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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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Advanced Stitchwing 改良された縫い翼 (3)(U)(U) U

クリーチャー・ゾンビ、ホラー

3/4 飛行

(2)(U)、手札を2枚捨てる:あなたの墓地にある〜をタップ状態で戦場に戻す。

 もう、ホントにその名の通りのクリーチャー。「縫い翼のスカーブ」が復活能力をほぼそのままに、タフネス部分をマッチョにしてビルドアップ。素出し、復活の両コストは1マナずつ重くなっているが、課題だったタフネス部分をばっちり手直ししてくるあたり、流石のゲラルフさんだ。元の作品が「ゴミを集めて作った」と言っていたのに、それをここまで改良して実践兵器に出来るあたり、研究者の鑑ですわ。とりあえず、素出しでも安心感が格別であり、殴って「嵐乗りの精霊」の前に膝折れることが無くなった。大抵の火力を回避することも可能だし、1枚を守りきれば充分勝てるカードなので、復活能力による恒常性もグッとインパクトが増した。多少重くなっているとはいうものの、どうせ元々最速2ターン目フラッシュバックなんてことは実現しなかったのだし、2ターン目までに何とか墓地に配備して3ターン目に戻す手順でも充分間に合うだろう。ゾンビデッキを力強く後押ししてくれるよい1枚。

 

Chilling Grasp 冷たいわしづかみ (2)(U) U

インスタント

マッドネス(3)(U)

最大2体までの対象のクリーチャーをタップする。それらはそのコントローラーの次のアンタップステップにアンタップしない。

 いわゆる一つの「霜のブレス(M14)」枠。この枠は扱いが難しいらしく、セットによってコモンとアンコモンを行ったり来たりしているが、今回はアンコの方。基本性能は完全に「霜のブレス」と同じで、そこに純正アドバンテージとしてマッドネスを搭載した。リミテッドでは現在も「縫合の刻み獣」が大活躍、「回答の強要」が時たま活躍、「邪悪の暴露」もフィニッシャーになっているのだから、このカードだって充分過ぎる1枚。特に長期戦狙いの青赤系ではマッドネスの有効利用も絡めて有力なスペル枠になるだろう。コストが重くなるのはご愛敬。そんだけマッドネスが有用だって証左だ。

 

Coax from the Blind Eternities 久遠の闇からの誘引 (2)(U) R

ソーサリー

あなたは、ゲーム外か追放領域からあなたがオーナーであるエルドラージ・カードを1枚公開し、それを手札に加えてもよい。

 エルドラージ・チューター。いや、ゲーム外を参照するからチューターではなく「願い/Wish」シリーズか。一応ウラモグ族のエルドラージは追放をテーマにしていたので何となくエルドラージとの関係性をシステム的に残しつつ、「次元の外からこんにちは」というフレーバーを完全再現してみせた秀作。リミテッドでは空気だが、構築環境ならばWish同様にサイドボードからのシルバーバレットを用意出来るかもしれない。まぁ、「状況に応じた多様なエルドラージ」ってあんまり思いつかんが。また、エムラシュート系のデッキではこれを使えばいつでもエルドラージに接続出来るようになるので「無限の抹消」のような対策カードや、墓地掃除による根絶の対策カードとして使えるかもしれない。しかし、分からないのは何故これが青いカードなのか、ってところなんだよな。そりゃま、ゼンディカーでは青もエルドラージカラーの1つではあったが(白以外がそうだし)、この世界のフレーバーを考えならばエムラを呼んだのはナヒリなんだから、せめて赤にするべきだったんじゃなかろうか。海から入場してきたからかな。よりによってタミヨウとジェイスの目の前で青いカードからエルドラージ呼ばんでも。

 

Contingency Plan 有事対策 (1)(U) C

ソーサリー

あなたのライブラリを上から5枚見る。そこから好きな数のカードを墓地に置き、残りを望む順番でライブラリの上に戻す。

 テイガムの策謀(KTK)」の名義変更カード。次元特有の個人名を書いちゃうと、再録の時に色々不便よね。今回の名前は一応汎用性が高いので、今後はこっちの名前で再録するんじゃないかな。いや、再録されるかどうかは知らないけど。タルキールでは、スゥルタイ氏族という墓地と仲良しの氏族が探査のコストを捻出するために使っていた呪文。最大6枚ものカードが一撃で墓地に落ちるため、3ターン目からさっさと「グルマグのアンコウ(FRF)」やら「スゥルタイのゴミあさり(KTK)」に接続出来る呪文として、重宝したような、そうでもないような。まぁ、結局アドバンテージロスが気になるために、そこまで積極的に採用された呪文ではないのだが。今回は当然昂揚やゾンビ関係のカードとの絡みで再録されたわけだが、これ1枚でかなりの昂揚達成率を誇る部分は確かに注目に値する。タルキール当時と比べても墓地の整備の重要度は上がっているわけで、今度こそ定番カードとして日の目を見ることになるのかもしれない。そして、ジェイスのアップは目の色が怖い。映ってるの、誰なんでしょう。

 

Convolute/巻き込み(RAV)

 ラヴニカから久しぶりに再録された基本カウンター。まぁ、「呪文萎れ(BFZ)」があったせいで全然懐かしくはないのだが。「存在の否定」の代わりとしては充分な効果だし、汎用性も高いので多少はパーミッション寄りのデッキメイクもやりやすくなるかな? せっかくなので並べておくと、1マナで1マナを要求するのが「魔力の乱れ(7ED)」、2マナで3マナを要求するのがご存じ「マナ漏出(M12)」、そしてこれを挟んで4マナで6マナを要求するのが「精神静電(DGM)」である。いや、だからどうしたって言われても困るが。

 

