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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 進んでるんだか、進んでないんだか、第8話。これ、ノイタミナってことは全12話くらいだよなぁ。終わるのかなぁ。

 順当に「2週目」を経験していく勇太。当然のことながらイベントの重なり合いも自然に表現されており、「ここがこうなっていたのか」という「解決編」としての意味合いは強い。ただ、やっぱりディティールまで見直していないので、「そんなんあったっけ?」というようなヌルッとした手触りなのよね。多分、脚本を構築している側はかなり詰めて、色々とギミックを交えながらこの「ループ」を構成しているとは思うのだが、今作の場合は「ループ後の改変」も同時に描かれなければならないため、「どこが変わった」という部分にも目線を向けなければならない。おかげで、どうしても「変わらなかった部分」の重要度が下がり、「答え合わせ」による爽快感というのが薄くなってしまうのである。

 たとえば今回は宮賢の登場までの真相が描かれ、その裏にいた遊太の姉の存在や、「雨ニモ負ケズ」の詩の含意などが語られているわけだが、視聴者側としては「宮賢スーツが遊太に届いたこと」さえ分かってしまえばそれで充分で、あとはこの「2代目宮賢」が何を思って、何を変えるつもりなのか、という方に注目してしまう。「前のループ」のことは割とどうでもいいのである。そのあたりの情報の過密さ、乱雑さがなかなか一点に集中させてくれない難点なのではなかろうか。

 また、先週も総覧したが、やはり「チラ之助の制約」の存在意義がよく分からない。チラ之助はあれだけ口を酸っぱくして文句を言っているわけだが、その割に宮賢騒動の時に遊太が暴れているのを見ても止めようとする気配はなかったし、あまり真剣に「答えを見つけよう」としているように見えないのである。彼からしてみたら「失敗したらまた次がある」のだから、ある程度ユルくても問題ないのかもしれないが、そんな適当な目的意識のやつが、六十数億ものループを繰り返して事に当たっているという事態の大きさが何とも噛み合わない。

 普通、ループものというのは「ループの終わり」というのが最大の山場となる。これは毎度毎度ループものの感想を書くときに確認していることなのだが、「どうせ繰り返せるんだし」という理解が作中人物に及んでしまうと、ループの中での行動がなおざりになってしまい、緊張感が失われるという問題がある。そのため、「何かミスったらループは途切れ、最悪の結末が確定するよ」という縛りというのが必要になるのだ。

 端的なのはキュウべぇにループの真相を看破され、更にループ自体が因果の多重構造の原因だったと指摘された暁美ほむらの事例。作中で描かれた周回は、彼女のループのラストチャンスとも目される緊迫感のある舞台設定になっていた。つまり、全ループについて知覚している中心人物こそがループに危機感を覚えることが、手っ取り早い緊張感の生み出し方である。この「視点」を2つに分けると、例えばエンドレスエイトの例に繋がる。魔の8月において、全ループを認識していたのは長門有希ただ1人。彼女は無感情な観測者だったためにその膨大なループに文句の1つも言わなかったが、「長門がループに呑まれている」ことに気がついたキョンが、ことの重大さをようやく認識し、ループを打開しようと苦闘することで、エンドレスエイトは物語としての山場を迎える。

 翻って、この古来館の場合はどうか。エンドレスエイトにおける長門の役割を果たす「観察者」はチラ之助ということになるが、彼は長門よりも直接事態に関与する旨が明らかにされており、コントローラーの役割も担っている。無感情ではないが、「ループすることに苦痛を覚えていない(ように見受けられる)」ところは、長門と共通している。一番の違いは、中心人物の役割を果たす遊太である。他のループものと違って、「前の週の遊太」は「次の週の宮賢」になる。そして「前の週の宮賢」は、リタイアして「次の週」にまでは持ち越せない。つまり、延々「同じ」であったはずのキョンと違って、遊太は使い潰しの消耗品なのだ。だからこそ、チラ之助は「君に次はない」と脅しをかけているわけだ。作品の方向性から類推するに、今作ではそうした「次のない遊太」をフィーチャーすることで、緊張感を生み出そうとしているように見受けられる。ただ残念なことに、その狙いはあまり上手くいっていない。結局、視聴者目線からみればループものはどちらかというとチラ之助目線に近い。「駄目なら次の遊太で頑張ればいいじゃん」と思うのが普通であり、六十数億分の一に過ぎない「今の遊太」は、取り立てて重要度の高い存在ではないのだ。こうして「作中の遊太の認識」と「視聴者の認識」に齟齬が生じることで、今ひとつ問題の大きさに臨場感が湧かないのである。この辺りの問題は、多分最後まで解決することはないのだろう。構造的な欠点なのだから仕方ないことである。

 そんなわけで、ループを追うこと自体にいまいち身は入らないのだが、一応今回も気になる展開はいくつか存在している。一番の変化は、メイカの創造主たる台初天華博士の遺言について。彼は正義の味方を結成してこの世界を救うことをメイカに託しており、その中には、みかたんや遊太の存在もカウントされていた。そして、そうした情報の全ては、どうやら幼少期に未来予知を行っていたラブラと繋がるらしいのである。つまり、これまでチラ之助以外の情報ソースから現象の分析に当たっていたメイカたちのオリジンは「過去のラブラ」にまで遡った。もちろん、そのラブラだって、何らかの外的要因があって「予知」を行ったのだろう。順当に要素は接続されているので、はたしてこの因果の糸が最終的にどこに繋がるのか、というのは気になるところ。あと、これまで名前だけは出ていた新キャラ、ラブラの弟・蘭堂が登場。ただ、こちらはヌルッと出てきただけで、あんまり裏側はなさそう。彼がQmay会を抜けた理由も適当だったし、「ムヒの強奪役」として以外にあまり大きな意味はなさそうだ。

 今後の注目点としては、友田が行動不能になったため、イト関係のイベントは強制的に変化が生じるということ。そのあたりから、「今の遊太」が問題解決に至るとっかかりが見つかるのかな? 六十数億回も失敗してたのに、意外とあっさり解決するもんである。

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