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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 <白>

 今回もリミテッドでの勢力図を基盤とするため、コモンのカードを中心に各色の可能性を探っていこう。といっても、わたしゃプレリにも出てないし、ぶっちゃけゼンディカー環境のリミテッドも充分な数プレイしているとは言い難いので、現時点での妄想トークになりますけど。一応、言い訳しておかないとね。

 で、まずは白。ゼンディカーにおける白は、赤などと並んで速攻ウィニーの色合いが強く(まぁ、この環境はどの色も似たり寄ったりだが)、中でも「コーの空漁師」の使いやすさは尋常じゃなかった。ただ、除去として有用なカードが「未達への旅」1枚だったためにどうしても赤やまとまった黒に比べると迫力を欠き、2番手、3番手に落ち着いていた印象である。新たにワールドウェイクが加わって、白はどうなるだろう。

 コモン10枚のうち、白がクリーチャーに割いているのは6体(ゼンディコン含む)。その中で文句なくトップに来るのは、キッカーで自由にサイズが選べるフライヤー「天頂の鷹」だ。3マナ2/2フライヤーは「空漁師」の味を覚えてしまった後では少々物足りなくもあるのだが、やはり基本サイズなので抜群の安定感を持つ。状況次第では3/3などで登場できるのもありがたいところ。その他、上陸すれば2/2フライヤーの「巣立つグリフィン」、装備品さえあれば2/2フライヤーの「帆凧の弟子」と、条件付きながらも序盤の攻勢に出られるカードの数はそこそこ。流石に「空漁師」「ステップのオオヤマネコ」「コーの装具役」「コーの鉤の達人」などが固まっていたゼンディカーよりもスピードは落ちるだろうが、一応軽いパーツに関しては基準値には行っているだろう。どちらかというと問題は後半のマナ域で、4マナ以上のクリーチャーは3/3先制と平凡な「戦いのハルダ」だけ。サイズゲームになったら勝ち目は無いので、前のめりだけを考えるか、何とかサブカラーなどからコントロール力を強める努力が必要である。

 スピード勝負一辺倒への懸念は、他のカード群にも現れている。3マナ2/6と堅固な壁である「護衛のゼンディコン」は空を基点にじっくり攻めるデッキ向けだし、2マナ8ライフの「疲弊の休息」、5マナ確定除去の「イオナの裁き」は、どうしたってこれまでよりもゆっくりした環境を作り出す。「未達の旅」の穴は埋まるものではないので、限られたフライヤーだけで攻めきれるかどうか、見極めは容易ではない。

 アンコモン以上のプールを見ると、また別なラインも視野に入ってくる。「ハーダの自由刃」の存在だ。これが手に入った場合、「兵員への参加」という強烈な同盟者プッシュカードを持つ白はかなり柔軟な同盟者デッキが狙えるようになる。ゼンディカーでも「マキンディの盾の仲間」「オンドゥの僧侶」とコントロール向けの同盟者が多かったので、これなら同じくアンコ枠から「屈折の罠」や「境界線の隊長」などの強烈なコントロールカードをおさえて、腰を据えての勝負も悪くない。また、白アンコにはこの環境では非常に気になる「廃墟の幽霊」というバイプレイヤーがいるのもポイント。このクリーチャー、普段は単なる上陸サポート装置だが、今回コモンで与えられた「セジーリのステップ」と組み合わさると、なんと「ルーンの母(USG)」になるのである。「幽霊」を見つけた人は、是非狙ってみたい必殺コンボだ。

 レアまでいくと、白は神話がいまいち地味なので、気になるのは「司令官の頌歌」と同盟者の「城壁の聖騎士」くらいか。前者は新しいデッキタイプの可能性も見せてくれるし、後者は同盟者デッキの新しいスタンダードが狙えそうな渋いサポート。また、前述の「境界線の隊長」のおかげでコントロールデッキの守備力は大きく向上するし、「屈折の罠」「コーの火歩き」と、今のジャンド一色のメタをぶちこわせそうなカードも多い。反逆したいなら、まず白からだ。