Curious Homunculus 詮索好きのホムンクルス (1)(U) U

クリーチャー・ホムンクルス

1/1

(T):あなたのマナ・プールに(C)を加える。このマナはインスタントかソーサリー呪文を唱えるためにのみ支払える。

あなたのアップキープの開始時にあなたの墓地にインスタント・カードとソーサリー・カードが合わせて3枚以上あるなら、〜を変身させる。

Voracious Reader 貪欲な読書家 (無色)

クリーチャー・エルドラージ、ホムンクルス

3/4 果敢

あなたの唱えるインスタントとソーサリー・呪文は、そのコストが(1)少なくなる。

 「隠れるホムンクルス」もそうだったけど、なんかやたら目玉がでっかいホムンクルス。そしてその目に映るものは知識&知識。誰かのお手伝いの傍ら、書庫で本を読みあさってお勉強。その片手間では大したお仕事もできないが、基本業務は「錯乱した助手(ISD)」と同じちょっとしたマナサポート。偏食がひどいので使える用途はソーサリーかインスタントだけである。知識が溜まり、魔巧状態で呪文を唱えたら変身OK、裏返ると級にマッチョになり、果敢まで使えるのでなんか「果敢な捜索者」とイメージが被るな。どこまでもインスタント・ソーサリーサポーターの姿勢は崩さず、その身に宿すはなんとレアの「ジェイスの聖域(ORI)」ではないか。頑張って変身させてみたくはなるな。表も裏もとにかく一貫しているので、狙うべきデッキは青赤一択。これだけのサポートがあれば数少ないクリーチャーでも相手をさばききってこいつがとどめを刺してくれる展開もあることだろう。目指すはスペル合計15枚越え。

 

Displace 相変位 (2)(U) C

インスタント

最大2体までの、対象のあなたのコントロールするクリーチャーを追放し、その後、それらのカードをそのオーナーのコントロール下で戦場に戻す。

 「幽霊のゆらめき(AVR)」のちょっと下位互換。元はアーティファクトや土地も対象に取れたのだが、今回はクリーチャーのみになり、その分、対象を取る数を選べるようになっている。一応こうした「明滅」効果はスピリットの領分として定義されているが、別に使うのはスピリットでなくてもいい。今回は各色に187能力持ちが多く登場しており、それらを使い回す用途はあまり意識せずとも効果を発揮出来るはずだ。その他、今回は白コモンに「平和な心」系除去である「攻守束縛」があるのでその対処に使えるし、それ以外の除去に対してもカウンターと同じ働きをするのだからメインで入れておいても使いどころには困らないだろう。やっぱり夢はアヴァシンの変身に対応して撃ち込み、自前の炎から味方を守ってしまうという究極の自作自演劇場だな。

 

Docent of Perfection 完成態の講師 (3)(U)(U) R

クリーチャー・昆虫、ホラー

5/4 飛行

あなたがインスタントかソーサリー・呪文を唱えるたび、1/1で青の人間、ウィザード・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。その後、あなたが3体以上のウィザードをコントロールしているなら、〜を変身させる。

Final Iteration 繰り返しつくしたもの (無色)

クリーチャー・エルドラージ・昆虫

6/5 飛行

あなたのコントロールするウィザードは+2/+1の修正を受けるとともに飛行を持つ。

あなたがインスタントかソーサリー・呪文を唱えるたび、1/1で青の人間・ウィザード・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。

 もう、見た瞬間に爆笑したよね。「まだあったんかい!」ってなるよね。このあたりのこだわりは製作チームのセンスがすごいと思う。改めて確認しよう。スタート地点は「秘密を掘り下げる者(ISD)」。この時点ではまだ夢に燃える「人間・ウィザード」で当然ステータスは1/1。そこから実験に成功して変身したのが「昆虫の逸脱者」であり、こちらは「人間・昆虫」になって3/2が飛び出した。再びイニストラードに舞い戻った時に、彼はその姿のままで研究を続けていた。これが「逸脱した研究者」。4マナでステータスはそのままだったが、再び研究に成功すると彼は「完成態」へと至り、ステータスは5/4にパワーアップし、「昆虫・ホラー」へと変貌した。この時点で、フレーバーテキストに「研究室から彼が姿を消した」ことだけが描かれ、この長い歴史を経た変身物語は終わりを告げたかと思っていたのだが……なんと、彼は単に研究の場所を移しただけだった。コストは5マナになり、「昆虫・ホラー」の状態で今度は何を始めたかというと、他の人間どもを拉致監禁しての人体実験。自分の身体を使った実験では出来ないことがある。それが、科学にとって最も必要なこと、つまり「再現性」、リピータビリティの確立だ。モルモットを一定数揃えたら準備完了。自分と同じような存在を作ることが出来るかというと……出来たわけですね。ついに彼は究極存在である「エルドラージ・昆虫」に辿り付き、サイズももう一丁おまけで6/5。そして連れてきたウィザードたちはみんな仲良く3/2飛行。つまり、お友達(犠牲者)がみんな「昆虫の逸脱者」になれたんですよ。良かったなデルバー! おめでとうデルバー! ねぇ、ひょっとして次にイニストラードを再訪したとき、こいつボスキャラとかプレインズウォーカーになってねぇかな。カードとして大成すると色々ドラマが増えるな……。ちなみに、「イニ影」に収録されたウィザードは7体とあまり多くなく、コモンで使えるのは「溺墓の探検者」と「苛虐な魔道士」の2体だけ。今回のセットでも「歓喜する信者」と「ギサとゲラルフ」の2枚のみ。よりによって片方神話って……。ラッキーパンチは難しいかも。

 

