最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
スポイラ書くのが思いの外早く終わったので、久しぶりに俯瞰記事もセットで。というのも、今回のセットは、これまでのセットと比較してもかなり異質なエキスパンションになっているためだ。毎回手を変え品を変え様々な環境を生み出してくるMagicであるが、なんだかんだ言ってある程度セオリーは共通する。しかし、今回のセットはこれまでの常識とはかなりの食い違いがあり、何も知らないままでリミテッド環境に突入すると、ひょっとしたら手酷い失敗をしてしまうかもしれない。そのためにも、セット全体を俯瞰してその概要を掴んでおくのは非常に重要なことなのだ。そこで、個別カード評でもちょいちょい触れている部分ではあるのだが、今回は改めてまとめ記事として俯瞰したものを掲載する。今回の記事はあくまでもカードリストをじっと眺めた上でのことなので相変わらず的外れな見方になるかもしれないが、新たな次元に足を踏み入れる一助になれば幸いである。 なお、以前まではこの俯瞰記事ではリミテッドと構築をある程度分けて見ることにしていたが、ぶっちゃけ構築環境からは離れて久しいので、今回は構築関係の影響については一切扱わず、リミテッドに限定してみていく。つまり、レア・神話レアについても基本的には無視するということであるから、そのあたりはご理解頂きたい。 <白の概要> 今回の白の最大の特徴は、他の4色と違って一切エルドラージがいないということ。つまり欠色のカードもなければ末裔トークンも出さないしカードを追放したりもしない。あくまでも人間側、同盟者側で戦うという、スタンスのはっきりした色である。白に含まれる同盟者クリーチャーはコモンには3体どまりだが、アンコモンは6体おり、合計9種類。当然これは5色の中で一番多い数。つまり、同盟者デッキを意識するなら、どんな色と組み合わせても白は安定して人員を確保出来る。 また、他の色に比べると除去の質は高く、対応力も低くない。ここで羅列しておくと、コモンで手に入る除去は以下の3枚。 「ギデオンの叱責」 2マナインスタント 4ダメージ 「大物潰し」 4マナインスタント パワー4以上を破壊 「真っ逆さま」 3マナソーサリー タップ状態のクリーチャーを破壊 どれもそれなりに対応範囲が広く、無駄になりにくいので積極的に確保しにいってよい。アンコモンまで格上げするとこれに「停滞の罠」(3マナ瞬速持ちの忘却の輪)も加わる。 ただ、今回の白で気になるのは、エンチャント破壊が「フェリダーの仔」1枚しかないという部分。この方向性は他の色にも共通しており、エンチャントを破壊出来るカードは世界に3枚、アーティファクトに至っては2枚しかない。その分、今回白には「平和な心」系が収録されないなど、エンチャント自体が世界にほとんどないのだが、0枚というわけではないので「フェリダーの仔」の存在をどの程度重要視するかも難しいところだ。
<青の概要> 青は白とは逆で、同盟者の数が一番少ない色。その分エルドラージクリーチャーが圧倒的に多く、コモンだけでも7体の無色クリーチャーが手に入る。そのうち昇華者が2体、嚥下持ちが3体、このあたりが青の基本線ということになる。また、上述したようにエンチャントの存在感が薄いセットであり、いつものようなアンタップを抑制するオーラは1枚もなく、辛うじてパワーを6下げる「巻き締め付け」があるのみ。青は除去がない、と認識しておこう。その他、青のお家芸を確認していくと、カウンター呪文は3マナで4マナ追加を要求する「呪文萎れ」が一線級。残りは「払拭」だけなので、カウンターも一種類だけと見ていいか。アンコモンまでいくと2マナでクリーチャーを打ち消せる「手酷い失敗」が登場する。バウンスについても枚数は極端に少なく、あるのは1マナソーサリーの「掴み掛かる水流」のみ。あとは昇華者コストを払って4マナエルドラージの「霞の徘徊者」に頼むしかない。いわゆる「氷漬け」呪文も1マナソーサリーの「氷の猛進」。今回の青、インスタントタイミングでほとんど動けない気がする。また、ドロー呪文もアンコモンに4マナで2枚引く「沿岸の発見」があるが、コモンだと収斂しないと手札が増えない「輝く光波」があるのみ。手札を増やすのも楽ではない。今回の青は守ったりさばいたりする色ではなく、積極的にクリーチャーを出していくことが求められる色であると認識しておこう。
