「えとたま」 6→8
今期最高作品の1つ。もう、毎回悶絶しながら観ていましたが、今作は私の「好き」が全て詰まっているといっても過言ではない。
細かい「好き」から始めれば「小動物好き」であるし、「長屋もの好き」だ。十二支という分かりやすいモチーフのケモ少女たちが1つ屋根の下でダラダラバタバタするお話。面白い。十二支のイメージは今後もどんどん変な属性が付与出来る伸びしろがあるし、何とか更なる展開を期待したい。もう、「十二宮星座なら聖闘士星矢がイメージを作りあげたが、十二支のイメージはえとたまが作った!!」と言えるくらいになってほしい。それぞれ黄金聖闘士に対応させるとするなら……鼠=双子座は確定で、蛇=乙女座も間違いないだろう。猪=天秤座にしておくと、残る師匠連中は虎=水瓶座、竜=射手座くらいに落ち着くだろうか。役割がちょうど被ったので羊=牡羊座、どうせなら牛=牡牛座もギリギリ当てはまりそう。残りをどう分配するかだが……とりあえず犬と猿は適当に蟹と魚に投げ捨ててしまおう。すると残るのは兎、馬、鳥と獅子、山羊、蠍か。不幸な立ち位置を考えると馬=蠍か? 兎=獅子になって、鳥=山羊か。まぁ、穏当なヒエラルキーじゃないでしょうか。なんの話だ。
その他の「好き」は具体的なスタッフへの「好き」。エンカレッジフィルムズは追崎監督の先導によるスタジオであるが、やはりその根底には現代萌えアニメの祖、佐藤順一の魂が根付いているように思える。サトジュンイズムが垣間見せるチャカチャカと賑やかさを優先した画面作り、そして人情芝居とギャグのさじ加減。そのどれもがどこか懐かしさを感じさせるひな形に収まっている。今作はそうした懐かしさ、ベタさ以外にも、白組によるCGワークという新しい見せ場も用意されており、決して手堅いだけでは終わっていない。既に世界的には日本はガラパゴス化したと言われるCGアニメ技術であるが、孤島けっこう。萌えも燃えも、新しいCGで新しい地平を切り開くことが出来るのだ。今作はそんなジャパニメーションの一つの方向性に先鞭をつけた形になっている。もちろん、2Dシーンでの渡辺明夫デザインもたまらなくキュート。エロがそこまでエロくならないのは作品の性質上仕方ないが、むしろ可愛らしさにちょいとしたスパイスとして紛れ込ませる分には、これくらいが丁度いいのかもしれない。
あとはもう、中の人大フィーバーですよ。最終話感想で書き連ねてしまったが、主人公・にゃ〜たんを演じた村川梨衣が、文字通りにこの作品の看板女優。看板娘。看板うざい。ほんとうっさい。オープニングテーマの「うるさいバージョン」とか聞いてるとホントに癖になるよ。りえしょんがりえしょんのままで活躍出来るアニメというのがこれほどまでに素晴らしいものになるとは、誰もが予想しながらも実現し得なかったものだったのだ(みならいディーバ除く)。もう、それだけでも金字塔。その他にもチュウたんについては最終話感想を参照してもらうとして、謎の存在感を加速させたウリたん役の花守ゆみり、作品の雰囲気を力強く支えてくれたモーたん役の松井恵理子など、若くて期待一杯のキャスト陣が実に伸び伸びと作品を作ってくれた。
画も良し、話も良し、芝居も良し、(りえしょん良し)。これ以上何を望もうか。何卒、続編を。何卒2期ををををおぉぉ。
PR