Drag Under 引きずり込み (2)(U) C

ソーサリー

対象のクリーチャーをそのオーナーの手札に戻す。

カードを1枚引く。

 最初にカードを読んだ時に「おぉ! 『排撃(INV)』再録やんけ! マジか!」と思ってよく見たらソーサリーだったっていう。多分同じ経験をした人が日本に数百名いるんじゃないでしょうか。でもまぁ、ソーサリーになっても決して弱いというわけではないね。アド差で言えば「時の引き潮(M14)」あたりと同じなので3マナソーサリーなら納得のコスト設定だし。今後は定番カードとして他のセットなんかにも定着する設定になるかどうか。ただ、今回はカウンターとかオーラとか、あんまりバウンスに有利になるギミックが推されてないので特別な活躍はないかな。現出クリーチャーを戻せれば得出来るはずなんだが、あいつら大体誘発能力持ちだからあんまり得した気になれないんだよなぁ。

 

Enlightened Maniac 悟った狂人 (3)(U) C

クリーチャー・人間

0/2

〜が戦場に出たとき、【3/2エルドラージ】を1体戦場に出す。

 悟っちゃった人。悟っちゃったならしょうがないけど、出来ればもう1マナくらい早く悟って欲しかった。「死ぬとトークンになる」系列のカードというと、例えば「ドラゴンの卵(M14)」なんかがあるが、この手のカードは「いったん出して、死ぬまで手間がかかる」というので大体トークンはキャスティングコストよりもちょっと良い物になっていることがほとんどだ。しかし、このカードは4マナのコストでゴールが3/2バニラなのでちょっと良いどころかちょっと悪い。つまり、トークンを目当てに設置するカードではない。となると、死ぬ前のカードも優秀でなければならないのだが、どこをどういじってもそんな風には見えない。わざわざこのコストで一体何がしたいのか……と考えると自ずと見えてくる、そう、現出用の餌である。ここから新たにビッグサイズのエルドラージが出てくるなら、なるほど悟った甲斐があるというもの。4マナというコスト設定も絶妙で、7マナ現出なら5ターン目に3マナで登場し、2マナが自由になる。8マナ現出も確実に5ターン目に届くコスト設定なのだ。現出クリーチャーが3〜4体も集まっちゃったデッキなら、せいぜい悟ってもらうために入れておくのはありだろう。逆に言えば、そういう狙いが無い場合にはちょっとデッキインは躊躇われるスペック。今回青はコモンにも「不憫なグリフ」がいるので、そこそこ現出は安定してると思うのだが、どうなるかね。

 

Exultant Cultist 歓喜する信者 (2)(U) C

クリーチャー・人間、ウィザード

2/2

〜が死亡した時、カードを1枚引く。

 歓喜しちゃった人。歓喜しちゃったならしょうがないけど、出来れば死ぬ前に僕らも喜ばせて欲しかった。「死ぬとカードが引ける」系列のカードというと、たとえば「エイヴンの魚捕り(10ED)」なんかがあるが、この手のカードは「いったん出して、死ぬまで手間がかかる」というので大体本体はコストに見合ったスペックになっていることがほとんどだ。しかし、このカードは3マナ2/2のバニラなのであまりよくはない。つまり、ドロー目当てで投入するカードではない。わざわざこのコストで一体何がしたいのか……と考えると、自ずと見えてくる、そう、現出用の餌である。ここから新たにビッグサイズのエルドラージが出てくるなら、なるほど歓喜した甲斐があるというもの。お気づきの方もいるかもしれないが、ここまで、全力で上の「悟った狂人」で書いた文章のコピペで改変している。初代ハンドブック著者の導師鶴田リスペクト。まぁ、正直言うと3マナ2/2で1ドローならそこまで悪くもないから素で入れるのもありなんだけどさ。4ターン目「不憫なグリフ」で2ドローになるのは割とココロオドル。

 

Fogwalker 霧歩き (1)(U) C

クリーチャー・スピリット

1/3 潜伏

〜が戦場に出たとき、対象の、対戦相手のコントロールするクリーチャーは次のそのコントローラーのアンタップ・ステップにアンタップしない。

 漢字の部分をよく見ないとうっかり「霜歩き(FRF)」と間違ってしまう可能性があるので注意が必要だ。まぁ、同時に扱うフォーマットなんて無いけども。「遠沼の亡霊」のボディに「縫合の刻み獣」の能力に近いものを投入した3マナクリーチャーリスペクトなヤツ。ただ、注意しなければいけないのは、187能力はいわゆる氷漬け能力とはちょっと違い、あくまでアンタップを抑止するだけ。「刻み獣」と違ってタップはしてくれないので、ヤツのように積極的に攻めに使用出来るというわけではない。「遠沼の亡霊」の攻撃は想像以上に通しやすかったので、2マナからペチペチ削っていくカードとしてはかなり優秀。絆魂が無いのでライフレースは純粋に1点だけだが、霧も積もれば山になるかもしれない。もちろん、殴らずとも地上で2/2クラスを止めてくれる「海墓のスカーブ」ポジションも大切なお仕事。今回2マナパワー2の地上クリーチャーがいないのは青だけなので、必然的に優先度は高くなるだろう。中盤以降も相手の攻撃を1ターン押しとどめられるかもしれないし、満遍なく色んな状況で役に立ってくれる1枚。こういうバイプレイヤーが一番引くタイミングが難しいのよね。

 

