最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
Step6 調整の時代 テーマが決まれば、あとはカードを集めるだけである。しかし、この「カードを集める」が意外に難しい。「あれも強い、これも強い」と目につくカードばかりを集めるのは簡単だが、リミテッドのバランスを取るためには、例えば除去の質、クリーチャーの数、さらにマナコストのバランスなど、いくら精錬しても足りないくらいに調整する部分があるのだ。過去にも1度「俺キューブ」を作ったことがあったが、その時には「白にやたら全体除去が多い」っていうのが目につく失敗だった。赤も黒も除去が強いのでクリーチャーの存在意義が薄くなり、結局、アドバンテージが取れる除去で盤面を潰していくだけの掃討戦になってしまっていた。今回はそうしたミスがないように、クリーチャーとそれ以外のバランスを取りながら、10のギミックにそれぞれ活きる道を見出していきたい。 とは言っても、とにかくカードを集めるところから始めなければ話にならない。実際のカードを使って集めるのは労力がかかりすぎるため、今回はデータ上での処理がメインの作業になった。カードリストを眺め、テーマに合致したカードを使えるだけピックアップしていく。最終的な枚数をどの程度にするかというのも選択肢がある問題だが、最低ラインは、我々コミュニティの場合は「6人でドラフト出来るだけの数」、もしくは「4人でシールド出来るだけの数」。後者の方が枚数が必要で、パック換算なら24パック、つまり360枚のカード(キューブなので、すなわち360種類のカード)が最低限必要。ゲームにバリエーションを出すにはその倍くらいは欲しいので、概算で700〜800枚くらいが求められる量だろうか。5つの色・多色・無色(アーティファクト/土地)と分類すると、1つのカテゴリは100枚強が目安だ。 せっかくなので選別の過程を見てもらおう。手当たり次第リストアップして出来上がった白の暫定的リストがこちらである(pdf注意)。この時点でリストアップされたのは210枚。想定のおよそ倍くらいの枚数。見て分かる通り、全てのカードについて、マナコスト、クリーチャーであるか否か、そして、それぞれにどんなギミックに関わっているかがマークされている。当初は他の色のギミック(例えば白いカードでも変異であるかどうかなど)をチェックしていたのだが、色を広げる難しさ、多色での影響の低さなどを考えて、その色の関わるギミックのみに絞った。ここから、各々のギミックの比重、それぞれのアーキタイプでのマナコストなどを、ソートしながらいじっていくわけだ。例えば上記のデータならばウィザードに含まれるカードが少なく、エンチャントは圧倒的に多いので、エンチャントから優先的に削っていく。さらにクリーチャーのマナコストごとにバランス調整したり、除去の枚数、エンチャント・アーティファクト破壊、全体除去やドローの枚数など、「1枚のカードだけで勝てる」デッキになってしまわないよう、シナジーの形成を確認していく。また、積極的に使ってみたいカードか、というモチベーションの部分も重要な判定基準になる。例えば「陽動戦術」などは、エンチャントでもあり、トークン戦術に関わってくるために2つのアーキタイプを埋められる良いカードに見えるが、実際にはエンチャントデッキでは出番が無い上に、リミテッドでも使われなかった微妙なカードであり、デッキインしてペイ出来る実感を得るのにはかなりの下準備が必要だと思われるので削除される。一応「最近使われているか」というのも判定基準となり、「空位の玉座の印章」などは今回のテーマにぴったりのカードなのだが、オリジンで収録されてしまい、既に新鮮味が無くなっているので削除してしまった。一方で「オーラ術師」はクリーチャータイプがウィザードであり、2つのギミックで活躍出来る可能性があるので採用された。 こうして、各色、各ギミックごとの枚数を調整し、残したかったカードも泣く泣く削っていき、出来上がったリストがこちらである。総勢793枚のカードがズラリと並んでるので分かりにくかろうが、イラストデータは容量の関係でアップ出来ないのでご容赦願いたい。