10月31日 ドラフト模様(TKT×3)
ピック順 【Sea-chicken】→【Thraxi】→【Mei】→【Alessi】→【Sangriter】→【Serra】→
もう間もなく「統率者2014」が発売されるという時期ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。やっぱり統率者用のカードはアホなのが多くて良いなぁ。ホントは欲しかったんだけども……高いんや……まぁ、色々とお高いカードも再録されてるしなぁ。単色デッキだからってしれっと入ってる灰色商人とかもいるけどな。
AL SE TH SA ME CH
AL ー ◎ ○ ○ ◎ × 4ー1 2
SE × ー ○ × × × 1ー4 6
TH × × ー × ○ ◎ 2ー3 4 ○○
SA × ◎ ○ ー ◎ × 3ー2 2 ○○
ME × ○ × × ー × 1ー4 5
CH ○ ◎ × ○ ◎ ー 4ー1 1 ○○
1位 【Sea-chicken】 マルドゥ <マルドゥの荒くれ乗り スゥルタイのゴミあさり 果敢な一撃>
なんとなんと、ついこないだ人生初の優勝を決めたこの男が、まさかの2回目の優勝をもぎ取った。環境によって得手不得手、相性の良し悪しはあろうが、まさかこうもあっさりと常勝街道に乗っかることになろうとは。前回の「ストレスを溜めないドラフト」と違い、今回は「特に目標も無いから、ただ赴くままにドラフトするだけや」という謎の無欲(?!)が功を奏したのかもしれない。謎の勢いをそのままに、無心のマルドゥが走り抜けた。本人曰く「2ターン目に『谷を駆ける者』、3ターン目に変異、4ターン目に相手クリーチャーを火力で焼いて前進するデッキ」とのことで、確かに序盤〜中盤のクリーチャーはそこそこ層が厚い。だが、どちらかというと真骨頂は中盤以降からの継続的な攻め手の方にあっただろう。「雪花石の麒麟」×2はこの世界ではほぼ約束されたクロックであるし、中盤に詰まっても更に押し込める「スゥルタイのゴミあさり」×2を早めに引いていたのも息切れ防止に一役買ったと思われる。除去とのバランスが良く、速度を維持しながらも柔軟性を増したマルドゥデッキといったところだろうか。ただがむしゃらに回しているように見えて、案外こうした除去を軸としたビートってのはカードの使い方が難しいものなのだが、うまく使いこなしたものである。それにしたって3パック目の「果敢な一撃」1引きってのは勇気がいる気がするが……確かにピック表を見るとこれがあながち間違ってないから困る。難しい環境やなぁ。
2位 【Alessi】 アブザン <抵抗の妙技 アブザンの先達 アブザンの鷹匠>
無冠の帝王は未だに無冠。それでも勝率は現在トップタイ。この歪んだ戦績は一体どこまで続くのだろうか。今回は「抵抗の妙技」1引きから入り、かなり密度の濃い、長久長久アブザン。お高いカードも「軍備部隊」「硬化した鱗」などが揃い、実に様々なカウンターギミックが相手を絶望のどん底にたたき込む。やっぱ「硬化した鱗」はここまでのデッキに紛れ込むとおかしすぎるスペックになるな。「龍麟の儀式」が無いのは意外だが、「抵抗の妙技」と「軍備部隊」だけで充分ヤバイ。これに重ねる長久カードはトップアンコモンの「アブザンの鷹匠」を皮切りに「遠射兵団」×2「縁切られた先祖」「アイノクの盟族」「牙守りの隊長」と並ぶ。突発的に飛行や先制攻撃がつきやがるし、ここまで理不尽なサイズゲームを強いられると、他のクランが頑張ってファッティをキャストするのも馬鹿らしくなってくるな。
3位 【Sangriter】 アブザン <道の探求者 刃の隊長 必殺の一射>
こちらも引き続き勝率はトップタイを維持している。今回のデッキは上と同じアブザンカラーだが、デッキの中身は全然違う。一応名前をつけるなら「戦士デッキ」ってことになるのだろうが、どっちかというと「道の探求者ビート」の方が正しい気がする。世間的にはジェスカイテンポの代名詞となって大活躍しているクリーチャーなので赤や白の呪文との組み合わせのイメージだが、このデッキにおいては黒い呪文との蜜月関係が根強い。特に3ターン目に展開される「殻脱ぎ」からの5点絆魂パンチは圧倒的暴力であり、その後もガンガン突っ込んでくる理不尽なビートはさっさと相手の心を折るという、アブザンらしからぬムーヴを見せる。当然「龍麟の加護」でのブン回りもあるし、中盤以降は「死の激情」での地ならしや(「探求者」が死なないねん!)、「よろめく従者」や「長毛ロクソドン」への繋ぎもある。序盤〜終盤まで満遍なく戦える、マルドゥとティムールの合いの子みたいないいとこ取りアブザンであった。殻脱ぎ、ホントに「雑に強い」。
