最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
夏休み特別企画、「俺なりのマスターズ」、略称「オレマス」を、先日ようやくお披露目することが出来ました。結果についてはプレイした人間の感想聞いてないので何とも言えないのだけど、個人的にはとにかく1つの企画をどうにかこうにか実働段階まで持っていけたので満足です。「遠足は準備してる期間が一番楽しい理論」ですけども。 今回は、どのようにして「オレマス」を作っていったのか、というのを段階ごとにまとめて記録として残しておきたい。 Step1 発端からキューブまで まず、このセットを作るきっかけになったのは間違いなく「モダンマスターズ2」である。モダマスをプレイし、再録カードのみから構成された1つのセットが実にシステマティックに、バランスの取れた競技レベルで完成されているのを体感して惚れ惚れしたのがそもそものスタート地点だ。最近はWizards社が細かくコラムを掲載してくれているおかげで、Magicのカードというのがどのように生み出され、エキスパンション、ブロック、そしてトーナメントシーンがどれほど意図を持って作りあげられているのかがよく分かるようになった。様々な課題をクリアして出来上がった「モダマス」の全体像は、素人眼にも非常に端正なもので、「こういうものが作れるのはすごいなぁ」と単純に感心出来るのである。特に興味深かったのは、10のカラーコンビネーションによるアーキタイプドラフトというシンプルな構成。これまで数多生み出されてきたカードの中から、新たなギミックを生み出すためにピックアップされた200枚程度のカード群の統制が本当に刺激的。個人的には白黒スピリットクラフトがリミテッドレベルで見事に収束してるのが印象深かった。 こうしてモダマスの完成度を見せつけられると、素人考えは当然以下のように推移する。「過去のセットからカードを引っ張り出すだけでエキスパンションが作れるなら、俺にも出来るんじゃね?」と。製作チームが苦心の末に組み上げた10のアーキタイプ。しかし、長いMagicの歴史の中で、まだまだ掘り起こされていないギミックは残されているはずだし、自分好みのギミックだけで埋め尽くされた「エキスパンション」を1から作りあげるなんて、想像するだけで楽しそうではないか。それなら作ってしまおうじゃないか。「オレマス」を。 問題は、通信紙上でも何度か取り上げたが、「エキスパンション」はレアリティという概念が存在するという部分である。例えば「スピリットクラフト」を成立させるために「希望の盗人」のレアリティをコモンにして、1度のドラフトで大量に手に入るようにすれば良い。アーティファクトをテーマにするなら「錆びた秘宝」が確実に確保出来る環境を作れば良い。そうして、アーキタイプの基盤が構成されていく。「出現枚数の差」というのは、デリケートながらも非常に有効な「環境のバランス調整機構」なのである。しかし、私家版の「エキスパンション」の場合にこれをコントロールするのは非常に困難だ。もちろん、コモンに位置するカードを複数枚用意してバランスを調整することも不可能ではないだろう。しかし、最終的な目的は「ドラフトすること」であり、その場合にどうしたって「手製のパックを作る」という(ちょっと貧乏くさい)プロセスを経ることになる。その時に、例えば「希望の盗人」を4枚入れたカードプールを作ってしまうと、どうしても「同じパックに複数枚のコモンが入る」という現象が避けられないのである。また、コモンを全て同じ枚数だけ揃えて投入すると莫大な枚数になってしまって管理が面倒になるという問題もある。 結局、この問題をクリアして現実的な「私家版」を作りあげるには、既に世の中に浸透したフォーマットである「キューブ」にするのが手っ取り早いという結論に落ち着く。しかし、キューブでは上記のような「レアリティ管理」が出来ず、あらゆるカードが一期一会になってしまうという悩みがある。結局、この部分が長らく悩みの種になるのだが……。