<青>

 ゼンディカーは、青にとっては特殊な立ち回りを迫る環境であった、近年まれに見る高速環境において、コントロールの代名詞たる青もその例外にはなっておらず、序盤から「天空のアジサシ」「ウマーラの猛禽」などでの攻めの展開を求められたのだ。その上で、不利な地上戦から軸をずらすための「クラーケンの幼子」という優秀な壁、そして「鞭打ちの罠」「乱動への突入」と恵まれたバウンス、「麻痺の掌握」など、他を抑えきるだけのカードパワーが与えられており、充分に戦える仕上がりになっていたのが凄い。ワールドウェイクに入ると、青はどのように姿を変えるだろう。

 青コモン10枚のうち、クリーチャーはゼンディコンを含めて5体。特に少なくはないが、もちろん多くもない。そんな中でトップコモンとなるのは、やはり1マナ2/2フライヤーという脅威のスペックを実現させた「風のゼンディコン」だろう。確かに土地を縛られたり、あらゆる除去で破壊されるといったデメリットはあるものの、やはりこのコストでクリーチャーを配備出来るのはありがたい。青には「飛翔する海崖」や「「ハリマーの深み」など再利用したい土地が多いのも追い風だろう。その他のクリーチャーは、5マナと多少重いが3/3を残しつつバウンスでテンポを稼げる「サラカーの消し去り」が優秀だし、1/4と相変わらず鉄壁を誇る「方解石のカミツキガメ」もいい仕事をする。他2体は島渡りと同盟者なのでデッキを選ぶが、「ハリマーの採掘者」は2マナ1/3と固いので同盟者関係なしに雇ってしまってもいいだろう。

 このように、今回の青は「ゼンディコン」以外は飛ぶでもなし、殴るでもなし、抑えめのラインナップになっている。もちろん、だから弱いということではないが、今後は攻めの起点となる「風乗りの長魚」や「ウマーラの猛禽」はさらに価値を高めることになりそうだ。特に「猛禽」は、ようやく念願のコモン同盟者を仲間にしたことで、少しではあるがサイズアップの可能性も上がっている(2体目の「長魚」を取るよりは、「ハリマー」を引ける可能性の方が高いはずだ)。

 さて、クリーチャーは並のラインナップだったが、他のスペルはどうか。今回の青はちょっとした非常事態になっており、なんとカウンターがインスタント限定の「払拭」のみ。まぁ、もともとこの環境はあんまりカウンターのイメージがないから構わないんだけど。「取り消し」の枚数が減るのでますますカウンターの可能性は減ったということだ。その他のスペルには、ドロー枚数が変わる後半の加速装置「深淵の渦」に、無限の可能性を秘めた「宝物探し」という2枚のドローカードが鎮座する。どちらもデッキに入れることに抵抗のないカードだが、そのためにはとりあえず長期戦の準備が必要。バランスには注意したい。他には様々なギミックの可能性を秘めたバウンス「上天の貿易風」が便利。どれもこれもそれなりにデッキを選ばずに採用出来るカードなので、3パック目でピックするものが無いという事態にはならないだろうが、役割は偏っているので、出来ればゼンディカーできちんと方向性を定めてデッキのデザインを固めたい。

 アンコモン以上になると、まずリミテッドレベルで強いカードが多く揃っており、コントロール奪取カードの「蒸気の捕獲」、ハイパータップの可能性を持った「潮力の精霊」、4マナ3/3エンドカードの「航海ドレイク」など、1枚で盤面を支配できるカードが多い。アンコが強いのはよいエキスパンション。相変わらずここにもカウンターの影は薄いのだけど。