色ごとのうちわけは、単色カードがそれぞれ120〜130枚程度ずつ。各々の色に多少のばらつきがあるが、これは無理に調整せずとも問題無いと判断したためであり、また、入れようと思ったけど見つからなかったカードがあったので多少のズレも出ている。リストには載せてるんだけど、「アーティファクトの魂込め」って持ってなかったわ。無色のカードはアーティファクトが約70枚、土地が約30枚で100枚のセット。多色のカードだけが少し特殊で、全ての色の組み合わせについて6枚ずつ、総勢60枚にきっちり合わせてある。これは、2色カードには強力に特定アーキタイプに寄せることを推奨するものを多く採用して明確化したかったためで、これが多すぎるとピックの時の不自由さが際だってしまう(色の合わない2色カードでヤキモキした経験は誰に出もあるはずだ)。逆に言えば、多色カード6枚を見ればそれぞれのアーキタイプの目指したところが分かりやすくなっているので、その部分だけを見てみるのもいいかもしれない。ちなみに、最後の最後に「あれ、プレインズウォーカー入れてないやん」ということに気づき、思いつきで「対抗色の5体のプレインズウォーカー」だけを入れることにした。つまり白黒ソリン、黒緑ヴラスカ、緑青キオーラ、青赤ラル、赤白アジャニの5体。ただ、残念ながら一番入れたかったラル・ザレックは持ってなかったのでそこだけ欠番になってしまった。 さぁ、こうして無事にキューブは完成した。あとは、これが実際に試合に耐える程度のバランスを維持しているかだが……。
Step7 実践の時代 というわけで、さる日曜日に有志3人に集まってもらい、この「オレマス」のお披露目イベントが行われた。まずはシールド。各々に6パック相当のカードを配布し、特に何の説明もせずにデッキを作ってもらった。「6パック相当」というのは、カードのバランスを調整した90枚である。具体的には、1パックあたり各色のカード2枚、無色2枚、多色1枚の計13枚に、ランダムに2枚を加えたもの。つまり、確定で各色12枚ずつ、多色6枚、それにランダムで12枚というプール。 このシールドで確認したかったのは、色ごとの強さの差である。もしここで、全員が全員白緑デッキを組む、なんていう事態になったら、それはバランス調整失敗だったということだ。 結果、4人のデッキの内訳は以下の通り。
【Mei】 白青 ウィザード+白トークン、増強 「ブリマーズ」だけで勝った気がしなくもないが、一応「賢人の消火」あたりは機能していたか。「激浪計画の指揮者」なんかも入ってましたね。
【Serra】 白黒緑 トークン&生け贄、たまに+1/+1カウンター 「ナントゥーコの鞘虫」「貪る大群」などのサクリ装置と「死を出迎えるもの」「ファルケンラスの貴族」などの拘束。「墓所のタイタン」が雑に強いし、「月皇ミケウス」と「不気味な苦悩」のシナジーとかヤバい。タッチの緑は「屍体屋の脅威」や「魂売り」のため。
【Sea-chicken】 青黒 アーティファクトと、ウィザード変異少々 ベースは「大建築家」から加速して「鋼のヘルカイト」や「協議会の戦隊長」へ繋ぐアーティファクト。「スフィンクスの召喚士」も機能している。また「預言者の杖」はアーティファクトでありつつ回避能力を与えるお手軽装備品。最終的にウィザードはそれなりにあり、「竜巻編み」が「残響の追跡者」をめくったせいで俺は死んだ。
【Thraxi】 緑赤黒 変異、時折ビースト 「松歩き」「死霧の猛禽」「ヒストロドン」という重爆変異打線が売りで、タッチ黒は「見えざる者ヴラスカ」。「おう、流石に制作者だけあってスマートなデッキになったわ!」と得意気に勝負を挑むも、対戦した2人がどちらも飛行で殴ってきたので一切手が届かず。緑に飛行対策はそれなりに入れてるんだけども、今回は出なかったなぁ……。