Fortune’s Favor 偏った幸運 (3)(U) U

インスタント

対象の対戦相手は、あなたのライブラリを上から4枚見てそれを裏向きの山1つと表向きの1つ山に分ける。あなたは、そのうち1つの山を手札に加え、残りを墓地に置く。

 思わず「なるほどそう来たか」と膝を叩いた名作リメイク。当然元ネタはあの「嘘か真か(INV)」。元々は各色に何枚か収録された「山分け」サイクルの1つだったのだが、当時のデッキの流行りともかみ合い、このカードだけが伝説として名を残すことになった。あまりの人気に、当然Wizards社は色々とリメイクを試みたが、最初のリメイクだった「けちな贈り物(CHK)」(これは「直観(TMP)」のリメイクでもあるが)は、方向性を間違い過ぎて、ますますヤバいカードに大変身。このやらかしに慌てたのか、次に出てきたのは「真実か詐話か(TSP)」という何とも微妙な呪文で、随分骨抜きにされてしまった。その後も、役割分担を逆にした「蒸気占い(THS)」があり、最近では大胆にコストを改変した「溺墓での天啓」が作られたが、どれもこれも構築に届くまでは至らない。そこで、この新たな概念を導入した「ブラフか真か」が開発されたのである。これにより、元のカードとは別次元での勝負が可能となった。たとえばめくった4枚が土地・土地・「森の代言者」・「ニッサの誓い」だった場合、「嘘か真か」ならば「土地と代言者」「土地と誓い」に分けて少しでも2つの山を均等にするのが正解だ。しかし、今回の呪文の場合、これを「土地と代言者と誓い」と「なんか分からない1枚」に分けるという選択が可能になった。相手から見たらこの1枚はギデオンやアヴァシンかもしれないのだ。これは勝負をかける価値があるかもしれない。他にも様々なシチュエーションで悩ましい選択、ブラフをかける展開が考えられ、最大効率で利用すれば「嘘か真か」以上の収穫があるが、相手の才覚、読み合い次第では急激に価値を落とす。分ける側、分けられる側、どちらも本当の意味での勝負勘がためされる呪文だ。ちなみに後になって気付いたが、「嘘か真か/Fact or Fiction」の英語の略称が「FoF」であり、この呪文も「F’s F」になっている。これはやっぱり意図して合わせたんだよなぁ。

 

Geist of the Archives 書庫の霊 (2)(U) U

クリーチャー・スピリット

0/4 防衛

あなたのアップキープの開始時に、占術1を行う。

 最後の単語を読み終わると、最初のページに戻り、また読み始める」らしいですよ。まぁな、その格好じゃページはめくれても、他の本取りに行くの大変そうだからな。でも、それだとあんまり知識は蓄えられないよな。ちなみに、俺の回りにもジャンプとかチャンピオンで同じことをやる奴を何人か知っています。さておき、役割としては全自動の「印章持ちのヒトデ(ORI)」である。ヒトデより1マナ重いが、その分タフネスが増えて対応出来る状況がグッと増えた。さらにアップキープの自動装置なのでヒトデよりも安定感がある。これ1枚でかなりドローの質が改善されるはずだし、鬱陶しいと思っても相手はこれの対処をするのはかなり大変。リミテッドなら優先度の高いナイスアンコモン。墓地に落とせないので昂揚のサポートにはなりにくいが、「秋の憂鬱」「蟻走感」「収穫の印章」なんかと組み合わせることで墓地のデザインにまで応用することも出来る。伊達に読書にこだわりをもっているわけじゃない。書痴の皆さんも、死んだらこんな風になりたい……ですかね?

 

Grizzled Angler 白髪交じりの釣り人 (2)(U) U

クリーチャー・人間

2/3

(T):あなたのライブラリを上から2枚墓地に置く。その後、あなたの墓地に無色のクリーチャー・カードがあるなら、〜を変身させる。

Grisly Anglerfish 不気味なアンコウ (無色)

クリーチャー・エルドラージ、魚

4/5

(6):あなたの対戦相手のコントロールするクリーチャーは、可能ならばこのターン攻撃する。

 日本語名だと分かりにくいが、英語名が洒落になっている。「灰色の」を表す「Grizzly」と「不気味な、恐ろしい」を表す「Grisly」は発音が全く同じ。変身前は白髪交じりのおっさんだけど、裏返るとおっかないアンコウになる、という状況を同じ発音の言葉で統一したわけだ。フレーバーでも「海の魅力は逆らいがたい」と、釣り人のテンプレ台詞→アンコウのルアーという翻案が面白い。さておき、墓地を肥やすタイプの仕事人。単体だとそこまで求められる仕事ではないのだが、裏面が青のクリーチャーとしてはでかいので、出来ればなんらかの墓地ギミックと合わせて使っていきたいところ。最速を狙うなら、今回アーティファクトに2マナの「耕地這い」がいるが、流石にピンポイントでそこを狙うのはおかしな話だ。現出クリーチャーは最軽量でも7マナなのでそれが死ぬのを待っている余裕は無いし、ある程度現出クリーチャーが入っているデッキで削りながら待つ形か。

 




Identity Supplanter 身分泥棒 (2)(U)(U) R

クリーチャー・多相の戦士

0/3

〜が攻撃するたび、あなたは対象のトークンでないクリーチャーを追放しても良い。そうしたなら、〜はターン終了時までそのクリーチャーのコピーになる。次の終了ステップの開始時に、その追放されたカードをそのオーナーのコントロール下で戦場に出す。

 イニストラード名物、「会いたくないドッペルンゲンガー」の3作目。1作目「邪悪な双子(ISD)」は出現後にオリジナルを殺しにくるし、「もう一人の自分」はコピーのくせに自分より優秀という厄介なヤツ。今回も「邪悪な双子」と同じく「取って代わる」タイプのドッペルさんだが、こちらは変幻自在で様々なクリーチャーのコピーになれるのが強み。攻撃時限定だが、常に相手の最強クリーチャーをコピーし、相手側からはそれを一時退場させる。使われたら大体「毎ターンクリーチャー1体パクられてる」のと同じ感覚なわけで、レジェンドだった「龍爪のヤソヴァ(FRF)」みたいな活躍が出来る。ついでにオーラを剥がしたりカウンターを取り除くなんておまけもあるが、まぁ、そこは187持ちが追放しにくいので痛し痒しか。一応、自軍の187持ちを回転させるのにも使える。ま、ぶっちゃけ機能させるために攻撃が必要なので使いづらい部類ではあるのだけど。今のスタンダードなら、「アタックして追放」→「昇華者で墓地にたたき込む」っていう謎コンボも可能なので、「不毛の地の絞殺者」あたりとタッグを組んだヘンテコデッキが組めたら面白いかも。