 レアクラスにはコンボの臭いを漂わせた「選り抜きの記憶」がなんだか気になる以外は、絶対無敵の最強カード「精神を刻む者、ジェイス」が光り輝く。もう、こいつのためのエキスパンションですよ。ちなみに、「ウーラの寺院の探索」なんてのもよろしかったらどうぞ。

 

<黒>

 単色押しの黒。ゼンディカーで、吸血鬼軍団はそのようなイメージがある。実際は吸血鬼が絡むカードなんて「血の饗宴」くらいだし、沼が多くていいことなんて「墓所の切り裂き魔」「精神ヘドロ」くらいしかなかったのだが、「マラキールの門番」という必殺のアンコモンが(B)(B)(B)というコストを持っていたがゆえの単色推奨だろうか。序盤から押せる「吸血鬼の裂断者」「サラカーの匪賊」に、「墓所の切り裂き魔」のハイスペック、そして何より「見栄え損ない」「忌まわしい最期」といった優良除去。「魂の階段の探検」「不気味な発見」とあらゆるコモンがほとんど実用レベルだった黒は、ゼンディカーでは人気カラーの1つであった。この状況、次の世界でどのように変化しただろう。

 まず、黒のコモンに与えられたクリーチャーはゼンディコン含みで6体。これらの中で最も安定しているのは、青と同じくゼンディコンの「腐敗したゼンディコン」ということになってしまうだろうか。2マナ設置可能な3/3は充分過ぎる戦力で、同じマナ域で登場する他のクリーチャー全てを乗り越えられる。バニラなので止まるのも早いが、それでもわざわざ2/1の「無情な選刃」を選ぶならば「ゼンディコン」をとった方がいいに決まっている。次点では4マナ3/2フライヤーとシンプルな仕上がりの「ギザ蜂の群れ」。単に色を変えただけの「噛み付きドレイク」なのだが、「噛み付きドレイク」が強いんだからこいつだって強いはずだ。さらに2マナ2/2同盟者の「ボジューカの盗賊」などもあり、一応、戦える戦力はある。ただ「泥地の吸血鬼」や「鼓動の追跡者」など、吸血鬼であること以外に価値を見いだしにくい連中がいるのはちょっと辛い。

 そして、もっと辛いのは除去の弱体化。今回コモンに与えられた除去は−2か−4とシンプルな「墳墓の呪詛」と、タップしたら殺せる「災難の瀬戸際」、墓地のクリーチャーをダメージに変える「死の報い」の3枚。このうち「墳墓の呪詛」は優秀な部類に入るが、他2枚は重かったり、条件が付いたりでいまいちな印象。どう見ても「忌まわしい最期」の代役は務まらない。これに加えて「墓所の切り裂き魔」のようながっちり系のクリーチャーがいないことを考えると、多少なりとも苦戦を強いられるのは避けられないだろう。せっかくなら完全に吸血鬼依存のデッキ構成にして、使いにくいパーツにも意味を見いだして選択の幅を広げたいところだが……

 アンコモン以上になると、除去のレベルは急に上がる。素晴らしいトリックを提供してくれる「応報の罠」に、堂々帰還の「燻し」、ボーナスも美味しいし骨子が強い「食餌の衝動」と、除去が欲しければアンコモンに期待しろ、と言わんばかりのラインナップ。クリーチャーに関しては、ボロボロと手札を落とすことが出来る「血鞘の儀式者」、アドバンテージの可能性が膨らみ、さらにそれなりの肉である「海辺の回収者」などに期待がかかる。

 レアが一番賑やかなのが黒で、「逆白金」の愛称ですっかり有名な「深淵の迫害者」という神話を筆頭に、吸血鬼部隊には「遺跡の賢者、アノワン」と「カラストリアの貴人」「マラキールの解体者」と様々なコントロールパーツが加わり、「虚石の罠」も何かデッキが作れそうな臭いがしてくる。ギリギリの勝負で真価を発揮する「死の影」も、今後のメタ次第では面白い存在かもしれないぞ。