4位 【Thraxi】 5色 <ティムールの隆盛 包囲サイ 熊の仲間>
2度目の5色デッキ。しかし、今回は「ティムールの隆盛」なんて素晴らしいクラン確定カードを1引きしているわけで、最初からこんな無茶をしようと思っていたわけではない。2引きも上家からの「雪崩の大牙獣」だったし、固いティムールで万全のつもりだったのだ。しかし、グルグル回って11引きした「スゥルタイの隆盛」あたりから、天性のスゥルタイ根性に火がついた。というか、「可哀想なスゥルタイ、また誰にも拾われなかったんだね」と、黒に渡りをつける興味が持ち上がった。そして、「タッチ黒までの4色ならギリやろ」と思って開けた2パック目が「包囲サイ」だったのである。吹っ切れましたよね。「もういいや」ってなりましたよね。今回のプランは、実はネタの1つとして考えていた「戦旗ランプ」である。「他人が使わない安いカードをどう活用するか」っていうのがドラフトの面白いところで、それなら14引き常連である戦旗を片っ端から集めれば、クソ重いデッキもいけるんじゃね? ってのが、今回の多色デッキのサブテーマ。結果戦旗を4本突っ込み(試合中5本って言ってたけど、確認したら4本だった)、土地17枚、戦旗4本体制で序盤は完全に捨てたファッティビートである。ついでに3パック目でネタとして拾った「マルドゥの隆盛」もぶっ込んで「タルキールはどのクランもみんな隆盛してるよデッキ」でもある。まぁ、どう考えてもマルドゥいらんかったけどね。一度戦旗さえ揃ってしまえば、あとはひたすら「ティムールの隆盛」の支援するパワー4以上のクリーチャー(主に「氷河の忍び寄り」)を連打するだけ。変異? なにそれ? 色マナ出ずに憤死が頻発したところまで予定通りである。いいんだ、楽しかったから。「包囲サイ」後の「書かれざるものの視認」から「長毛ロクソドン」と「雪崩の大牙獣」を着地させて2ドローして速攻パンチとか、夢だらけのデッキでしたよ。唯一目論見が外れたのは、一周してくると思って余裕で待っていた「悪逆な富」が途中で切られてしまったことですね。
5位 【Mei】 マルドゥ <マルドゥの隆盛 爪鳴らしの神秘家 完全なる終わり>
贅沢に全パックからレアを1引きしてるけど、戦績は伴わない。「1年近くも優勝してないとか、確率的にありえへんやろ」とパワハラ先輩たちに容赦無い言葉を浴びせかけられており、そろそろキレてもしょうがないところまでフェーズは進行している。そろそろ精神安定のためにも優勝してほしい気もする。ただ、残念ながら相変わらずデッキはふるわず。まぁ、やっぱりどれだけ速攻重視といっても「炎蹄の騎兵」が2体入ってるデッキには限度があるような気もするが……あれって純正マルドゥなら活躍するカードなのかな? まだ「マルドゥの悪刃」があった方が選択肢は広がったとは思うのだが……今回は「マルドゥの頭蓋狩り」×2と「戦名を望む者」と、3体の2マナ強襲がいるからそのためなのだろうけどね。「略奪者の戦利品」もあるしね。……ピック表見たら割と強そうに見えてきたんだけど、これで戦績がついてこないってことは、まだまだ目に見えない速攻デッキのキモがあるんだろうな。
6位 【Serra】 ティムール <雪角の乗り手 戦名を望む者 冬の炎>
ふるわないって話だったらこちらもふるわない。今回のデッキメイクの中では一番地味な仕上がりとなったティムールである。決して弱いデッキではないはず。3マナで変異から5マナでスタート。「雪角の乗り手」が3体も紛れ込んでいるこのデッキこそ、この世界の基本線をきっちり守ったサンプルみたいなデッキなのだ。更に、多めの変異を運用しているのは「神秘の痕跡」のためであり、変異置く、めくる、を繰り返していけば、ジワジワアドバンテージが広がっていく仕組みである。ただ、今回はそうした「ベーシックなデッキ」を喰うためのスピードデッキがうまく回された部分がある。早めのマルドゥが2つに「探求者ビート」が1つ。中速以下のデッキは残りの2つだが、かたや長期戦に突入させてしまった時点でどうしようもないというスペシャルなアブザンである。地味に成果を重ねることが目的のティムールではあんな壁は乗り越えられない。結果、速度的に間に合ったのは戦旗を大量に振り回した馬鹿1人だけである。無念。個人的には「松歩き」さえめくれちゃえば割とどうでもなりそうなサイズに見えたんだけどねぇ。
今回のピック表
【Sea-chicken】(赤白黒)→【Thraxi】(5色)→【Mei】(赤黒白)
↑ ↓
【Serra】(緑赤青)←【Sangriter】(白黒緑)←【Alessi】(緑白黒)
PR