 

Imprisoned in the Moon 月への封印 (2)(U) R

エンチャント・オーラ

エンチャント(クリーチャーか土地かプレインズウォーカー)

エンチャントされたパーマネントは、「(T):あなたのマナ・プールに(C)を加える」を持つ無色の土地になり、他の全てのカードタイプと能力を失う。

 最近ではすっかりお馴染みになった、「まだセットデザインすら公開されて無いのにオチが分かる」カード。「苦渋の破棄」が公開されたときには世界中が驚いたものだが、今回の場合は、まぁねぇ。一応異界月のオチとしては「エムラクールがどうしようもないからとりあえずイニストラードに居着いて満足してもらうエンド」っていう可能性もあったとは思うのだが(当然、住民は全滅する)、流石にゲートウォッチ5人が雁首揃えてそれじゃいかん。ウラモグ・コジレックの時のように次元全体が力を貸してくれるなんてオプションはないので、ここは一つ、イニストラードを象徴する魔力の源である月を利用するということで落ち着いたのだろう。流石タミヨウさん。「タミヨウの誓い」はまだですかね? そんな必殺封印カードは、ありとあらゆるパーマネントを全部「荒れ地」にしてしまおうというなかなかの封印っぷり。マナが出せるのがせめてもの救いだが、やっぱりただ無色マナを出すだけのチャンドラやアタルカは見たくないだろう。事実上の完全封印である。まぁ、ドロモカさんが命令するだけで息を吹き返す可能性はあるのだが。テーマ的にレアにはなったが、リミテッドだと「金縛り」と大して変わらないカード。むしろマナが増えるので「金縛り」より弱い可能性すらある。構築まで視野を広げれば一応青には貴重なPW対策なのだが、現状、青が入ってるデッキって大体白とか赤とか、他にもPWが壊せる色も使ってるからなぁ。ちなみに、「月に封印しても、月なんてしょせん人間1人で引きずり下ろせる程度の天体だしなぁ」とか考えてしまうのがシンフォギアファンの悪い癖。月まで届け、カ・ディンギル!

 

Ingenious Skaab 巧妙なスカーブ (2)(U) C

クリーチャー・ゾンビ、ホラー

2/3 果敢

(U):〜はターン終了時まで+1/−1の修正を受ける。

 基本セットの基盤クリーチャーである「狩漁者(ORI)」に果敢がついた純正アップグレード。しかもクリーチャータイプがゾンビになったおまけもありがたい。「狩漁者」は地味だが青の3マナ域とは思えない堅実な仕事をこなしてくれるリミテッド職人。押しとどめられないサイズのクリーチャーが出てきてもその多くと相打ちにはなってくれるし、攻めに転じると相手は1対1交換が結構大変という。今回はそんな渋いカードに、さらにグッと渋く果敢を追加。これで最大火力が大きくアップし、もしマナに余裕がある状態で「放たれた怒り」を撃とうものなら、なんと最大で8/1二段攻撃! 即、人が死ぬ。そこまで上手く行かずとも青ならインスタントの小技と合わせてブロッカーとしても活用出来るはず。現在「縫合の刻み獣」がその体躯のみでもそこそこ頑張れているのだから、こっちはもっと刻めるヤツ。ちなみに、フレーバーの「Heads and shoulders above」は英語の「他よりも優れている」という言い回しで、日本語カードも「頭一つ抜けている」と上手い訳が当てられている。実際、頭や肩一つ分抜きんでてますからね……。

 

Laboratory Brute 研究室の粗暴者 (3)(U) C

クリーチャー・ゾンビ、ホラー

3/3

〜が戦場に出たとき、あなたのライブラリを上から4枚墓地に置く。

 色々サイズアップした「金切り声のスカーブ(ORI)」の兄貴分。元が2マナ2/1で2枚削り、今回は4マナ3/3で4枚削り。全部倍になってると考えればおよそ間違っていない。2マナ2/1とは役割が全然違うが、どちらも「無難な肉」には違いない。その上で削り力は段違いになっているのだから、そういうデッキが組めれば手軽にシナジーを強めるコモンとしてのニーズがあることだろう。ただ、問題は「そういうデッキ」ってどういうデッキなのかがいまいち分からないところだ。結局、今回のセットでゾンビシナジーが特別強化されるということはなかった。我々が待っていたのは「グール起こし(ISD)」や「グール呼びの詠唱(ISD)」のような手軽なアドバンテージ獲得手段だった気がするのだが、今回そっちの方向性で追加されたカードは「墓地からの徴用」だけ。あんまりゾンビを墓地に溜めたからって嬉しい理由は無い。となると昂揚補助装置ということになるが、残念ながら青には今回も昂揚カードはほとんど無いのである。んー、単にライブラリ切れを早める普通の肉、ってことになるのかなぁ。まー、損するってことはあんまり無いから別にいいんだけどさ。

 