 

<赤>

 速い、痛い、ひどいと、3拍子揃った最強布陣が、ゼンディカーの赤。「板金鎧の土百足」というエースを擁し、さらに「ゴブリンの近道抜け」「破滅的なミノタウルス」「刃牙の猪」と質実剛健な向こう見ずが揃い、それをサポートするのは「噴出の稲妻」「尖塔の連射」という優れた火力。赤が回り始めたら、誰もその道を阻むことは出来なかった。この栄光は、まだ続くことになるのかどうか。

 赤コモンでも、クリーチャーに属するのは10枚中6枚。そのうち、筆頭を上げろと言われたら、やっぱり悩んだ末に「破壊者のゼンディコン」を選んでしまう気がする。仕方ない、3マナで置ける4/2トランプラーに弱い道理はないのだから。同じように期待が持てるのは、5マナ3/3と平均サイズだが相手のブロックを抑止できる「グロータグの打つもの」。序盤にある程度削り終わっていれば、このクリーチャーは充分とどめを刺せるだけの実力がある。あとは3マナ3/2バニラの「ゴブリンの荒くれ乗り」か。普通って大事だけど、「髑髏砕きの巨人」との関係が気になるところですな。で、今回の赤は、正直それ以上を望みにくい。同盟者の「アクームの戦歌い」は同盟者デッキでないと使いにくいし、「走り回るトカゲ」もキッカー前提のデザインなのでそこまでパワーはない。トータルでみると、「板金鎧の土百足」や「刃牙の猪」ほどのプレッシャーを与えるクリーチャーはいないのである。上記2体もそれなりにマナ(土地)が必要になるのでスピード重視のデッキスタイルというわけにもいかず、結局は赤もスピードダウンは確定のようだ。

 赤といえばクリーチャー以外に火力だが、今回コモンの火力は素晴らしいポテンシャルを持つ「焼尽の猛火」。下手したら「噴出の稲妻」を越えるくらいのスペックなのだが、残念ながらこの部門もこれ1枚こっきり。かなりの争奪戦が予想される。他には土地破壊スペルが1枚、それなりに使えそうなオーラが1枚、そしてゴミが1枚。火力が少し遅めまで引けていたゼンディカーとはエラい違いだ。赤やる人は、贅沢に慣れきった目を一度潰してでも、この微妙なカードプールになれておく必要があるだろう。

 アンコモン以上では、なんと言っても環境を激変させる「狡猾な火花魔道士」が強い。単なるティムではあるが、この環境ならではの強さを存分に見せてくれるはずだ。他にも「跳ね返りの罠」はリミテッドレベルでも面白い活躍を見せそうだし、構築では青相手の強力なサイドボードとして使っていけるだろう。クリーチャーは……他の色を探せ、贅沢は敵だ。

 レアまでいくと、ようやく除去祭り。新世代のラスゴ「連鎖反応」に、殴ると除去るを同時に兼ねる「焼酸のドラゴン」、問答無用の神話世界「彗星の嵐」まで、引けたらラッキーだけどそうそう引けない。もちろん、トップレアの座は神話は神話でも「竜使いののけ者」のほうですけどね。

 

<緑>

 ゼンディカーの緑は、使いにくい緑。最大の売りであるはずの「クリーチャーのサイズ」という色特性が他の色の台頭で意味を薄めてしまい、序盤には2/3の「ニッサに選ばれし者」がありがたがられる風潮。「大木口の幼生」や「領地のベイロス」などの素晴らしいファッティもいるのだが、どうしても「未達の旅」「乱動への突入」「忌まわしい最期」「噴出の稲妻」と各種揃った除去にいなされることが多かった。緑がはまる時というのは、どちらかというと「巨森の蔦」「砕土」「原初の怒声」などのトリック、上陸が決まった時で、純粋なクリーチャー戦でのアドバンテージはなかなか得られなかった気がする。内心忸怩たる思いの緑は、ワールドウェイクで一歩抜きんでることが出来るのか。

