’12 「中二病でも恋がしたい!Lite」 ED「漆黒に躍る孤濁覇王節

’13「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」OP「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い

 「曲との融和」という目標を、斜め上(斜め下?)から叩きつけた今年のナンバーワン馬鹿がこちらになります。もう、曲のスタイルが馬鹿。そして、こんな馬鹿に当代随一のシンガーである鈴木このみを連れてくるあたりがホント馬鹿。才能の無駄遣いここに極まれり。いや、でも彼女の圧倒的なボーカルがなかったらこの曲もここまでの完成度にはならなかったのだろうが。

 そして、この楽曲の完成形を作ったのはやはりアニメの力だろう。突然のDeathなハードさをそのまま映像に乗せてしまった大沼心。彼の采配はやはりこうしたデザイン性を優先した画面に際だつ。曲のフレーズの1つ1つにもこっちの恨み、僻み、妬み、淀みが積み重なり、ラストシーンのカタルシスへと繋がる一本のミュージックビデオのごときオープニング映像は、本編との温度差もあって恐ろしい存在感を放つ。本編からシームレスで繋がっちゃった10話なんてのもあり、この曲が根っこのトコロではこのアニメの全てを体現していることがよく分かる。こうしてみると、アニソン部門1位の大沼率が半端ないな(ぱにぽに、ひだまりがどっちも大沼さんや)。

 そして、とても印象深いこのアニメらしい一言がもこっちの中の人からなされているので、その一言を記載してこの部門の締めとしておこう。「みんなも〜、一人でカラオケいって〜、この曲を歌ったらいいんじゃないですかー。……ま、ツインボーカルだからぼっちじゃ歌えないけどな!!」

 歌ってます。

 

 

 

 

<キャラクター部門・男性キャラ> 

 野郎キャラのお気に入りを決める部門。続く女性キャラ部門に比べると軽い扱いだが、それでもやっぱりナイスガイたちを無視して話を進めるわけには行きませんからな。一体どんなイケメンたちが今期のアニメを彩っただろうか。

 まず、純正主人公サイドから列挙していくと、作品自体の質を引っ張り上げる真っ当な主人公・下鴨矢三郎(有頂天家族)。櫻井ボイスの効果が一番実感出来る絶妙な抜き加減が憎めない「タヌキらしさ」を演出。下鴨家は魅力的な人物ばかりなのだが、書き添えておくならその開祖たる下鴨総一郎も候補に入れておきたい。現代日本からは失われた「でっかい親父像」には憧れます。続いて、主人公といえば主人公、苦労屋の生命戦維、鮮血さん(キルラキル)。関俊彦ボイスのセーラー服っていうだけで反則だったのは内緒。まぁ、同作ではどっちかっていうと蟇郡苛さんの方が気になる存在でしたけどね。イケメンボイス繋がりなら、巨躯に似合わぬツンデレっぷりが愛おしい銀太郎(ぎんぎつね)も恰好良かった。あの世界も悪い奴がいないからイケメン揃いだったなぁ。声のインパクトで言ったら鬼灯さん(鬼灯の冷徹)も癖が強くて愉快な御仁でしたな。

 残念な人間ばかりが集まる主人公サイドっていうのも、不思議な魅力があるもので、結局何が恰好良かったのかさっぱり分からないのに何故か恰好いいタイミングがあるというダンディ(スペース☆ダンディ)や、あんな設定じゃなきゃ実はかなりのイケメンだったんじゃないかって気がする甘草奏(脳コメ)、突っ込みからシリアス園芸まで幅広くカバーする才媛畑耕作(のうりん)なんてのも勢いに任せた愉快な「主人公像」である。脇を固めるサブキャラまで広げると、胃薬必須の三枚目お兄ちゃんアサギトシカズ(マジェプリ)、世の中間管理職の涙を誘う苦労人芦屋四郎(はたらく魔王さま!)、最終的には性別だけじゃなく主人公という枠すら飛び越えた感がある波戸賢二郎君(げんしけん二代目)あたりは、全員大変な思いをしていただけに共感もひとしおである。もちろん、斑目さんもね……。あー、でも一番の苦労人はハービンジャー(聖闘士星矢Ω)だったかもなぁ。おめでと!