Lunar Force 月の力 (2)(U) U

エンチャント

いずれかの対戦相手が呪文を唱えるたび、〜を生け贄に捧げ、その呪文を打ち消す。

 昔懐かしい「躊躇(STH)」のアッパーバージョン。「躊躇」と違って相手の呪文だけを見張るため、自分の展開を一切気にせずに置くことが可能になった。ちなみにこれの超アッパーバージョンが「静寂の命令(SCG)」ね。置きカウンターというと「軽快なリフレイン(USG)」あたりはちょっと使われたが、基本的にカウンターを使うデッキってのはインスタントタイミングでの行動を至上命題としているため、なかなかその間にエンチャントを仕込むタイミングがない。そりゃこれを置いた返しで相手も呪文を唱えたくはないかもしれないが、相手はカウンターされる呪文を「選ぶ」ことが出来るわけで、普通のカウンターよりも対処しやすい。それなら、今まで通りにマナを立ててインスタントを構えた方がよっぽど堅実だろう。普通のコントロールに仕込む意味はあまり無いと思われるカードである。ただ、そのカードタイプ故に特別なニーズも存在する。一番ヤバいのは、まだギリギリスタンダードで使える「ニクスの星原(ORI)」とのコンボ。2枚揃えば毎ターン確実に相手の呪文1個を打ち消せるようになるため、ハーフロックになる(ただし、複数枚まとめて並べても意味はないので注意)。また、カウンターは欲しいけど昂揚も達成したい、というわがままなお客さんも、このカードならば安心して使うことが出来るし、白系のエンチャント回収カードとのシナジーも見込めるかもしれない。ちなみに、このテキストの場合は誘発能力の一部として「サクる」行為が含まれているため、誘発に対応してバウンスしてやると、後ろの「打ち消す」効果のみが解決して再利用出来る、なんて小技もある。まぁ、役に立つかどうかは微妙だが。

 

Mausoleum Wanderer 霊廟の放浪者 (U) R

クリーチャー・スピリット

1/1 飛行

他のスピリットがあなたのコントロール下で戦場に出るたび、〜はターン終了時まで+1/+1の修正を受ける。

〜を生け贄に捧げる:対象のインスタントかソーサリー・呪文を、そのコントローラーが(X)を支払わない限り打ち消す。Xは〜のパワーの値である。

 色々豪華使用になった「トゲ尾の雛(10ED)」。カウンター出来る範囲は狭まったが、その分コストが軽くなり、増強で色んなオプションがついた。1マナ1/1飛行クリーチャーというだけでそこそこであるが、後続を連打することで更なるダメージをたたき込むことが可能になる。ただ、出来ることならスピリットデッキは「鎖鳴らし」からのインスタント召喚を狙いたいところなので、微妙にコンセプトが散っている感はあるのだが。「近野の司祭」のように複数のスピリットを同時に出せるカードとは相性が良く、下の環境では「深夜の出没(ISD)」「未練ある魂(DKA)」といった定番カードとのシナジーが見もの。「未練ある魂」なんてフラッシュバックすればこいつが5/5だからな。そして、上手いことインスタントのスピリットと繋げることにより、カウンター効率も大きく向上することになる。また、トークンを並べるタイプのデッキならナチュラルにギデオンの紋章やらの全体増強が使えるため、カウンター効率は放っておいてもあがる可能性はあるだろう。何にせよ1マナという破格のコストなのでどう使い回しても損することはない。「オジュタイの命令(KTK)」で戻ってきたりするとイライラ度マックスである。

 

Mind’s Dilation 意識の拡張 (5)(U)(U) M

エンチャント

対戦相手が各ターンに1つ目の呪文を唱えるたび、そのプレイヤーは自分のライブラリのトップを追放する。それが土地でないカードであるなら、あなたはそれをマナコストを支払うことなく唱えても良い。

 なんだそれ枠。いや、でもマジでなんだこれ。エムラクール様のおかげで人々の意識は一つに統合され、わったしーもエムラクール、あなたもエムラクール〜♪(火曜日版サザエさんの節で)である。笑う声までおんなじである。その様子を再現したのがこのエンチャントで、お前のものは俺のもの、でも、俺のものはお前のものじゃない。やられた側からすると、こんな理不尽な取引もないだろう。何がめくれるかは運次第なので一切役に立たない可能性だってあるにはあるが、ひょっとしたらカウンターがめくれるかもしれないし、「面晶体の記録庫」を唱えて次のターンに備えようとしたら相手が「世界を壊すもの」を唱えちゃうかもしれないのだ。なんだそれ。是非とも構築で実現させたいドリームが詰まっているのだが……。「全知(M13)」なんかと違って張ったら勝ちじゃないところが悩ましいなぁ。いっそのことこれを張った状態でエムラクールも唱え、完全に相手ターンに同化を図ってみたい。もう、見たこともない世界がそこにあるぞ。

 

Nebelgast Herald ネベルガストの伝令 (2)(U) U

クリーチャー・スピリット

2/1 瞬速 飛行

〜か他のスピリットがあなたのコントロール下で戦場に出るたび、対象の、対戦相手のコントロールするクリーチャーをタップする。

 今回数多く収録された瞬速スピリットの1つ。3マナ2/1フライヤーという堅実なステータスに、とりあえず自分が出た時に1体タップ出来る安心感。これだけでも相手をうんざりさせるのには充分だ。そして、そこからは全てのスピリットが「倒し霊」化するというおまけもあり、これが2体並んだりしたらエラいことに。デッキの根幹を成せる、よい支援カードである。なお、そんな彼の最大の天敵は、今回収録された新手の蜘蛛、「敏捷な巣紡ぎ」。瞬速持ちの2/3蜘蛛とか、こいつに対する嫌がらせにしか見えないんですが……。えぇい、もう1体瞬速スピリットを構えて対策するんだ!