 コモン10枚の内、緑がクリーチャーに割くのは他の色と同じ6体。その中で最も期待が持てるのは、4マナ3/3トランプル持ちの「灰色革の狩人」だろうか。これは同盟者の1人なのだが、緑はゼンディカーで「オラン=リーフの生き残り」を集めることが出来るし、「ジョラガーの吟遊詩人」の代替機としてはあまりに優秀。是非「巨森の蔦」などのパンプ系で随まで味わいたい一品。次点は、次点は………………どれも似たり寄ったりだなぁ。2マナ2/2からマナ状況に応じてサイズを増やす「ナーリッドの群れ」、3マナ2/3警戒の「噛み付く忍び寄り」、5マナ6/4ゼンディコンの「巨森のゼンディコン」など、相変わらずコストあたりのパフォーマンスは良好なのだが、今ひとつ抜きんでる能力とは言い難い。むしろ一芸に秀でているという面では、フライヤーを止められる貴重な抑止力の「闘士蜘蛛」や、念願の1マナ・マナクリーチャー「東屋のエルフ」あたりの方が稀少度は高い。いっそ「東屋のエルフ」と「探検」でヘヴィークリーチャーてんこ盛りデッキにしてしまう方が潔いのかもしれない。「探検」は、このセットの「砕土」とも言える非常に大切なパーツだ。

 ただ、緑には追い風もあって、それは他の色が総じてスピードを落としたこと。上のラインナップを見て分かる通り、緑はそこまで大きくスピードが変わったわけではなく、ようやくヘヴィークリーチャーの価値が少し上がった状態と言えるかもしれない。白に「護衛のゼンディコン」、青に「方解石のカミツキガメ」と他の色もディフェンスを固めてくるが、「地うねり」などの増強を駆使すれば、緑の正面突破の時間もあるはずだ。また、非常に遠回しではあるが、「残忍な競争」というクリーチャー除去の可能性も手に入った。これまで除去というとせいぜい「オラン=リーフの出家蜘蛛」くらいだったが、今後はフライヤー・システムクリーチャーなど、隙を突いてカウンターを載せながら除去する選択肢も出てきたのである。何とか、無理矢理サイズゲームに持っていって緑の土俵を作りたいもんである。

 ただ、アンコモン以上で特にみるべきカードが無いのは少し寂しいところで、3マナ4/5の「皮背のベイロス」だけが無駄に存在感を発揮している。まぁ、「獣性の脅威」も強いんだけどさ。地味だよ。

 もちろん、そんな緑もレアまで見れば期待は高まる。今回多数の有効な駒を得た同盟者には決定的なパーツとなり得る「ヘイラバズのドルイド」がいるし、単色エルフデッキにしたいなら「ジョラガーの戦呼び」は是非採用したい強烈なロード。「狼茨の精霊」「ゼンディカーの報復者」などの数とサイズの双方から攻められるクリーチャーも、今後の緑デッキの幅を広げてくれるはずだ。除去が強い環境、だからこそ、今は敢えて緑。

 

<アーティファクト・マルチカラー>

 今回地味にデッキの屋台骨を支えそうなのが、スモールエキスパンションとしては多い11枚ものプールが割かれたアーティファクトの数々。コモンだけで見ても、3マナで手軽にアドバンテージが得られて事故も防げる「巡礼者の目」はデッキ次第ではかなり早めにピックすべき優良カードであるし、うまくいけばマナブーストにも繋がり、手軽に上陸トリックを強化出来る「歩く大地図」も実に様々なギミックをくみ上げる。大きくなった「面晶体集め」である「面晶体の流浪者」だって、4マナで4/4のアタッカーと考えれば充分デッキに入れられるスペック。気軽にフライヤーを製造できる「帆凧」も、白はもちろん、飛行が苦手な緑、赤あたりにもニーズが多い。コモンアーティファクト4枚は、誰でもいつでも引けるという特徴があるため、引くタイミングにはかなりの慣れが必要だろう。無色だからといってなめてかかると痛い目を見る。