 こっそり付け加えておきたい特別枠に、「渋いおっさん部門っていうのがある。今期はそこまで多くないのだが、どうしてもチェックせざるをえなかった存在に、ラルさん(ガンダムBF)がいる。結局ヤツは何者だったのだろうか。あと、中華料理屋からコンビニ店長という謎の遍歴を持つリュウケンさん(DD北斗の拳)かな。チャーハン、パラパラの、チャーハン。ジジイ役って大体声がいいから卑怯よねぇ。ショーン・コネコネ先生(ディーふらぐ!)とかねぇ。

 そして、毎年高確率でベスト3に食い込むのが、なんと言っても「悪役」部門である。やっぱり悪い奴ってのはいつの時代も男の憧れ。真っ直ぐな悪役でインパクトナンバーワンといえば、個人的にはキング・トーチャー(サムライフラメンコ)である。その正体は単なるオタクだったのに、フラメンコダイヤの心をへし折った見事な弁舌に、正義と対峙しても揺るがない悪のスピリットは、昨今の軟弱な悪役には是非見習ってほしい見事なものであった。サムメンコワールドの悪役は奥崎総理とか、全員良いキャラである。「情けない悪役」ってのも1つ魅力的であるが、そんなカテゴリで1つ抜きんでたのが見事なストーカー気質、ビゾン・ジェラフィルさん(バディ・コンプレックス)。最初はあんなに恰好良かったのに……ヒナちゃんも色んなのに付きまとわれて大変やな! 「悪」とかいう次元を超越してしまった面倒ごとの化身という領域には、稲荷・明恵上人(京騒戯画)ってのもいる。「実は俺は神様なんだ」という身も蓋もない一言をさらりと成立させる石田彰ボイスが本当にチート。適当に石田彰キャラを並べるだけでもこの部門のベスト3なんて簡単に埋まりそう。もっとヌルッとした悪役だったら、御堂筋翔君(弱虫ペダル)はいかがでしょう。こっちは遊佐浩二ボイスですよ。やらしさで言ったら似たようなもんやで。あと悪役といえば………………モノクマ(ダンガンロンパ)? いや、あの艶めかしいオープニングダンスを見ると、女性である可能性も……。

 

第3位

‘05 「灼眼のシャナ」より「“蹂躙の爪牙”マルコシアス」

‘06 「コードギアス〜反逆のルルーシュ〜」より「ジェレミア・ゴッドバルト」

‘07 「CLANNAD」より「春原陽平」

‘08 「SOUL EATER」より「鬼神・阿修羅」

‘09 「亡念のザムド」より「寺岡フルイチ」

‘10 「会長はメイド様!」より「碓氷拓海」

‘11 「Steins;Gate」より「岡部倫太郎」

’12 「キューティクル探偵因幡」より「首領・ヴァレンティーノ」

’13「サムライフラメンコ」より「羽佐間正義」

 割と本気で後藤さんとどっちにするか悩んだりもしたのだが、やっぱりサムメンコワールドを代表するなら彼しかいないだろうさ。彼の生まれ育ち、彼の生き様が「サムライフラメンコ」という一本のアニメを産みだしたのだから、それを評するには彼を祭り上げるのが一番手っ取り早い。

 本当に不可解な主人公であった。彼の活躍は最初も最初から「格好良さ」とは無縁であり、思い返してみると、実は一度たりとも恰好良かったためしがない。いや、もちろん個々のパートで見ればクライマックスとかは恰好いいのかもしれないが、トーチャー戦は満身創痍、とどめは後藤さんが刺してる。ビヨンド戦は訳の分からないままで終わったし、奥崎総理をやっつけたのは実質今野だ(決め技も後藤さんとセットだ)。フラメンコ星人は気付いたらなんか消えてた。うん、彼は「自分の正義」に引きずられて動き続けてこそいたものの、実際に「恰好いい」シーンってのはなかったのかもしれない。

 でも、そんな彼だからこそ「サムメンコ」が出来上がった。彼は一度たりとも曲がったことが無いし、多分これから先も曲がることなどあり得ない「正義の体現者」である。最終回以降はそこに(非常に歪んだ)愛まで加わったのだから完璧だ! もう、こんなにも放っておけない主人公は、今後現れないのではなかろうか。でも、本当に彼の掲げ続けた「正義」って恰好いいと思うよ。「誰も注意しないのは面倒臭いからだ! でも、俺はムカつくから注意する!」っていうのは、今の日本に欠けているスピリットに違いない。サムメンコを見て、羽佐間正義を見て、日本人も変わらなきゃ。(いや、どうだろう)