 

Niblis of Frost 霜のニブリス (2)(U)(U) R

クリーチャー・スピリット

3/3 飛行 果敢

あなたがインスタントかソーサリー・呪文を唱えるたび、対象の、対戦相手のコントロールするクリーチャーをタップする。それは、そのコントローラーの次のアンタップステップにアンタップしない。

 青のエントリーセットレア。名前を見た瞬間に「あ、これ相手クリーチャーを氷漬けにするやつや」と思ったら、やっぱりその通り。ベタって大事。「護輪のフクロウ(ORI)」と同じ3/3果敢ボディが1マナ軽いのは流石のレアだし、果敢のついでに氷漬け。これでフライヤーを止めてしまえばダメージを通すのがかなりイージーになるので、どっちかっていうと抑止力よりも決戦兵器としての運用が正しい。「氷瀑の執政」なんかも強かったのだし、これだけの制圧力があればレアとしての説得力は充分。後は非クリーチャー呪文の比率次第だが、リミテッドなら青赤系での運用でフルスペックが楽しめるぞ。

 

Scour the Laboratory 研究室の捜索 (4)(U)(U) U

インスタント

昂揚 - 〜のコストは(2)少なくなる。

カードを3枚引く。

 今回青に収録された唯一の昂揚カード。その効果は骨太なドローであり、昂揚未達成だとちょっと弱い「好機(M14)」、そして昂揚達成ならかなり強い「集中(8ED)」。構築での採用実績もあるカードを上回るのだから、そのスペックは相当なものだ。あとはしっかり運用出来るデッキが作れるかどうか。青はこれ以外に積極的に昂揚を狙いに行く意味がないのであまり昂揚前提のデッキが作れないのだが、ダブルシンボルなので緑黒系からタッチするのも難しいのが実に悩ましい。青緑、青黒などでサポートが出来るかどうか。まぁ、6マナで唱えてもそこまで不満はないんだけどね。ちなみに個人的な印象だが、シチュエーションが似ているために「大慌ての捜索(ULG)」とイラストの印象が被る。「大慌ての捜索」を使って昂揚を達成し、起こした土地から続けざまに「研究室の捜索」という謎の捜索連鎖を実現させることも可能だが、そこまでがちゃがちゃ捜索されると、「普段から片付けておけよ」って思うよね。

 

Spontaneous Mutation 突発的変化 (U) C

エンチャント・オーラ

エンチャント(クリーチャー)

瞬速

エンチャントされたクリーチャーはーX/−0の修正を受ける。Xはあなたの墓地のカードの枚数である。

 毎度お馴染み青のパワー抑止カードだが、今回はオーラで登場。旧イニストラードにも「スキフサングの詠唱(DKA)」という無茶苦茶な設定のカードがあったが、今作も負けず劣らずの修正値をはじき出せそうだ。1マナのオーラなのだから修正値がー2,ー3程度でも文句はなく、放っておいてもこの数字はぐんぐん増えていくはず。そして素晴らしいのはこっそりつけてもらった瞬速。これにより事実上のコンバットトリックになり、中盤以降ならどんな腕自慢でもこれ1枚で抑え込み、合体ブロックでタコ殴りにするプランが描ける。貧弱な青に与えられた貴重な除去手段であり、今後の環境は島が1枚立っているだけでもこのカードを警戒する必要があるのだ。ついでに青が苦手な昂揚条件・エンチャントまで満たせる可能性があるのだからありがたい。もう「金縛り」なんかに頼っている時代は終わりだぜ。

 

Summary Dismissal 即時却下 (2)(U)(U) R

インスタント

他の全ての呪文を追放し、全ての能力を打ち消す。

 なんか私のまわりではフレーバーテキストの方ばっかり話題になってるんだが……なんでこんな一文だけで淫猥な妄想に飛ぶんですか、信じられません。私も同意です。さておき、見ての通りにレアリティ高めの圧倒的カウンター呪文。あまりに適当に色んなものを打ち消してしまうので、これまでの常識を吹き飛ばせるシチュエーションが多い。まず、全ての呪文の打ち消し。過去の例では「精神壊しの罠(ZEN)」や「狼狽の嵐(CMD)」あたりが務めていた枠で、いわゆるストーム対策である。一応ストーム以外にも使えるが、相手がまとめて沢山の呪文をスタックに乗せるっていう機会はあんまり無いだろう。カウンター合戦なんかでも自分の呪文も全部打ち消しちゃうから良いか悪いか分からんし。とりあえず、4マナ確定カウンターとしての運用ならリミテッドでそこそこ。そして最大のポイントである能力の打ち消し。起動型能力を打ち消す呪文はそこそこ存在しているが、誘発型能力を打ち消せるカードはあまり多くなく、その道のプロである「もみ消し(SCG)」、それに「時間停止(10ED)」があるくらいだろうか。この呪文は「時間停止」のような圧倒的オプションはないし、「もみ消し」のような軽さもないため、真正直にカウンター呪文として運用する必要がある。しかし、現在の環境には唱えた時に誘発型能力をたたき込んでくるエルドラージという問題児がおり、この呪文ならばエムラクールさんを打ち消した上で、精神ものっとられずに済むわけだ。果たしてその辺にどの程度対策を施すべきかは未知数だが、普通のカウンター呪文として構えつつそうした窮状をしのげるなら、案外悪くないのかも。個人的には「ウェストヴェイルの修道院」が5体の生け贄を平らげたところにぶち込んでオーメンダールさんに沈黙を守ってもらうっていう鬼畜プレイが一回くらいやってみたい。

 