 マルチカラーも含めて、残りは全てレア以上になるが、「バジリスクの首輪」の渋い強さはリミテッド・構築ともに気になる存在。クリーチャー戦闘メインの環境だからこそ、この仕事は意味が大きい。また、新しいデッキタイプを予感させる2枚のレア、「精力の護符」と「磁石のゴーレム」も注意が必要。特に後者はエスパー勢力が残っている現在が勝負所なので、今後の趨勢に注目が集まる(まぁ、次の大型セットはアーティファクトセットという噂があるが)。

 そしてマルチカラーだが、まぁ、2枚とも馬鹿。リミテッドなら祭り。構築なら……愛情。活躍してくれたら個人的には嬉しいけどね。

 

<土地>

 「土地セット」の最後を飾るエキスパンションだけに、やはり土地の充実ぶりは目を見張るものがある。改めて今回の土地のラインナップをおさらいしよう。

 リミテッドレベルでは、今回白に与えられた「セジーリのステップ」が強い。前述したが「廃墟の幽霊」とのコンボが強烈だし、「歩く大地図」などと併用すればカウンタースペルになるのが凄い。同様に何かを予感させるのは青の「ハリマーの深み」と緑の「カルニの庭」。前者は「宝物探し」とのコンボが期待できるし、後者はパーマネントアドバンテージが得られるという希有な土地。どちらも構築が狙える人材だ。もちろん赤の「くすぶる尖塔」だって弱くはないし、黒の「ボジューカの沼」も構築レベルでのサポートなど、小回りの利いたサポートが期待できる。つまり、コモンは5枚とも強い。

 そして構築環境に直接影響を与えるカードといえば、なんと言っても「地盤の際」だろう。この生まれ変わった「不毛の大地(TMP)」は、今後の環境を左右するカードの1つとなり得る。また、このカードの存在のおかげで「不気味な発見」擁する黒単陣営の追い風になることは注意が必要だろう。

 続いては、各色にそろえられた2色ミシュラランド。これらはほとんどが構築レベルに達する強さを持ち、中でもカラーリングとの相性が良い「怒り狂う山峡」は何枚デッキインされるかが注目を集める。同様に「忍び寄るタール抗」も、新しいデッキタイプを予感させる充分な仕上がりになっている。他の色も、結局「それなりのサイズのミシュラランド」というだけで強いわけで、多色環境が収束し次第、本領を発揮するはずだ。

 また、これだけラインナップが賑やかだと忘れられやすいのだが、「流砂」が帰還したことも無視できない。単色が強い時代になれば、マナベースを気にせずにこれの恩恵を受けるデッキもきっと登場するはず。とにかく、今後とも相手の置く土地には細心の注意を。

 

<総評>

 総じて見ると、なんだか地味なセットにも見えるワールドウェイク。確かにコモンクリーチャーはもっさりしているし、なんだかんだでゼンディカーのカードも優秀だったので、そこに割ってはいるにはそれなりの努力は要するだろう。しかし、上で見てきたようにとんでもないカードがごろごろしているのも事実。特に構築レベルでは、「赤対策」「土地対策」という2つの方向からメインストリームであるジャンドを締め上げにかかっているのが興味深いし、「同盟者」「吸血鬼」「エルフ」など、何も失わずに底上げされたデッキも多い。もちろんこの程度で揺らがないのがジャンド王国である、という見方も出来るし、まだ見ぬ地雷デッキがこの世界から産声を上げるかもしれない。

 結論としては、「やっぱりやってみないと分からない」。さぁ、パックを剥く作業に戻るんだ。

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