<黒の概要> こちらもエルドラージの中心色ではあるが、同盟者の数もコモン3,アンコ3と意外に多い(白についで2番目の数)。結集クリーチャーは少ないが、頭数を確保する場合には一応カウント出来るか。そして黒といえば何と言っても除去だろう。黒除去のラインナップは以下の通り。 「骨の粉砕」 1マナソーサリー 生け贄コストが必要 「完全無視」 3マナインスタント パワー3以下を破壊 「悪魔の掌握」 5マナソーサリー −5修正 汎用性の高かった白除去に比べて、「骨の粉砕」以外は微妙なパフォーマンス。デカブツが出てきてしまうと対処に苦慮する場面も多そう。どれだけ「骨の粉砕」が重要かは分かってもらえるだろうか。また、アンコモンまで枠を広げても、既存のセットにおける「究極の価格」みたいな手堅い除去はなく、せいぜい6マナの「荒廃の一摑み」がある程度。「黒だから除去れる」という認識は改めた方が良い。さらにハンデスについても、コモンだと4マナで2枚捨てさせる「ぬかるみの敵意」があるだけなので、大した期待は持てない。むしろ「祭壇の刈り取り」が手軽に使えるドロー能力の方が高いくらいかも。もちろん、スペルで不自由している分、低マナ域クリーチャーの頭数は多いので、青同様、殺すとかごまかす方向でなく、並べて殴る方向で。
<赤の概要> 赤は同盟者の数は黒とほぼ一緒で、結集持ちもそこそこいるので白と同様に同盟者の中心になる色。しかし、それと同時にエルドラージクリーチャーもそこそこいるため、どちらの側につくのかを決めるのがなかなか難しい。あまり陣営にこだわらず、どの程度のスピードを求めているか、だけでカード選択してしまうのが正解なのかも。 今回の赤に与えられたコモン火力は以下の通り。 「多勢」 1マナインスタント 自軍クリーチャー分だけダメージ 「沸き立つ大地」 2マナソーサリー 全体に1点。 「虚空の接触」 3マナソーサリー 3点。プレイヤーにも届く。 「石の怒り」 5マナインスタント 土地の数だけダメージ。 マナ域がばらけていて、単体のスペックもそこそこだが、どうしてもサイズの大きいゲームになると対処しきれないのは赤なのでしょうがない。そう考えると白以上に時間をかけたくない色といえるかも。なお、上述の通りに今回の赤にはアーティファクトを破壊する手段は1枚も用意されていない。まぁ、アーティファクト自体が少ないので大丈夫だとは思うが……。
<緑の概要> 意外にも緑には同盟者がそこまで多くない。しかし、だからといってエルドラージクリーチャーもそんなに多くはない。その代わり、末裔トークンへのアクセス手段が他の色に比べて圧倒的に多く、ついでに上陸を持つ中立のクリーチャーもやたら多い。エルドラージ絡みならばトークン、それ以外なら上陸を中心にデッキメイクするのがいいということだろうか。 緑に必須の要素といえばマナソースだが、今回コモンで用意されたマナクリーチャーは3マナの「命湧きのドルイド」のみ。序盤からの加速は狙えない。その代わり、呪文ではインスタント版「不屈の自然」である「自然の繋がり」と、クリーチャーを増強しながらどさくさに紛れて土地を置ける「成長のうねり」がある。特に上陸クリーチャーで固めた時の「成長のうねり」はトリックとしてかなり高得点にもなるので、緑のマナ生産効率はやはり馬鹿に出来ない。ただ、やはり除去と呼べるカードは乏しく、格闘呪文は「異常な攻撃性」(3マナ格闘インスタント)1枚のみ。そして一番気になるのは飛行対策。「垂直落下」が1枚あるものの、到達持ちのクリーチャーは「大カマキリ」1体だけ。アンコモンまで手を広げても他に空に触れるカードは一切無いので、今回はかなりガラガラ。何としてもその部分のケアだけはしておきたい。