 

 

第2位

‘05 「魔法少女リリカルなのはA’s」より「レヴァンティン」

‘06 「ネギま!?」より「モツ」

‘07 「天元突破グレンラガン」より「ロシウ」

‘08 「コードギアス 反逆のルルーシュR2」より「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア」

‘09 「化物語」より「阿良々木暦」

‘10 「四畳半神話大系」より「私」

‘11 「逆境無頼カイジ破戒録篇」より「班長大槻」

’12 「絶園のテンペスト」より「鎖部左門」

’13「恋物語」より「貝木泥舟」

 今期アニメのキャラの中で一番意外だったのは、この男だったかもしれない。「主人公になった」こと自体ももちろん驚きだし、彼が迎えた理不尽過ぎる結末も大層サプライズではあったのだが、多分、もっと根源的な驚きは、彼が結局「普通の人間」だったという部分にあったのではなかろうか。

 冷静に考えると、これはサプライズでも何でもない。何しろ、「恋物語」が始まるまで、原作も知らない私が持っている貝木についての知識は「偽物語」の時のデータのみ。人間味がないとか、非常にシニカルな性格であるとか、圧倒的な謀略家であるとか、様々なイメージはあったものの、考えてみれば「それしか情報がない」段階で勝手にこちらが作った人物像だ。「実際は貝木ってのはこんな男だったんですよ」というのを後付けでいくらでも付け足せる。こういうところでいかにも「すげぇびっくり!」な筋書きを用意しておいて、よく見ると実は大したギミックでもないというのは、西尾維新が用意する大山鳴動作戦の一端に違いない。「騙されている」というよりは、「そう見せかけるテクニック」なんだろうけども。

 とにかく、そんな「意外性」がぽんぽんと飛び出してきた「主人公」貝木泥舟。行動原理もよく分からないまま、過去の「カモ」相手に粉骨砕身の奉仕をする貝木はやたらいい男に見えた。こちらもやっぱりミキシンボイスの罠ではあるのだが、極端に振り切って他を顧みずにやりたいことだけやり散らかすこの世界のキャラはどこか蠱惑的である。決して「貝木みたいになりたい」とは思わないだろうが、「貝木の人生は楽しそうだな」とは思える。そういう存在感って、主人公に一番必要な要素でしょう。この作品の場合、その要素が阿良々木さんよりも貝木の方が強いんだ。まぁ、阿良々木さんも過去にこの部門で選出してるんですけどね。俺、ひょっとして西尾維新ファンなんじゃあるまいな。

 

第1位

‘05 「アカギ」より「浦部」

‘06 「うたわれるもの」より「ハウエンクア」

‘07 「大江戸ロケット」より「赤井西之介」

‘08 「仮面のメイドガイ」より「コガラシ」

‘09 「花咲ける青少年」より「クインザ・ハフェズ」

‘10 「魔法少女まどか☆マギカ」より「キュゥべえ」

‘11 「へうげもの」より「千利休」

’12 「新世界より」より「スクィーラ(野狐丸)」

’13「翠星のガルガンティア」より「チェインバー」

 珍しく、真っ当な主人公を1位に選出出来たので何よりである。いやまぁ、彼をまともな主人公と言っていいのか定かじゃないし、そもそも男性キャラなのかどうかもはっきりしないけど……まぁ、キュゥべえよりは男性寄りだよね。

 チェインバーの良さってのは、その身体の中に「翠星のガルガンティア」というアニメのエッセンスが全部詰め込まれてしまっているということ。極端な話、このアニメはず〜〜っとチェインバーにのみカメラを向けて、彼がどのように変化していったかさえ描いていれば成立する。それくらいに、この「ブリキ野郎」の変化・成長というのはドラマティックなものになっていた。レドの成長を受けて変わっていく機械の「啓発支援システム」。その彼がいつの間にかレドを追い抜き,一番の「心」を手に入れ、それを信じて散っていくまでの流れがあまりにも綺麗過ぎる。末期の台詞となった「くたばれ、ブリキ野郎」は忘れられない名言となったのである。本当に惜しい漢を亡くしたものである。

 

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