Step2 弧の時代 さて、「アーキタイプドラフトを目的としたドラフトキューブを作ろう」という目標は定まった。次は、肝心の「アーキタイプ」を決定する番だ。しかし、企画をスタートさせた時点では当然「モダマス」の印象が強く、このまま2色10パターンの組み合わせにしてしまうのは流石に能がないと思える(こうして出来もしないのに先人の作ったレシピに勝手なオリジナル要素を付加しようとするのは、素人料理人が一番陥りやすいミスである)。「2色10パターン」は避けたい、それならどうする? 選択肢は「単色5パターン」というのがまず考えられる。アホらしい考え方に見えるが、実は古いエキスパンションというのは基本的にこのデザインに則っている。マスクスなんかを見てみると、「スペルシェイパー」というギミックこそ全色に配備されているが、白のレベル、青の海賊、黒の傭兵……といったように、他の色との組み合わせを考えないデザインが多い。当然これは一考の余地がある。しかし、流石にこれでは「アーキタイプドラフトを楽しむ」という当初の目標にはそぐわないだろう。当時のセットはリミテッドを前提として製作されていないのであまりそのあたりは考慮されていないもの。ドラフトの醍醐味といえば色の渡り歩きなわけで、単色決め打ちしか出来ないドラフトに用はない。単色が駄目、2色は避けたい。となれば、当然残されたのは3色ということになる(4色以上が駄目な理由は説明する必要も無いだろう)。3色にすることには実は大きなメリットが1つあり、それは、「1つの色に組み込まれるギミックが3つですむ」という部分である。「2色10パターン」の場合、1つの色が抱えるテーマは4つ(モダマスの例を取ると、青はアーティファクト、増殖、エレメンタル、移植の4つ)になる。それに対し、3色テーマならば3つずつになり(アラーラを例にとると、青は讃美、アーティファクト、蘇生の3つ)、それぞれに割ける枚数が増えるのである。 3色の選択肢はアラーラ式の「弧」とタルキール式の「楔」の2つがあるが、優先して検討されるべきは「弧」の方である。何故なら、「楔」はタルキールが初めて取り扱ったまだ歴史の浅いギミックなのでどうしても選択肢が少ない。歴史的に見て、対抗色のカードというのは友好色のカードよりも圧倒的に少なく、選択幅が狭まってしまうのも悩み所である。作るべきはアラーラ式の「弧」のギミックだ。 あとは好きなギミックをどのように盛り込んでいくかを考えるだけだが、1つ留意しなければいけないのは、それぞれが完全に独立したギミックでは駄目だということ。5つの「弧」を個性的に際だたせる必要があるものの、それぞれに緩やかな連携があった方が、リミテッド形式での戦略性は大きく広がる。モダマスでは「増殖」が「移植」と「萎縮」のどちらにも関係したり、トークン戦術が2つのアーキタイプの関わるなどの繋がり方でそのあたりを上手く活用している。もし「弧」のセットを作るとき、グリクシスが「低速コントロール」を目標にし、隣接したジャンドが「超速攻ビート」を狙ったものになってしまったら、おそらくそれぞれのカードが全く噛み合わず、ちぐはぐな色形成になってしまうだろう。 起点に置いたギミックは、何故だか忘れたが「変異」だった。タルキールのおかげで一気にその数を増した変異というギミック。(スタート当時は龍紀伝が未発売だったが)オンスロートとタルキール、それに時のらせんの新旧変異タッグが見たい、というのがスタート地点だった気がする。変異の色が何色か、という問題も非常に簡単だ、タルキールの2色アーキタイプは青緑なのだから、この2色が入った弧を定めれば良い。つまり、バントカラーが「変異の弧」である。これで1つ目のギミックが定まった。 次に出てきたのはナヤカラーの弧だった。アーキタイプを探す上で当然過去2つの「モダマス」が参考になるわけだが、例えば「アーティファクト」のようなカードタイプがテーマになるのと同時に、「エレメンタル」「スピリット」「ゴブリン」など、クリーチャータイプも絶対に避けられないテーマである。これまで特定色アーキタイプとして扱われず、カードの数が充分にあるクリーチャータイプといえば何か。そう、クリーチャータイプの王様、スリヴァーである。スリヴァーに必須の「筋肉スリヴァー」系は緑、白に配置され、キーになるパワー増強スリヴァーは赤に多く配置されている。