続いて、各色の組み合わせに与えられた特性を見ていく。ただし、注意が必要なのは、ここ最近「オリジン」や「モダマス」で採用されていたような強力なアーキタイプ環境ではないということ。一応、各色の組み合わせについて10のデザインが示唆されてはいるものの、それらはカード枚数にしても効果にしても、比較的緩やかなまとまりである。例えばオリジンのときみたいに「がちがちのアーティファクトデッキを組むんや〜〜」とか思っても、デッキ全部を関連カードで埋めるなんて夢のまた夢。あくまで、その色の組み合わせだと「比較的多く集まるかもしれないカード」のガイドライン程度に留め、その場に合わせた柔軟なカード選択が求められる。
<白青> 飛行ビート それぞれの色に与えられたコンセプトを調べるには、多色のアンコモンやレアを見るのが手っ取り早い。白青のアンコモンは「乱動の噴出」。正直、何かアーキタイプを規定するようなカードではない。ちなみに、一応の正解は「覚醒呪文」である。白と青は他の3色よりも(ちょっとだけ)覚醒呪文の数が多く、コモン、アンコを合わせて3枚ずつ存在している。また、青には「ハリマーの潮呼び」という覚醒を強くプッシュするクリーチャーもおり、覚醒を集めることを勧めて……いるのかなぁ。だって、覚醒呪文って別にシナジーがあるわけじゃないから、たくさん集めて嬉しいってもんでもないし。っつうか、コモンだけで見たらせいぜい3種類しかないから、多分集まらないし。おそらく、白青に本当に求められているアーキタイプは、いつも通りに「飛行ビート」である。その証拠に、この世界のコモンのフライヤーを全部列挙するとこのようになる。 白 1マナ1/1 3マナ2/2 4マナ2/3 5マナ3/3警戒 青 2マナ1/2 3マナ2/1 4マナ3/2 6マナ3/4上陸 黒 4マナ0/4 赤・緑 0枚
ね、どう考えても白青の独壇場。飛行が苦手な緑は上述の通りに飛行対策が乏しく、到達持ちは2/4の「大カマキリ」1体だけ。これだけの数の青白飛行軍団を止められるんだろうか? 無理な気がするなぁ。
<青黒> 嚥下&昇華 青黒のアンコモンは「ウラモグの失脚させるもの」。ここから導き出される青黒のエルドラージ軍団に与えられた特性は、追放領域の有効利用。全ての色でアンコモンまで含めると昇華者は11体存在しているが、うち6体が青黒だ(残りは2体が無色、赤、緑、黒緑のアンコに1体ずつ)。嚥下や追放能力についても、コモンだけでも青に3枚、黒に4枚。他の色よりもかなり多く配置されている。コモンで利用出来る昇華者は青にバウンスとルーターがおり、黒にはハンデス。どれもリミテッドで地味に有利を重ねていく重要な役割を果たす。黒青メインの場合嚥下クリーチャーの点数が上がるということは覚えておくべきだろう。
<黒赤> 無色ビート 黒赤のアンコは「殺戮の先陣」。単純に「前のめりな無色クリーチャー」というくくりでもあるが、それ以外にも、黒には「無色のパーマネントをコントロールしていたらボーナス」というカードが多く、赤には「無色呪文を唱えたらボーナス」というカードがコモンレベルでも存在している。これはつまり、とにかく欠色カードを並べろ、ということであり、それすなわちさっさと並べて殴りきれということ。前のめりで打撃力の高いカードも多く、ラクドスカラーは明らかにビートに寄せろという構成。ただ、とにかく削れればいいのだから、繰り返すように「無色ビート」にこだわる必要はない。とにかくパッと見に「速そう」と思えるカードなら、別に色があろうがなかろうが使ってしまえばいいと言うこと。あくまで無色ボーナスはアクセント程度に覚えておけば問題なさそう。
<赤緑> 上陸&ランプ 赤緑のアンコは「林の喧騒者」。地味なのでピンと来ないが、赤緑で推されているギミックは上陸だ。その証拠に、他の色はコモン・アンコモンに1枚ずつしかなかった上陸カードが、赤と緑はトータル6枚ずつ配置されている。「発動者」サイクルが入っていてマナを伸ばすことが求められているのも特徴的。ただ、土地を置くことには特別な工夫はいらないし、上陸クリーチャーが集まったからといって何か劇的なシナジーがあるわけでもないので、「出来るだけ土地を置き続ける」ということを意識したビッグマナのデザインを目指してしまえばそれで充分かもしれない。最終的なゴールをエルドラージにするのかどうか、そのあたりもその日のカードプールで分岐する選択肢だろう。