というわけで、内訳は白1,青2,黒2(3),赤1、緑1(2)。事前の予測では、あまり戦力にカウント出来ない青のウィザード軍団はシールドでは人気が出ないかと思ったが、案外選ばれてたのが意外。アーキタイプについては白黒ががっちり狙い通りに組まれているのは嬉しい。アーティファクト、ウィザードエンジンもそれなりに回っていただろうか。今回不人気だったのは赤。火力を抑え気味にして、さらに使いにくいビースト、癖のあるティムにスロットが割かれているため、シールドでは見えにくかったのだろうと推察出来る。 試合後に「どんなアーキタイプか分かった?」と尋ねてみたところ、出てこなかったのは赤白レジェンドと赤青タップ、それにウィザードの白の部分。まぁ、ウィザードギミックは結果的にほとんど青単みたいになってしまい、白は添え物だからね……。レジェンドはサブテーマなので「ボロス的ビート」とざっくりした理解でも問題ないだろうが、やはり青赤タップはなかなか認識されない。青に導入されたアンタッパーが多めに出てくればもう少し見えやすくなるだろうか。
Step8 反省の時代 最後のイベントは4人でのドラフト。シールドとほぼ同じ形でパックを構築して、これを4人で回す(パックのムラを大きくするために、形成後にもう一手間のランダマイズを加えている)。3パックだけだとデッキが成立するか不安だったので、今回は全員4パックをドラフトすることにした。ピック中は「あれが消えてるからあっちを狙っている奴がいる」というのが比較的分かりやすくなっており(まぁ、4パックだからすぐ帰ってくるし)、たかだか4人でも棲み分けって難しいなぁ、というのを痛感。結果は以下の通りである。
【Sea-chicken】 白赤 トークンビート 4人なのでしょうがないが白が独占色になり、軽いものから重いものまで集めまくりだった。「管区の隊長」からスタートして「深夜の出没」→「月皇ミケウス」→「隆盛なる英雄クロウヴァクス」とかやりたい放題。「幽霊の将軍」に「凱旋の間」と見る見る膨れあがる陣営がキモい。必死に単体除去で処理しても「雲山羊のレインジャー」とか「勝利の伝令」とか、いともたやすく心は折れる。ちなみに赤は「復讐のアジャニ」のタッチである。わぉ。
【Mei】 緑赤青 +1/+1カウンター、所々変異 直接対戦しなかったが、とにかくカウンターがいっぱい乗る。「実験体」から「茨森の模範」につなぎ、これが「モグの戦争司令官」なんかにカウンターをのせまくるので「毅然さの化身」も元気だ。横にも伸ばせるしサイズも増し増しで、緑だけとはいえかなりカウンター関係は満喫していたご様子。敗北の原因は相手に出された「突風粉の魔導師」。あぁ〜カウンターが消えるんじゃ〜。
【Thraxi】 黒赤 ラクドスビート 1引き「冷眼のロヴィサ」という謎のスタートから赤でレジェンドを狙う。「山賊の頭、悟堂」に「ラッカ・マー」とそれなりに集まるかと思ったが、やっぱりシナジー無しでレジェンド集める意味が無い。白は上家がやっていたせいか上手く引けず、どうやら黒が完全に空いてる気配。レジェンドはさっさと諦めてラクドスの速度を上げる方向性へ。それなりに前に寄せるデザインは上手く言ったとは思う。いつの時代も「火炎舌のカヴー」は強かった。ま、ぶっちゃけアーキタイプっていうほどの団結感はなかったんだけども……。
【Serra】 青緑 アーティファクトと変異 色だけを見ると、上家とまるかぶりしていて今回唯一「食い合った」色。とはいえ4パックもあるんだから大してデメリットにはなってないけども。ギミックとしては「エーテリウムの達人」と「飛行機械の諜報網」、それに「破片撒きのスフィンクス」あたりがキーカードだろうか。ただ、青緑は変異がメインギミックだがそちらのカードは今回あまり集まらなかったようで、片手で戦う青のアーティファクトデッキ、という感じに。あれ、4パック引いてもカード足りないんじゃ駄目じゃん。いや、5人戦以上になれば大丈夫だよ、多分……。