スリヴァーを選択するなら、ナヤカラーで決まりだ。 しかし、スリヴァーは変異クリーチャーの中に1体も存在していないという悩みがある。これではいきなり「隣接する弧」のテーゼに反してしまうことになる。せめてもう片方の弧についてはしっかり変異と連携を成すクリーチャーを組み込みたい。そこで青の変異カードを並べて見ると、明らかな偏りが見て取れる。変異解除から様々な効果を誘発する青のクリーチャー群、それはウィザードだった。なるほど、ウィザードならばオンスロートが青単色で取り扱っていたテーマなのでそれなりに専門のカードがある。幸い、隣接する白と黒にもウィザードはそれなりに収録されている。エスパーカラーは「ウィザード」で決まりだ。 クリーチャータイプばかりで3つが決まり、残る2つはそれ以外のシステムがほしい。残されたのはジャンド、グリクシスだが、グリクシスには王道テーマがあるのでこれはそのまま採用出来るだろう。「墓地」である。赤には墓地システムがやや乏しいようにも思えるが、墓地をテーマにしたセットはオデッセイ・イニストラードの2つがあり、スレッショルドやフラッシュバックを考慮すれば充分赤にも「墓地らしさ」を与えることは出来る。「焚書(JDG)」なんかはいいギミックになりそうだし、「モルグの噴出(DGM)」なんかもある。グリクシスには、再び墓地を担当してもらう。残るジャンド、これも過去の組み合わせから見えやすくなった。解鎖、狂喜、活用といったギミックは全て、クリーチャーサイズを増す+1/+1カウンターのギミック。これも大量にカードがあるし、タルキールでは新たにアブザン絡みのカードも増えており、これが戦略に幅を持たせるだろう。作りあげるべきは+1/+1カウンターの集団だ。 実際にはこの結論に至るまでにはいくらかの紆余曲折があったが(他に検討したシステムとしては「土地」「戦士」「ディスカード」「毒」などがあった)、最終的には以下のような「弧」のセット構想が出来上がった。 バント(白青緑)→変異 エスパー(青黒白)→ウィザード グリクシス(黒赤青)→墓地 ジャンド(赤緑黒)→+1/+1カウンター ナヤ(緑白赤)→スリヴァー ここまでの部分は、色々考えたとはいえ、殆どは寝る前にふとんの中で妄想するだけで構築できた部分である。いわば、机上の空論の極みであったわけだ。
Step3 回帰の時代 さて、ギミックが決まり、実際にカードを眺めだして、すぐさま問題にぶち当たることになった。それはいくつか同時進行で発生したもので、非常に本質的な部分でもあった。まず、「中心色」の考え方だ。機能不全を起こしたのは「変異のバント」である。青緑を含む弧だからバント、という安易な決定にしたわけだが、まん中に陣取る白は、そこまで変異を推した色ではないのである。白青、白緑の変異サポートがなく、「青緑が中心で白が添え物」という残念な形になると、カードの収集が途端に覚束なくなる。ここで「中心色が映えるギミックでないと駄目だ」ということを思い知らされ、白を中心としたバントのテーマは「エンチャント」にスイッチした。幸い緑は「開花の幻霊」や「ヤヴィマヤの女魔術師」などで古くからエンチャントサポートを得意とした色だし、青は「閉所恐怖症」や「硬化」など除去をエンチャントに依存した色。そもそも、エンチャントというカードタイプは歴史的に山ほどあるわけで、いくらでも調整する余地はある。バントカラーはエンチャントに変更する。 しかし、そうすると今度は両隣のクリーチャータイプをベースにした弧との齟齬が大きくなる。また、同時にスリヴァーの弧であるナヤでも「中心色」の問題が起こった。スリヴァーはどの色もほぼ均等に配分されたギミックであり、どこかの色に偏ったイメージが無い。ナヤカラーだけをピックアップすることは可能だが、スリヴァーというギミックの魅力が、3色だけでは不充分になってしまうのだ。 また、アラーラで成功を収めた「弧の環境」との差も痛感させられる事態が引き続いて起こった。「弧のために作られたオリジナルの3色カード」が無いのである。例えば「白青黒のウィザード」はせいぜい「堕落した者アーテイ」くらいで、とても「ギミックを代表するカード」には見えない(ウィザードである必要が全く無い)。