Take Inventory 棚卸し (1)(U) C

ソーサリー

カードを1枚引く。その後、あなたの墓地にある〜という名前のカード1枚につき、カードを1枚引く。

 なんかコンビニのバイト感覚のカード名になっているので緩い雰囲気が漂っているが、実際に描かれた状況とイラストはかなりのホラー。「inventory」は「目録を作る」「棚卸しをする」という単語らしいので和訳も間違っちゃいないのだが、「take inventory」では「自分自身をじっくり眺める」「人生の総点検」みたいな意味合いもあり、既に人生も他人事モード。もう、イニストラード民のSAN値はゼロよ。さておき、公式記事にもあった通りに「蓄積した知識」のマイナーチェンジ版。「知識」は当時の環境でも猛威をふるったナイスドローで、青系のデッキだとお互いに4積みしていたので中盤以降はエラい枚数のドローになっていた。今回はそこを抑えるためにカウントするのは自分の墓地だけになり、さらにソーサリーにデチューン。ここまで下がるとちょっと構築レベルには届かないだろう。その分、主戦場はリミテッドに移ることになる。スモールセットのコモンということで登場枚数はそこそこの数に。かき集めたときの爆発力は洒落になってない。これまた青赤系での運用が理想だが、まぁ、この程度のコストならどんなデッキでもさほど邪魔になるまい。3枚集まれば充分魅力的だが、2枚で入れるとなんかもっさり。我々は6人ドラフトなのでやや厳しめかなぁ。

 

Tattered Haunter ぼろぼろの憑依者 (1)(U) C

クリーチャー・スピリット

2/1 飛行

〜は飛行を持つクリーチャーのみをブロック出来る。

 最近は割と定番化しつつある、「天空のアジサシ(M15)」枠。リミテッドでの活躍を思い出したいなら「蒸気の精(THS)」枠といった方がイメージしやすいだろうか。まぁ、あんな嘘みたいな強化オーラ環境ではないけども。アタッカーとしての素質が素晴らしいのは歴史が証明済み。今の環境は「オリヴィアの血誓い」のようなカードでもフルスペックで殴れていたのだから、コモンで集められるこのカードは本当に大したもんだ。今回白のコモンに配備されたのが3マナ2/2の「夜明けのグリフ」というのも追い風で、アタック性能だけで見れば青は白に先んじて1マナ得することが出来るのだ。これまで青は「霧のニブリス」だけしかアタッカーがいない辛い状態だったが、今回はこいつと「巧妙なスカーブ」で2マナ、3マナに攻撃力が確保出来た。少しは前向きに殴りに行けるデッキが組めるんじゃなかろうか。ちなみに、今回青にはコモンで5マナ以上のクリーチャーが1体もおらず、アンコモンまで広げても「改良された縫い翼」1体だけ。マナカーブの後ろで勝負をかけるなんてコントロール志向は、この世界では許されないのです。

 

Turn Aside/取り繕い(SOM)」 C

 地味地味カウンター呪文の再録。一応収録されていたのは「ミラディンの傷跡」だが、当時もメインで食い込んだ記憶は無いし、サイドからこれを入れるっていうデッキプランもなかった気がする。書いてあることは決して弱くないのだから、環境次第、デッキ次第では充分コスト以上の働きが出来るカードだとは思うのだが。相手がマナを全力で注ぎ込んだ増呪を1マナでたたき落とせたら気持ちよさそう。イラスト、フレーバーではイニストラードを象徴する存在である月の魔力について、タミヨウさんがその可能性を示唆しており、非常に美しいデザイン。だからってクラゲのバケモノを突っ込んでいいかどうかはしらんが。

 

Unsubstantiate 非実体化 (1)(U) U

インスタント

対象の呪文かクリーチャーをそのオーナーの手札に戻す。

 シンプル is ストロング。能力としてはかつてのキラーカード「造物の学者、ヴェンセール(FUT)」の187とほぼ同じ。範囲はやや狭くなったが、それでもこの選択幅の広さは見事なもの。普通のバウンスとして運用すれば盤面に手軽に干渉出来るし、タイミングがあえば「差し戻し(RAV)」と同様のカウンター呪文としても運用出来る。対象がクリーチャー呪文ならばバウンスするのと大して変わらないかもしれないが、場に出ることを抑止出来るし、それ以外の呪文、特に相手の大きなコンバットトリックを叩けるのはリミテッド・構築を問わず意味のある挙動だろう。また、打ち消さずに手札に戻すだけなので、ひょっとしたらウラモグやエムラクールといったエルドラージのキャスト誘発だけ頂いておいて、呪文を戻して使い回す、なんて展開も無くはないかもしれない(普通にバウンスしてもいいんだろうけど、エムラクールはインスタント効かないし)。色々と試してみたい、興味深い1枚だ。なお、フレーバーテキストではジェイスとリリアナがいちゃついている。こいつらホント仲良いよな。まぁ、どう見てもリリアナさんは当てこすりで言ってるけど。

 

Wharf Infiltrator 波止場の潜入者 (1)(U) R

クリーチャー・人間、ホラー

1/1 潜伏

〜がプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、あなたはカードを1枚引いても良い。そうしたなら、手札を1枚捨てる。

あなたがクリーチャー・カードを1枚捨てるたび、 (2)を支払っても良い。そうしたなら、【3/2エルドラージ】を1体戦場に出す。

 コー追われの物あさり(TSP)」に非常に近い性能を持つルーター。シャドーに比べるとパワー1の潜伏はまだブロックされる可能性は高いが、それでもないよりははるかに通しやすい。そして、通ってしまえば後はレア。カードを捨て、わずか2マナの支払いで3/2がおまけとしてついてくる。もちろん、捨てた事実さえあればいいので「血狂いの吸血鬼」をマッドネスしながらトークンも出す、なんてのもオールOKで、他のマッドネス手段と組み合わせた時にもトークンはガシガシ出せる。「無謀な識者」があれだけ強いのだから、こいつがヤバいのは自明だろう。これだけの仕事をしてくれるなら、相手のパワー1ブロッカーに「無差別な怒り」を付けて増強してから殴る、なんてのもひょっとしたらありかもよ?

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