<緑白> 横に並べる同盟者 緑白のアンコは「林番のドルイド」。同盟者であり、なんでもいいから数を増やせという方向性。緑はとにかく末裔トークンがいっぱい出るのが特徴で、さらにコモンの同盟者が全軍に+1の「タジュールの獣使い」。分かりやすい方向性。白にも「鼓舞する突撃」のような全軍増強が数枚あり、いつの時代もセレズニアはトークンとともにあるのである。また、末裔トークンの生産効率次第ではそのままデカブツエルドラージに接続する選択肢も当然みておく必要があるだろう。
<白黒> ライフゲイン(同盟者) 白黒のアンコは「ドラーナの使者」。毎ターン自動でライフを供給してくれるお利口さん。そして、ギミックの中でも割とあからさまなライフゲイン支援は非常に分かりやすい。配置は黒に4枚、白に1枚だが、ライフゲイン出来るカードの方は白、黒ともに4枚(ただし、黒はアンコモンが多い)。基本のデザインとしては、黒のライフゲイン誘発能力者を集めてから、白に流してライフゲイン呪文を確保していく流れだろうか。ライフゲインの部分はアンコまでを視野に入れれば緑で補うことも不可能ではない。同盟者ギミックを使うかどうかはその場のカード次第、「カラストリアの癒し手」の枚数次第か。
<黒緑> トークン&生け贄 黒緑のアンコは「地下墓地の選別者」。いつも通りのゴルガリギミックだ。黒と緑のアンコに両方とも「自軍クリーチャーが死んだらボーナス」のクリーチャーが収録されているほか、黒には「祭壇の刈り取り」「骨の粉砕」と基本レベルで生け贄を求める強カードが多い。そのあたりを中心に消耗戦を狙う……まぁ、いつもの黒緑だよ。トークンは他のギミックに流しやすいので骨子が強いことは、モダマスドラフトで証明済み。
<緑青> 収斂……(デカブツエルドラージ) 緑青のアンコは「空乗りのエルフ」で、セット全体でフォローされてるのは一応収斂ギミック。他の色にはほとんど無いのに、青はコモンに2枚、緑はアンコまでで2枚の収斂呪文が用意されている。ただ、個別のカード評でも触れているが、青の収斂呪文は別に積極的に使いたいほど強いわけじゃない(緑は強い)。このモードの場合、レア以上で出る他の色の収斂呪文を受け入れるか、色を広げて開き直り、他の色の強いカードも片っ端から集めてしまうことで成立する。もちろん、緑のマナサポートは必須である。正直、収斂がギミックとしてデッキを成立させうる気がしないので……緑と青の共通特性は末裔トークンが量産出来ること。いっそそこをフィーチャーして数に頼ってしまうのがいい気がするんだけどね。一番エルドラージに接続しやすいのがここなので、デカブツに絞るデザインもありか。
<青赤> 無色呪文 青赤は黒赤との差別化が図りにくいが、一応の特性として「非クリーチャー部分も含めた無色呪文」をフォローしているのが青赤。その証拠に与えられたアンコは「コジレックの伝令」だ。赤には「無色呪文を唱えた時」ボーナスがあることは上述の通りで、青と組むことでクリーチャーでない呪文にもカウンターなんかの選択肢が加わる。でもまぁ、それってぶっちゃけ青じゃなくて黒と協力しても一緒なんだけども……まぁ、青の方がクリーチャー数が多いので、恒常的に呪文を唱え続けやすい、っていうセッティングにはなっているかも。
<赤白> 同盟者ビート 赤白のアンコは「毅然たる刃の達人」。つまり、同盟者で殴り勝て、である。やってることは白緑とかと大して変わらない気もするが、赤白の場合は横に広げることで得られるプラスが少ない。相手のブロックを抑制する効果が多いので、序盤の数体だけで殴り切ってしまおう、というのがボロス流。その際には、同盟者であるかどうかは関係無しに、白のフライヤーや赤の上陸ヒッターあたりも重要な選択肢になる。まぁ、一言でまとめれば「いつものボロス」。
以上が、このセットをざっくりと分割した時に見えてくる色の姿である。もちろん、リミテッドとは言ってもこれにレアなんかが加わってくるし、他人との棲み分けを考えたらなかなか理想のデッキにはならないだろうが、ピックの際の参考になるかもしれない。もちろん、2色にこだわる必要は特に無く、例えば緑でひたすら末裔トークンが出まくるようなら、「緑単エルドラージ」だって充分成立するだろう。これまでのような「決まった形」が出来上がるまでには、しばらく時間がかかりそうである。
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