当然「緑白赤のスリヴァー」など存在するはずもなく、「弧である必然性」が全く感じられないのである。さらにさらに、3色にする際に一番問題となるマナ管理という大きな落とし穴の存在も、ここでようやく気付くことになった。3色環境には、それに相応しい多数のマナソースが必要になる。アラーラやタルキールを見ればそれは一目瞭然だ。しかし、1種のカードを1枚しか使えないキューブにおいて、こうしたマナソースを安定供給するためには「大量に投入する」しか手が無い。そして、マナソースを大量にぶち込むと、ランダムにパック生成した際に「マナソースしかないクソパック」が乱立する危険性を孕むのである。そうでなくとも、せっかく作ったキューブの大部分をマナソースが占めているというのはあまり愉快な状況とは言えない。 次第に明らかになっていく「弧」の難しさ。改めて感じる「アラーラすげぇな」という驚き。頭の中の「弧の世界」は、こうして静かに壊れていくことになったのである。 「やっぱり無理だ、2色でいこう」。
Step4 ギルドの時代 「弧の時代」が終わり、結局は「2色のアーキタイプ」に落ち着くことに。「友好色のみの5パターン」というのも一応考えたのだが、元々「変異(青緑)が組み込みたい」というスタート地点もあり、その案は却下、「いっそ対抗色ギミックだけにするか?」というアイディアもあったのだが、前述の通り、対抗色のギミックってのは数が少なく、それだけで立脚できるとは思えないしドラフト時に色のつながりを考えるとやはり10のギミックの方が選択肢は多い。何とか、俺なりのモダマス方式をひねくり出すしかない。「弧」の時代のギミックをそのまま転用することで、10のギミックのうちいくつかはすぐに埋めることが出来た。起点となった青緑→変異は確定。他にも白緑→エンチャント、青黒→墓地、黒緑→+1/+1カウンターが決まった。白青には残ったウィザードギミックを担当してもらうことにして、スリヴァーが消えたので部族ギミックがもう1つくらい使える。残っているのが白黒、青赤、黒赤、赤緑、白赤だが、この中で過去の部族ギミックがすんなり使えるものを検討していったところ、赤緑のビーストが最有力となった。黒赤のゴブリンはモダマス1で取られてしまっているし、赤黒吸血鬼は歴史が浅いので枚数が足りない。赤緑の狼男は面白そうだったのだが、ドラフトが前提である関係上、両面カードは採用出来なかった。白黒戦士というタルキール発のテーマも面白そうだったが、残念ながら白は戦士の歴史が浅く、形にならなかったのである。この時点では以下の通り。
白青→ウィザード 青黒→墓地 黒赤→? 赤緑→ビースト 緑白→エンチャント 白黒→? 黒緑→+1/+1カウンター 緑青→変異 青赤→? 赤白→?
流石にこの辺りになると、ギミックの選択肢も限られてきて色々大変になってくる。最初にブレイクスルーしたのは青赤だった。エンチャントが使われているのなら、当然もう1つのタイプであるアーティファクトは使われて然るべきだろう。モダマス2では白青のテーマだったが、エスパー次元の中心だった青のギミックならば、もう一色を変更しても採用出来るはずだ。そこで、「生産の青、消費の赤」というアーティファクトのギミックを見つけた。「爆片破」をとっかかりにしたこの組み合わせはなかなか良い感じ。そして、同様にモダマスからの流用で白黒には「トークン&サクリファイス」が採用出来る。モダマスは緑を媒介してエルドラージや全体強化などが組み込まれていたが、これを白黒の独自ギミックとして再解釈出来るはず。そして、赤白のギミックには、以前チャレンジした統率者戦の時の記憶が蘇った。確か白には「運命の日」があったではないか。そう、レジェンドだ。幸い赤絡みでは「悟堂の大槌、天鎖」なんかもあるし、何よりレジェンドをかき集めるのは華があるではないか(あと、単体で強いカードを大量に並べておけば、それだけで何となくごまかせそうではないか)。赤白には、豪華レジェンド軍団に集まってもらおう。残されたのは黒赤だけ。もう、ここは完全に趣味のカードで埋めてしまってもいいだろう。そう、僕が大好きな赤黒いシステムといえば……土地破壊で決まりだ! これが僕の考えた、最強のマスターズだ!