以上から、最終的な反省を行おう。 まず、「リミテッドを形成するバランス」という部分については、及第点を出してもよいのではないかと思う。一部「除去が少ない」という声もあったが、これは最近の公式の流れに沿うもの。クリーチャー重視のリミテッド環境を体現しているので、問題のあるレベルではない。実際、私の組んだラクドスは除去てんこ盛りだったし。マナコストについては、シールドでは流石にいくらか偏りが生じうるバランス。あまり重くしすぎないつもりではあるが、やはり多少立ち上がりの遅さは気になるくらいだろうか。 そして問題のアーキタイプであるが、合格と思われるのは以下。 青黒・アーティファクト→充分個性が出ているし、集めるモチベーションもある。「とりあえず引ける無色」なので安定性も高い。 黒赤・ラクドスビート→前のめりカードをかき集めて速度を出す戦術は案外成立する。赤の火力が弱いので、回避能力を持つクリーチャーを集めるのがポイント。 白黒・トークン&生け贄→トークン戦術は単体で強いため、問題無く運用出来る。黒のサクりシステムはそこまで目立つものではないが、白と組み合わせて爆発力が上がることは見えやすかった。 黒緑・+1/+1カウンター→こちらもクリーチャーとして優秀であるし、関係カードの枚数が多いので適当に組んでも割とどうにかなる。
まぁまぁ許せるレベルなのが以下。 緑青・変異→正直、速度が安定しないので速いデッキに勝ち目が無いことが最大の難点。さらに「変異をサポートする」と明確に書かれたカードが乏しいので、あまりシナジー形成してる気分になれないのも微妙。全体的な枚数はあるので、専用カードを早めに引けたら決め打ちで突っ込むくらいの価値はありそう。 赤白・攻撃→正直、レジェンドシステムは完全におまけ。ただ、赤白で畳みかける構成は専用の「攻撃支援」カードに加えて白のトークン関係がそのまま使えるため、想像以上に選択肢が多い。単なる「ボロス」と割り切ってしまえば、充分組み合わせられるだけの陣容にはなっている。
反省が必要なのは以下。 白青・ウィザード→青のウィザードシステムは思った以上に機能していたので、そこは合格点。ただ、事前に予想していた通りに、白が全く必要無かった。白からウィザードを支援するカードが「共同の功績」と「さまよう灰髭」しか無いからなぁ。ウィザードはあくまで青単と割り切った方が良かった。 赤緑・ビースト→今回全く出てこなかったな。ビースト支援システムはそれなりにあるはずなのだが……。速度の面では大きな問題はないと思うので、もう少し回してみないと分からない……か? 緑白・エンチャント→ドラフトでは「ニクスの星原」がグルグルしてて可哀相だった。おそらく、これは認識の問題で、たとえば「ニクスの星原」はデッキに4〜5枚程度のエンチャントがあるだけでも充分使えるカードなのだが、事前に「アーキタイプでいかないと」と意識しすぎるせいで、「エンチャント引けてないしなぁ」と尻込みしてしまうのだ。白は除去の多くをエンチャントが支えているので、今回使われたようなビートと別な形の白が出てくれば盛り返せる可能性はある。ただ、ウィザードにおける白と同様、エンチャントテーマは緑の方がやや空気。枚数削りすぎたかなぁ。でもオーラが多すぎてもなぁ。オーラに対するアド損の抵抗をなくしたテーロス環境のデザインってやっぱりすげぇな、と再認識。 青赤・タップ→虎の子のテーマだったのだが、今回不発。おそらくドラフトで決め打ちしてればそれなりに作れたんだろうけど、やっぱり未知の領域なので腰が引ける。完成像もみえないしなぁ。でも「ソリトン」と「大石弓」がグルグル流れてたんだぜ。拾ってあげてよ。面倒臭い? うーむ。
以上、この夏の自由研究として、「オレマス」の全てを記録しました。もう少し回してみたいですね。 以上です。
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無題
「オレマス」?なんぞやって流れから後編まで一気に読みました。めっちゃ面白かったです。
青緑で新旧変異組み合わせたいってのはタルキールで同じこと考えてました。 戦乱のゼンディカーのレビュー楽しみにしてます。 Re:無題
コメントありがとうございます。
個人的にもとても楽しんで作ったし、書いたものなので、褒められるととてもとても嬉しいです。褒められるともっと伸びます、きっと。何がかは分からないけども。 ゼンディカーもあと1ヶ月にまで迫ってきましたなぁ。楽しみですわ。 |
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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