白青→ウィザード 青黒→墓地 黒赤→土地破壊 赤緑→ビースト 緑白→エンチャント 白黒→トークン&生け贄 黒緑→+1/+1カウンター 緑青→変異 青赤→アーティファクト 赤白→レジェンド
意気揚々とカード集めを開始する僕。当時の記録は残してあるのだが、インベイジョンブロックから始まり、大体イニストラードあたりまでカードのピックアップが終わっていた。以前の通信でも書いたが、赤にはたくさんのアーティファクト関係のカードが集まり、出番を待っていたのである。しかし、事件は起こる。
そう、「マジック・オリジン」の発表である。いや、そりゃ俺が悪いんだけどさ。まさかここまでテーマが被ると思わないじゃない!! やっちまったんだ。嬉々として活躍を夢見ていた「空位の玉座の印章」は、「懐かしのあのカード」ではなく、「環境最新のお馴染みのカード」になってしまった。「ニクスの星原」が「俺は入れなくていいの?」と誘惑し、「スカーブの大巨人」は「え? 今更俺入れるんすかwww」と馬鹿にしてくる。必死でカードを探していた私に対し、Wizads社は「もっと赤でアーティファクトテーマを推すいいカードがあるんですよ」と「ギラプールの歯車造り」を差し出してきたのである。ずるいぞWizards、なんだよWizards! かくして、夢の「俺の考えた愉快なキューブ」は、「なんかオリジンの焼き直しっぽい見慣れたキューブ」に成り下がってしまったのである。
Step5 再帰の時代 正直、挫けた。次々とオリジンのカードが発表され、リストアップした「オーラ術師」や「族霊導きの鹿羚羊」が現役復帰する中では、カードを集める気にはならなかった。企画自体が頓挫してしまうオチになるのか……。いや、せっかく骨子だけでも作りあげたんだ。元々がパクり以外のなにものでもない自己満足企画なんだ。それなら、もう一度組み直せばいい、新しいギミックを探し直そうじゃないか。 「オリジン」の発売後、夏休みの期間を迎えて、暇な実家で一念発起。新たに10のギミックの調整を試みた。幸か不幸か、この頓挫のおかげで、元々の企画の穴も見えてきた。それは、環境を規定するスピードの問題である。「オリジン」開発についての公式コラムのどこかで書かれていたことなのだが、それぞれのアーキタイプには、連携が求められるのと同時に、各々の個性をしっかりと出す必要がある。端的な部分では、速度の問題だ。「各デッキの速度をどの程度に見積もるか」というのは、未だにWizards社も苦心している永遠のテーマであり、例えば「ギルド門侵犯」なんかは明らかにそれでやからしてしまった残念なセットである。基本的には、「環境に高速・中速・低速全てのデッキタイプが存在可能であり、均衡である状態」が理想とされる。最近のセットは基本的にクリーチャーが優秀なので速度は増し気味ではあるのだが、タルキールなんかは変異との絡みでそのバランスが非常に上手くとられているお手本のような世界だ。 「速度」という観点から元々の企画を見つめ直してみると、いかにも私らしい、どうしようもない一面が見えてくる。つまり、こういうことだ。
白青→ウィザード →コントロール(低速) 青黒→墓地 →コントロール(低速) 黒赤→土地破壊 →コントロール(低速) 赤緑→ビースト →ランプ(中〜低速) 緑白→エンチャント →オーラ次第(不定だけど超速くはない) 白黒→トークン&生け贄 →コントロール(中〜低速) 黒緑→+1/+1カウンター →アブザンぽさ(低速) 緑青→変異 →3マナスタート(低速) 青赤→アーティファクト →青い時点で多分(中速) 赤白→レジェンド →軽いレジェンドなんてそんなに……(中〜低速)
見ろ、この遅さ。低マナ域なんてなかったんや。流石にこれじゃゲームとして面白くないだろう。作り直すなら、どこかに「速い」ギミックを盛り込まなければ。オリジンとの被り問題を解消するために、いくつかのギミックを一旦取り除く。ついでに、カードを集めてる時点で「これ、駄目じゃねぇかな……」と薄々感づいていた土地破壊にも退場願おう(延々3〜4マナの土地破壊呪文をピックアップする作業の途中で疑問を持てよ、って話だが)。白赤の「レジェンド」もカードを集めてる段階で「レジェンド特定支援カードって少なすぎるよな……」という問題にぶち当たっていたのでこれは保留。緑白のエンチャント部分だけは、オリジンの「白黒オーラ」とは毛色が違うので残しても良いと判断し、穴があいたのは以下。
白青→ウィザード(低速) 青黒→? 黒赤→? 赤緑→ビースト(中〜低速) 緑白→エンチャント(中速) 白黒→トークン&生け贄(中〜低速) 黒緑→+1/+1カウンター(低速) 緑青→変異(低速) 青赤→? 赤白→レジェンド?
この中であっさりスイッチが決まったのは青黒だった。実は「青赤アーティファクト」のカードを集めている時点で、「エスパーのカードが殆ど使えてないのが勿体ないな……」と思っていたので、モダマスで使われた青白アーティファクト以外の部分、青黒アーティファクトが有効利用出来そうな目処はついていたのである。歴史のあるギミックなので、速度調整もしやすいのが魅力だ。 そして、個人的に大きなブレイクスルーになったのは青赤ギミックだった。アーティファクトを封じられたが、「何かまだ使っていないシステムはないか」と頭を悩ませていたところに光明が差したのは、オデッセイのリストを見ていたときだ。青には「セファリッドの物あさり」と「霊力」、赤には「投鎖獣」が。そう、赤と青を繋ぐ歴史的なリンク、それはティム、タップによる起動型能力である。現在青にはティムこそいなくなったが、その代わりルーターが共有され、さらに青には「アンタップする」という能力が与えられている。リミテッドでは稀に大きくハマって殺戮兵器と化すティムキャノン。これをテーマとして与えられれば面白いのではないか? 「タップ」というシステムはその他にもローウインのマーフォーク、テーロスの神啓などにも関わり、シャドームーアにはアンタップシンボルというギミックも存在している。これだけあれば、青と赤による独自戦略が切り開けそうだ。まったく新しい回顧ギミック、それは「タップ&アンタップ」だ。 しかし、このギミックはお世辞にも速いとは言えない。残ったカラーリングには速いものを採用したい。もう、ここまで来るとあとは勢いである。黒赤で速いもの、そりゃもう、ラクドスビートという形式そのものである。火力とのバランスも考えて、黒赤には「痛みを恐れず突っ込む速度」、「スーサイド&バーン」をテーマに組み込もう。速度の出た赤の勢いは、そのまま白赤でくすぶっているギミックにも転用してしまいたい。ボロスカラーといえば大隊能力があったわけだが、これだけでは枚数が足りない。いっそのこと、「攻撃すること」そのものをテーマにしてしまうのはどうだろう。こちらもシナジーとしてのアーキタイプではなく、カード全体を前のめりにするための方策、赤白のテーマは「攻撃」だ。これで、全ての色の組み合わせが出そろったことになる。
白青→ウィザード(低速) 青黒→アーティファクト(中速) 黒赤→スーサイド&バーン(高速) 赤緑→ビースト(中〜低速) 緑白→エンチャント(中速) 白黒→トークン&生け贄(中〜低速) 黒緑→+1/+1カウンター(低速) 緑青→変異(低速) 青赤→タップ&アンタップ(低速) 赤白→攻撃(あと一応レジェンド)(高速)
新たなオレマス、これにて再起動。
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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